661. ウォーターワールド
膨大な制作費とエキストラを使った、○○年後の地球という話のひとつですね。「またか」という感じで興味もわかなかったのを覚えている。先日見直してあらためて感じたのは、大海原が舞台なのになんでここまで映像が美しくないのかということ。ただ大量の水があるだけ。デニス・ホッパーはやけっぱちになってノレない仕事をこなしているように見えた。それがかえって面白かったりする。結局住み慣れた海へ戻っていったコスナー、長年の水中生活でミズカキができていた。次に戻ってきたときは確実にウロコで覆われているにちがいない。こんなふうにアホらしいその後が想像できることは評価できる。 3点(2004-09-08 10:55:01)(笑:1票) |
662. カッコーの巣の上で
初見は高校生の時。とにかくあの看護婦が憎らしかったです。あの当時は管理教育が当たり前、格付け向上に必死になり、規律を乱す者はさっさと切り捨てる学校。親より威圧的な教師と看護婦がピッタリ重なったのだと思う。でもそれなりに年をとってから見るとまったくちがうのね。患者たちには自由が殆ど与えられていない、けれど彼らにとっては病院に居る限り、その場しのぎではあるけれど平和と安堵があったと思う。足りないのは自由な豊かな心。看護婦もマクマーフィもどっちもどっちである。この両者の争いに振り回され、自殺者まで出てしまった他の患者たちが気の毒でしょうがなかった。ルールで人をがんじがらめにすることはできない、しかしルールを無視し、他人を巻き込み好き放題やるのを自由とは言わない。ラスト、チーフが洗面台で窓をぶち破り遠くへ走り去っていく姿は心の開放を象徴しているように感じた。これはじっくり、たっぷりと「映画を見た」という満足感を得られました。最近はこういった映画が少ないですね。 [地上波(吹替)] 10点(2004-09-07 10:36:12) |
663. スパイダー
頼りなげであどけない顔して・・・だからモニカ・ポッターだったのか!と、どうにもこうにもハマらないポッターの役柄に納得。モーガン・フリーマン、走ってましたなあ。ダイ・ハード3がちらついたあのシーンはフリーマンがそのうち心臓発作でもおこしゃしないかとハラハラしました。説明が足りないですね、犯人の背景というものがキチンと語られてないのが致命的。誘拐された女の子の父親もいてもいなくてもいいような扱われ方だったしね。ペネロープ・アン・ミラーもこんなお母さん役をやるようになったのね。暇つぶしに見るにはよいです。 4点(2004-09-07 09:00:42)(良:1票) |
664. パーフェクト・ワールド
無実で投獄されたわけではなく、犯罪者であることは確かだし、しかも脱獄したブッチを「いい人」に描きすぎじゃないかとは感じましたが、このコスナーはよかったです。ブッチのようなキャラには正直弱い。ローラ・ダーンがひとり浮いていたような気もする追う側はなぜかドジでしたねえ。装甲車みたいなのが道を外れて林に突っ込んだりしちゃう。しかしブッチに肩入れして見ている私にはこのドジぶりがうれしい。ひょっとしたらイーストウッドはそれを狙って、肉まで焼いてみせたのだろうか。もしそうならやはりイーストウッドという人はスゴイぞ!ラストはやはりうるうる、あんなかわいらしい男の子にキャスパーを着せてるんだもん、ずるいっ! 8点(2004-09-06 13:16:17) |
665. ボクシング・ヘレナ
監督がデヴィッド・リンチの娘っていうのがなんか悲しい。内容、あらすじ、あのオチがダメだとは思わないんですよ。こういう作品は映像、ビジュアルが命だと思うのだけど、まずシェリリン・フェンでは役不足じゃない?クールビューティじゃないもん。私は髪型ももちろんだけど、衣装のダサさが我慢できませんでした。最初キム・ベイシンガーがオファーされ、まわりの反対もあって降りたのね。降りてよかったよ、キム。しかしキムは契約不履行で訴えられた。こんな映画作っといて訴えるなんて身の程知らずだと思った。 0点(2004-09-06 11:31:19) |
666. フォー・ルームス
ものすごーく期待したんだけどなあ、しっかりハズレでした。特にタランティーノ担当の4話がいちばん面白くないというのが腹立たしい。なぜこんなに面白くないのか私なりに考えてみた。原因の多くは出ずっぱりのティム・ロスにある。彼のこういう役を見るのはあとにも先にもこの作品だけだが、顔の筋肉が引きつってケイレン起こしゃしないかと思えるほど、おどけた表情を作り一生懸命だ。けれどそれがうっとうしい、無理していると感じてしまう。だからおかしさがすーっと入ってこない。やっぱり一生懸命と技量、資質はちがうのよね。これがスティーヴ・ブシェミなら無表情でフロントに立っているだけでもも可笑しかったにちがいない。私もこの中では三話にはかろうじてノレました。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2004-09-06 10:52:08)(良:1票) |
667. 未来は今
おかしな映画ですね。初見のときは「ふ~ん」って感じでしたけど、しばらくして再見したときにシニカルな雰囲気がたまらなくよかったです。この作品は主人公をティム・ロビンスが演じてこそだと思う。あのおっとりして人の良さそうな童顔、それには不釣合いなひょろんと長いからだ。それを持て余しているかのような動作、これが会社の陰謀によって社長に祭り上げられてしまう田舎から出てきた主人公にぴったりなのよ。そしてコーエン兄弟の作品は建物、部屋など舞台、背景というのがすごくいいわ。こういうのをスタイリッシュというのかしら、刺激的です。 9点(2004-09-05 16:52:25) |
668. セイ・エニシング
はい、私もこれは青春映画の秀作であると信じています。なぜかしっかり者、勝気な女の子との相性がピッタリのジョン・キューザック。ここでも秀才の女の子を好きになり猛烈なアタックを開始するのだけど、それが嫌味じゃなく健気で可愛らしく感じられるのがキューザックの持ち味だ。たまにはこんなまっすぐな恋愛モノを見るのもいいものです。ラストも好きです。 9点(2004-09-05 00:11:45) |
669. 推定無罪
辛口が多いんですね、けっこうよくできてると思いましたよ。私は映画が好きだから、よっぽどのことがないかぎり原作は読まないのですけど、基本的に原作と映画は別と思ってます。特にサスペンスミステリーは本を先に読んでネタがわかってたらせっかくの映画がつまらないもん。「地味な、ただの奥さんでした」でもなんら疑問を持たないであろうボニー・ベデリアをキャスティングしてるのは正解だと思うし、グレタ・スカッキの過去の絡ませ方や証拠品のグラスと例の被害者の体内に残っていたモノの使われ方も面白い。そしてなんといっても灰色のアンハッピーなラストがいいじゃないですか。私利私欲のために次々と男をたらしこむ女は放っときゃよかったのよ。未練タラタラのハリソン・フォードがやけにカワイク見えてしまいました。しかしこの浮気の代償は笑いごとじゃ済まんですな。 7点(2004-09-04 23:49:06)(良:1票) |
670. 容疑者(2002)
なになに、この息子がジャンキーのロクデナシになったのは父親のせいだっていうの?過去にいろいろあったようだけど、客観的にはあの母親のほうが問題アリに思えたよ。あの嫁は子どもと突然おじいちゃんの前に現れたと思ったら、幼いわが子を置いたまますぐ逃げちゃうし、なんちゅうデキの悪いしょーもないヤツらじゃっ!!サスペンスかと思ったらしっかり親子ものでした。それでもいいけれど、設定とか事情がワイドショーの人生相談並みでアホみたいなのよ。デ・ニーロがわざわざ出てくるこたーない。何がいちばんスリリングだったかといえば、ジョージ・ズンザが相棒として元気にラストまで登場するのかということだった。 [映画館(字幕)] 3点(2004-09-04 14:46:46) |
671. ホワット・ライズ・ビニース
とりあえずハリソン・フォードのこじんまりした悪役を見られたことに満足です。彼は切れ長ふうでわりと鋭い目をしているので悪役もイケるのではないでしょうか。ストーリーとしては先の読めない面白さというものはないけれど、一瞬ドキっとするところがあったりと退屈ではなかったです。そうそう、効果音が効いてますよね。私はWOWOWで見たけれど、劇場で見てたら音が全身に響いてきて、もっと怖かったと思う。 6点(2004-09-03 18:09:57) |
672. ウォール街
この作品でマイケル・ダグラスはオスカー主演男優賞を受賞しました。今だに首かしげることのひとつです。あの程度でオスカーをあげてよかったんだろうか。たしかこの年は作品、主演女優、助演女優の候補に「危険な情事」が入っていたんだけど、ダグラスだけ「ウォール街」でノミネートされてるのがなんか可笑しかった。作品についてですが、この監督にしてはライトですんなりと見やすいけれど、またしても演説を聞かされゲンナリでした。 4点(2004-09-01 23:24:52) |
673. サウンド・オブ・ミュージック
これは今さらなんだかんだと言ったりする作品ではないですね。自然、常識、あるのが普通という作品だと思う。私が子どものころ小学校の音楽の時間に聞くのはクラシックだった。ビデオなんていうものもなかった。しかしいつの頃からか小学校の音楽の時間に「サウンド・オブ・ミュージック」を見せてくれるようになったらしい。うちの二人の子らも授業で鑑賞し、「面白かった、エーデルワイスがいちばん好き」と言っている。ちょっとだけいい時代になったと感じた。私自身はこの映画最高!とまではいかない。けれどやはり「エーデルワイス」がいちばん好きで、あのシーンではなぜか涙が出る。 8点(2004-08-31 23:15:28) |
674. デブラ・ウィンガーを探して
「アメリカン・スウィートハート」に続いてこれを見たのでなにげに可笑しかった。ここに出てくる女優たちは殆どがブロンドで美人で皆が憧れるようなヒロインを演じた人たち。いちばん大事なのは子ども、けれど仕事をするうえでいちばんネックになるのも子どもなのね。彼女たちはハリウッドの女優で一般人とはかけ離れた世界にいるけれど、感じること思うことは普通の人と大差ないんだと感じた。カメラが回ってることを意識してないとは言えないけれど皆かなり正直に話していたと思う。すっぴんで出てくる女優には感服した。もっともっと見ていたかったです。マーサ・プリンプトンには笑いました。「足の裏みたいな顔した男優」って誰のことなのかしら?サマンサ・マシスは今も可愛らしい。この二人はかつてリヴァー・フェニックスと付き合っていたのよねえ。シャロン・ストーンにサルマ・ハエックのご意見は素直に聞けなかったわね。ハンで押したようなことを言ってると感じた。グウィネス・パルトロウがここに出てくるのはなんかヘンだ。マスコミ逃れに協力し、部屋に泊めてくれたウィノナを裏切って役をぶんどったことも頭をかすめる。そしてですねえ、ここにグレン・クローズが出てこないのは絶対おかしいっ!話題にも上らなかったんじゃない?彼女はいち早く美人でセクシーでミステリアスなヒロインに見切りをつけ、きっぱり捨てた。そして母でもある女優です。 8点(2004-08-31 11:07:21) |
675. アメリカン・スウィートハート
これはなかなか皮肉な内容ですね。まず豪華なキャストについて、キャサリン・ゼタ=ジョーンズは高飛車な意地悪アホ女がぴったりですね。ジョン・キューザックも女に振り回され、キレるとバカをやるちょっと危ないダメ男がハマる。これって昔から彼の持ち味なのね。スタンリー・トゥッチのキレ具合もいいし、ビリー・クリスタルの開き直った宣伝マン、クリストファー・ウォーケンのマッドサイエンティストみたいな監督(この監督も誰かがモデルになってるの?そうであってほしい)可笑しくって楽しい。でもキキがなんでジュリア・ロバーツなんだ?ここはもっと地味顔な女優にしてほしい。キャサリンよりも派手顔大味なジュリアはどうなんでしょう。オープニングの劇中劇のワザとらしい恋愛ものが出てきたときには小躍りしました。意地悪な内幕ものは好きです。全体的にはちょっと散漫な気もしたけど、最後までひっぱったあの新作映画、これが出た時、不満は吹っ飛びました。「ブレア・ビッチ・プロジェクト」いいわねえ。 意地悪く考えると、これはジュリアを念頭に脚本が書かれたのかもしれないわね。しかしジュリアは グウェンではなくキキを選んでしまった。でもこの選択こそ、America's Sweetheartsジュリア・ロバーツなのだろう。 8点(2004-08-31 10:21:54) |
676. シリアル・ママ
キャスリーン・ターナーがママを演ずるというのがこの作品を成功させたと言っても過言ではない。オープニングの幸せそうな朝食のシーン、しかし一匹のハエの登場でママの怖さを印象づけた。ゴミの分別をキチンとしないことへのママの怒りは無理もない。 あやまれば、罰金払えば済むという問題ではないのね。それ以前のマナーを守るという意識の薄さが問題なのだ。スプラッタ映画を興奮しながらケラケラ笑いながら見ていた坊ちゃん、嬢ちゃんが本物の死体と血を見て「映画とちがう!」とうろたえる件はなかなかスルドイわね。 好みの差は当然あるわけだからそれについては何も言うことはありません。シュールな笑顔を浮かべた一見良妻賢母のママは世の狂気の象徴のようだ。ジョン・ウォーターズは実話をもとに、一般市民が日常における一部のマナー違反者、ルール違反者に対する怒りを打ち出し、それを狂気の象徴「ママ」にセイバイさせ笑い倒す。秋に白いパンプス履いてたぐらいで殺されちゃたまらんけど(笑)しかしこれらの着眼点に拍手!まさにブラックコメディ!!これは私が主婦だから思うことなのかもね。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2004-08-30 18:28:19) |
677. ロング・キス・グッドナイト
これは好きじゃなかったです。派手な撃ち合いや爆発シーンが何分間隔かでこれでもかと出てくる大味なアクションものという感じ。ジーナ・デイヴィスってこういう女優だったっけ?と最初に思った。ラストは「まだやるのかぁ」と呆れちゃいました。うっかり巻き込まれてしまったサミュエル・L・ジャクソンはよかったわね。そうだっ!ジーナ・デイヴィスを拷問するのがデヴィッド・モースだったのを今思い出しました。ジーナはレニー・ハーリンと別れて正解だったと思う。 5点(2004-08-30 00:36:00) |
678. エアフォース・ワン
《ネタバレ》 娯楽作品としては面白いと思います。CIAのジャック・ライアンが大統領になっちまった、みたいでした。脇の俳優たちが「あ~この人、この人」と脇役として馴染み深い人たちなのがなんかうれしい。地上のグレン・クローズは凛としてかっこいい。でも大勢犠牲になったのがちょいと腑に落ちなくもないです。そうそう「そいつがスパイなんだってばぁ」とジリジリしたっけ。釈放寸前で射殺されたシーンはこれでしたっけ? 6点(2004-08-29 17:21:34) |
679. アサシン(1993)
ジャンヌ・モローとアン・バンクロフトは互角でした。でもハーヴェイ・カイテルのクリーナーはどうなんでしょう、これはミスキャストでしょうよ。この頃あっちにもこっちにもとカイテルがよく出てましたねえ。ガブリエル・バーンは昔から気になる人だけどちょっと地味で華がないのがタマにキズです。チェッキー・カリョのほうが男っぽくて魅力的。恋人役はダーモット君ですね。で肝心のヒロインなんですけど私はアンヌ・パリローのほうがよかったです。こんな具合にオリジナルとこれはどっちがいいだのと見比べながら見てました。舞台はそりゃパリがいいわよね。 6点(2004-08-29 16:13:32) |
680. 遥かなる大地へ
見る前はちょっとお堅くてお涙頂戴なのかと思ったけど、予想に反してテンポよくユーモアもあり軽快、爽快でした。まだ少々垢抜けないニコール・キッドマンもお茶目。この頃はニコールが今みたいな大女優になるとは思ってなかったなあ。綺麗だけどキツそうで、整い過ぎちゃって人間というよりサイボーグみたいな感じ。いろんな役はこなせないように感じた。でも底知れない才能と演技力を持っていたんですなあ。ロン・ハワード監督の作品は大衆的で素直に楽しめるし、安心して見ていられます。ラストの土地争奪レースは見応えありました。後味は最高!そうそう興行的にはよくなかったのね。同年に公開された作品におされちゃったのかもね。 8点(2004-08-28 18:29:02) |