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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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1.  シッコ 《ネタバレ》 
マイケル・ムーアの最高傑作として評価の高い作品。  とりあえずDVDで笑顔を見せるムーアを殴りたくなったのは俺だけ? 初っ端からブッシュの演説、脚の怪我をみずから治療医療保険を持つことができない人々の現状、指を失った者の選択、たらい回しにされる両親 、子供はただ泣くしかない、これみよがしに悲しそうな子供の顔を見せつけること。  老骨に鞭打つ仕事人、酷い理由で保険が下りない人々、赤い丸やラインを引き強調、著名なwwwww映画作家wwwww、一般人や保険会社、刺客、医師といった人間にもインタビュー。 リストを「スターウォーズ」のパロディで映すのに爆笑。  保険に入れた人々は幸せ…なんて思っていた時が私にもありました、、何故チャップリンのマッサージ、人種差別問題にも踏み込んでいく、過去を示すザラザラのフィルム、写真 、ホワイトハウス、椅子で足を組む男、ニクソン、クリントン、、赤狩り、ジョン・ベルーシ?、政治家どもの茶番、人を診るのに嘘を糞のように垂れ流し、主義もクソもあるものか!  ムーアの評価:カナダ最高 ま た カ ナ ダ か  もう結婚しろよおまえら、トミー・ダグラス、ソ連のプロパガンダ映画、労働、アメリカに当てはめる歌、ムーアは偏見に満ちたアメリカ人となってインタビューしまくる。 戦争を潜り抜けたイギリスだからこそ、イギリスを戦勝国呼ばわりするのは大間違いだ。 広大な植民地を失い、街も焼野原、チャーチルはボケナス、フランスは革命の国、薬のCM、奴隷のように、テロリストになぜ医療を、その癖イラクは空爆、直訴するための船出。 キューバ「訴訟も辞さない」 カストロ「誠に遺憾である」 治療を受ける人々、自分のアンチサイトまで取り上げるからこそムーアは強いのだと思う。そんな自分を楽しんでさえいるのだろう。  最後は命の洗濯を頼みに今日もムーアは歩き続ける。
[DVD(字幕)] 8点(2016-08-26 06:54:01)
2.  新米雑役夫 《ネタバレ》 
「新米雑役夫(新米用務員)」。 掃除を頼まれ箒を持ってエレベーターに乗ろうとするが、先に行かれてしまいしかたなく階段をトボトボと上る。 ゴミ箱をひっくり返して散らかしてしまったり、落ちた本をゴミと間違えて入れてしまったり。 箒で尻を撫でる電話交換手への新手のセクハラ、窓に座ろうとしてあやうく落ちかける、窓の下に広がる高さ、上から降りてくる窓に落とされかける。 雑巾を絞れば女性にかかり、バケツを落とせばおっさんにぶっかかる。怒りにきたおっさんの剣幕にモップでコケる、バケツで転ぶ。  人がいない間に金庫の書類を探す、閉められたカーテン、物陰で現場を目撃してしまう、口を封じようと襲いかかる、抜かれる拳銃。 ふいに部屋に入ってきてケツを蹴り、杖で銃を払い、股の下から銃をつきつける!発砲した弾丸が下の警官に知らせる。珍しく?綺麗な終わり方。
[DVD(字幕)] 8点(2015-07-14 13:28:30)
3.  蒸気船ウィリー 《ネタバレ》 
子供の頃、ミッキーのビデオで見て以来。 黒い煙を噴き上げる蒸気船。口笛をふきながら舵を切るミッキー、伸びる胴体、五月蠅いオウムにバケツごと水をぶっかける。 細い牛にデカいベルト、それを草を食わせて太らせる。乗船し遅れた乗客をパンツごと引き上げる。楽譜とギターはヤギに食わせる餌。音だけが残る。 楽器になるyアギ、ありとあらゆる物が楽器と化す楽しさ。猫やガチョウ?、子豚、豚、牛の歯すら楽器に。 俺が見たビデオ版(Disney ミッキーマウス/ブラック&ホワイト特別保存版)には豚の母親が仰向けになってアコーディオンのようにされるシーンはカットされていたかも知れない。 硬そうなチョコ?ガム? ハメを外しすぎた罰に、芋の皮むき。五月蠅いオウムは再び叩き落される。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2015-06-10 18:25:00)
4.  シャイニング(1980) 《ネタバレ》 
この映画はホラーというよりは人間の潜在的な暴力性が時限爆弾のように炸裂する犯罪映画の一つ。 美しい空撮の冒頭、映像の美しさとベルリオーズの「幻想交響曲(断頭台への行進)」の重苦しい戦慄のギャップ。これから起こる惨劇を予期しているかのように鳴り響く。 血が濁流となって噴出すエレベーター、時折現れる双子の姉妹。断片的に流れる映像によって過去の惨劇が少しずつ語られる。 子供はおもちゃの車を突き動かしてホテルを駆け回る。その移動撮影の優美さは何なのだろう。 とにかくありとあらゆるものが緊張を異様に高める。日曜日が月曜日に変わるだけで恐怖。 ホテルの閉鎖的空間。先住民族の墓地に建てられたホテル、霊感のある子供とホテルの料理人、過去の惨劇。何百年と蓄積された残留思念。今まで良き父親であろうとした人間の抑圧された本性。 「私は大丈夫」と言っている人間ほど二の舞になりやすい。アル中から回復しかけでこんな仕事だ。 「どんな仕事でも良いから家族を養わなければならず仕事を選べない」という建前が余計に父親を苦しめる。冬にしては吐く息が白くならないのも気になる。この冬という空間すら彼らが見ている幻想だというのか。 仕事が進まない苛立ちでボールをブン投げて笑う狂気の姿、迷路で戯れる親子の姿を上から映す父親の視点。 妻と子供にはたっぷりある時間でも、仕事が進展しない父親にとっては余裕が無いのだろう。 父親は次第にバーにいる筈もない人々(幻想)や前の管理人と語り始める。そりゃあ美女かと思った瞬間にBBAに切り替わったら誰だって叫びたくなるわ。 前の管理人は狂いはじめた父親に「矯正」の話をする。それを聞いて「仕事」だと語りはじめる父親が恐ろしい。 ポパイのオリーブみたいな奥さん。髪を結んだ奥さんがちょっと可愛い。でも実は父親よりも奥さんの方が狂ってたりすんだぜ? 夫の潜在的な暴力に恐怖を感じはじめ、たまに大丈夫そうな父親との対比が強烈。どっちも狂ってる。奥さんですら無人の筈のホテルの住人を見始めるのだから。父の次は奥さんが子供を・・・何て事も考えてしまう。 迷路における追走劇。距離がハッキリしないのが良い。まだ大丈夫?それともすぐソバまで来てる?というこの“ハッキリ”しない混乱こそこの映画のミソ。謎が残るからこそ面白い。まるで猛吹雪の中で道に迷って死ぬようにも見える。
[DVD(字幕)] 9点(2015-03-03 06:32:42)
5.  ジュリア 《ネタバレ》 
フレッド・ジンネマンは苦手だけど「ジュリア」は凄く良い映画だと思う。 最初は執筆の日々に追われる日常を描いた恋愛映画でもあるし、後半はジンネマンらしいサスペンスフルな緊張が奔る。 特に列車内のシークエンスでジリジリと張り詰める緊張、ベルリンの食堂で再会する場面の鮮烈さ。彼女が乗る前に慌てて転ぶ瞬間からその緊張は始まる。煙草の煙にむせ、隣で音が聞こえる度にビクビクしてしまう様子。 ジンネマンの映画は常に孤独との戦い・恐怖・怒り。 それを劇中にぶちまけるリリアン・ヘルマン(ジェーン・フォンダ)の強烈さ! ウィリアム・ワイラーの作品に多数参加した事でも知られるリリアン。その容赦の無いシナリオには戦慄を覚えるほど唸るものが多い。特に「偽りの花園」は凄えぜ。 劇中でも煙草プカプカやりながらタイプライターを叩いて叩いて叩き、ゴミ箱を蹴るわタイプライターをムシャクシャして窓からぶん投げるわ、サンドをムシャムシャ食うわ、野郎にビンタを浴びせるわと絶えず何かにイライラしている。 そんな女を優しく受け止めるダシール・ハメット(ジェイソン・ロバーツ)の存在も忘れられない。闇夜を静かに照らすように燃える焚き火、波の音、くゆらせた煙草の煙のように流し、なだめる。 そしてリリアンと深い友情を結んだジュリア。 映画では回想を含めミステリアスな存在で短い時間の登場だったが、実際は友情以上の感情も抱いた仲だっただろう。食事の後に仲良く踊ったり、ベッドで語らい合った以上の関係に。 リリアンにとってジュリアは古くからの友人であり、尊敬すべき師であり、女として愛してしまった掛け替えの無い女性でもある。 女たちは既に語り終えている。それを観客の前でグダグダやらずに、表情だけでその“時間”を感じさせてくれるのだ。役者陣の演技の素晴らしさもこの作品をより際立たせる。 ジュリア(ヴァネッサ・レッドグレイブ)といいリリアンといい、戦う女は何時の時代も美しい。 彼女たちは独りで戦うが、心の中には常に友の存在があった...たとえ死によって二人が永遠に別れようと、回想を通じて心の中に生きつづける友の魂は次の世代にも受け継がれていく。 「地上より永遠に」とはまた違った戦争の描き方。あの映画は波打ち際で抱き合う恋人たちの姿が忘れられないが、この作品も湖上のボートから見る曇り空がラストには美しい夕焼けとなって映る。
[DVD(字幕)] 8点(2015-02-27 15:52:21)
6.  シェナンドー河 《ネタバレ》 
アンドリュー・V・マクラグレンの最高傑作はコレでしょう。  西部劇としても戦争映画としても見れる本作は、奴隷制とは無縁の家族が南北戦争に巻き込まれていく悲劇を描く。 悲壮なドラマがアクションを盛り上げ、また凄惨なアクションがドラマを最高潮に盛り上げてくれる。 前半のコメディタッチのやり取りと亡き妻に語りかけるスチュワートの温度差、戦争が始まり一変する空気、終盤も戦争の虚しさを見せ付けられるシーンばかり。 あんなにも悲壮な表情を見せたジェームズ・ステュアートは見た事がない。   後半の展開はちょっと雑な気もするが、マクラグレンとしてはコレ以上にない作品。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-18 19:40:28)
7.  地獄の黙示録 《ネタバレ》 
再見。 この映画を「ヴェトナム戦争」を描いたものと見るか、「カーツ大佐抹殺」の物語として見るかで受け取り方はまったく違うものになるだろう。  ウィラードの下に付いた部下(と俺ら視聴者)たちはヴェトナムの惨々たる光景を眼に焼き付け、何度も似たような光景を見て慣れきったウィラードにはヴェトナムの狂気や惨禍など気にしている余裕はない。  本作はコッポラの映画の中で最も退屈な映画であり、最も地獄のような映像が続く映画なのだから。だがこの作品はワルキューレ騎行とともにヘリが村を焼き払うシーン、そしてマーロン・ブランドの人殺しまくってるような強烈な演技を見るだけでも価値がある。  冒頭からこの映画はヘリ、ヘリ、ヘリが飛び交い火炎を吹きまくる。 うっそうとした森を横切るヘリ、不気味なローターの金切音、森は猛烈な煙とともに爆炎に包まれる。軽快な音楽とともに、まるで楽しむように森に火を投げ込むのだ。  そこから男の回想が始まる。脳裏にこびりつくベトナムでの地獄。写真の女性は妻だろうか?煙草、酒、枕には護身用の銃。 シーリングファンが連想させるヘリ。パンツ一丁で酒をあおり、踊り狂い、ガラスにぶつかって血を流す。  そんな男に依頼される裏切り者の抹殺。酔いつぶれた男に、雨のようなシャワーを浴びせて目を覚まさせる。  劇中最大の見せ場である「ワルキューレ騎行」の場面。 サーフィンをするために敵を村ごと吹き飛ばすシーンは強烈だ。爽快感と人間の狂気をいっぺんに見せ付けられる。どうしてキルゴア大佐が主人公じゃねえんだっ!!!!!  その後の完全版における狂気100%な場面の連続も凄まじすぎてドン引き。 プレイメイトたちとの乱痴気騒ぎ、船で密林をひたすら進み続ける疲労感、捕虜たちに下す残酷な決断、無秩序状態の兵士たちが繰り広げる地獄の光景。 リボンて…考えただけでもゾッとする。女の方が痛いんだぜ。  カーツ王国ワールドは凄すぎ。何千人も人殺してそうな凄みを感じさせるマーロン・ブランドの存在感。怖ええよ。 煙が渦巻く魔窟、祭りに興じる人々、暗闇の中から問いかけを繰り返すカーツ。 主人公「うるせーよカンペ読みのファ●キンブタ野郎、台本必死に覚えてる俺たちの苦労を知りやがれ!」  軍人として任務を遂行する!泥の河が、建物の暗闇が主人公の姿を包み隠す。雷鳴の閃光、牛を鉈で屠殺するように、返り血を浴びて。残された書類、集まる群衆を睨み付け去っていく。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-15 21:41:30)
8.  地獄の黙示録 特別完全版 《ネタバレ》 
再見。 この映画を「ヴェトナム戦争」を描いたものと見るか、「カーツ大佐抹殺」の物語として見るかで受け取り方はまったく違うものになるだろう。  ウィラードの下に付いた部下(と俺ら視聴者)たちはヴェトナムの惨々たる光景を眼に焼き付け、何度も似たような光景を見て慣れきったウィラードにはヴェトナムの狂気や惨禍など気にしている余裕はない。  ワルキューレ騎行とともにヘリが村を焼き払うシーンのスペクタクルと残虐さ、そしてマーロン・ブランドの人殺しまくってるような強烈な演技を見るだけでも価値がある。  冒頭からこの映画はヘリ、ヘリ、ヘリが飛び交い火炎を吹きまくる。 うっそうとした森を横切るヘリ、不気味なローターの金切音、森は猛烈な煙とともに爆炎に包まれる。軽快な音楽とともに、まるで楽しむように森に火を投げ込むのだ。  そこから男の回想が始まる。脳裏にこびりつくベトナムでの地獄。写真の女性は妻だろうか?煙草、酒、枕には護身用の銃。 シーリングファンが連想させるヘリ。パンツ一丁で酒をあおり、踊り狂い、ガラスにぶつかって血を流す。  そんな男に依頼される裏切り者の抹殺。酔いつぶれた男に、雨のようなシャワーを浴びせて目を覚まさせる。  劇中最大の見せ場である「ワルキューレ騎行」の場面。 サーフィンをするために敵を村ごと吹き飛ばすシーンは強烈だ。爽快感と人間の狂気をいっぺんに見せ付けられる。どうしてキルゴア大佐が主人公じゃねえんだっ!!!!!  その後の完全版における狂気100%な場面の連続も凄まじすぎてドン引き。 プレイメイトたちとの乱痴気騒ぎ、船で密林をひたすら進み続ける疲労感、捕虜たちに下す残酷な決断、無秩序状態の兵士たちが繰り広げる地獄の光景。 リボンて…考えただけでもゾッとする。女の方が痛いんだぜ。  カーツ王国ワールドは凄すぎ。何千人も人殺してそうな凄みを感じさせるマーロン・ブランドの存在感。怖ええよ。 煙が渦巻く魔窟、祭りに興じる人々、暗闇の中から問いかけを繰り返すカーツ。  軍人として任務を遂行する!泥の河が、建物の暗闇が主人公の姿を包み隠す。雷鳴の閃光、牛を鉈で屠殺するように、返り血を浴びて。残された書類、集まる群衆を睨み付け去っていく。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-15 21:36:46)
9.  史上最大の作戦 《ネタバレ》 
ダリル・F・ザナック総指揮の元、複数の監督による「ノルマンディー」を描いた大作。  ドイツと連合軍両方の視点で描いていく点が面白い。  最初1時間は淡々としたドラマが続くが、残りノルマンディー上陸の前哨戦をたっぷり描く。  「合図の音」が生む悲劇、暗闇ですれ違う敵軍、落下傘部隊の顛末、激しい銃撃戦は中々楽しめる。  豪華なキャストの共演も魅力的だが、戦争に振り回された男女のドラマも盛り沢山の映画だ。  ラストはちょっと「もっと見たい」という欲求不満になるのが残念。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-15 21:27:13)
10.  知りすぎていた男 《ネタバレ》 
ヒッチコック自身の1934年の「暗殺者の家」をリメイクした本作。 オープニングのシンバルの轟く音。 そこから既に事件は始まっていたのだ。 冒頭は「カサブランカ」を彷彿とさせる雰囲気だが、謎の男「ルイ・ベルナール」が事を起こしてから様相は一変する。 物語は典型的とも言える誘拐事件を扱った事件で、ヒッチコック映画のドス黒さも少ないが、誘拐に絡んだ陰謀とマッケナ夫妻の行動が二重に展開されるストーリーは中々楽しめる。 また犯人側の視点も少しずつ語られ、犯人と被害者の人間臭いドラマが描かれるサスペンスでもあるのだ。 ホールでの一部始終は緊迫感があるね。解っていてもドキドキするよ。 ホールでも1件が済んだ後も、犯人との駆け引きは続く。 ジョーが唄う「ケ・セラ・セラ」の曲。 我が子を想う母親の母性愛。 それが息子に届くのか・・・? 肝心の黒幕が捕まらなかったり、ラストも唐突に幕を下ろす。 けれども最後まで目が離せないスリリングな映画。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-11 04:24:32)
11.  勝利への脱出 《ネタバレ》 
第二次大戦の捕虜収容所。 実際に起きたドイツ空軍vsディナモ・キエフ捕虜収容所の面々によるサッカー対決。 「親善試合」と銘打たれた試合の裏で、ドイツ軍のメンツ、連合軍捕虜たちのプライドをかけた熾烈な戦いが始まる。  命懸けの脱走、 レジスタンスとの協力、 情報収集、 そしてサッカーの特訓。 戦争映画としてもスポーツ映画としても楽しめる。  勝てば死、負ければ誇りを失う。 死ぬか生きるかに追い込まれるディナモ・キエフたち。 それでも彼らは戦いに身を投じる。 最後まで諦めずに。  クライマックス、民衆が作り出す選手たちを守る“河”!
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-08 22:13:40)
12.  シャーロック・ホームズ/シャドウ ゲーム 《ネタバレ》 
前作よりは躍進。 野性的なシャーロック・ホームズと新婚を丸ごと潰される可愛そうなワトソンのデコボココンビが駆け抜ける「シャドウ ゲーム」。  冒頭から元カノと接するようにアイリーンと再会&ヘビーな野郎共との殴り合い、石棺が頑丈で良かったねというギャグシーン、コサック兵との壮大な鬼ごっこが楽しい。  互いに二手、三手先の組合を“構築”してから一瞬の戦いを引き立てる演出も悪くない。  あんな冷たい水に思いっきり叩きこまれただけで心臓マヒを起こしそうだが、本作のメアリーはモースタン大佐譲りの武闘派?でタフで頭も中々キレて伊達に軍医の嫁じゃなかった。でもアイリーンや占い師と比べると余計に美人という顔はしていない。原作はワトソンが無条件降伏するほどの美人だったというのに・・・。  ラッセル・クロウが演技が物凄く上手いジョン・ウェイン(顔立ちと存在感が似ていると思っただけです)に見えてきた俺は末期かも知れない。兄貴も隠れ格闘キャラだったりして(「シンデレラマン」のボクサー)。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-07 14:58:32)
13.  ジュラシック・パーク 《ネタバレ》 
「ジョーズ」など自然の恐怖を得意とするスピルバーグ。 化石を発掘していく過程のほのぼのとした空気、島という密室で繰り広げられる緊張感。 アニマトロニクスもウィリス・オブライエンの「ロスト・ワールド」やレイ・ハリーハウゼンの「恐竜グワンジ」等を彷彿とさせるダイナミックさ!  恐竜そのものは今見るとそんな怖くないのだが、子供の頃は何度もトラウマになったものだ。  次々とTレックスの餌食となる人々、雨の中遅いかかる恐竜、足跡だけで物語られる戦慄、ちぎれた足、ジープでTレックスから逃げる時の恐怖、厨房でヴェロキラプトルとおにごっこ、草食恐竜のスケールのデカさ、アロサウルスに襲い掛かるT-レックスの描写がドラマチックだこと。  時速20キロも出ない筈の恐竜がジリジリ迫りくるスリルよ!
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-05 18:51:09)
14.  シザーハンズ 《ネタバレ》 
再見。 往年のサイレント映画やゴシックホラーの懐かしさもある、ティム・バートンなりの愛情が注がれた作品。  雪が降りしきるある夜、不気味な階段、鋏、得体の知れない機会が運動を繰り返す。 ビスケットのように型抜き、丘の上にそびえる古城、それを見つめる年老いた女性は、布団に入る孫娘に素敵な昔話を語り始める。  窓から過去へ、星のようにきらめく小さな町、それを見下ろす暗い城。 実にカラフルな色彩だこと、冴えないセールスマンの女性、包み隠す女性と解放的な女性たちとの対比。女性たちには解放的してくれるような男がいる。彼女にはまだそれがいない。  ふとミラーに映る新たな「商売相手」。虎穴に入らずんば虎児を得ず、仕事人としての性。 吸血鬼の城のように人々を寄せ付けないが、中に入ってみると可愛らしい庭園が拡がっていた。セールスマンから抵抗が薄らぐ。 こんな素敵な庭を作る人だ、きっと城の主も素敵な人なのだろう…ところが、城に入ってみると怪しげな機械が並び風穴のあいた天井のある空間。 セールスマンの心に渦巻く期待と不安、それを後押しするのは重そうに抱え込んだ商品を売るため。  物騒な手や服装とは裏腹に、何て悲しげな顔をする奴なのだろう、顔の傷とその表情が彼の過去を語る。 それを化粧品で優しく包み隠そうとする女心。そこには仕事人としてであり、母性をくすぐられてしまった一人の女性として、異性としてすでに惹かれていたのかも知れない。  瞬く間に町中に拡がる噂、指は串に、庭師に、美容院に。  押しかける女、女、女、男の群。飛び交う罵詈雑言と視線がシザーハンズの心に突き刺さる。 自分を変えてくれた恩人のために階段を駆け上る、それを引き裂く銃撃、瓦礫よりも重い人間からの一撃、抱きしめられないのなら、触れられないのなら、解り合えないのなら…。  唇だけが別れを惜しむように触れ合う。 冷たい鉄の塊は「手」として認識され、群衆を退かせる。  氷の彫刻が紡ぎだす雪、雪、雪の舞い。
[DVD(字幕)] 9点(2014-11-16 18:31:23)
15.  シンドラーのリスト 《ネタバレ》 
自身もユダヤ系アメリカ人であるスピルバーグは、約10年の構想を経てこの大作を撮りあげたという。 スピルバーグの映画で最も長く、最も見応えのある映画の一つだ。 ヤヌス・カミンスキーによる撮影は、カラーのパートにおいても“黒”のコントラストを失わない。 それは市川崑と宮川一夫の「おとうと」から続く“銀残し”にも精通する彼の実力が存分に発揮されているからだ。 冒頭と終盤を除いて白黒で撮られた映像。 まるでアラン・レネの「夜と霧」のようにドキュメンタリータッチでユダヤ人の悲劇を描く時もあれば、 バッハ(劇中の“モーツァルト”は間違い)の「イギリス組曲第二番のプレリュード」が虐殺と共に奏でられる胸糞の悪さと芸術的な興奮すら感じさせる“憎たらしい”場面もある。 バッハ好き発狂間違いなし。 序盤の「暗い日曜日」だって陰鬱さは無い。 朝セ●クス後のアーモン・ゲートのクソ野郎が事後処理とばかりに狙撃するシーンも最高に胸糞が悪い&悔しいけどそそられる。これほど美人のおっぱい見て素直に喜べない映画も無いよ。 居住区と元住居の対比、ありとあらゆる場所に隠す財産・人、それすら見つけ嬲り者にするナチスの黒い影。 不気味な鉄ヘルメットの行進は、虐殺を愉しむように、家畜を殺すように引き金を引くのだ。人を治すためでなく殺すために使う聴診器、閃光が語る虐殺・・・。 白黒の画面の中を駆け抜ける赤い服の少女。観客とシンドラーだけが、あの少女に気付く。 そんなドイツ兵も“ロシア戦線”は怖いらしい。冬将軍恐るべし。 列車のシーンは見る度に絶えず絶望感を拭えない。“手違い”でアウシュビッツに送られるシーンの恐怖といったら。 同胞の死体を火葬しなければならない苦しみは彼らにしか解らない。  蝋燭に火を灯す場面からはじまるこの映画は、次々とその灯火が消えていく。その灯火を拾い集め、最後まで絶やさなかったのがオスカー・シンドラーという男だった。 彼は安い賃金で働くユダヤ人を“労働力”として社員集めをし工場に迎え入れる。 飼い犬を可愛がるように接していたが、面倒見が良すぎるシンドラー社長はやがて同じ“仕事人”として、一人の人間として惚れ込んでしまう。自分の総てを犠牲にしてでも“仲間”たちを守りたいと思うようになる。仲間の名前は一時一句総て覚えている。 「私はドイツ人だ。それがどうした?」
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-09 20:18:24)(良:1票)
16.  シンデレラマン 《ネタバレ》 
実在したヘビー級ボクサー、ジェームス・J・ブラドックがどん底から再び蘇る姿を描いた伝記映画。  ロン・ハワードはどうしてこう伝記映画が面白いのだろうか。  題名とは対照的にシンデレラどころか落ちぶれた中年サラリーマンみたいな内容。 全盛期の華々しい試合場面から始まるファースト・シーン。 1920年代末期の狂騒的な空気、その後30年代の大恐慌の暗い空気。  一度の敗北で折れた魂、大恐慌の厳しい波が彼を窮地へと追い込む。 怪我に悩まされ選手生命もギリギリ、ライセンスを剥奪された事は幸か不幸か。  必死に金を稼ごうと仕事を探す日々。中には拳銃で「仕事をよこせ!」と行動するような人間も出てくる。 彼は仕事を求めて走る。ボロボロの肉体に鞭を打つが、仕事仲間や家族の存在が彼の心と身体を少しずつ回復していく。 酒にも煙草にも逃げなかった彼は立派だよ。 そもそもそんな金すら無いしね。  家族のためなら“負け戦”でも戦ってやらあ。たった1回のチャンスでも喰らい付く根性、ハングリーハート。 労働で“鍛え直した”ボディは伊達じゃない。 トレーナーも財産を削って彼を支え続けてくれた。  闘志は、蘇る・・・!  復活したブラドッグはオーナーの金儲けのための飼い犬(ブルドック)ではなくなった。 一人のファイターとしてどんな強敵にもブチ当たり、ブチのめす。 アバラが折れようとも闘志は二度と折れない。  殴られても歯を喰いしばって耐え、反撃に出るブラドックの姿には燃えるぜえ。ファイトシーンのこの熱さ!  ブラドッグの姿に会長の心にも変化が現れる。  実在のマックス・ベアは奥さんを罵るどころか殺してしまったボクサー(映画では何故かもう一人殺害)への贖罪の気持ちで溢れ、試合後に相手の健闘を讃える真面目なボクサーだったそうだ。  本編はDQN熊vs不良オヤジのクライマックス。  未公開シーンも必見です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-07 17:57:22)
17.  ジャージー・ボーイズ 《ネタバレ》 
再見。 最初この映画を見た時は「イーストウッドの新作だ!」というだけで熱狂的に迎え入れていたが、今見返すと今作と「アメリカン・スナイパー」ほど退屈なイーストウッドの映画もないだろう。 これ以前の作品群と比べると照明にしてもストーリーにしても、何か毒が足りない。闇の中をもがくような恐怖と面白味をそれほど感じられないのだ。 それでもところどころの演出は流石イーストウッドと言ったところか。   イーストウッドはこの作品以前にも「バード」や「ブロンコ・ビリー」「ピアノ・ブルース」といった音楽愛に溢れた作品を幾つか撮ってきた。  この「ジャージー・ボーイズ」もその一つになるだろう。 四季(フォー・シーズンズ)を通して彼等の生き様を謳い上げたミュージカルの舞台を、歌をエネルギーにして伸し上っていく伝記映画にしてしまった。  同じく四季を通して描かれた「アマルコルド」も、ミュージカルから愉快なコメディ映画になった事を思い出す人もいるのではないだろうか。  この映画も、喧嘩や暗闇は多いがそれを吹き払うように歌って歌いまくり、照明も街の灯も彼等を照らすように明るい。ボーリング場のネオンも彼らに素敵な名前を送るために輝く。  舞台と同じように一人一人、四季に応じて御丁寧に自己紹介。 喧嘩も徒手空拳もセッションのうち、彼らが歌うのは警官の注意を仲間に向けさせないため、気になる彼女を笑顔にするため、老夫婦の眼に涙を与えるため、娘を安心させるため、二人のカップルの情事を祝うため、仲間たちを、みんなに笑顔を届けるため。 それは小さなバーで一人、二人の観客のために歌っている時も、ステージの大観衆の前で歌っている時も変わらない。  何度もブタ箱にブチ込まれようがめげない、ギャングだろうが警官だろうが屈しない!  久々にイーストウッドの平和で心温まる映画を見たかも知れない。 なーに、せいぜいショーウィンドウに突っ込んだり車内で脳天ブチまけたり食器や書類をブン投げるだけさ。 ビルを下から上へ撮り、そこに集うライバルたちを強調して彼等と歌で競い合う・・・そんな事を期待して胸を膨らませた瞬間が俺にもありました。 おっぱいを強調したジェーン・ラッセルみたいな女とも 口 づ け 一 つ で結・婚・式!  ドッキリ大成功?よーしフザけんなブッ殺す。  イーストウッドも若返って一瞬だけ登場(「ローハイド」~)!
[DVD(字幕)] 8点(2014-10-07 05:28:03)
18.  死霊館 《ネタバレ》 
「SAW(ソウ)」はあまり好きじゃないけど、この「死霊館」は別格、もう大好きスンゲー面白い。 ブッチぎりでジェームズ・ワンの最高傑作っす。 悪魔祓い(エクソシスト)を題材にした作品といえばウィリアム・フリードキンの「エクソシスト」があるが、ワンのこの映画はそれを遥かに上品にして、本当に怖いほど面白くした傑作だ。 まず「資料館」を「死霊が巣喰う館」的な感じにかけた邦題が気に入った! アメリカの有名な超常現象研究家であるエド&ロレイン・ウォーレン夫妻が「実際に体験」したという出来事をベースに造り上げられた本作。 何処まで本当か解らないが、全編リアリティと緊張感のある演出が素晴らしい。 ファーストシーンの不気味な人形のクローズアップ、夫婦が怪奇現象を解決する場面から物語は始まる。 妻は霊感があり霊の姿がハッキリ見えるという。霊との戦いで命を削る妻、それを献身的に支える夫も様々な研究に通じる。 今回描かれるエピソードは、その中で最も凶悪な事件だったらしい。 郊外の古い館で起こる様々な怪奇現象、ポルターガイスト、徐々にエスカレートし命をおびやかす恐怖。 “警告”が“虐殺”になるまで恐怖をどんどん練り上げていく。 一斉に落ちる額と一瞬聞こえる子供の笑い声、閉じたり開いたりするドア、ドア、ドアの恐怖。 「ナウい」とか言っている場合じゃねえ。 「タンスにゴン」はちょっと可愛い。 目隠しのかくれんぼとかマジで怖ええよ。母親が階段から脚を滑らせて落ちんじゃないかと怖かったよ。 しかしホラー映画の階段て何でこんなに怖いのだろうか。 「疲れて初夜は無理?」 子供5人も生んどいてまだまだですか、凄い体力。そのパワーを利用されようとは恐ろしい。 UVライトが照らし出す足跡、“落ちる”瞬間は霊の仕業か単なる老朽化か解らない。 でもせめてマスクくらいしようぜ奥さん・・・。 ペンダントに触れただけでその家族にまで攻撃を加える怖さ。魔女怖すぎ。 ラストバトルもスリルの連続でメチャクチャ面白かった。最高。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-05 04:08:01)
19.  シックス・センス 《ネタバレ》 
すげえ・・・666だ・・・マジかよorz 五感で感じられない幽霊。 霊を感じるのは「第六感」なのか。 主人公は子供を更生させる事を仕事にする男。 どんな不安や悩みも一身に受け止め、付きっきりで相談に乗ってくれる。 だが仕事熱心なあまり、妻をあまり構ってられない悩みも抱えている。 ある事件を境にそんな妻の夫への態度は冷たくなってしまう。しかしそれは・・・おっと。 そんな主人公はある日、不思議な少年に出会う。 彼は「霊が見える」という。 霊の見えない他の子供からはイジメられ、霊の見えない母親は、そんな息子に不安を抱く。 現実にいる体の病気が原因でイジメられたり、家族から冷たくされる子供もいるが、霊が見えるというだけで体は健康だ。 それだけに母親は辛い思いをしていた。 そんな時に主人公とその子は出会った。 最初疑っていた主人公も、親身に聴く内に徐々に霊の存在を意識はじめる・・・。 事件も無事に解決し、母親とも打ち解ける事ができた子供。 だが、主人公に訪れる「真実」とは・・・? 度肝を抜くラストが衝撃的すぎる。 だってあのブルース・ウィリスがだぜ? ダイ・ハードのマクレーン刑事がだぜ? まさかあんな事になるなんて・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2014-09-14 15:46:17)
20.  ジャンゴ 繋がれざる者 《ネタバレ》 
「夕陽のガンマン」といったマカロニウエスタン、「ワイルドバンチ」といったアメリカン・ニューシネマが西部劇をブッ殺し、「許されざる者」がトドメをさしてくれて(褒め殺し)既に20年以上が過ぎ去った。  タランティーノによるこの「ジャンゴ」は古き良き西部劇を“死姦”するに足りえる傑作なのか。改めて再確認したいと思う。  傑作「イングロリアス・バスターズ」同様、冒頭からこの映画はブチかます! 前半60分のスピーディーなブッ殺しまくりは爽快だ。だが、後半80分は我慢の先の爆発を待つ内容となっている。  セルジオ・コルブッチの「ジャンゴ」を思い出すOP、居並ぶ漆黒の男たちが荒野を引き回される。OPが終わり、夕陽が沈むと共に復讐劇の幕が上がる。  「SCAR FACE(疵男)」ジャンゴの心に深々と刻まれた過去。奴隷として飼い殺しにされてきた、妻を奪われた。 彼に復讐の機会を与えるシュルツとの出会い。  奴隷主に巨大な“歯”を掲げて現れる一頭の馬車。薄暗い森の中、セリフによって緊張を高め、闇夜を照らす“一瞬”の破壊力! ハワード・ホークスの「赤い河」の、「リオ・ブラボー」における市街地での、セルジオ・レオーネの「続・夕陽のガンマン」における様々な一瞬がタランティーノの映画にも生きている。 ライフルは奴隷を連れまわすため、ランプを吊るすため、ジャンゴの顔を観客に映すため、仇を狙撃をするため。布を脱ぎ捨てるのは奴隷から“人間”になるために。  小高い丘からの視点でD.W.グリフィスの映画(「國民の創生」とか)を一瞬思い出した人もいるのではないだろうか。 町の人にはデリンジャーで“御挨拶”! 注いだビールの泡をヘラでカットし、師弟の関係を結ぶ乾杯。たった2人にビビッて重武装・多人数で取り囲む保安官たち。それを話し合いのみで切り抜けてしまう!タランティーノのセリフによる駆け引きも抜群。  思わぬところで出会う復讐の相手。歩みを速め、怒りをため、決闘に挑むような“宣戦布告”。動揺してもたつく相手の銃を踏み払い、ムチで滅多打ち!白いケシ畑を真っ赤に染める狙撃。  高らかなBGMと共に登場したKKKに爆笑、歯の“詰め物”には御用心、パニックを起こすのは頭をいぶり出して狙い撃つため。あれだけ殺っといて“無抵抗”を示されてもなあ…w こんな感じにシュルツたちはのらりくらりと逃げまくる。 鞍に刻まれる“D”の文字、新聞記事で文字の勉強、荒原、雪原、水面に見る幻、射撃訓練と寒さに慣れるための実戦、雪だるまと血だるま、親父が外道だと知らない子供が一番可哀想。  ここまでフルスピードで突き進んできたが、後半から登場する奴隷主カルヴィンとの闘いは長いしんどい辛かった。 暖炉の前で組み合うガチムチのオッサンたちの息苦しさが伝わってくるし、金槌を提供するシーンの戦慄、オマケにみんなオールバックでまぎらわしい。 そんな中でも存在感を発揮するディカプリオの演技の凄さ。流石に何回もクローズアップされるディカプリオの顔には笑ったが。 白人や同じ黒人からも白眼視される事に耐え、目の前でリンチされる同胞を助けられない事に耐え、サングラスの奥に復讐に燃える瞳を隠す。撃鉄と手が語る葛藤。 鉄の牢獄から出された者との思わぬ再会。失神するほどのショックと感動。タランティーノの映画でおっぱいを見れた事が嬉しいやら悲しいやら(おいコラ)。  豪勢な夕食シーンの何たる退屈さ。あのシーンの10分は絶対にいらない。 「イングロリアス・バスターズ」と違って、我慢ピラミッドを重ねるだけで終わるからタチが悪い。主にカルヴィンの脅しが(あの瞬間にだけ張り詰める緊張、頭蓋骨をノコで“剥がす”シーンの狂気)。  そのたまりにたまった鬱憤をシュルツが命がけで晴らしてくれます。密室での籠城戦とガンファイト!!敵の銃を奪って撃ちまくり、遺体は死後も“壁”としての役割を与えられる。  普通の映画ならここで終わるのだが、タランティーノの場合残り30分+してまで“二段構え”をブチかましたかったらしい。真の敵とのラストバトルを!  シュルツから受け継がれた交渉術、文字通りの大・爆・発! タランティーノwwwwあwwwんwwwたwwwっwwwてwww人wwwはwww  “処刑台”に向かう黒い影の不気味さ、女を迎えにきた影の安心感。この対比。 タバコは着火装置。カルヴィンが奴隷をいたぶるのに吸っていたタバコを、ジャンゴは裏切者を吹き飛ばすために使う。  結論:00年代の西部劇じゃ一番面白い(あとはケリー・ライヒャルトの「ミークズ・カットオフ」。「3時10分、決断の時」も好きだ)。
[DVD(字幕)] 9点(2014-08-15 16:57:27)
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