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《ネタバレ》 “Dead Poets Society”『死んだ詩人たち結社=死せる詩人の会』。劇中に出てくる古典的な詩人の作品を朗読するサークルの名称。邦題はキーティングのセリフで、詩人ホラティウスの句“カルペ・ディエム=その日を摘め=いまを生きろ”から。ほおぉ~~。感動的な邦題を適当に付けたわけじゃないんですねぇ。
本作が'89年公開で、舞台は'59年だから30年前。アメリカの話だけど、全寮制の学校には行ってないけど、どこか学生時代を懐かしむことが出来ました。当時の私はきっともっと、流行りものや恋愛、趣味の世界に興味津々だったハズだし、実際そうだったんだけど、学校の生活やクラスメートから受けた影響、心の奥に残る教師の教えなんかもあって。そういった、今じゃ普段考えることも少なくなっていることが、ワサワサっと呼び起こされた気分でした。呼び起こすトリガーが、映画の合間合間に出てくる学校の風景、学生時代に観える風景の美しさでしょうね。 息子の将来の安泰のために、進むべき道をすべて決める。息子を医師にする。結論から入るその考え方こそ『完成度と重要性から導かれる面積の大きさ=その作品の評価』というプリチャード博士の考えを逆算したものと言えるでしょう。父にとってはニールの個の人格より、息子とは自分の所有物であり将来の自分のステータスである。という考えを変える事ができなかった。 キーティングは「プリチャードを破り捨てろ」と。「カルペ・ディエム」と。「父親を説得しろ」と。 だけどニールはまだ子供で、父にもキーティングにも嘘をついて演劇を続けるしか無かった。その結果の悲劇。 最後に父親がニールの演劇の才能を認めたりなんて無いし、キーティングを見送る際は全員が立ち上がる訳では無い。 この映画は、観るものにそんな共感の強制や、新鮮な感動を押し売りしたいのではなく、学校を出て社会に入っていった大人たちが、改めて学生時代を振り返り、当時の自分だったらどうだったかを考える。そんな作品なんだろうなと、思いました。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-07-20 22:34:34)
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