341. トランセンデンス(2014)
《ネタバレ》 エンターティメントの要素はかなり薄いが、題材が興味深い。人間の意識をコンピューターにアップロードすれば、AIの完成度にもよるだろうが、意識はずっと生き続けられるっていう問題提起は面白い。でも他のAI(医療技術のAI)ともやり取り可能になるのかな?アップロードしても24時間パソコン操作する人格があるっていうことでしかない気もするが・・。せっかくこんな面白い題材なんだから、死んだ人の意識がコンピューターに残ってる世界で、遺された人たちはどんな気持ちがするか、深く掘ってほしかった。スパイクジョーンズの「her」ならぬ「he」だね(笑)それにしてもモーガンフリーマンは科学ものによく似合うね。リュックベッソンの「ルーシー」もそうだけど・・。なんか知的な感じするもんね。 [DVD(字幕)] 6点(2016-07-30 16:50:21) |
342. プリティ・ウーマン
《ネタバレ》 楽しくってイイよね。ビジネスって人間社会あってのものなのに、ビジネスだけが先走って、すべてがビジネス優先。そんな世界に生きてるリチャードギアが、人間らしく生きていってる下町の娼婦の女性に、何が大切なのかを思い知らされるって話をお洒落に描いた娯楽作品。まぁちょっと昔の映画だから、今観ると、当たり前のことを言ってるんだけど、当時は中々インパクトがあったみたいですね。その監督、ゲイリーマーシャルも亡くなってしまった。娯楽作品を創る作家さんってあまり大きく報道されないけど、無くてはならない文化を支えてる人たち。レンタル屋のポップで亡くなったことを知った。 [ビデオ(字幕)] 6点(2016-07-24 14:42:57) |
343. ウェイバック -脱出6500km-
《ネタバレ》 やっぱり大陸の人間はでかいよね。アメリカ横断するよりも、はるかに長い距離、しかも寒暖の差が激しい、地球を縦断するんだから。実話ってとこがホントに・・。日本には日本の良さがある。大陸思考で張り合っても、勝てっこないよ。島国思考に突破口があるんじゃないかな。しみじみ大陸の人間のデカさを思い知らされた一本だった。こんな大味な作品の前に、ウンチク語ってもしょうがない気がするけど、「モスキートコースト」の監督だもん。やっぱこういう作品創ろうって思うはずだよ。ピーターウィアーは、文化の違いを描く映画を撮るうちに、やはり自分らアメリカの人間の文化は、デカいって思い至ったんじゃないかな。 [DVD(字幕)] 7点(2016-07-19 00:37:41) |
344. ドラゴン・タトゥーの女
《ネタバレ》 変態男にブチ切れて、パソコン・情報リテラシー・近代的な小道具・悪の世界などをフルに活用し、もう許せないものは許せない、そんな女性がドラゴンタトゥーの女だったんですね。007(?)すらも救ってしまうくらいのタフになってしまった女性。彼女は一体、この先どこに行くんだろう?しかしデビッドフュンチャーが描くと、推理モノ的一族の陰謀的設定も、聖書絡みの猟奇ものになっちゃうんだなぁ(泣) [DVD(字幕)] 7点(2016-07-17 16:37:33) |
345. ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声
《ネタバレ》 えぇ!?デブラウィンガー、出てました?イメージなかったなぁ。神より授かった男の子の美声。それは時期が過ぎれば、無くなってしまう。一瞬のきらめき。それを見事に舞台を作ってあげた、ダスティンホフマンなどの先生たち。キャシーベイツなんか、むしろ若い頃は、ボーイソプラノ歌ってそうな風貌だったのにねぇ。厳しい学校の教育は、後の彼らにパワーを与えることでしょう。清々しい娯楽作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2016-07-17 01:02:01) |
346. インサイド・ヘッド
《ネタバレ》 もう涙なくては観れんよね。だってそうでしょ。ヨロコビとカナシミが困っている時に助けてくれたのが、子どもの頃、一緒に遊んだ空想のキャラで、そのキャラが忘却の彼方に置いてかれることで、(まぁ結果的に)新しい土地での生活が始まるんだもん。もう泣いちゃって、泣いちゃって。次回の続編では、思春期編を観たいなぁ。今回、あまり出番のなかったビビリとイカリとムカムカが大活躍しそうだもんね。それにしてもアメリカ人って、体もデカいけど、ハートもがっしりしてるなぁ。しかもこんな映画創っちゃうんだから、IQの高さを感じる~。でもまぁ、どこの国の人間も同じだね。ホントは政治の話に一喜一憂することもないかもしれないね。やっぱ人って全世界温かい。(テロは別) [DVD(字幕)] 8点(2016-07-16 21:41:38) |
347. ナイトクローラー
《ネタバレ》 サングラスをかけた姿がもうタクシードライバーのトラヴィスだもんね。もう創り手が意識してることアリアリ。話は面白かったけど、もうアメリカでは、ヒーローになって、町のみんなから握手を求められるのは、勝利ではないんだね。それよりも起業して、会社を大きくすることの方が価値は上のような国になってしまったのかなぁ。金なんだろうね。この主人公の行動が、それを意味してるもんね。ある意味、アメリカはベトナム戦争の頃より病んでるのかもしれない。 [DVD(字幕)] 7点(2016-07-16 16:59:00) |
348. 遠い空の向こうに
《ネタバレ》 やっぱこの頃(1960年前後)のアメリカには、敵わないなぁとつくづく思わされる。自然の中で育ってるせいか、地頭が良い。ロケット工学を独学で理解しちゃうって、やっぱ半端じゃないよね。日本じゃペーパーの上で理解してることを、彼らは体感してるんだもん。ロケット打ち上げを何度も失敗できる環境に恵まれてるのも凄いけど、それにめげないのもまた精神的にタフ。実話っていうんだから、アメリカの宇宙工学は、本当に人間がでかくなって、宇宙に届いたって感じがします。やはり国には国に向いた技術ってあるなぁ。日本じゃこんな環境、望めないもんね。もちろん日本の良さを活かした技術もあるから、卑下することはないんだけどね。ホント、アメリカは、国土の広さが示すように、でかいとこが売りだね。今や大スターのジェイクギレンホールの出世作。脇役もお気に入りのローラダーンやクリスクーパーが固めてて、安心して観ていられる良作ですね。 [ビデオ(字幕)] 9点(2016-07-12 03:01:25)(良:1票) |
349. クリード チャンプを継ぐ男
《ネタバレ》 面白かった。ロッキーシリーズは、人生の節目を節目をボクシング試合を絡めることで、描いてきたが、これもロッキーシリーズのロッキー人生最後の闘いを描いてる。まだロッキーが病気と闘う決意をしたとこまでしか描いてないが、それをロッキーを主人公にせず、クリードの偉大な父親をもつ2世をメインにした話として、映画にしてる。この2世は、愛人の子。ボクシングシーンのラスト、クリードのハングリーの源が、自分が父親の偽りじゃない愛の結晶だったことを証明することであったと言うとこは、ホロリときた。どうしてロッキー絡みの映画は、こうも面白いのか。それはやはり娯楽作品ではあっても、生きるのに必要なことをきちんと言っているからだ。これこそ娯楽作品の王道のありかただ。 [DVD(字幕)] 7点(2016-07-09 08:27:53)(良:1票) |
350. 007/スペクター
《ネタバレ》 サムメンデスの007は、いいねぇ。「スカイフォール」にもしびれたけど、本作にもビビッと来たなぁ。007シリーズの中では、ダニエルボンドがショーンコネリーと同じくらい好きなのだが、今作で007シリーズを卒業しちゃったら、ダニエルは他の映画で、違和感なくスクリーンに溶け込めるだろうか?ロジャームーア、ティモシーダルトン、ピアースブロスナン、みんな苦労してたもんねぇ・・。みんな言ってるけど、確かにダニエルは本作が最後っぽい感じがするね。本作のテーマでもあるけど、確かにスマホ時代の007は、もっと新しい何かが必要とされるかも・・。次のボンドは誰だろう?2~3年くらい先にはっきりするんだろうけど、イギリスもEU離脱で、まったく新しい007シリーズが、新しいイギリスのシンボルとかになるのかも・・。つまり、これからのイギリスの顔が、次回からのボンド役になってくるんじゃないのかな?映画ファンとしては、もう期待値マックスです!! [DVD(字幕)] 8点(2016-07-03 23:37:15) |
351. ディアボロス/悪魔の扉
《ネタバレ》 これを見て、ナポレオン・ヒルの「悪魔を出し抜け」を思い出した。悪魔とはどういうものかを書いた本だが、読み応えがあった。悩める人たちにお薦めです。さて、この映画なのだけど、最後の最後までパチーノが悪魔とは分からないようになってる。派手なホラーを期待した人にはがっかりだったろう。しかし、もの凄く良質の映画です。実はこれも、求職中に人から薦められた映画。色んなことを語ってて、薦めてくれた人には感謝です。それにしても、とうとうパチーノは悪魔まで演じてしまった。彼は、俳優としての野心に駆られてしまって、これで全てを犠牲にするようなら、この映画のパチーノこそ、主人公のキアヌであったというとこだろうか?キアヌは救われたが、パチーノはさて?(笑) [ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-07-02 16:12:42) |
352. デス・ハント
《ネタバレ》 後の「ランボー」第1作に大きな影響を与えたのでは?そんな感じがした。逃げ回る一人に大勢の武装集団、こりゃ「ランボー」だよぉ [DVD(字幕)] 6点(2016-06-18 23:20:35) |
353. ランナウェイ/逃亡者
《ネタバレ》 なんだ、この歯切れの悪い落とし前は!まるで実生活での離婚して、同棲した女性との関係でいえば、自然活動や映画活動でがんばっていたが、今は新しい奥さんとの結婚生活が大事になって、もはややる気は失せっちゃたよ!って言ってるような話の筋。やる気失せて、この映画でいえば、もう逃げる気なくして、捕まって、最初の奥さんは、だんながどういう男性か見切ったうえで、自首したみたいな・・あ~ん、こんなのあの数々の名画に出演したレッドフォードじゃな~い!「逃亡者」って、売れてる頃のハリソンフォードの自分は好きな作品。※この頃のハリソンフォードの映画は全部好きなのだが・・マンガ「MONSTER」などにも影響与えた傑作で、面白い。無実の人があちらこちらから追われて、無実の罪をはらすなんて、王道も王道の娯楽ストーリー。それが、こんな爺さんの言い訳じみた作品になっちゃって・・トホホ・・言い訳が見苦しいですぞ!レッドフォード殿! [DVD(字幕)] 6点(2016-06-18 23:18:58) |
354. 悪徳(1955)
《ネタバレ》 ツタヤ発掘良品。悪徳に雇われ、自分を見失う役者。しかし元奥さんの力で何とか悪徳に立ち向かい、失職するが、自分をつかむ。しかし奥さんの愛情の深さを知り、自分へのいたらなさから自殺する。巨漢アルドリッチの人間ドラマ。 [DVD(字幕)] 6点(2016-06-18 23:13:16) |
355. 激怒(1972)
《ネタバレ》 穏やかなお父ちゃんの変貌。それがこの映画の見所。 [DVD(字幕)] 6点(2016-06-18 23:11:48) |
356. グーニーズ
《ネタバレ》 スピルバーグ印とリチャードドナーらしさがミックスされてて、面白かった。気になってしょうがなかったが、冒険ものにミニスカートはやはり無理。しかしそれぞれのキャラが活かされてて、やはり名人芸。 [ビデオ(字幕)] 7点(2016-06-13 07:01:33) |
357. ザ・デッド/「ダブリン市民」より
《ネタバレ》 記念すべきマイレビュー1000本目に選んだ、この映画。たった一晩の話である。しかも、もっと言ってしまえば、パーティとその終わった後の家に帰ってからのことまでしか描いてない、短編である。が、ここに人生が凝縮している。若いコたちのパーティでは味わうことのない、年を取ったものだけが経験できるパーティの余韻を描いた作品だ。自分は、この間の同窓会で(いささか生意気だが)こんな感じのしみじみした気持ちになった。(この映画では、しみじみというより呆然だが・・。)今まで守ろうと頑張ってきたものは、何だったのかと思わせられるような、そんな余韻。それを映画は描いている。しかし、考えてみれば、皆がみんな、人生にすごく大きな事、例えばハリウッド映画のようなことが起きるわけではない。むしろ、多くの人には、この映画のような瞬間が、人生にあるかどうかって感じのものである。人生とはそんなもんではあるが、それがすごく大事な瞬間である。その瞬間のために、生きているようなものではないか?とすら思えてしまう。人はこの瞬間の準備、あるいは何度もその時のことを思い出すために、映画を観るのではないか?人々が映画に求めているものとは、そんなものではないか?実はジョンヒューストンは、この遺作にそういう想いを込めたのではないか?などとニヤリとしてしまった。時間の流れが、どこか小津さんに似てるなとも思いました。 [ビデオ(字幕)] 10点(2016-06-11 00:40:36) |
358. セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転進
《ネタバレ》 ブラックなところが面白い。でも見覚えある感じ・・。そう、藤子・F・不二雄の「ドラえもん」や「オバQ」とは別の、もう一つのダークな作風に近い。あぁ当時の漫画家は、こういう作品見て、ヒントを得たんだなぁと感心。しかし、主人公が自分を見失う葡萄酒づくりの場面は、ニコラスローグの「錆びた黄金」を思い出した。こんな乱れたことを当時の人たちはやってたんだろうなぁ、珍しくなかったんだろうなぁとゲンナリ。なんていうんだろ。人(男)の考え得る、「幸せな世界」ってこんな乱れたもんになっちゃうんだろうね。なんだかなぁ、「普通」が一番幸せってことなんだろうなぁ・・。 [DVD(字幕)] 7点(2016-06-07 21:21:35) |
359. クンドゥン
《ネタバレ》 スコセッシと言えば、キリストを扱った「最後の誘惑」がある。ははぁ、キリストの次はダライラマか・・。そう思い、西洋から見る東洋への勘違いを見抜いてやろうと思って、観ていた。すると話は、ダライラマの伝記と言うより、あの中国によるチベット侵略がメインになってきた。チベットは大国ではない。平和に事態を解決しようとする、そんな国に中国が一部になれと言う。かくして侵略は始まり、ダライラマは逃げる。ダライラマが蹂躙されたら、残虐(子どもに親を銃殺させたり・・)に苦しむチベット国民は、もう絶望だ。話はダライラマの視点から、一歩も動かない。だから国民にどんなことが起こっているかも描かれない。結局、ラスト、異国の地でチベットの方をみるダライラマの姿で終わる。これは~、もうよその国の話とは思えなかった。もうね、ホントね、観終わって、ど~んと落ち込んだ。 [DVD(字幕)] 7点(2016-06-06 10:27:38) |
360. いつも心に太陽を
《ネタバレ》 ど直球の映画。シドニーポアチエ演じる、こんな先生、いいよね~。でもこんな完璧じゃなくても、生徒は不完全な先生からでも、たっくさん教えられてます。そして今では、教えられる側より、教える側になりたい。先生を困らせた生徒だったからこそ、そんな生徒にド直球で挑んできてくれた先生がいたからこそ、自分もそういう人たちになりたい。そういう大人になりたい。そんな自分の気持ちを再認識させてくれる映画だった。この映画、素敵です。このような問題児を教える先生の映画の、嚆矢だね、これは。ここから「天使にラブソングを」とか「スクールオブロック」とかの映画が後に生まれるんだ。ラストの生徒の歌う歌詞の内容にホロリと来ました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2016-06-04 21:38:04) |