81. ダーティハリー
クリントのハードボイルド、アンチヒーローっぷりにやられっぱなし。 渋すぎ。かっこよすぎです。 上層部とのやりきれない関係、サソリの動機無き現代的な猟奇殺人など、シリアスな場面も描く事で、 単なるアクションもので終わらない見応えある映画に仕上がっている。 飽きの来ないジャストな長さ、ラストシーンもビシッと決まっており、 これぞ刑事アクションのスタンダードと言える映画。 [DVD(字幕)] 9点(2009-07-21 15:31:07) |
82. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
《ネタバレ》 この年代にこんな切り口で風刺。まさにキューブリックにしか作れない映画。 皆さんお書きのようにピーター・セラーズの3役には全く気づきませんでした。 声質まで変えて・・凄い。 かなりドギツイブラックジョーク映画だし、みんな言ってることがメチャクチャなんだけど、絶妙に現実感があるのが恐ろしい。 会議中に愛人の秘書と電話で話しちゃう将軍や、ミサイルに乗って落ちて行っちゃうコング、兵士たちと上層部の疎通が全く取れてないところなど、とにかく戦争を痛快に、そして悪趣味にバカにしまくってる。 でも実際戦争なんて、本当に数人のキ○ガイが発端になっているんじゃないかと思う。 ラストは・・・立っちゃったね(笑) [DVD(字幕)] 9点(2009-07-19 02:39:16)(良:1票) |
83. 世界最速のインディアン
「夢を追わないやつは野菜と同じだ」 耳も遠くて、前立腺が悪くて、狭心症もちの、そんなジイさんバートだが、何でも笑顔で吹き飛ばす、人生を心から楽しんでいる。 わずかな年金収入で、20年代のオールドバイクに改造に改造を重ね、いつか世界最高速度を出すという夢に向かって、全く老いをいいわけにせず、「心はいつだって18歳だ」 とにかく、そんな彼がたまらなくカッコイイ。 本当に少年のような彼に周りは振り回されるが、最終的にはみんな彼を大好きになる。 改造にかけられる金は僅かなので、日用品をバイクのパーツに代替している、超ハンドメイドバイク。ブレーキもない。 彼の夢であった大塩原を見渡している時の表情に、胸が熱くなった。 映画として特筆すべきところは、全体的な映像の美しさもあるのだが、何よりレース中の画面から伝わってくるスピード感!!凄いです。 この作品を作った監督は、主役の元となった実在の人物バートのドキュメンタリーを制作しており、30年間この映画のアイディアを練っていたらしい。 アンソニー・ホプキンスのキャスティングはとにかく完璧で、本当に素晴らしい演技。誰もが感情移入できると思う。 人生の楽しみ方を忘れかけてしまっている人ほど、この映画の素晴らしさが身に染みるはず。久しぶりの個人的大ヒット映画です。 [DVD(字幕)] 9点(2009-07-18 09:31:58)(良:1票) |
84. アニー・リーボヴィッツ/レンズの向こうの人生
とても良質なドキュメンタリー映画に仕上がっており、アニーについての知識が全く無くても、充分に感情移入出来ると思う。 脚色はしていないが、彼女の人生がまさに「駆け抜けた」人生だったため、ただのドキュメンタリーを観た感覚とは違い、映画として感動出来る作品に仕上がっている。 素晴らしい作品が多数紹介されるので、写真集としてみるだけでも充分に価値がある。 良い映画でした。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-14 19:49:15) |
85. ファイト・クラブ
シリアスに観るより、スピード感や雰囲気で観る、ロックな映画ですね。 洒落の効いた台詞回し、サブリミナルなどデヴィッド・フィンチャーがやりたい事やりまくってる感じ。 何よりラストのピクシーズと映像のカタルシス! そしてタイラーからのサイテーなプレゼント。 素敵です。 [DVD(字幕)] 8点(2009-07-11 00:41:11) |
86. 地獄の黙示録 特別完全版
戦争が生んだ様々な「狂気」を描きたいのは分かるが、何だか表現が薄く散漫で、結局何も胸に響くものが無かった。キルゴアとドアーズに2点。 [DVD(字幕)] 2点(2009-07-09 08:18:33) |
87. マシニスト
《ネタバレ》 サスペンス、ミステリーものを見慣れている人には、かなり早い段階で展開が読めてしまうと思います。 クリスチャン・ベールの役者魂虚しく、内容がとても薄っぺらく感じてしまった。 CMで「1年間も眠れない男」「ガリガリのクリスチャン・ベール」をやたら押し出していたので、恐ろしい話を想像していたのだが、この系統の映画にはありがちな「悪夢オチ」で内容はかなり普通のサスペンス。 映像が冷たくていい雰囲気だっただけに、残念でした。 ベールの演技は素晴らしかった。そこだけに3点献上。 [DVD(字幕)] 3点(2009-06-27 01:55:03) |
88. アイム・ノット・ゼア
《ネタバレ》 う~ん何だか凄く惜しい・・ 演者は全員が素晴らしかった。特にケイトとヒース、良かったです。 この映画独特の手法は好き嫌い分かれるでしょう。 僕は少し感情移入しづらく感じました。 ただ前の方コメントにもあるように、最期に本人の映像を映す演出は必要だったのか。 あれをやられると、観終わった後あの映像だけがあまりに強く頭に残る。 音楽はもちろんのこと映像が美しいので雰囲気モノとして楽しむのがいいかも。 [DVD(字幕)] 4点(2009-06-24 23:30:17) |
89. ナチュラル・ボーン・キラーズ
映像がちょっと狙いすぎていて、ドラッグムービー的にトリップさせたいのでしょうが、逆に我に返っちゃいますね。 オイシイ題材、いい演者たち(個人的にトミー・リー・ジョーンズ良かった)だっただけに、なんだか凄くもったいない。 [DVD(字幕)] 3点(2009-05-30 06:44:20) |
90. 死霊の盆踊り
誰もが「クソ映画」というもんだから、「クソ映画ハードル」を自分なりにかなり上げて観賞。だがこの映画はそんなものラクラクと超え、宇宙の彼方まで突き抜けていました。 自分という人間のちっぽけさを痛感した。 この映画の前では我々の映画評論、いや言語表現すら、あまりに無力だ。 [DVD(字幕)] 0点(2009-05-22 14:09:15) |
91. ナポレオン・ダイナマイト
《ネタバレ》 随所随所笑いポイントが満載で、楽しめました。 僕はラグビーにとり憑かれたあのオッサンがハンバーグ投げるところが、もうたまりませんでした。 みんな変なやつらばっかりで、各キャラが立っており、映画として普通に良く出来た映画だと思いました。 しかし、邦題はひどいですな。。 原題のままでいいのに。 [DVD(字幕)] 8点(2009-05-22 14:02:18)(良:1票) |
92. ノーカントリー
エンディングには少し物足りなさを感じたが、逆に過剰な演出をしないことで、現実感が高まっていたように感じた。 シガーはおそらく、「死」の象徴なのだろう。 死は人種などに関係無く、人間以外の動物にも(シガーがカラスを撃ったように)、全ての生きるものに平等に訪れる。 シガー自身、「俺はコインの裏表のように生きてきた」と言っているように、彼自身も全てを受け入れ生きるうえで、無感情に、別に殺しを楽しむわけでもなく、殺戮を繰り返す。 家畜を殺す空気銃や、全身黒ずくめの服からも、逃れられない絶対的な「死」を感じ取れた。 ハビエル・バルデムの演技はハマりすぎ。 殺しの演出もリアル。BGMが少なく、静かで暗い世界観も良かった。 とにかくシガーに尽きる。この恐怖感は妙に中毒性があり、何度も観賞してしまった。 [DVD(字幕)] 9点(2009-04-20 00:40:11) |
93. ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
まず本作は映像がとても美しく、重々しく、力がある。 ダニエル=デイ=ルイスの演技はさすがオスカーを獲るだけあり、圧巻。 賛否あるようだが、この独特の陰鬱で少しホラーじみた雰囲気が、 人間が欲望に狂っていく様や、混乱する心情風景をリアルに描いていたと僕は思う。 なんだか、シャイニングのクシシュトフ・ペンデレツキの音楽っぽいなぁと思っていたら、エンドクレジットで音楽「ジョニー・グリーンウッド」と出ていて納得。 レディオヘッドのギタリストである彼は、ペンデレツキの音楽に多大な影響を受けた と言っていたので。 映像、音楽、雰囲気全てが異様、そして圧倒的にリアル。 見応えありまくり。重量級です。 [DVD(字幕)] 9点(2009-03-17 16:37:31) |
94. ROCK YOU! ロック・ユー!
まぁ、何だか全てがトントン拍子で進んでいく展開やこういうテンションが好きな人はハマるのかもしれません。僕にはあまりグッとくるものがありませんでした。 身勝手な要求をしてくるヒロインや、悪役の伯爵をそこまでワルに描かなくても・・と思ってしまった。 キャスティング、俳優陣の演技はとても良かったと思います。 ヒースはブロークバックマウンテン、ダークナイトともに全く違った役柄の演技。 この若きヒースは単純に爽やかでカッコイイです。 この人がジョーカーを演じることになろうとは・・・ 凄い才能を持った俳優さんですね。 [DVD(字幕)] 4点(2009-03-11 05:11:14) |
95. スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師
もともとティム・バートン監督のゴスな世界観があまり好きでは無かったのだが、ある映画批評家がかなり高評価をしていたので観賞。ラストの展開には驚いたし、切なかったが、他は特に心に強く残るものは残念ながら無かった。ジョニー・デップはかなりハマっていたと思う。意外に歌声にも味があった。 [DVD(字幕)] 3点(2009-02-24 07:10:19) |
96. ダンサー・イン・ザ・ダーク
確かにストーリーはありきたりなド悲劇で、全く共感出来ない。 ではなぜ8点か。 ビョークの演技と歌・音楽があまりに素晴らしかったから。 そしてカメラワークなどの演出全てが彼女をさらに引き立てている。 僕は特別ビョークのファンではない。 しかしこの映画で使われているミュージカルシーンは、音楽と映像の融合性が高く、 感性に迫るものがあった。 ビョーク以外にセルマを演じられる俳優はいないだろう。 [DVD(字幕)] 7点(2009-02-23 06:39:09) |
97. 十二人の怒れる男(1957)
もう皆さん仰る通り名画中の名画です! [DVD(字幕)] 9点(2009-02-22 02:48:56) |
98. トラフィック(2000)
麻薬問題の深刻さは十分に伝わってきたが、映画として観ると、登場人物の誰にも感情移入できず、そのまま終わってしまった感じ。俳優陣の演技は良かっただけに、もったいない。リアルさを伝えるためにあえて抑揚を廃した演出になったのだろうが、完全ドキュメント映画ではないのだから、もう少し感情的な部分を入れても良かったのではないかと思う。ちょっと期待ハズレ。 [DVD(字幕)] 5点(2009-02-16 07:08:31) |
99. ゴッドファーザー PART Ⅲ
まさに完結作として相応しい作品。アル・パチーノの演技はもう素晴らしいとしか言いようがない。実兄を殺害し、本来の自分を犠牲にしてまで一番大切にしてきたファミリーを、失ってしまった時の断末魔の叫び。無常感に胸が絞めつけられた。 このシリーズ全てに言えることなのだが、殺し合いのシーンをど派手に描いたり、数多く盛り込むのではなく、あくまで静けさ、重厚な雰囲気の中で殺しを描くことで、よりリアルに感じられるし、恐怖も伝わる。 とても美しい音楽と映像もこの悲劇をより深いものにしている。 唯一の減点要素・・・トムがいないこと。トムの存在感無くしてこのシリーズは成り立たないと思っていた私にとって、これは残念だった。 見所一番はやはりラストシーン。 悲しみをこれ以上に上手く表現している映像を私は観たことが無い。 長尺で人間構成も複雑なため、観賞にはある程度体力を要する。でも絶対2回は観るべき映画。1回目よりさらに感情移入できるはず。 [DVD(字幕)] 9点(2009-02-14 01:14:04) |
100. レザボア・ドッグス
下品にそれぞれが喋りまくる導入部から、オープニングへの流れが最高にカッコイイ。 ストーリー全体も、非常にテンポ良く、スリリングな展開に画面に釘付けになる。 時間を行き来させて徐々にネタばらしをさせていくが、その展開のさせ方はもう素晴らしいの一言。 それぞれのキャラクターが素晴らしく立っており、全員がハマリ役。 もう見るからに「ワル」な面子で、台詞、音楽もスパイスが効いていて、とにかくカッコイイ! 個人的には、ブシェミがとってもイイ味出してたと思います。 [DVD(字幕)] 10点(2009-02-10 01:07:24) |