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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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41.  キートンの鍛冶屋 《ネタバレ》 
木にもたれかかる、しかしデカい木だこと、服がふくれて筋肉があるように、針で「プス」っと、鍛冶屋、飯も作る、あーもったいない、熱々の馬蹄で足と尻を火傷、馬蹄は磁石になって吸い寄せる、消える工具たち、車輪も保安官バッヂも銃も、親父強えー、巨大な馬蹄で攻撃。  時計もダメになったら鞴、火の中に突っ込む、白馬に乗った貴婦人、色んな馬蹄、馬に直接言ってもしょうがない、足のサイズ、贅沢な馬、鏡、インクで真っ黒・馬も真っ黒になり模様のように、次々来るお客さん、鞍はどうした鞍は、梯子、それでいいのかアンタ。  車の修理、迷い込む子供、アイス、風船凄え、クソガキ、パチンコ、車がお釈迦に、だからインクが…あーあーーあーあー。  どんどん破壊されるスクラップと新車、エンジンは紐に吊るされ鉄槌に、逃げ支度の速さは異常、親方の帰還、帽子もビックリ、ブチギレ、親方!上から親方が!とどめの一撃、夫人の逆襲、四面楚歌、馬に引きずりまわされる、列車がー、馬に跳ねられる、ハンカチ、馬草、指輪、水、列車で脱出。  エンディングはキートンによるNG集?と思いきや…キートンみずから幕を下ろす。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2016-08-28 01:12:50)
42.  ビフォア・サンセット 《ネタバレ》 
若者から大人へ。  前作とは何が違うか、どうか最後まで見て欲しい「サンライズ」の続編。  前は電車という街へ向かう道中、今作はいきなり街の中から、街角、路上、人々で賑わう街、書店、インタビュー、思い出す思い出は前作、キャメラの質感も前作の雰囲気を思わせる。  喋る喋る喋る、喋っている最中も動き出したくてウズウズ、ふと横を向いた瞬間に。  やはり歩いて歩いて歩く、時折悪態をつきながら再会を分かち合う、親しい友人か愛する異性か、子供から大人になった二人だけの秘密があの頃に戻してくれる。 「もっとあるよ(あと1時間くらい)」  二人にとって。会話の内容なんてどうでもいいのかも知れない。ただ互いを見つめ合いながら一緒に歩ければそれで。 過去は一緒にいるための話題として語られ消費される。街にこだまする音も。言葉は映画を彩る、二人の道中を飾る音楽のようになっていく。そう思うと音楽は鳴りっぱなしだな。  だがまさか10分もくっちゃべってる場面を延々と、前作とお~んなじように同じ俳優によって見せられるとは思わなんだ(褒め言葉)!誰にも話しかけねえ!前作のオッサン!!来てくれー!!!助けてくれー!!!!  年齢を重ねた二人、、二人にとっては至福、見守る人によっては苦痛を感じたり退屈に思う人も多かっただろうね。何故俺は退屈に感じなかったのだろうか。  指先が現す銃、カフェでも身振り手振りと舌は止まらない、食事。 「裸見ないと」 上着を脱ぎ、髪を下し、煙草をたしなみ、落ち葉、路地。おっと、ここまで頑張った観客に言いたい。どうかカフェで切らないで欲しい。  路地から歩道橋の上へ、公園を通り、短い橋を渡り、木漏れ日、ラフな格好は男を誘っているからなのか、上着は脱いだまま、性の話は女を求めているからなのか。  会話は前作とのギャップに戸惑う瞬間も。 突然椅子へ彼女を誘う、階段を下りたりすべり下りたり、川沿い。 黙ると死ぬのか!?船すら止まってやがる!!動け!動けってんだよこの野郎!!!動き出してくれてほっと一息。  船が動き続けることで髪と薄布もなびき続ける、船上でも男は姿勢を変え続け女も座る、橋はトンネルとなって影を落とし日も少しずつ傾く。 「細かいところに目がいっちゃうの」 そうなんだ、気をまぎらわそうとしてあらゆる仕草を見ざる負えない。車に乗っても喋り足りない。 運転手「うるせえなコイツら」  哀しそうな顔で触ろうとしてやめる手、路地を曲がる瞬間に雰囲気が明るく、抱擁、路地裏、猫、住人の紹介、自宅へ御招待、一曲、上着を脱いでくつろぐ、ギターを抱えて歌う、写真。 CDの音楽が流れ、二人は黙り…なんて思っていた瞬間が俺にもありました。  身振りでコンサートの様子を伝え、その後は二人だけが知っている。沈むであろう姿も映されて。
[DVD(字幕)] 8点(2016-08-26 07:38:04)(良:1票)
43.  ビフォア・ミッドナイト 《ネタバレ》 
大人から親へ。  「サンセット」の続編だが前二作とはかなり違う部分が多い。海に出るように開放的だ。  前は街に既にいた、今度は旅の始まりからすべてが始まる。 歩く二人、前作と違って今度はちゃんと出て映されるものと映されないもの、、やはり喋って喋って喋りまくり、空港、抱擁、彼女に語ったことが大体合ってたことが解る。  別れ、車で待つもの、海沿いの道、後ろに乗るものが誰なのか、彼女と彼の関係はどうなったのか気になる。 動き続ける車で回り続ける舌、娘、車内でじゃれ合う、写真、食う、盗品を渡した上に黙認、やはり会話だけで過去が語られる。  くっちゃべる二人の挙動を楽しむ姿勢は貫かれる、そこに車に揺られるものの挙動が背景として加わる、喋り方の真似、やつれた男と少しふっくらした気がする女、久々に二人に話しかける存在、尻にタッチするのは将軍に「了解」の合図、店、子供たちとサッカー、海辺。  二人は別れて様々な人々とも語り合う。会話が途切れるシーンも多い。 腰かけて動きが少ないはずなのにキャメラは動きまわり、会話に参加する人も増える、水着、「波止場」の話は面白かった、時間、かじられるリンゴ、家族どうしのしゃべくり、男が食事中に下品な話をするのは若い二人を刺激するため、、悪態や三文芝居をするのも親しさから。  本作の性に対する踏み込み振りときたらどうだ。さり気なく腰に手をやり胸を揉みしだく。全二作ですら自分の脚にのっけたりくらいだったのに。 それをやっても許される仲ということか。スカート姿や胸が強調されるの母親ではなく異性としてか。  本当にヤギも登場、食卓を去った後は前作を思い出すようにまた二人だけでしゃべり続けながら歩き続ける、映画、ポンペイ、遺体、白黒、50年代、遺跡、蝋燭。 聖人一同「十字斬ったぐらいで許されると思うなよ」  指を舐める、海辺の椅子、沈む夕日は会話と運動を止める、秘密はまだ共有する仲、作家として本にサイン、宿。  前二作でけして映されることのなかった情事が映される。 意外と胸があったのか(ry どんどんとんでもないことを言い始める二人、拒んだら求め、下着、求めたら拒んだり、ズボン、それが思わぬ口喧嘩にまで発展してしまう。 “弦”、どんどん現実的に生々しく、それとも今までが御伽噺のように綺麗すぎたのか。あんなに離れたがらなかった二人が…。  ドアは終わりを告げるのではなく、休ませずに延長戦をさせるため。 それでもあの場所で待ち続け、あの場所へ行く。向かい合わせが不意に距離を詰め、言葉が途絶えた瞬間、キャメラは静かに去っていく…。
[DVD(字幕)] 9点(2016-08-26 07:22:36)(良:1票)
44.  ダラス・バイヤーズクラブ 《ネタバレ》 
バッド・ベティカーの闘牛映画の如く、一瞬の生き様が刻まれた二時間。  闘牛、暗闇から見つめるもの、牛上での数秒と闘病での数年、彼等にとってはどちらもほんの数秒の瞬きなのかも知れない。  牛や馬のように性を楽しむ男女、地に伏すもの、金、エイズ、ロック・ハドソンはそれを我慢できなかった。 賭け、「北北西に進路を取れ」か。ありゃスパイ映画の大傑作だったな。  ロデオ、死と隣り合わせ、ピエロ、柵を乗り越え逃亡、保身のために警官殴って逮捕、馴染みかよw 友人思いだからこそ本気で殴る。だが男を支配するのは危ないことに突っ込みたい欲求。生き急ぎ病に蝕まれ破滅へと突き進んでしまう。  繰り返される咳 、みんないつ死ぬかわからない仕事に命を賭ける、電撃がくれたチャンス、病院でも死への近道、トランプ博打、甘いもの、宣告された余命で自分がくたばるかどうかすら賭ける気概。  続けられる破滅生活、セックス、ヤク、煙草、医者よりも信じられるもの、死への恐怖、図書館、医者たちの怪しい会議、思い当たる記憶、生への叫び、今までのツケ、豹変する知人たち。病への恐怖からでもあるけど、みんな自分が可愛い。  神にまで頼り始める窮地、、酒場で出会った者に求めるもと交流、今更続けてきたことを止めることもできない。 治す気あんのかないのか、酒をあおるように投薬を貪る、華麗にスルーだけして医者まで紹介してくれる良い奴、治療という名の尋問、ゲイへの抵抗は死への恐怖でもある。 男ではなく女としてふるまう、女性ものの服とストッキング、医者も無理には止めない、帽子とショットガンを持って帰還、落書き、カウボーイ気取り馬に乗るように車を走らせる!銃を掴み泣く孤独、死ぬこともできない。  徐々に衰弱していく、自分にとっての「快適」な病院探し、無免許医に、多様な人種、襲ってくれといわんばかりに脚を出すナース、点滴くわえながら小便、偽神父を押し通す場面は数少ない癒し、この大嘘つきめww、命を救うはずの薬ですら取引するのだからタフというか救いようがねえというか。生死すた楽しんでいるようだ。 嫌いな相手はカモにする、追跡と取引、免許医への挑戦、点滴片手に会社運用、食い物のキャッチボール、手のひら返ししやがったクソッタレへの返答は抵抗が薄くなった証でもある。胸熱シーンとして見ていいのかどうか。  懐かしい知人への挨拶、ビジネスとしての健康、日本にも乗り込むカウボーイ、大都会岡山(交差点は東京です)、、スーツを着込むビジネスマンという仮面、音によって迫りくるものを伝える、ビジネスのためならイスラエルや中国にも偽神父や偽飛行士に扮して行ってやらあ、写真を投げ捨てるのは嫉妬か心配か嫌悪か、患者の奪い合い、やめられないもの、贈り物、忌み嫌っていた者との対話。  酒場には保安官が出入りするように警官が監視を続ける、電気のスイッチをイジッて点滅させるのは勧誘するため、スーツを着るのは「息子」として家族に会い告白するため、彼の「彼女」で居続けるためのヤク、握手するのは愛情かビジネスか、実験室に閉じ込められた蝶の群、点滅、帽子を被せるのは視界を防ぐため 怒り、失ったものと逆戻り、涙、道化師。  この映画の医者は、法によって守られ犯されない襲われない傍観者でしかない。  金槌で殴りつけるのは贈り物を飾るため、耳鳴り、頭痛 、闘牛場に始まり闘牛場に終わる。
[DVD(字幕)] 9点(2016-08-26 07:07:49)(良:1票)
45.  シッコ 《ネタバレ》 
マイケル・ムーアの最高傑作として評価の高い作品。  とりあえずDVDで笑顔を見せるムーアを殴りたくなったのは俺だけ? 初っ端からブッシュの演説、脚の怪我をみずから治療医療保険を持つことができない人々の現状、指を失った者の選択、たらい回しにされる両親 、子供はただ泣くしかない、これみよがしに悲しそうな子供の顔を見せつけること。  老骨に鞭打つ仕事人、酷い理由で保険が下りない人々、赤い丸やラインを引き強調、著名なwwwww映画作家wwwww、一般人や保険会社、刺客、医師といった人間にもインタビュー。 リストを「スターウォーズ」のパロディで映すのに爆笑。  保険に入れた人々は幸せ…なんて思っていた時が私にもありました、、何故チャップリンのマッサージ、人種差別問題にも踏み込んでいく、過去を示すザラザラのフィルム、写真 、ホワイトハウス、椅子で足を組む男、ニクソン、クリントン、、赤狩り、ジョン・ベルーシ?、政治家どもの茶番、人を診るのに嘘を糞のように垂れ流し、主義もクソもあるものか!  ムーアの評価:カナダ最高 ま た カ ナ ダ か  もう結婚しろよおまえら、トミー・ダグラス、ソ連のプロパガンダ映画、労働、アメリカに当てはめる歌、ムーアは偏見に満ちたアメリカ人となってインタビューしまくる。 戦争を潜り抜けたイギリスだからこそ、イギリスを戦勝国呼ばわりするのは大間違いだ。 広大な植民地を失い、街も焼野原、チャーチルはボケナス、フランスは革命の国、薬のCM、奴隷のように、テロリストになぜ医療を、その癖イラクは空爆、直訴するための船出。 キューバ「訴訟も辞さない」 カストロ「誠に遺憾である」 治療を受ける人々、自分のアンチサイトまで取り上げるからこそムーアは強いのだと思う。そんな自分を楽しんでさえいるのだろう。  最後は命の洗濯を頼みに今日もムーアは歩き続ける。
[DVD(字幕)] 8点(2016-08-26 06:54:01)
46.  イントゥ・ザ・ワイルド 《ネタバレ》 
インテリ馬鹿が荒野を行くロード・ムービー。  親の心子知らず、子の心母知らず、過去と現代が行きかう前章+5章構成。 写真、息子、主人公は家族を見捨てきれない、ちょくちょく映される葛藤、起きる母親、父親、雪道、電車、冬の旅路、手紙の文字だけが画面に浮かぶ。  画面を文字が横切る光景はイライラする、書き綴られる日記、雪原の隅から車がグングンと近づくもの、上空、荷物を抱えた男が長靴を受け取り、別れの挨拶、文字が題名となって消えていく冒頭。面白い。  切り立つ山々を一人突き進む。空を奔る雲。ライフル片手に狩りをしながら生活していく生活に飛び込んでいく、捨てられた車両、探索、家作り 、男が何故旅を続けているのか・目的はなにか徐々に明かされていく。  自然や動物との出会い、一人遊び、親子を殺るほどの覚悟はまだない、二年前の過去へ。物語はしばしば現代と過去を幾度も行き来する。 飛び乗る者、空に放られるもの、ビデオカメラの映像、お祭り騒ぎで酒場に入っていく者たち、会話、強調される表情、窓から放られるもの、手紙、捨てられる写真、別れ、押入れに貼られた憧れは真っ二つに割れる。セルジオ・レオーネ「善玉・悪漢・無頼漢(続・夕陽のガンマン)」。  しがらみから解放されたい、自由気ままに走っていく、トラブルで奪われる「脚」、資金との決別、小川、河、砂漠、街、森、海、農場、滝、岩場、岩山、ヒッチハイク、トラック、貨物列車、旅人たちとの出会い、別れ、再会。フィルムが流れるようにスライド。 届かぬ思い、利用される思い、突然泳ぎだす二人は子供のようにじゃれ合う。黙って静かに見守り、許すのは成年への信頼の証、愛する男のもとへ真っ先に飛び込む、娘のよう、鳥、鳥、鳥、テントの灯りが消える瞬間に暗示されるもの。  リンゴに語り掛ける、自己暗示、季節、雪解け、資金稼ぎのための職業体験、バイト、様々なものから学び直す旅。 恩人を連れ去るもの、両親の真実は映像では語れらない、偽りの家族、電話しながら話し相手にもなる大変さ、親切、買い物かごに積まれた船、激流下り、手の込んだ自殺、雄大な河、イカレ野郎にイカレカップル、マスカラより先に胸隠して下さい、出会うのは夫婦だのカップルばかり。  小銭は電話が必要な人にだけあげる、刺激を求めるが故に自ら金を捨てる、馬と一緒に走ったり、待てませんでした、旅をするにもルールに縛られたくない、線路から穴倉を抜けた先に待つもの、初めて政治家と意見が合った瞬間、見知らぬ街・国、格差社会、思い出される過去の自分。  鉄道を守る男たちからの“ご挨拶”。「北国の帝王」みたいにゃいかないね。 徐々に血にまみれるようになり、過去の喧嘩が明かされることでスリルを増す旅。苦い記憶、黙って見守るしかなかったもの。 孤独な狩りは野生及び死への接近、獲物が倒される瞬間は映されない、獲物をかっきる、生きるために血肉を生々しく貪り、たかる虫、メモ、保存、独り言、家族の会話。 ヘラジカ「俺の生涯でもっとも悲しい出来事だったよ」 虫や獣が匂いに惹かれてやってくる。  家族(になる前にヤルること)、匂いから逃れるために水に裸で泳ぐ、ズボンを脱ぐことで誘う、それを抑えるための筋トレが逆に惹かれさせる。  メガネは学ぶ人としての自分、時折入るスローモーション演出は俺の腹筋に襲い掛かる、木や草を掴む生への執着。  ヌーディストビーチ、オーマイゴッド温泉まさかの実在、良識(国境を無許可で超える)、横から捉えられる斜面は一般人と彼の境界線のようだ。 ベルトに刻まれる思い出、、岩山での挑発と緊張、変化、なにもないはずの場所で談笑、なんでもありそうな大自然で「なんもねえぞ!」と乱射、炭には御用心、手放せない知識、誤る判断、馬鹿やっちまったと後悔、銃が枕代わりに、のたれ死ぬ自由、みな自由に生きようとする彼に惹かれてしまう。  親も味わう苦痛、震えは恐怖か歓喜か、手紙。  運動を止めたバスの中で、彼は空の彼方で今も旅を続けているのだろうか。空を移動し続ける雲のように…。
[DVD(字幕)] 9点(2016-08-26 06:48:00)(良:1票)
47.  ヴィンセント 《ネタバレ》 
「シザーハンズ」にも登場したヴィンセント・プライス、この頃からバートンワールド全開だ。  影、うねる木、猫、人形、ナレーション、服装が変わったり影に覆われたり、モンスター、ぶっとい母親、大釜で茹でる、実験、マッドスマイル、絵、本、後の「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」である、母親痩せた? 墓堀、、影、無数の腕、幻、悪夢、闇。
[DVD(字幕)] 8点(2016-08-26 06:29:41)
48.  フランケンウィニー(1984) 《ネタバレ》 
ジェームズ・ホエール「フランケンシュタイン」へのオマージュが捧げられた作品。  1984、白黒、古典へのオマージュ、サイレント映画期のコマ撮り、自主制作、人形、恐竜のように飾られた犬、火山、家族で仲良く上映会、犬、ボールの行方は・・・NO-!!  叫び声、墓場、雨かと思ったら散水ホース、人体模型、最愛の者を描いた絵、かえるの解剖 電気、閃きを忘れないうちに走って帰宅、家電をかき集め、ありあわせのもので作る「何か」、鎖、装置、屋根裏部屋、見逃す者、フランケンシュタイン、「ヴィンセント」でも墓掘ってたね、光、輝く時計、馬、トースター、生々しい傷跡、犬の視点、ゴミ箱をふっとばし、うねるホース、黒い影、悲鳴、扉、見てしまったもの、不信、押しかける人々 風車の滑り台 、足元はよく見ましょう、復活、ダイナミック手のひら返し、バチバチ、四方八方からロープで引っ張って八つ裂きにするのかと(そんなことを考えたのは俺だけですね)。
[DVD(字幕)] 8点(2016-08-26 06:27:21)
49.  The Follow 《ネタバレ》 
デヴィッド・フィンチャーとウォン・カーウァイが組んだ短編「The Follow(The Hire: The Follow)」。  女性の後ろ姿、鳥の群、夜のハイウェイ、相談をする黒服の男たち、写真、標的を尾行、追跡、回想、封筒、空港、寝ている女と二人きりの夜、キスでもしようとしたが思いとどまる、目の痣?
[DVD(字幕)] 8点(2016-08-26 06:20:14)
50.  スターシップ・トゥルーパーズ 《ネタバレ》 
バーホーベン最高のクソ映画(褒め言葉)。 ハイライン「宇宙の戦士」とナチスのプロパガンダ「意思の勝利」をエログロ肉片まみれで皮肉りまくる怪作。 個人的にバーホーベンはガキの頃から生理的に受け付けない&トラウマ受け付けられまくって大嫌いな監督だが、この作品の突き抜け振りは爆笑しながら拍手するしかない。二度と見たくないがな!  誇張しまくったこの馬鹿映画を見て右翼だの左翼だの言っている連中を見るとまったくお笑いだぜ。  これだけ気持ち悪い映像の暴力(大賛辞)を喰らわされて戦争行く気なんて起きてたまるかっ!もういい!もう沢山だ!トイレは何処だ吐いて来る状態。 パワード・スーツなんて便利アイテムなんぞ出すわきゃねえだろというバーホーベンの鬼畜振り。「3」ですら“もどき”だ!  軍隊が勢ぞろいし好青年、美少女、美少年が誘う入隊プロモーションの馬鹿馬鹿しさ、高らかかつ壮大な音楽が流れるニュース映像、現実を映す中継映像、巨大な未知の生命体が乗り込んだ兵士たちを次々に噛みちぎり鮮血を降らせる! 時は遡り真っ白い美男美女が揃ったアテツケの塊のような授業風景、片腕を失った教師、それの目を盗んで行う“手紙”の送信・返信。 充実した学生生活、訓練を兼ねた解剖授業、見るがい生徒どもが内臓を躊躇なく引きずり出す感覚が麻痺した姿を!いいや人間が死ぬのは生理的にきても憎っくき害虫どもがくたばる様を見て喜ぶ貴方も既に感覚が麻痺しているのかも知れない。 パゾリーニも酷かったがバーホーベンは極めなくてもいいところを無駄に極めすぎ(褒め言葉)。 ゲロイン。こっちまでゲロ吐きそう。これでもまだ平和な日々です。 見つめ合う野郎二人、ぶっ飛ばし合うスポーツに精を出し、家族と別れの挨拶を交わし、市民権のために命を投げ出しまくる訓練へ。  入隊、義手と失われた四肢が物語るもの、別れと友情。 子供に小銃と薬莢を与える狂気、公開処刑、バラバラにされ散乱した死体を見せつける悪趣味極まりないバーホーベンの真骨頂(賛辞)。  初対面でも腕をブチ折る教官、入隊テスト、流血も辞さない訓練、野郎も女も裸でシャワーを浴びる和気あいあいとしたカオスな空間、励ましのビデオレター、気分は旅行、テンションが上がるように宇宙空間を縦横無尽に飛び回る宇宙船。よそ見する度にヒヤヒヤだ。 メッセージと告白、深まっていく絆、事故の悲劇、去りゆく者、責任、鞭打ち。事故、小惑星、不吉な知らせ、復讐の決意・教官の心意気。 死んだ虫だけがいい虫だ。普通の虫ですら憎悪の標的に。敵は地球外なのに。 犬と虫に厳しい映画、侮辱には拳で返答、友情の証、戦場へ。誤情報、上陸、狩り…いや戦争という名の地獄の始まりだ! 光の弾をケツから吐き出すやつ、かぎ爪で串刺しにするやつ、火を噴く硬そうなやつ、飛行するやつ、大量の気持ち悪い巨大生物が押し寄せる恐怖、パニック、戦場カメラマンも人間も蟻のように容赦なく肉片をまき散らし殺されまくる地獄絵図。  驚愕の展開、思わぬ再会、空爆、荒れ地を突き進む反撃開始、返り血、ニューク弾でヒャッハー、焼け落ちる手、蛮勇、野営地での娯楽、ベッドの上での戦闘、粋な計らい。  扉に潜むもの、風穴。 籠城戦、多くの死を乗り越える成長、宇宙葬。 扉さん仕事しないで、頑丈すぎる脱出ポッド、最終決戦、俺の屍を超えて行け、ようやく仕事した超能力者との対話。  俺たちの戦いはこれからだっ!
[DVD(字幕)] 8点(2016-08-26 06:04:38)(良:1票)
51.  セッション 《ネタバレ》 
「セッション(ウィップラッシュ)」。 ドラムの猛烈な連打に始まり、廊下の向こうでひたすら打って打って打ちまくる青年の演奏からすべてが始まる。 扉は誰かが聞きに来るのを待っているかのように開け放たれており、音に誘われ接近する存在、師と弟子…いや音楽のために争い憎み合う宿敵同士が出会うのである。 男が上着を脱ぐのは暑いのではなく魂に火がついたことを告げるため。  夢が詰まった写真に想いを馳せ、恋人たちを羨み実力が中々認められない方が幸せだったかも知れない日々。 選ばれ勇気を出した途端に笑みがこぼれる手応え。ニーマンはただ音楽が好きなだけだったのに。だがその「音楽」が彼を狂気のドラムマシーンへと変えていってしまう。  クソ野郎は嘘つき、向うからやって来たチャンスは地獄への誘い、薄暗さが息苦しさを伝える練習場所、秒針が揃った瞬間に黙り視線を避け静止する演奏者たち、張り詰める緊張。 機関銃の如くツバと暴言を浴びせまくる鬼教師フレッチャー。打ち震わせながら両手を振り上げ、椅子を投げ付け、平手打ちを浴びせまくり、ドラムを投げ飛ばし蹴り飛ばし、大恥をわざとかかせて精神的に追い詰める。「フルメタル・ジャケット」のハートマン軍曹もここまでしねえ。 かと思うと涙を浮かべて悲しみ寂しげな姿を見せたりもする。その二面性が怒りを爆発させ襲い掛かる恐怖をより引き立てるのである。  ニーマンも青春、友情、恋愛、学生生活…すべてを破壊するようにドラムを叩き続ける。無数の弾痕の様に刻まれたドラムスティックの痕。彼がBフラットで締め、打ち込めば打ち込むほど周囲の人間への関心は希薄になり、恐怖に怯える群衆の一部と成り果てる。 フレッチャーの生徒たちが他人を責めるのも「自分が殺されるではないか」という恐怖からだ。犯人がわからないというのが一番怖い。みんな巻き込まれるのが嫌だから敬遠し、奏者たちの孤独が加速していく。  手や指をマメだらけにし、それを絆創膏で潰すかのように貼り付け、痛みに耐えながら音の一つ一つを肉体に刻み叩き込んでいく。怒り狂いドラムを叩き壊し、血まみれになろうが氷水の中に手を突っ込んで冷やしてまで打って打って打ち続ける。リチャード・ブルックス「最後の銃撃」を思い出すような狂い振り。  家族の団欒も罵り合いで台無し、映画を親子で見ても気分はそれどころじゃねえ(ジュールス・ダッシン「男の争い」の音楽がちょろっと聞こえてくるだけ)、トラックとぶつかり血まみれになろうがこの音楽キチガイを止める事はできない。  不意に現れるライバルと過酷なドラムス争い、喪服のように彼等を包み込む正装、動かない手を無理やり動かし続けようとする痛ましさ、涙、滝のような汗、シンバルに飛び散る鮮血を流し自らを燃やし尽くす壮絶な演奏。音楽を楽しんでいる余裕などない。 野郎を黙らせてやる!俺の音楽で叩きのめしてやる!!ブチ殺してやる!!!…そんな憎悪すら感じさせる。  すべてを失い氷の様に冷め切った姿、思わぬ再会、謎の密告者、悪魔の誘い、席に座った瞬間に戻り出す感覚と手応え、騙し討ち、追いかける者、見守ってくれていた者、クソッたれへの反撃の合図!それに演奏で、シンバルをぶつけて、目玉をくり抜くどころか手助けし、真剣な眼差しを送り、上着を脱いで応える!! 理由なんてもうだうだっていい、誰のためでもない、ただただ音楽が大好きだからこそ笑い、演奏を、指揮を続け、肉体の、魂の、すべてのエネルギーを注ぎ込む。 キャメラはそんな男のドラムスティックを追いかけ回し、楽器が生き物のように力強く動く様を、雨の様に注がれる汗をフィルムに刻む。   ●セッション(短編) 長編「セッション(ウィップラッシュ)」の原型となった短編。 ドラムと無数のスティック痕、扉から近づく者の姿、おもむろにシンバルを撫で椅子に座る。そこには期待と夢を見る青年の笑みが浮かぶ。 雪崩れ込む演奏者たち、挨拶、Bフラット、秒針が合わさるとともに姿勢と視線を正す。 上着を脱ぎ、視線を交え指導が始まる。 唖然としてページめくりに遅れ、水を吹き出す楽器、汗を流す奏者たち。 部屋の白さがまだ息苦しさをあまり感じさせないが、視線を合わせないのは恐怖の現れ、追い付こうと必死に楽譜と睨めっこ、アドバイス、自信を持たせるようなことを言って徐々に苛烈になっていく指導、椅子を投げつけ暴言とツバと平手打ちを浴びせまくり徐々に息苦しく胃のキリキリするような空間に。 厳しい現実の前に涙を流し途方に暮れる青年…しかし本当の地獄はここからだった。
[DVD(字幕)] 9点(2016-08-24 16:15:59)(良:1票)
52.  キングスマン 《ネタバレ》 
ヘリの攻撃に始まり扉の開閉で締めくくられる死屍累々スパイ映画の快作。歴代のスパイものを彷彿とさせる遊び心と活劇性、そのエンターテインメントへの挑発もふんだんにブチ込む反骨精神。 「キック・アス」から本作でも描かれる親子・師弟関係・何処にも属さず己の道を突き進む強靭さ・復讐・乗り越えるものと受け継がれる意思。 ある者は自分を命懸けで救ってくれた者のために、ある者は自分に進むべき道を示してくれた恩師のために。  スパイという情報を集め、時に非情な選択を迫られる生きるか死ぬかの大仕事。どんな手段を使っても孤軍奮闘で目的を遂げようとするプロフェッショナリズムと魅力的な隠し武器たち。 洋服屋を重火器の詰まった秘密基地に、空を飛び交う飛行機が地上に留まり最前線基地に、酒を毒酒に、眼鏡を盗撮カメラに、傘を鈍器と射撃武器に、時計を麻酔に、指輪を電撃に、ライターを爆弾に、靴をナイフに、義足を刃に変えて全力で駆け抜けブッ殺し合う!  ダイナミックお邪魔します&いらっしゃいませ一刀両断、盗んだ車で逆走チェイス、屋根から屋根へ飛び乗る逃走劇、傘で不良軍団フルボッコ、命懸けのスパイ養成学校、突然襲い掛かる水水水、犬に厳しいスパイ業界、犬に優しく裏切者にゃ容赦なし、壇上に飾られた“相棒”が覚悟を物語る、車を操るのは無駄な争いをさせたくないから。 教会から全世界、全人類、全性別が人種や言葉の壁を越えて殴り合う大スペクタクル!腕があったら取っ組み合い、木材があれば打ち下ろし、刃物があればドアを破壊し投げつけ、頭の中に爆弾あったら大爆殺!!!一体何回爆発すりゃ気が済むんだこの映画はっ!?(褒め言葉) ダイナミック不謹慎花火大会で俺の腹筋も木っ端微塵になってしまった。 鏡も人工衛星もブッ飛ばし、美女の穴の中にも潜りこ(ry  「ジェームズ・ボンド?ジェイソン・ボーン?」 「ジャック・バウアーさ」  夢も希望もなく生きていた不良少年が、生きる道を見つけたスーツに身を包むエージェントになっていく成長振り。エグジーが覚悟を決めた瞬間だ。でも根っこが変わらないところがいい。 スーツに返り血を浴びた後にその場で酒瓶を掴み女をくどきに行っちまうんだからwwwロキシーとのフラグなんてなかった。 あと訓練から裏方、ライフル抱えて援護射撃までこなすマーリンの頼もしさ&気遣い振りに惚れる映画です。
[DVD(字幕)] 9点(2016-05-07 01:44:54)(良:1票)
53.  エド・ウッド 《ネタバレ》 
ティム・バートンがエド・ウッドことエドワード・D・ウッド・Jrへのリスペクトを捧げた、笑って泣ける素晴らしい映画だ。 ウッドの映画は微妙、でもソイツの人生は最高に面白い。  雨が降りしきる夜、雷鳴、不気味な館の窓が開かれると、棺から起き上がり御挨拶を披露するグリズウェルの御登場だ。 バートンはウッドを愛するが故に忠実にウッド映画の一場面一場面を再現し、愛するが故に“違い”を入れる。 「ナイト・オブ・ザ・グールス」のグリズウェルはカンペを読み、本編のジェフリー・ジョーンズはちゃんと演技をこなしてしまっているではないか。ジョーンズもカンペを読んでいたら受賞していたかも知れない(冗談です)。  OPも稲光が墓場を照らす雰囲気たっぷりの演出、墓石に刻まれた名前、滑らかに動くタコの触手と戯れる円盤!グレードアップしすぎで完全に別物(この辺はレイ・ハリーハウゼンへのリスペクトもありそう)。  憧れのオーソン・ウェルズやトッド・ブラウニングの「ドラキュラ」といった映画のポスター、情熱を燃やしてひたすら創ることにエネルギーを注ぐウッドと愉快な仲間たち。ウッドはいつも天使が上から降りて話しかけてくるような出会いを待ち望み、自分の夢のための闘いに挑み続ける。 どんなに落ち込んでも元気をくれる夢と仲間とミンクのセーター、眠るように登場するベラ・ルゴシ(ルゴシ・ベラ)、残念ロバート・テイラーやベイジル・ラスボーンでもない、「恐怖城(ホワイト・ゾンビ)」、ドラキュラ<<<歯、「もっと上を行く作品が作れる(Z級)」。  「女の格好してよく平気でいられるわね!」 ケイリー・グラント「そうだね」  ペギー・リー「表出ろオカマ野郎」、NGワード:カーロフ、ウッドの映画よりも絶対面白いプロレス興業、生々しい注射器の跡とルゴシが語るハリウッドの闇、「ヴァンパイア・ショウ(The Vampira Show)」を盛り上げるヴァンパイラ(マリア・ナルミ)たちとの数奇な出会い、喧嘩と資金集めパーティー(に参加)、こそ泥シーンの愉快さ、ウイスキーのキャッチボール、タコとの格闘(手動)、完成記念の余興、ダンス、引き留める説得力皆無の恰好、右手に握るもの、病院、彼女の面影、お化け屋敷、アクシデント、映画館、観客の盛大な“歓迎”、ポップコーン、最期の演技と旅立つ前のルゴシを映したフィルム、引き取った犬、ダイナミック人選ミス、巨大ブーメラン。  事実とフィクションの融合によってバートンからルゴシやウッドたちすべての映画人に贈られるエール。 ウッドにとっての夢であるオーソン・ウェルズとの出会いをプレゼントまでしてくれるんだぜ?夢のために闘え!  押し寄せる観客を他所に雨の中の告白と出発…ウッドの冒険は果てなく続く。たとえウッドが去った後も、その魂を受け取った多くの人間が今も冒険を続けているのだから。
[DVD(字幕)] 9点(2016-03-19 02:11:04)(良:1票)
54.  ボウリング・フォー・コロンバイン 《ネタバレ》 
マイケル・ムーアという映画監督は、ただありのままを映そうとするタイプのドキュメンタリーは撮らないらしい。 あの芝居がかった行動の数々で映画のようなやり取りを見せつけ、一つの事件を通してあらゆる要因を羅列し引きずり出して注目させようとする。今回は銃社会のアメリカに潜む問題のようだ。   自ら俳優のように出まくり映画を引っ張る肥えた肉体。 オーソン・ウェルズのように悪の権化としてずんぐりむっくりの体で威圧感を出すワケでもなく、西部劇で偉そうにのしとのしと歩く腹の出たガンマンの如くムーアは登場してくる。マイナスイメージをあえて前面に出すことそのものが壮大な“当てつけ”なのだ。当てつけしないと死んじゃう病なのかも知れない。だから意地でも痩せないんだと思う。 表情はコメディアンのようにどこか微笑みを称え、銀行で得たライフルを抱えて買い物を済ませる“日常の光景”を映す。 時にインタビュアーとして執拗に問い詰める時もあれば、手を肩にやって同情するような場面も物凄くわざとらしーく見せつけたりする。当事者の目の前でそれをやるのだからつくづく胆の座った奴だわ。  インタビューをした人々の顔もこれみよがしに見せる。銃に狂った老人のギラギラした眼、銃を握りしめ高々と掲げる演説者チャールトン・ヘストンの笑顔、無責任なマスゴミや報道陣の笑み、恐怖に怯える顔、失望と怒りの顔。  幼きムーア少年はおもちゃの拳銃の引き金を引きまくり、現在のムーアはけして銃弾を発射せず、銃を撃つ市民や銃弾を喰らう人々の姿を映しまくっていく。 映像が得られなかったものの代わりに何かを映し、得られた映像の使い方も強烈だ。  ボウリングのピンの件でハワード・ホークスの「暗黒街の顔役」についても語られるかと期待したがそんなことはなかった。あの映画のようにデカデカと書かれた文字が語る社会の矛盾、ピンと人が薙ぎ倒され横たわる光景が幾度も映される。  事件現場の校舎や街、弾痕、道、事件当時の一部始終を捉えた監視カメラ、殺人者と殺害者を明確に示すように光が人物を覆い、助けを求める悲痛な叫びは机の下に伏せる人々の叫びを聞かされるようだ。  「マトリックス」を守るエージェントの「Non!」、「駅馬車」やウィリアム・S・ハートといった西部劇、「國民の創生」の人種描写、「サウスパーク」の冬、企業コップのイメージに何コレ超見てえ、アニメーションで描かれるよくわかる人種差別&銃社会アメリカの歴史に爆笑、細い男の服の中から次々に銃が出てくる瞬間の戦慄。 様々な国で引き起こされた虐殺、銃のゲーム、まばゆい光の中に突っ込んでいく“買物”、当事者たちのすべてをぶつける闘い、ダイナミック営業妨害、毒には毒で、極端には極端で、メディアにはメディアで殴りつける。  右足をソファーに突き付けてインタビューに応えるマリリン・マンソンの職人意識。 彼が取材を受けるのはどんな時でも己を貫く姿勢を示すため。ムーアも黙ってそれを受け入れたのだろうし、一人去っていく者へ黙って写真だけでも置いて去っていく。それ以上の追及をあえてしないのだ。  アメリカとカナダの同じ銃社会でも意識の違いがハッキリしているのは興味深い。 日本も昔は日本刀だの槍だの鉄砲だの世界有数の銃社会だったからなあ。日本人も黙って見過ごせない問題ですよ。
[DVD(字幕)] 8点(2016-01-30 00:38:46)
55.  ブリッジ・オブ・スパイ 《ネタバレ》 
スピルバーグとコーエン兄弟が組んだのは西部劇「トゥルー・グリット」以来だろうか。 今回は久々にB級的感覚でスパッと撮ってきたような、懐かしい感覚に満ちた娯楽映画を引っ提げて帰ってきたようだ。弁護士が国境を越え交渉人として立ち回る冒険の面白さ。  この映画は脚本の映画だと思うけど、それでも冒頭における追跡のワクワク感よ!これぞ映画だ、セリフではなくアクション(動作)によって語られる追う者と追われる者が繰り広げるスリル。 おもむろに自画像を描く男とその理由、部屋から地下鉄、公園と椅子、再び部屋へと戻っていく追跡の後に待ち受ける展開、コインに隠されたメッセージ、それを守ろうと仕事人として己を貫く姿勢は独房の中でも続けられる。ポケットに手を入れるだけでも射殺されそうな緊張は持続され、観客に寝る暇を与えない。劇中で揺さぶられ続ける人々のように。 法廷から学校の「起立」へ、書類から新聞へ。  冷戦下における疑心暗鬼の時代、信頼を重んじる弁護士に転がり込むトラブル。 かつて「シンドラーのリスト」という映画で労働力としてユダヤ人を雇い、やがて仕事に打ち込む同じ人間として彼らの信頼に応えたくなった男がいた。 この映画の弁護士は最初からスパイではなく、命がけで職務を全うしようとした“仕事人”を助けようと孤独な闘いに身を投じていく。「信頼」を守ろうとする行動に対する弁護士なりの礼として。 信じるが故に涙を流したり勉強に励む子供、信頼に応えるが故に叫び声を押し殺し耐える者、最愛の人を見送る者、依頼を引き受ける者、偽物の不気味な笑みと行進をする者、偽りだったとしても本物の何かを込めた者。  冷戦下における情報戦、これが戦争であるならば先に手を出した奴が殺される。 弁護士にも訪れる追跡者の恐怖、雨粒を防ぐはずの傘は居所を知らせてしまい、寒さから身を守るはずのコートは飢えた若者たちの標的となり、窓にまでかかる水は扉の外にいる監視者の視線を示し、車を猛スピードで飛ばすのは獲物を逃がさずに捕まえさせるため。 壁が敷かれるのは人々を引き裂き、逃亡者を阻み処刑させるためだけでなく、新たな交渉相手の登場を予告するため。戦争の傷跡が生み出す信頼しきれない原因(ソ連がやりやがったベルリン、連合軍がしくさりおったドレスデン虐殺)、黙って見ていることしかできない無力さ。 日常の平穏を破った警告の銃撃が、仕事先でも命を奪いとる。次の銃撃は依頼人にも向けられるかも知れない・・・信頼に応えるため、己の意思を貫くために弁護士も諦めない。 マスコミのフラッシュの嵐は地面に転がる電球を踏み砕くように流し、壮大な釣り、ダイナミック朝飯おごり、風邪をこじらせようがハンカチで何度もぬぐい耐えるように待って待って待ち続ける!  軍人と軍人の、学生と国の存在を賭けた駆け引き、アメリカ軍のフラグ建設作戦と迅速なフラグ回収、恐ロシア。  橋における束の間の再会、別れ、抱擁の有無。   いやーマジで続編出ねえかなー。次はキューバ危機辺りで・・・!
[映画館(字幕)] 9点(2016-01-30 00:37:53)
56.  白鯨との闘い 《ネタバレ》 
捕鯨問題で揺れるこのご時世、長い時間をかけて本作に挑んだロン・ハワードに敬意を表したい。 個人的には中々の力作。あの精悍な漢たちをげっそりするほど追い込み練り上げたのだから!  映画は冒頭の海中を突き進む主、男がある宿に訪ねてくるシーンから始まり回想形式で過去の“闘い”について語っていく。 窓の外で手紙を見せ、小説の創作ヒントを求めて瞳を輝かせる若き作家、過去を封印する老人、扉の外でそれを見守る長年連れ添ったであろう妻。  男たちを海に誘う未知への恐怖と冒険への好奇心、生活を支える脂や肉、名声。野望を抱く男たちの船出は、死にゆく者を送り出すような人々の喪服と鎮魂歌で包まれる。  序盤の冒険へのワクワク感。ヒヨッ子船長に船乗りの身のこなしをアピールする対抗意識、船酔いの荒療治、張り合おうと嵐に突っ込む無謀さ、ベテランと新米の対立、船上で人種や身分を超えて海を生きる者たちの競争・意気投合、銛を打ち込んで海を駆けるような狩り。 経験者は語り、未体験への好奇心が海の男たちを狂わせ、復讐者と冒険者たちを引き合わせる。  勇ましいハンティングの後に描かれる血肉の生々しさが、息をしている者の横に転がる変わり果てた無言の船員が、仲間同士で喰らい合った地獄を容易に想像させる。鯨の臓物を引きずり出して脂を得意気に掻き集めていた男たちですらだ。 富となるはずの脂がもたらす“灯り”、近代兵器が何の役にも立たない大自然で人間も鯨も関係なく平等に殺し合い、くたばり果てる。キャメラも激しく動く船乗りたちを追いきれずに振り切られたり波に飲まれたりと忙しすぎてこっちまで酔いそうになった場面も。  そんな極限状態でも腐りきらないプロフェッショナリズム。 野獣の如きむしゃぶりつき、尊厳も何もかも投げ捨てられ失ったはずの男たちが得たもの、求めるもののため、獲物を発見した瞬間に水を得た魚のように息を吹き返す瞬間!そこにはどんな状況でも最善を尽くそうとする意地が彼らを奮い立たせる。  彼らを支えるエネルギーはなんなのだろう。愛する妻が渡したお守り?生き残るチャンスをかなぐり捨ててまで貫きたかったもの?様々な支えが彼らを散々危険を味わったはずの海原に旅立たせてきたのだろう。過去を背負う老人にしても机の上に刻み込まれた地図! 鯨にとっても大勢の仲間を串刺しにして殺しやがった憎っくき仇。何度も繰り返したであろう怒りの頭突きの痕、執念深い追跡。  “あの眼”を見た男は、一体何を思ってすべてを終えたのだろうか。
[映画館(字幕)] 8点(2016-01-30 00:34:40)(良:1票)
57.  遊星よりの物体X 《ネタバレ》 
リベラル系のスピルバーグやカーペンターにしろ、この映画に惹かれる人間は何に影響を受けているのだろう。 ましてスピルバーグはユダヤ系。よくこの映画は赤狩り時代のユダヤ人差別映画だと言われているが、本当にそれだけの映画なら前述した彼らがこの映画に惚れ込むだろうか。 ホークス自身はユダヤ人のシオニストであるベン・ヘクトと何度も仕事をともにしているし、ユダヤ系のローレン・バコールを自分の映画のヒロインに選んだりしている。肉体に障害を抱えた人々が支え合って危機に立ち向かう「リオ・ブラボー」なんかもあるし、正直よく解らん。この映画にはそのヘクトもノンクレジットとはいえ参加している。   それに、映画の物語も差別うんぬんより単純だと思う。 作りは予算もない俳優も無名揃いですべてアイデア勝負。冒頭からスピーディーなセリフのやり取り、突然宇宙から落ちてきた得体の知れない、氷の中に眠る不気味な何か。ソイツが犬や実験のためとはいえ交流を試みた科学者をブチ殺してしまう(博士がイカれ野郎すぎるので観客の中には宇宙人ありがとうなんて人もいるだろうけど)。 残された人々は密室で迎撃態勢に臨む。Xが突然現れる瞬間の、動くはずのない植物が動き襲い掛かってくるという、一斉に迎撃する瞬間に奔る緊張。炎だの拳銃だのカメラのフラッシュだのその辺にあったあり合わせのものしかないということも拍車をかける。 後のスピルバーグの「ジョーズ」やリドリー・スコットの「エイリアン」、カーペンターの「遊星からの物体X」にも正体の知れない敵との戦いを描いている。当時この作品が大ヒットしたは、そんな未知との戦いに人々が惹かれたからなのだろう。 物体Xの造形はジェームズ・ホエールのSFホラー「フランケンシュタイン」を思わせる。というかそのままパクッたような姿。この辺は技術的な問題よりも他に解決策がいくらでもあったと思うけどどうなんだろう。  だが決定的に違うものがある。「キングコング」のように巨大な恐怖でもないし、感情を示すような描写はほとんどない。ひたすら襲撃を繰り返す怖さが徹底されている。 「ジョーズ」は同じホークスの少数で挑まざる負えない「虎鮫」や「リオ・ブラボー」等へのリスペクトも盛り込み、逃げ場のない密室空間における緊迫をより強固にしていた。 本作は味方があまりに多すぎるのである。先ほどの迎撃もまるで集団リンチ。罪悪感も無いから余計にタチが悪い。だって一応は仲間や犬の敵だし。これ以上犠牲者を出したくないという当事者たちの覚悟。 同じクリスチアン・ナイビーが制作に関わった「赤い河」も人数は多かったが、理不尽なワンマン上司との対立や仲間だと思っていたはずが招くトラブルや仲間割れと緊迫した状況が続くスリルがあった。コーヒー一杯すら少ない食料でやり繰りしている苛立ちを高める演出に使われていた。 本作は物体Xが出現したという状況にも関わらずのんびりコーヒーをずるずる飲んでいるではないか。まだ危険性を図り切れていないが故の行動なのかも知れないが。 ホークスは人との信頼を重んじるタイプの人間だった。世の中が人間不信になればなるほどホークスはそれに逆らうように人々が助け合う映画を撮る。対立を経て団結する。平時故の交流とリラックス、有事故の緊張や恐怖との戦い。 しかし、この映画には時に分裂して殺し合いにまで発展するという恐怖まではない。襲われて死ぬ犠牲者も異常事態という割に少ないし。  ロマンスやコメディも盛り込みすぎだ。つうかコイツら陽気にもほどがあるだろ。猛獣狩りやモンスター退治とか、狂った集団が一生命を集団で嬲り殺したという設定にしてもまかり通りそうで逆に怖い。 ヒロインも他のホークス映画ほどスリルに貢献しているとは思えない。なんせ他のホークス映画の女性はもっと積極的でクレイジーな魅力に富んでるからねー。「暗黒街の顔役」なんか誰も信じられなくなって女のために野郎ブッ殺しまくる最高のキチガイ映画だったし。そういう意味じゃ凄い物足りない。 魅力的に映らなかったが故に「ジョーズ」と「遊星からの物体X」は女性が巻き込まれず男たちのよりハードな物語になったのだろうか。そう思うと意外な決着を迎える「エイリアン」と見比べるのも面白い。  何よりカーペンターがホークスの本作や「エイリアン」との差別化も図って、原作とホークス版の美味しいところを凝縮した大傑作の存在もデカい。俺も個人的にはアッチの方が好きなんだ。 なんせホークス大好きなカーペンターの野望の結晶、ホークスの傑作群を髣髴とさせる面白さなんですから。飛行機乗りのタフガイがライフル片手に奮闘する姿なんて特にね。音楽もホークス映画等で活躍したディミトリ・ティオムキンに影響を受けたエンニオ・モリコーネだし。
[DVD(字幕)] 8点(2016-01-14 22:58:50)(良:1票)
58.  クリード チャンプを継ぐ男 《ネタバレ》 
この題名はどうなんだ? ただでさえ前作の原題が「ロッキー・バルボア(Rocky Balboa)」とかナメてんのか今までのナンバリングはどうしたこの種馬野郎(この辺は日本の配給会社GJ)と思ったが、今回は「クリード」である。中身を見るまでは「ロッキー」の続きかどうかさえ解らない。 「ロッキー」は名前だが初見には「クリード」って誰?「ロッキー」を知る者にはそれが最高のライバルの姓だということ、その伝説を受け継ぐ者の物語だということを悟る。   刑務所らしき場所から物語は始まる。扉が開かれ、警官らしき男とそれに連れられた子供たちが入ってくる。 廊下の壁に子供たちは並べられ、その途端に警報が鳴り響き警官は別の部屋に吸い込まれるように駆け出す! 子供たちが騒然となって取り囲む先には拳を交える二人の男の子。馬乗りになった子の激しいラッシュ、警報はゴングとなってレフェリーを呼び寄せ、幼いファイターを退場させる。  キャメラは様々な角度から戦いを映していく。観客がリングの外で下から見上げ、レフェリーが追いかけ続け眼前で見守り、上から実況し、一緒にブッ倒れて気を失うように。  裏の世界でボクシングを続け、表では自分を引き取ってくれた義母のために真面目に働いていたらしい。 まるで光が降り注ぐように白ーいオフィスを見ろよ。野獣どもが取り囲む薄暗いリングを自由に駆け拳をブチこんでいた男が、狭そうなデスクでおとなしく仕事をしている姿を。  仕事を辞めるのは本当に打ち込みたいものに挑みたいから、家族から自立するために。 彼を支えるのは本物の母親と父親がくれなかった女性の愛情だ。彼女は息子の決意を見守る事を選ぶ。  愛憎入り混じる父親たちへの思い。 スクリーンで一緒になって父親を殴りまくるかと思えば、親を侮辱されて思わず殴ってしまったり(リング上で怒りを晴らせる対象じゃないので)、好敵手と戦い抜いた勝負服をもらって誇らしげな表情を見せたり。 とにかく認められたい、プレッシャーに打ち勝ちたい、憧れでもある伝説を超えたい、息子としてじゃなくアドニス・ジョンソンとして自分の拳で夢を掴みたい、何より自分を育ててくれた師や家族のために。 公式の記録上では無敗、だがスパーリングと挑発に乗って手を出してしまう“敗北”は幾度も味わう。 リング上のルールがあればリング外のルールもある。ボクサーはそれを守るのも仕事であり、戦いだ。敗北として受け入れ、己を戒めることで初めて成長できる。  酒場でめぐり合った伝説の男も、誰かのために戦い続けてきた。 付き合いの長い男の頼みを断るのも、先客に対する礼儀のため。妻も戦った“強敵”と戦う覚悟を決めるのは誰かのために生きたいから。  積み重ねられる修行、バイクのウィリー軍団は競争するためじゃない。共に駆け抜けて窓の向うで待つ者に激励を送るため! 女が補聴器を取るのは声を聞きたくないからじゃない。男が話しかけて来るのをひたすら待つことをやめ、今度は自分から愛してしまった男を眼に焼き付けに行く。 彼女もキッカケを生んだ“音”から自立したかったのではないだろうか。もしくはこれ以上ドアを叩かれて破壊されたくなかry  師弟それぞれの戦い、言葉で煽るのは闘争本能に火を付けるため、リングで戦う父親の姿がアドニスに力を与える! ラストラウンドを盛り上げる「ロッキーのテーマ」!   映画は面白かった。だが個人的には不満点も多い。 「女は脚に来るんだ」と初代の名言をもう一度言うくらいなら、もっと脚を駆使して動き回る姿を映して欲しかった。アップの場面が多すぎるんじゃないか?俺は顎をブチ抜かれて脚が震えるシーンとかも見たかったな。 全身が映るシーンにしてもまるで影から見守るというより隠し撮りだ。 補聴器も身振りで強調される場面が少ないので気付かない人も多そう。  特に気になったのが選手が登場する度に「デンッ!」と出てくる選手の情報!んなもん ど う で も い い わっ!! 一瞬の情報にどんだけ書いてんだよ!?読んでる暇が無えよっ!DVDでも再生する度に一時停止しろってか? “プリティ”?ファッキン・リッキー・コンランの登場シーンなんか何なんだよ? 真っ暗闇の中から火を吹く男とコンラン軍団の大行進、青一色の光を浴びて「デーンッ!」笑い殺す気か演出の牛クソ野郎がああぁっ!!!映画館が爆笑の渦に包まれたのは言うまでも無い。  そんな混乱も階段を登りフィラデルフィア美術館が優しく迎え入れてくれるあの瞬間の感動が忘れさせてくれる。 ロッキーは不滅だがな!
[映画館(字幕)] 9点(2015-12-23 21:45:18)
59.  スター・ウォーズ/フォースの覚醒 《ネタバレ》 
皆さんが「スターウォーズ」に持つイメージは何だろうか。 映画史に残る偉大なる古典?SF映画の金字塔?新ソフトが出る度にCGで修正しまくりやがるいい加減にせいや(新規ファンはどれを見ればいいんだよ)?  俺にとって「スターウォーズ」は誰もが“追いかけ”続ける超A級の志で撮られた最高のB級娯楽映画だ! 西部劇、時代劇、サイエンスフィクション・・・様々なジャンルの娯楽がスペースオペラとして一つに結びつく。  J・J・エイブラムスはジョージ・ルーカスたちの意志を継いで(もう二度とCGで過剰修正しないであろう)新しくも懐かしさに溢れた冒険活劇を再び蘇らせてくれた。 個人的には見たかったものがかなり見れて満足している。多少詰め込みすぎた感もあるが、その分密度があって良かった。それでも語りきられなかったものもあるのでそれは続編で楽しむとしよう。 エイブラムスの活劇も今までの「スターウォーズ」と再会するような、“追いかけ”を生む戦いからすべてが始まる。  星々が輝く宇宙、蒼き惑星に不気味な赤い閃光が降り注ぐ。荒涼とした大地に人々がひしめく集落、何かを語り合う老人と青年、ボールのように転がり大地を駆けるロボット。 火の海で捕らわれる者と脱出する者、命を、家族を奪われていく人々。暗黒面の刃は古の大剣か十字架のように赤く輝く。 仲間の死と流血は戦いへの恐怖を植え付け、恐怖を乗り越えるのは裏切るのではなく“見限る”決意によって。連結ケーブルは逃走を阻むためじゃない。格納庫で大暴れさせ一矢報いるために!  砂漠、宇宙船、密林、焼け跡、敵の要塞、吹雪く森で繰り返される戦闘。何処に行っても敵と密告者だらけ。 事件の連続は出会ったばかりの人々を連携させ、引き離し、再びめぐり合わせて強い絆を結ばせるため。 フォースの存在は“音”が鳴り響き、見えない力で締め付けられ苦悶の表情を見せる肉体、警備兵に語りかけ魂を揺り動かし、鉄の塊が空を走ることによって語られる。  希望を探す逃亡者と戦士のようにたくましく生きる女性の出会い。 ジャンク屋は鉄屑を生活資金に、命を繋ぐ飯に、ゴロツキをブチのめす長い得物に変えて砂漠で生き延びてきた。 伝説を蘇らせるのも彼女次第。埃の被ったポンコツを最高の船に復活させ(ミレニアム・ファルコン!)、隔壁を化物から仲間を救う手段として使い、主を失った鉄塊に光を灯す! 蘇る記憶によって、眠っていた能力を使い戦う姿によって観客は彼女が何者なのかを感じ取る。 帰還者も家族を止められなかった責任と愛情の間で揺れる。 あの「新たなる希望」の頃から酒場で素晴らしい一撃を放ってきたソロもだ。出会い頭に躊躇なくブラスターをブチ込むは恨み買い捲りで相変わらず(褒め言葉)だったソロがだ。 彼はルークたちと出会いあまりに優しくなりすぎたのかもしれない。 長年死闘を潜り抜けた相棒も、そんな最高の戦友の選択を静かに見守る。  対話は戦いを避けたいという祈りであり、望む者にとっては儀式となる。 一騎打ちは仇討ちであり、自分の存在を証明するための行為でもある。伝家の宝刀チノ=リとゴリ=オシ! 地割れは命を飲み込むのではなく戦いの終わりを示し、残してきた者の元へ向う疾走によって愛情が憎悪を上回ったことを物語る。 戦士が眠るのは次の戦いによって「覚醒」する瞬間を待つために。続編も楽しみだ。  見たかったものと新たに抱く謎の数々も期待を膨らませる。 癇癪持ちのベイダーモドキとジャンク屋に隠された、戦争が、悲劇が再び繰り返されてしまった、スクリーンの向うでふんぞり返る巨大ゴラムの謎。 ハン・ソロやチューイたちのマイホームへの帰還・継承・別れ・再会。ヨーダの親戚みたいな婆ちゃん、レイア、C-3P-O、R2-D2、アクバー提督、ジェダイの希望まで! んー、流石にあの人は出なかったか。まあ「帝国の逆襲」も新しい仲間って感じの登場だったしね。きっと続編に出てくれるはず。AT-ATの逆襲もきっとあるだろうと信じて。 あとはベイダーの副官の素顔も見たかったな。さぞかし美人なのだろう。 え?ジャー・ジャー・ビンクス?何ソレ?変な骨なら砂漠に転がってた気がするけど。  ●ハン・ソロよフォースと共にあらんことを ハン・ソロについては皆さんも特に心に残ったことがあると思う。 ただ・・・俺は「あの不死身のハン・ソロが?」とどうしても思ってしまう。 「特別篇」でアクロバティックな首の動きを見せてくれたハン・ソロがだぜ?「ブレードランナー」や「インディ・ジョーンズ」でもタフなアイツがだぜ? 「ロード・オブ・ザ・リング」の某賢者と共演したゴラムまでいるんだ。何故か「希望」を感じています。
[映画館(字幕)] 9点(2015-12-21 22:11:14)(良:1票)
60.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 
やっぱマグロ食ってるようなのとは違うな。  ハリウッドにおける“最初”のゴジラ!こういう奴を待っていたんだぜハリウッドよおっ!  何?ローランド・エメリッヒのイグアナもどき?あんなもんは「ジラ」だ「ジラ」!  オープニングの緊張、それにあのゴジラのディティールは最高だった。  ただ、オープニングが終わってから中々ゴジラが出てこねえ。初代みたいに焦らすのは良い。 ただ焦らしすぎ&「やっときたー!」って時に切り替えすぎなんだよボケゴラ。  ええい人間はいい!ゴジラを出せゴジラを!!  それにゴジラよりもオルガズム武藤の方が出番多かったね。 人間ドラマもやりすぎてちょっとくどかった。でも栗林中将(「硫黄島からの手紙」で名演を残した渡辺謙!)の「ゴジラ」を聞けただけでも良しとするか。  もっとゴジラが「ファイナルウォーズ」みたいに大暴れする(特に例のイグアナもどきを吹き飛ばす奴)のを期待した俺にはちょっと物足りなかった。
[DVD(字幕)] 8点(2015-08-27 00:23:34)
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