21. ラッキーナンバー7
《ネタバレ》 ミスリーディングで完全にダマされたので完敗です。子供の殺人描写はしないという、暗黙の了解を逆手に取りましたな。まぁそんな謎解きがチンケに思えるくらい、撮影技法とテンポが良かった。ガラス越しに殺しを見せたり、盤面の下からチェスのシーンを見せたりして、最後のボスの復讐へと収束させていくのは唸らされました。ガイ・リッチーほどスピード感はないが、テンポがありながら重厚感ももたせる編集方法も好感材料。前評判は全然気にしないで観にいったので、非常に満足でした。ひとつだけ注文つけるとしたら、グッドキャットに殺人を依頼する確率くらいかなぁ。他の人間に依頼してたらどうすんだよ?ってね。 [映画館(字幕)] 7点(2007-03-04 17:28:55) |
22. ブラックホーク・ダウン
政治的情勢や思想、正義。そんなものどうでもいい。ただ銃撃戦だけが観たかった。物語の90%以上は銃撃戦というこの映画、ドンパチ大好きなワタクシにとってはこの上なく痛快でした。とくに締まった映像、薬きょうが落ちる音まで聞こえる音響は拍手モンです。あんまり軍事には詳しくないんだけど、部隊がどう動いてどう詰まったのかといった“ミクロの軍事”がしっかり描かれていたのではなかろうか。軍人さんだから皆同じ髪型。ダレがダレだか分からないのがチトつらいけどね。 [映画館(字幕)] 10点(2007-03-03 23:22:54) |
23. ディパーテッド
『ギャング・オブ・ニューヨーク』とこれを観て思った。やはり私はスコセッシという人に過大なものを抱きすぎていたようだ。それほどまでに『グッド・フェローズ』という作品は偉大だった。そんな風に思ってしまうほど、暴力描写も、主要人物が破滅へ至る描き方も、キャラの浮き立たせ方も、なにもかもが中途半端。映画は所詮エンターテイメント。ケレンを出し惜しみしては観客は楽しめない。もっと暴力を。もっと大袈裟な心理描写を。もっと過剰な演技を。迷走している監督に、ボクはそう訴えたい。 [映画館(字幕)] 5点(2007-02-25 21:18:09) |
24. ワールド・トレード・センター
《ネタバレ》 これはダメでしょ~。「9・11の救出劇」ってだけでもう誰も文句が言えないっていう空気の中で、こんなにダラケた映画つくっちゃぁ。オリバー・ストーンも本当に枯れちゃったね。飛行機突っ込んでからケイジたちが現場向かうまでの緊迫感のなさ、ドムが死んでから海兵隊が見つけるまでのシークエンスは中だるみしまくり。とくに後者は家族が心配してる一連のシーンがウザく感じられるくらい見せ方に工夫がなかった。なんだか生き残った家族への配慮のしすぎと、9・11というブランドに頼り切った怠惰しかうかがい知ることができなかったなぁ。崩れ落ちる轟音を違和感なく表現している音響と、助ける側の人間の熱さに救われた映画といった感じか。ユナイテッド93とは雲泥の差でした。それにしても救出劇やるんだったら、消防隊員主役に作ればいいのにね……たとえフィクションでもそっちのほうがいいだろに。 [映画館(字幕)] 5点(2006-11-04 11:57:10)(良:1票) |
25. 父親たちの星条旗
《ネタバレ》 「ミリオンダラー」では吉と出たが、今回は失敗でしょ。ポール・ハギスの脚本が。「クラッシュ」でも鼻についた時間軸入れ替えのテクニックと人種差別描写がさらにキツくなってしまってる。脚本のテクニックを披露したいのはわかるが、今回の映画で時間軸入れ替えをやる必要性がまったくみえなかった。単に分かりづらくしているだけだったもん。それでなくても戦争映画というのは同じ軍服着ていて人物見分けづらいってのに・・・。あとインディアンがいるのは分かってるから多少は人種差別描写は必要なんだけど、それに重きを置きすぎ。完全に後半はドクではなくアイラが主役になっちゃってる。そういった“暴走”を食い止めるのがイーストウッドとスピルバーグの役割なのに、“なんだかなぁ”といった印象。とにかくポール・ハギスの起用が許せなかった。物量作戦の描写の凄まじさ(映像と音)、その物量作戦の犠牲となった主人公3人の演技、そして戦意高揚とは無縁の淡々とした音楽といった“脚本以外”の部分がいずれもすばらしかっただけに残念至極。追記:誰も触れないから書いておく。イギーの死に方が続編で伏線になってなければ、彼の消息についての言及があまりにも不親切になる。その辺りも踏まえて「硫黄島からの手紙」を楽しみにしてます。 [映画館(字幕)] 6点(2006-11-03 16:48:38)(良:1票) |
26. スーパーマン リターンズ
《ネタバレ》 オープニングとエンディングでのお約束の守り方、ヤングスーパーマンを彷彿とさせるシーン、マーロン・ブランドの出演(?)など、オリジナルへの愛は十分に感じられた。でも完全に気負いすぎではなかろうか?大作然と作ろうとしすぎて間延びしまくりの展開はいかがなものか。さらに構成も後に行けば行くほどスローダウンするというのは、いったい何を考えているのだろう(眠りはしなかったがこんなに欠伸の出た映画は久々)?カタルシスありきの作品なのに、蘇生してからの何にもなさぶりには閉口せざるを得ない。オープニングから飛行機救出シーンだけなら本当に、本当に最高傑作だった。はっきり言って悪ノリのケビン・スペイシーは不要といえてしまうくらいの小物ぶりだし、“息子”の存在も活かしきれてない。『エックスメン2』のときもそうだったのだが、この監督、アクションでは最後まで見せきる才能はないのだろう。前半が良かっただけに、またリアルタイム世代だけに、本当に悔やまれる。 [映画館(字幕)] 6点(2006-09-02 00:55:03)(良:1票) |
27. ユナイテッド93
《ネタバレ》 ブラックホーク・ダウンとカブる。主観排除で徹底してリアリティを追及し、臨場感と勢いだけで観客をグイグイ引っ張っていく。これは並の監督ではできない演出力です。生存者ゼロ(といわれてる)の機内のことはハナから期待していなかったのですが、演出力で完敗状態でした。ただ、やっぱりケータイが上空でかかるというのはやっぱり白ける。遺族が主張してるから入れざるを得なかったのかな?個人的にはハイジャックされて“から”ではなく、ハイジャックされる“前”の管制塔のやりとりだけで満点を上げたいと思った。管制塔のモニターと名もなき俳優たち(その場にいた人たちも演じていたとか)が見せる、“あのとき”は何物にも代えがたきドキュメンタリーシーンであっただろうから。もう一回観にいったら、もしかしたら満点になるかも。今年ナンバー1候補の良作。 ※画面酔いしやすい人はご用心。後半の機内シーンはブレまくりです。 [映画館(字幕)] 9点(2006-09-01 00:40:31) |
28. サイレントヒル
《ネタバレ》 バイオハザードのポール・アンダーソンもそうだったが、こっちの監督もかなりのゲームファンのようだ。ゲームの音楽をPSの音源そのままで使ったらしいし、斜に構えて撮るカメラワークもゲームのもの。霧の中の町、崩れ落ちる世界の描写は、ファンだけあってさすがのデキだった。だが、ここまでゲームを意識するのだったら、なぜストーリーを捻じ曲げてしまったのか? 宗教色を色濃く残す味付けは欧米映画だからまだ許されるかもしれないが、終盤ネタバレを一気に“黒アレッサ”に語らせてしまうのは愚の骨頂。「ゴールおめでとう!では答えを教えましょう!」って、それ以前に手がかりが乏しかったものだから、見ている観客は“なんじゃそら!”である。あそこで全部語ってしまうなら、ショーン・ビーン親父の親子探索シーンのほうにその答えを割り振るバランス感覚が欲しかった。序盤の展開もダルく、どうにもこうにも収まりが悪い。脚本に、ゲームのスタッフが一枚噛んでいれば、もう少しマシになったかもしれないなぁ。。。 [映画館(字幕)] 5点(2006-07-14 00:56:24)(良:3票) |
29. オーメン(2006)
何も得るものがなく、何もコメントする気にもならない。それくらい酷かった。ただひとついえることは、もう映画には「オカルト」というジャンルは無くなったんだなぁってこと。オカルト映画の金字塔であったはずのこの作品が、音で驚かせることしかできていないんだもん。 [映画館(字幕)] 1点(2006-06-27 23:27:52) |
30. ウルトラヴァイオレット(2006)
《ネタバレ》 『リベリオン』信者の身としては、これはとうてい許されるべき作品ではない。そもそも、なぜミラを使ったのかが意味不明。もう彼女には、『バイオハザード』というアクション映画があり、そのヒロインとして定着しているわけだから。キャラが似通っているのに、なぜオファーをしたのか、なぜそのオファーを受けたのかが理解できない。また、ヘンに予算がついてしまったからなのか、序盤のバイクチェイスが浮いてしまっている。カート・ウィマー作品にあんなハデなシーンは不要。CGの完成度が高ければ文句は言わないが、今時日本でももう少しマシなCGを描けると思ってしまうぐらいの粗悪品だったのがワタシの怒りの火に油を注いでしまっている。あれならいっそ、アニメにしてしまったほうが良かったとさえ思える。SFとしての設定の甘さも気になるし(なんで髪の毛や服の色が変わるのか説明がナシ、鼻栓つけてるくせに口にはなにも保護するものがない)、ファージという曖昧な訳もおかしい(セリフではヴァンパイアといっていたのになぜそれを使わないのか)。個人的に見所であったガン・カタの演武も、ミラだからなのか『リベリオン』に比べ軽い印象が拭えない。クリスチャン・ベールがいかにすばらしい役者だったかというのが良く分かっただけの作品だった。この予算で『リベリオン2』を作って欲しかったなぁ。。。 [映画館(字幕)] 4点(2006-06-27 23:14:16) |
31. インサイド・マン
《ネタバレ》 いや、スパイク・リーの作品って初めて観たんだけどさ、いったいどこが評価されているワケ? 他の作品はいいのかなぁ? っていうくらいサッパリでしたねぇ。あんまり彼のこと酷評するわけじゃぁないけど、こんな脚本だったらそもそも引き受けないっすよ、ちゃんとした監督なら(そもそも監督はロン・ハワードがやる予定だったらしいじゃない)。だって穴だらけだもん、これ。貸金庫の中身の情報をどこから得たのか、備品室の壁の厚さはそんなにあるのか、そもそも犯人見つからなかったら徹底的に銀行内調べるだろ(ショーシャンクでも思ったことだが)と、ひどいもんだった。カメラワークに工夫があったこと、人種問題をおちょくった小ネタはちょこっと評価するけど(そのへんがスパイク・リーの持ち味なんだろう、多分)、それ以外はいただけなかったなぁ。最近ジョディ・フォスター、ハズレくじばっかり引いてないか??? [映画館(字幕)] 4点(2006-06-17 03:05:30) |
32. パニック・ルーム
“フィンチャーさん、やってしまいましたね!”観終わって思わず口に出てしまったほどの駄作。デキの悪いホームアローン。前半のカメラワークは“おお!”と思わせるものがあったが、時間が経つにつれいつのまにかフツーのカメラアングルに。セブンやゲームやファイトクラブのような、あっといわせるオチもなし。一体何を評価すればいいの?強いてあげれば悪趣味ギリギリのオープニングくらい?これもセブンほどの衝撃はなかったしなぁ……。 [映画館(字幕)] 3点(2006-06-13 12:27:34) |
33. GOAL! ゴール!
サッカー版ロッキー。しかもかなーり劣化してたりするんだけど。まー突っ込んだらキリがない作りは、子供向けの映画と取るべきなんでしょうか。自分が観たのは、吹き替え版だったりしたし……。でも起承転結がしっかりしてて、主演の男の子と親父の魅力で一気に見せ切っちゃってるなぁ。続編行くかは、結構微妙。。 [映画館(吹替)] 5点(2006-06-06 20:52:12) |
34. ポセイドン(2006)
《ネタバレ》 贅沢。その一言に尽きる。CGが大半とはいえ、それなりに豪奢なセットをつくり、それなりの人数(=予算)がこの映画に注ぎ込まれたはず。それなのに、90分程度にしてしまった制作陣の英断に拍手を贈りたい。沈没してからの息をもつかせぬ展開は、昨今の大作=2時間超というトレンドでは成し得ないドキワク感を生んだ。その分、人物描写が疎かになってしまいがちなのだが、そこは観客の想像力に任せる手法を取った。ジョシュ・ルーカスが一見軽そうに見えて、やるときはやる“漢”であった部分、自殺志願者のはずのリチャード・ドレイファスが生き残ろうとあがこうとする様は、こちら側であれこれ考えることができ読後感につながる。2年前に制作したら技術が追いつかなかったであろうCGも合格点(オープニングの船体一周シーンはCG史に残る名シーン)。夏に観る娯楽作品としては、レベルはなかなか高いと思う。 あ、最後に。オリジナルへのオマージュか、あの“カンカンカン”の使い方は反則でしょ(笑)。 [映画館(字幕)] 7点(2006-06-06 20:45:09)(良:1票) |
35. ピンクパンサー
《ネタバレ》 言われ尽くされていることだけど、やっぱり異国のコメディって難しい。ドタバタで笑ってしまえば底の浅さを見透かされるし、観客と違うところで笑うのもなんだかインテリぶってて(言葉がわかってるぞ的な)なんかイヤーな感じだし。それでもなんでも、やっぱりスティーブ・マーチンはもっと日本で評価されて然るべきだと思うんだよね。ピーター・セラーズの色を、観ている間はすっかり消してみせたところはやっぱりスゴイ。ビヨンセが可愛かったのと、ジャン・レノの珍妙な踊りだけで、モトは取ったかな。あと、クルーソー警部が、なんであんなにまでクドいフランス語訛りの英語を使うんだろ?と思うかもしれませんが、それはしっかり伏線になってますのでご注目w [映画館(字幕)] 5点(2006-06-01 23:36:33) |
36. ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女
《ネタバレ》 自分の中での評価は、指輪>これ>ハリポ。CG制作にILMとウェタが絡んでいるらしいが、やっぱりウェタが担当したのは、アスランが魔女に刺される、あのオドロオドロシーンなんだろうな(笑)。世界的ファンタジーにケチをつけるのはなんなんだが、やっぱり短期間で長男があんなに強くなるのは甚だ疑問。ナルニア国と現実世界とでは、質量や時間の概念が異なる、くらいのスーパーマン的言い訳が欲しかった。あ、すいません、子供向け作品に因縁つけて^^; あ、音楽良かったですよ。やっぱ、ハリー・グレッグソン好きだわ、ワシ。 [映画館(字幕)] 5点(2006-05-28 00:06:35) |
37. シンデレラマン
いや悪くはないんですけどね、毒も華もない映画なんですよう。なんだか図書館で伝記を読んだり、社会科で歴史の偉人の勉強をしている感じ。映画で観て得るものが少なかった。このご時世に“貧乏はつらいよ”といわれても、こっちにはどうもピンとこない。そんな自分の心の貧しさに気づかされたってことで、この点数。 [DVD(字幕)] 5点(2006-05-27 23:56:42) |
38. ダ・ヴィンチ・コード
たまたま平日に時間が空いて、4Kピュアっていう新しいデジタル上映を試してみたくて行った。 土日の貴重な休みを使って混雑してた映画館で観ていたら、多分大激怒だったろう。 ダヴィンチのコードですよね。暗号ですよね?なんだ、あの暗号解読シーンの軽さは??? 観客に読み解く時間も伏線も与えずに、トム・ハンクスがサクサク解いていっちゃう。あれじゃ、なんのための映画なんだよ??? 暗号解読の面白さを取っちゃったら、単なるトンデモ話なわけでしょ、これって。とにかく話を追う事に必死になってどのシーンも透けて見えるようなペラペラっぷり。デジタル高解像度で観る必要性ナシ。アメリちゃんが可愛かったことくらいか、よかったのは。 [映画館(字幕)] 4点(2006-05-27 23:17:44) |
39. イン・ハー・シューズ
《ネタバレ》 ごめ、ワシがキャミのファンだからか、男性だからかもしれんけど、姉妹間のエピソードにはぜんぜんピンとこなかったわ。このまま男を挟んでの醜い争いが続くのかなぁ、と欝になったもんですが、キャミがフロリダに移ってから、俄然前のめりになっていったですよ。生き生きとしたじいちゃんばあちゃんたち。亀の甲より年の功ということで、そのじいちゃんばあちゃんから“生き方”を学んで、どんどん生まれ変わっていくキャミの姿に小躍りしたくなるくらい嬉しくなった。盲目の教授とのエピソードが、自分の中ではこの映画の全てといっていいほどだったよ。 [DVD(字幕)] 7点(2006-05-02 21:07:49) |
40. Be Cool/ビー・クール
《ネタバレ》 ゲット・ショーティの続編とはいえ、カネとマフィアと女が絡むハナシで、トラボルタとユマを使うというキャスティングは、いったい何を考えているんだ???どうしてもあの作品と比べてしまうわけでしょ、やっぱり。それを思わせるダンスシーンまである始末で。なんでこんなカネをかけて、例の作品の二番煎じを見なければならないのか。シャレで済ますには、開き直りすぎなんでねーの? ロック様とスティーブン・タイラーが出ていたことで、この点数にしておきますけどね。。。 [DVD(字幕)] 4点(2006-05-02 20:46:34) |