1. グレイテスト・ショーマン
《ネタバレ》 ミュージカルってどちらかと言えば苦手で詳しくもないんですが、それでもパフォーマンスの凄さとか構成がいかによく練られているか、みたいなのは素人が見てもちゃんとわかりましたね。特にバーナムがフィリップを勧誘してるシーンの振り付けには感動しました。バーカウンターの上をショットグラスが乱舞するあのシーン、ほんの少しでも手元が狂ったりタイミングがずれたら台無しになってしまうのでは?いいもんを見せてもらいました。 最近の世の中の風潮を見てると、少数派のために多数派は配慮して社会の仕組みを整備して受け入れろ、さもなくば暴力に訴えるぞみたいな主張が当たり前にされてるように見えて、はた目から見ててふざけんなと思ってました。でもこの映画は自分の価値は自分の力で証明する、自分の居場所は自分自身で勝ち取るぞ、みたいな気概を感じられて心地よかったです。だからこそ興味ない私でもミュージカルシーンに心動かされたんじゃないかと思います。相手のいいところが見えなければそりゃリスペクトなんて生まれませんわ。こういう形の主張が主流になってほしい。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-04-21 11:03:20) |
2. ジョン・ウィック
《ネタバレ》 Youtubeで解説動画を見たのですが、その動画によればこの「ジョン・ウィック」のガンアクションはとても実戦的で玄人さんもニッコリな出来になっているそうです。しかし私には何か運動音痴の人が演じているようなぎこちなくて硬い動きにしか見えませんでした。こういう相手を見てから喧嘩を売れよ系ムービーはジェイソン・ステイサムにでも任せておけばいいと思います。キアヌ・リーブスにはもっと他に輝ける場所があるはず。 あとこの映画自体の落ち度ではないんですが、ラストのスタッフロールが流れ始めたあたりでアマプラのプレイヤーがエラーで再生不可能になってしまって後の展開がどうなったのか分からないまま視聴終了となってしまいました。映画の評価を一変させるような大どんでん返しがもし、もし待っていたのだとしたらどうしようと気になって夜しか眠れなさそうです。 [インターネット(吹替)] 4点(2023-05-27 00:15:03)(笑:1票) |
3. マイ・インターン
《ネタバレ》 たぶん、インターンでやってきた老人のことをはじめはみんなバカにしてたけど、人柄の良さとか経験からくる有能さとかでだんだん見直されて受け入れられていく話なんだろうなと、予備知識なしでそう予想して観てみました。結果、ほぼ想定通りの内容で安心して観れました。お話自体は特に語ることがないですが、アン・ハサウェイの首のあたりにアトピーみたいな肌荒れがあるように見えて、撮影中体調悪かったのかなぁと、そこが何か鑑賞中気になってました。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-05-25 23:23:03) |
4. プラダを着た悪魔
《ネタバレ》 アン・ハサウェイをデブでダサい女扱いするファッション雑誌業界も、ファッション雑誌業界で働いていながらお召し物を部下のデスクに叩き付ける上司も、家庭内不和を見られた腹いせに無理難題言っていやがらせする上司も、そんなパワハラ上司に絆されていくアンドレアも、窮地を救ってやった見返りに肉体関係を要求するビール腹の優男にも、何もかもに共感できなかった。唯一良かったのは終盤の展開だけだったかな。ミランダに「お前と私は似てるぞ、大事な場面で他人を蹴落とす決断ができるところがな!」と言われた瞬間にミランダを斬り捨てて仕事バックレる決断をしたアンドレア。そんな彼女の転職先に口添えをして筋を通したミランダの男前っぷり。映画終了10分前にして初めて彼女らにヤダ素敵キュン…。ってなりましたわ。私なんかにゃ理解不能なオシャレ映画のつもりで視聴してましたが、実際観てみたら少年バトル漫画の師弟対決編みたいな読後感でした。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-05-24 22:20:44) |
5. スポットライト 世紀のスクープ
《ネタバレ》 難しかったです。話の流れもそうですが、誰が何という名前でどんな立場の人なのかとか記者サイドの人たちが今何を考えているのかとかがうまくつかめませんでした。特にわからなかったのがあの新任のユダヤ人ボスはなぜ教会の少年虐待事件を取り上げようと考え、そしてこだわったのかというところです。何かしら描写はあったのかもしれませんが、私には読み取ることはできませんでした。同時多発テロの発生で取材を一旦中断するシーンが描かれて、それがその後の展開に何か影響を与えるのかなと思って見ていたら特に何事もなかった(ように見えた)のも、なんか釈然としないものを感じました。 静かな映画だったという印象ですね。ピアノメインの音楽も落ち着いてるし、劇中の人物たちも大声で怒鳴り散らして議論するようなシーンもない。オチも電話が鳴りやまなくて記事の反響が大きかったのは分かるんですが、なんか淡々と電話応対して終わりみたいで分かりやすいカタルシスみたいなのはなかったです。そんな中で心に残ったのは教会側の弁護士の人たちで、終盤に折れて記者たちに情報を提供するシーン、弁護しなければならない相手の横暴に内心では腸煮えくりかえっているのがよく伝わってきてその迫力が怖かったです。そういう静かな怒りや静かな悲しみが全体に漂った映画だと感じました。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-05-21 21:46:59) |
6. ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー
《ネタバレ》 自分で遊んだマリオのゲームは64まで、の私でも楽しめるのかなと不安でしたが、問題なく楽しかったです。 特に感動したのはコング軍団の中に懐かしいキャラクター達を見つけた時ですかね。令和の劇場であのカップルの姿を拝むことになるとは思ってもみませんでした。私の人生で最も長い時間操作した任天堂キャラたちだったので再会が嬉しかったです。 そんな感じで最新作に触れてないオッサン世代もニッコリできる造りになってます。というかちょくちょく挟まれる挿入歌の懐メロっぷりを見るに我々世代がメインターゲット、または同じ世代がこの映画を作ってるんじゃないかという気すらしました。現役マリオ世代の子供たちはちゃんと楽しめたんだろうか? 実写の方のレビューでも書きましたが、オーバーオールのヒゲ親父がこんなメルヘンチックな世界で戦ってるの違和感あると昔から思ってました。が、今回の映画でその辺の事情が明らかになりました。マリオブラザーズって異世界転移モノのお話だったんですね。いつものキノコ王国舞台の話もいいですが、個人的にはブルックリンで兄弟が配管工として仕事するお話も90分フルで見てみたいです。 不満…というほどのものではないですが、気になったのはたぬきマリオの描写ですね。私の記憶ではあんな不思議な飛び方はしてなかった。そしてあんなに縦横無尽に飛び回れるならゲームの中で本気を出してほしかった。つーかせっかくのたぬきなんだから地蔵プレスでマグナムキラーを叩き落せばよかったのでは?というかマグナムキラーが相手ならマントマリオも見たかった。あっちの方がヒーローっぽいし。 [映画館(吹替)] 7点(2023-05-17 19:22:32) |
7. SAFE/セイフ
《ネタバレ》 ステイサム映画を観るのはこれで7作目です。今回はスーツバシッと決めてトランスポーター並にステゴロしてて、観たいもんが観れたなと満足しました。今回他の映画と違ったのは、ステイサムの口数がやたら多かったことですね。おまけに口を開けば相手の心を折るような情け容赦ない恫喝と皮肉の連続で観ていて楽しかったです。私がジェイソン・ステイサムを知ったのはツイッターのお悩み相談botからで、そこで数々の相談を無慈悲に一刀両断していく様が面白いなーと思って興味を持ちました。この「セイフ」のステイサムは私の中にある彼のイメージまんまだったのでなんか感動しました。寡黙でやるべきことを淡々とこなしていくいつものステイサムもいいんですが、こういう相手をおちょくりまくって口撃するステイサムももっと見てみたいです。 映画自体の方はロシア、中国、市警と勢力が入り乱れてて誰とどこがつながってるのかよくわからなかったなぁってことと、相手に言うことを聞かせる手を次々思いつくルークは凄い…を通り越して何で地下ファイターなんかやってたんだってことと、ファイターやってたのは冒頭のほんの一瞬で、あぁそこら辺の設定は別に重要じゃないんスねってびっくりしたことが感想です。 [インターネット(吹替)] 6点(2022-09-27 23:33:01) |
8. メカニック(2011)
《ネタバレ》 アドレナリンとエピネフリンの下りは笑ってしまいました。あれはファンサービスだったのかな?ステイサムが「そう、それだ。愛してるぜ」って答えてたら勢いで10点つけてたかもしれない。 ステイサム映画はこれで6作目なんですが、その中でも一番面白いと思いました。特に終盤の車内での二人の会話ですね。あの場面のピリピリした緊張感はアクションシーンより見ごたえありました。中盤のレコードと修理中の車の前振りを回収してのオチの付け方もスマートでカッコいいなと感心しました。アーサーも弟子のスティーブに対して罪悪感とか情とかあったと思うんですが、それでも弟子が牙をむいた瞬間に返り討ちにして始末してしまう。ガバは色々あったけど、このラストのおかげでプロの暗殺者って部分の説得力は担保できたんじゃないかと思います。 ステイサム最強で異論はないけど、この映画で一番存在感があったのはスティーブ役のベン・フォスターでした。殺しのシーンでの覚悟の決まった目つきとか、父親を殺した時のことを質問してる時の寂しそうな目とか、目と表情で演技ができるいい俳優だなと思いました。 [インターネット(吹替)] 8点(2022-09-26 21:36:25) |
9. バトルフロント
《ネタバレ》 ふと思い立ってジェイソン・ステイサム主演映画を飽きるまで連続視聴してるんですが、今作が5作目。 ここまで観てきて思ったのが、「喧嘩を売る相手を間違えたな」とでも言わんばかりに ステイサムがちょっかいかけてきた相手を不幸のどん底に叩き落して終了、って映画が大半ですね。 どれもあんまりスカッと爽快って感じではないです。 今回の感想は、ネコも娘も無傷で戻ってきてよかったなってくらいです。特にヤクの売人がネコを連れ去ったときに 「やめろよ!ネコは関係ないだろネコは!」って画面の前で思ったので、敵のアジトでステイサムが無事保護したシーンには心底ほっとしました。 でも、その辺の悪党になりきれない中途半端なスタンスのせいで壊滅させられたのではないか、と思わないでもないです。 [インターネット(吹替)] 5点(2022-09-25 21:25:44) |
10. アドレナリン(2006)
ステイサムには是非とも病院で健康診断を受けてほしい。この映画の撮影絶対体に悪かったと思うよ。 [インターネット(字幕)] 5点(2022-09-23 21:48:32) |
11. トランスポーター
《ネタバレ》 途中から何にも運んでないやんけ、て思ってたらオチに驚愕した。 なるほど、人身売買の被害に遭った不幸な被害者たちを安全な環境に運んであげたわけですね!? 壮大なタイトル回収に感動して気持ちよく視聴を終えることができました。 一番の見どころは、ステイサムがオイルまみれの身体で敵の機銃掃射をにゅるーんと床滑って逃げていくところ。 [インターネット(吹替)] 6点(2022-09-21 23:06:57) |
12. キャッシュトラック
《ネタバレ》 ステイサムはFBIに協力者がいるギャングの親玉で、襲撃者たちはたまたまやべー奴に因縁をつけてしまった、ってことでいいのかな?私の頭が悪すぎていまいち立ち位置がはっきりわからなかった。 終盤の、ステイサムは序盤のシーンで実はこんなことやってましたと明らかにするシーンはうおおおおっと思ったけど、ラストは無理やり話をたたんだように見えた。一番のツッコミどころは二度も蜂の巣にされたのに何で生きてんだってところかな。 [インターネット(吹替)] 7点(2022-09-20 21:50:43) |
13. 007/カジノ・ロワイヤル(2006)
《ネタバレ》 「カジノ・ロワイヤル」なんて看板ぶら下げてる割にはカジノ要素が…物足りないです…。特に盛り上がることもなくあっさり決着ついてた様な印象。もっと「深夜特急」の大小のシーン読んだときみたいな高揚感を期待してたのに…。初対面のヴェスパーとお互いの過去を探り合うシーンのほうが知的、心理戦的面白さって点では上でした。私にとってこの映画のベストシーンはあの場面。 007シリーズを真面目に観たのは今作が初めてだったんですが、イメージと違って笑えるシーンがなかなか多かったですね。特に序盤のカジノで「車どけとけ!」って言われた腹いせに雑な駐車をするところと、「○○タマが痒いんだよ!もっと右を掻いてくれ!」 ゴンッ 「AHHHHHHHHHI!!」のシーン、そして「財務省が貸した金返せって言ってきてるぞ」「…やっぱり返せって言ってきました?(どシリアスな表情のアップ&どシリアスなBGM)」この3つはややウケでした。 ダニエル・クレイグという俳優を観たのも今回が初。印象は…なんかロシアンマフィアっぽい。トム・クルーズやシュワちゃんみたいに、流れ弾が勝手にそれていって自分には絶対に当たらない、アクションスター必携のあの特殊スキルは持ってなさそう。あと走るフォームが面白れぇ。ついでに胸筋から上はムッキムキなのに腹回りは結構だらしなくてプロレスラーみたい。 [DVD(字幕)] 6点(2018-07-25 14:30:45) |
14. キック・アス ジャスティス・フォーエバー
《ネタバレ》 この映画の何が凄いって劇中ヒットガールが乗ってるあのバイク、地面からシートまでの高さが83cmあること。これはつまり乗る人間の股下が最低でも80cmなければ停車時足が地面に届かず転倒、運転どころではないことを意味する。実際私もバイク屋で跨らせてもらった時片足しかまともに接地せず、店員さんから「やめておいた方がいいですね!!」と太鼓判を押されてしまった。体格的に選ばれし者しか乗ることの許されないバイクなのである。 まだある。あのバイクの同車種の新車購入価格は最もグレードの低い物で230万円。さらに200km走行ごとにハイオクガソリンでの給油(満タン2000円)、3000kmごとにエンジンオイル交換(工賃込み2万円)、6000kmごとにタイヤ交換(前後工賃込み6万円)、12か月ごとの定期点検で基本料金3万円+パーツ代、2年ごとの車検整備で4万円+パーツ代が必要となる。バカバカしくて庶民には乗れたものではない高級バイクなのである。それをあの子ときたらエンジン始動直後からスロットル全開でぶん回して爆走、自宅の車庫に乗り捨てている(ついでにヘルメットも投げ捨てる。バイク用ヘルメット6万円。一度でも衝撃を与えたメットは保護能力が劣化するため、地面に落ちた時点でただのコスプレグッズに)。下駄同然の扱い方を見るに、養子にもらわれた先で経済的に不自由ない生活をしていることがうかがえる…というか前作終了時点で300万ドルの貯えがあるんだった。羨ましい!私なんてガレージ付きの家に住もうと思ったら目出し帽とモデルガンを調達するところから始めなければならないのに。 経済力とモデル並みのスタイル、そして驚異的な身体能力を併せ持ったティーンエイジャーのスーパーヒーロー美少女と、チビ短足で30過ぎても貯金残高が1000万にも達しない冴えない中年の男。一台のバイクを通して「人は平等ではない」という現実を画面の前の私に叩き付ける、衝撃の社会派ヒーロームービー! [ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-04-23 22:20:57)(笑:1票) (良:2票) |
15. 逃亡者(1993)
初めて観たけど完成度高くて面白いな~コレ。序盤のパーティーのシーンであんなにたくさん伏線張ってたんですね。それをストーリー進行に合わせて少しずつ回収していって、真犯人が理解できた時の快感がすごい。欲を言えばハリソン・フォードのアクションシーンがあんなにモッサリではなく、もう少しキビキビ動いてくれたら…って思うけどそこがメインの映画ではないしね。だってこれサスペンス映画だし。先入観でアクション映画だと勝手に勘違いして、ビデオ屋で1時間くらい時間を無駄遣いしてしまったよ。 [DVD(字幕)] 8点(2018-04-15 22:19:31) |
16. キック・アス
こういう何のとりえもないヘナチョコが体張って戦って、凄い力を持つ「本物」に認められて並び立つって話には評価が甘くなる。悪党をターミネーターみたいに殺しまくるヒットガールも(絵的なスタイリッシュさも相まって)カッコよかったけど、ベストシーンはキックアスが変な棒を振り回しながら追われてるチンピラを守ったところだろう。ほぼ二人そろってボコボコにされてただけだったけど、それでも守った相手から「ありがとう」と感謝される。そばで見ていた兄ちゃんからは「あんたスゲーよ!」と称賛される。携帯カメラを向けて見ていただけの、周りのモブとは違ってだ。 我々みたいな凡人どもにできる悪との闘い方って、まさにこれだろう。一緒に殴られろ…ではなく、悪や不正に見て見ぬふりをせず「おかしい!」と声をあげ、戦っている人に感謝や応援の声をかけ、その戦いをなるべく多くの人が知るように伝え広めていくのだ。実力行使はスーパーヒーローに任せておけばいい。悪と戦って打ちのめすのがヒーローの仕事なら、その悪がそもそも現れにくい、居心地の悪い世界を作っていくのが守られている我々凡人たちの仕事だ。些細なことでもいい、ヒーローを孤独にせず、我々もともに戦おう!!そんな感想を先日自宅に泥棒に入られかけ、警察に相談に行った私がお伝えするぜ! [DVD(字幕)] 7点(2018-04-15 13:46:26)(笑:2票) (良:1票) |
17. アメリカン・ビューティー
《ネタバレ》 自分の本当にやりたいことがあるなら、理想の自分になりたいのならそれに見合った対価を払え、と言われてるようにしか思えなかった。アメリカ人だけでなく日本人の私たちが見ても感じるところのある映画なんじゃないかと思う。実際「会社辞めて日本一周したい~!でもそのあとの生活が…いやいや、やりたいことをキッチリやったなら、後の人生が残りカスでも幸せなんじゃ…」と毎日葛藤している私にも刺さりまくったしな。 それにしてもケビン・スペイシーはいい役者だと思う。何考えてるかわからないキ〇ガイみたいな惚け顔と聖人みたいな穏やかな笑顔を見比べると同一人物だとはとても思えない瞬間がある。トビー・マグワイアも同じような系統の役者かな? [DVD(字幕)] 6点(2018-04-11 10:35:46) |
18. ハート・ロッカー
《ネタバレ》 主人公が「定年まで勤め上げて晴れて自由の身になったけど、家にいてもやることがなく奥さんに邪魔者扱いされる。ああ、こんなことなら仕事してた時のほうがよっぽどよかった」っていう、よくいるリタイア後のサラリーマンとダブって見える。戦争映画というより自分の中での仕事のウェイト(生きがい、存在価値)と、それを家庭と天秤にかけたときあなたはどうしますか…ってことを考えさせる映画なんじゃないのコレ。 戦場に嫌気がさしたサンボーンが息子が欲しいというシーンとか、爆弾を体に巻き付けられた男が家族のことを延々しゃべって命乞いしてるシーンなど、振り返ってみると「家族」というキーワードがあちこちで見られたように思える。主人公自体も、任期が終わって家に帰れば優しい夫や父親をちゃんとやれてるし、奥さんを侮辱されたらブチ切れるなど、家族に対して確かな愛情を持っていることは見受けられる。でも仕事とどちらを選ぶかとなると話は別。仕事場が戦場で死の危険がついて回る爆弾処理という仕事をしているから異常に見えるだけで、こういう人は割とどこにでもいるんじゃないか。金型職人とか調理師を主役にしても同じような話は作れたと思う(面白いかどうかは知らない)。 「仕事」っていう視点でみて面白かったのは、人間爆弾発見後に主人公のすることが何もかもうまくいかなくなるくだり。私もおぼえがあるけど、いい仕事ができる時って心の中は無、頭と体が勝手に動いて適切な行動をとってくれるような感覚がある。「お客様に最高の商品を」とか高尚なこと考えちゃうと100点満点中60点の仕事を量産することになってしまう。物語後半はあるあるネタとして楽しませていただきました。 [DVD(字幕)] 8点(2017-07-19 08:09:42)(良:1票) |
19. Mr.インクレディブル
《ネタバレ》 エンディング直前、突如現れた悪党に対しインクレディブル一家がニヤリと笑いながらマスクを身に着ける。直前の「1位になるな!うまくやって2位になれ!」のところもそうだったが、このシーンのやりきれなさったらない。この一家はマスクとコスチュームで素性を隠さなければ自分らしくあれないってことだから。 スーパーヒーローの仮面は持っていないが、私たち一般人にとっても他人事ではない。例えば接客業の人は私生活のゴタゴタでそんな気分ではなくても、お客さんの前ではニコニコ愛想よく仕事しなければならない。趣味の合う友人と話しているとき、本当はそこまで好きではないけど、さもその趣味が自分のすべてというように振舞って会話を盛り上げようとする。自分の持ってる能力関心その時の気分性格などを、あるものは抑え込み、あるものは大げさに誇張して、何とか人間関係を円滑に回そうと努力して私たちは日々暮らしている。素の自分で勝負できないって点ではスーパーヒーローも凡人も違いがない。 アメリカ映画に登場するヒーローは膨大な数に及んでいて、それぞれの抱えるテーマや悩みも千差万別。中には「そんなこと、俺たちに言われても…。」と言いたくなるくらい崇高なテーマを抱えてるヒーローもいるけど、この家族が抱えている苦悩は私のようなとりえのない人間にも十分共有できるものだった。あの国のヒーローにしては珍しくて貴重な存在なんじゃないスか。 個性を尊重してとがった部分を守り、育むのがアメリカの教育という話は日本で暮らしている私の耳にも時々入ってくるが、この映画を見る限りそれは理想に過ぎなくてやっぱり出る杭は打たれて排斥されるんですね。そういった人間のうすら寒い部分はウチの国と共通しているようで、なんだか逆に安心しました。 [DVD(吹替)] 7点(2017-07-11 10:51:15) |
20. メイズ・ランナー
《ネタバレ》 正体不明の迷路に閉じ込められた若者たちが脱出を図り頑張るパニックアクション映画。 主人公たちがこんな状況に置かれた理由、迷路の外の世界の状況、安全な居住空間から動きたくない勢力と、脱出して自由になりたい勢力の対立…など、すべてがどこかで見たことある要素で、しかもその描き方が雑。シナリオの出来を楽しむ映画ではないんだろうけど、降りかかる困難を主人公がすべて、まるで答えを知ってるかのように適切に処理していく様は観ていてやっぱり萎える。続編ありきの構成で、製作者は導入程度の意識で作ってるんだろうけど、「続きが見たい」とお客さんが思わなければ肝心な部分を描く前に企画が倒れてしまうんじゃないの?最悪今回はそれだけで終わってもいいという覚悟で、どれか一つの要素を深く深く掘り下げていればもっと面白い映画になってたと思うだけに、もったいない気がした。 アジア系の役者さんが面白外人枠でなく重要な役どころで活躍してるのは、このテの映画にしては珍しいと感じた。そこがこの映画の個性的な部分。あと「ラブ・アクチュアリー」に出てきたドラムの少年の子は成長しても顔全く変わらないな!見た瞬間に思い出したよ。ぜひ大成してほしい。 私は子供の頃にピクニックがてら迷路系アスレチックに親しんだので、こういう大規模迷路は大人になった今見てもワクワクする。近所の公園に出現しないかなぁ。運動不足の解消になっていいと思うのに。近所を見渡してみても養老天命反転地くらいしかないよ。あそこはあそこで面白いと思うけど、アクション映画というよりホラー映画っぽいしな…。 [DVD(字幕)] 5点(2017-07-10 10:09:06) |