| 作品情報
レビュー情報
12世紀をモデルにしているため、「民主主義を勝ち取るための戦い」というニュアンスはない。にも拘らず、この作品では、「戦いは、あくまでスコットランドの自由を勝ち取るため」だ、と少々強引で無理のある台詞だけが先行してしまい、結局のところ英雄的主人公が行っていることは、戦いと言う名を借りた”殺人”なのではないだろうか?地元の貴族たちに裏切られ、最後は処刑される主人公「ウィリアム」。しかし何度も危険に会いながらも、この主人公も周りの男たち、そして皇太子妃においても、その悪玉を一思いで殺せるところまで行きながらその機を逃している。また王をはじめとする悪玉たちも、「ウォレス」を始め反乱軍の首謀者が目の前にいるにも拘らず、みすみす見逃してしまう。それは何か企みがある訳ではない。最近のハリウッド映画になくてはならない、緊迫感、スリルが欠けていたように感じた。それが戦闘シーンについても、殺すか殺されるかの、ただの殺し合いにしか映らない。この作品には、優れた映像のリアリティさがある。しかし、この”映像美”が無ければ、ただの、それこそ「戦争ゴッコ」に終わっていたのかもしれない。
【☆】さん 8点(2001-02-05 06:19:41)(良:1票)
☆ さんの 最近のクチコミ・感想
|