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1.  アバター(2009) 《ネタバレ》 
IMAX3Dにて鑑賞(名古屋109Cinemas)。料金2200円也。はっきり言って安い。映画ファンはこの歴史的な映画を観るために今すぐ都心へ向かい、お祭りに参加しよう! これは少なくとも、時代がスーファミからプレステに移行したのと同程度の革命である。具体的にはついこないだ見た『2012』のCG映像を速攻陳腐化するだけの威力はある。つまりこれからどんどこ3D映画が作られていき、かつ来年から3D対応映像機器がばんばん売られはじめるとして、5年後、いや3年後に『2012』見たらなんてちゃちな映画だと思うはずだ。人間とはそういうものだ。つーことは少なくとも、これまで作られた『2012』とかスター・ウォーズみたいな映画に限って言えばあと数年でその価値をなくすというか、古い次元のこととしか語られなくなるっつーことだ。こりゃえらいこっちゃ踊りを踊らずしてなんとする。 予告編でまずシンデレラみたいな映画の3D映像が流れ、その見事な飛び出し具合に思わず声が出るが、まるで飛び出す絵本みたいな階層を成した3Dでなんだこりゃとも思う。でも本編はぜんぜん違った。キャメロンがこの映画のどんな部分に腐心したか、この比較からちょっとわかった。 本編でまず気になったのは字幕。なんか手前にありすぎ。手元のメモを読むみたいな目の動きが必要で、当然映像に対する集中は削がれる。たまに字幕が横に出たが、今度は(おそらく片目の視野にしか入らないせいで)2重に見えたりする。ただ後半になるにつれ気にならなくなっていったので、ひょっとして慣れるものなのかもしれない。 映像については、自分で体験してほしいと思うのであえて文章にしない。ちなみに私はド近眼かつ初期老眼なので遠近感については心配したが、字幕以外ほぼ問題なかった。もっともキャメロン自身かなり老眼が進んでいるはずなので当然かもしれないが。 物語は巷間語られているとおりである。もっともこの映画の持つ意義を考えれば、物語についてはごく原初的かつエモーショナルなものでなければならなかったはずで、素直に感動しておくのが態度として正しいと感じる。 ああもっと書きたいのに書ききれない。つーか肝心なことを書いてない。とにかくわしはイクランの群れに分け入るという体験ができただけで満足じゃ。昔『地球の長い午後』や『宝石泥棒』を読んでわくわく想像した大地にまさかじかに立つことができるなんて、えれー時代になったもんだ。
[映画館(字幕)] 10点(2009-12-29 15:50:34)
2.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 
途中までは満点をつける気などさらさらなかった。 ありきたりの父&息子の成長譚に似すぎていてちと痛いとか、老人の孤独と死にまつわる諸々など個人的に映画館では見たくもないとか、カットのつなぎに性急さがちらほら見られ、にもかかわらず序盤の事件が起きない退屈さを隠蔽しきれていないとか、だいたいアメリカの片田舎でならひょっとしてあるかもしれないギャング話に、なんで日本人である私がわざわざあっちの小市民のふりして感情移入してやらにゃあならんのか、などなど。むろん間違いのない映像の質の高さに安心して身を任せてはいたのだが、そうした小文句が脳内を駆けめぐっていたのだった。 しかしあの、よくぞここまでと書くしかない娘の悲惨な姿が映し出されてからはもう、映像世界に引きずり込まれてどうしようもない。首根っこをつかまれて無理矢理という感じであり、しかも最期を遂げるシーンがあまりにも想像ベタすぎてかえって意外というか、ど真ん中すぎて茫然見逃しというか、こんなのありかという混乱の収まらぬうちにシーンは葬式会場へと移り棺を眼前にしてまるで本当の肉親が死んだかの如き気分をありありと味わい、感動して腰を抜かしていたのであった。あんた、そりゃないよ爺さん。このわけのわからない涙はいったい何なんだベイビー。 俳優イーストウッドは死んだ。映画の主人公でしかなしえない死に方で最後に死んでみせたのだ。そうしてわれわれに、現実と区別の付かぬ混乱の中で悲嘆と嫉妬と羨望の入り交じった涙を流させ、そういう死に方がありうるのだということを示し、スターとしての義務を果たしたのである。 
[映画館(字幕)] 10点(2009-04-28 21:33:03)
3.  チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 
いやー危うくこのすばらしい映画を見逃すところだった。こりゃ今年のベストワン候補だな。映画館でひさしぶりに嗚咽を聞いた。すげー映画。 実の子が神隠しにあい、しかも警察から赤の他人を子供だといって無理矢理押しつけられるという、アメリカ版おしん(おばん)の如く苛められる主人公役を、てっきり色物な人だとばかり思っていたアンジェリーナ・ジョリーが思いきり好演技。見つかったの報せに泣きじゃくるシーンは大竹しのぶかと思ったが、職場では凛とし、裁判所ではか弱く、めりはりがとてもよい。そんなジョリーを苛める警部役もこちらが本当に殺意を覚えるほどの名演で、おかげで後半いかにもアメリカらしいやり方で一気に汚名を払拭していくシーンでは、すさまじいほどのカタルシスを満喫できる。事実にしたがったとはいえ、ありきたりのハッピーエンドじゃないところもいいし。 んで、5年後に見つかった子供が、なぜ今になって名乗り出てきたのか、その理由がまた泣かせる。「母と子の絆」なんぞというテーマをここまで堂々と貫き通せる監督が現在他にいるだろうか。まさかここまで巨匠になっちまうとはなあ。 本当にいいので、未見の方はまだ映画館でやってるうちにぜひ駆けつけをば。某黄色いバッジの映画なんて全然見なくていいから。  
[映画館(字幕)] 10点(2009-03-30 01:37:32)(良:2票)
4.  2001年宇宙の旅 《ネタバレ》 
時間のストレッチ体操 【ネタバレ】 最近の説によると、恐竜には羽毛があったそうだ。なんでかはよくわからないらしい。そりゃそうだ。羽毛なんて空を飛ぶ時ぐらいしか必要がない。変温動物であるはずの恐竜にはそもそも暖を取る必要があるとも思えず、よしんばあったとしてもたんに長い毛でよいはずで、あんな複雑な構造を持つものを生やす必要がない。ひょっとしてムチャクチャ暑かったから巨大な羽をはやして扇ぎたかったのかもしれんが、非現実的である。  ならばこういう仮説が成り立つ。ある日、彼らは空を飛ぶ何かを見た。それを見て「自分も空を飛びたいと想った」。そして、どのようにすれば空を飛べるかを何万年も、何十万年も考え続けるうちに突然変異で一本の羽が生えたのではないかと。そしてまた何百年もかけてそれを全身に増やし、胸筋を大きく鍛え上げ、ついに数メートルだけ宙に浮かぶことに成功したのではないかと。  時間は不思議である。エントロピーは常に増大するはずなのに、「進化」だけが流れに逆らい続ける。まるで大きな流れの川の中で、なにかの拍子に(例えば底に大きな岩があることが原因で)そこだけ流れが滞り、逆流している一筋の流れのようだ。  突然一本の羽をはやして生まれた恐竜は、自分にだけなぜそのようなものが生えたのか理解できない。周囲にいる同時代の恐竜たちの中にも、理由がわかるものは一匹もいない。しかし、恐竜にも共同無意識のようなものが存在していたとすれば、その理由や目的を「時代を超えた視点で」全体としては理解していたはずである。  ごく極小の部分において、エントロピーはループすることがある。その「逆方向に進む局面」こそが進化である。つまり進化とは、じつは方向性を逆にした退化なのだ。かつて空を飛べていたものが、種を切らして滅亡した。その逆が、かつて海や泥の中に沈んでいたものが、やがて空を飛んだ、という進化の系統樹である。  モノリスという角張った「人工物」を見て、猿人は大腿骨の使い方を覚えた。それは同時に、彼が肉体を進化させるのでなく、「モノ」との関係性を深化させることで結果的に進化する道筋を得た瞬間だった(ただし肉体の一部として、どう見ても彼の日常には過分な容量を誇る脳を、どういうわけか彼はすでに得ていた)。  (以下略)
[インターネット(字幕)] 9点(2020-05-06 21:12:54)
5.  ハンターキラー 潜航せよ
Netflixのお絵かき番組に飽き飽きした人は、今すぐこれを見に映画館へ走れ!  やっぱこれだよこれ! 浪花節こそ人生だ!!!
[映画館(字幕)] 9点(2019-05-12 19:33:13)
6.  SUPER8/スーパーエイト(2011) 《ネタバレ》 
スーパー8点のスーパー映画である。以下略
[映画館(字幕)] 9点(2011-09-12 22:31:26)
7.  第9地区 《ネタバレ》 
大傑作である。マイナス1点とした理由は前半と後半が分裂しすぎて後味がバラけたのが明白であることのみ。ここまでされては、まいったと言わざるを得ない。 【以下激ネタバレかつ長文注意】 かつて映画で見たことのあるような形をしたやたらでかい宇宙船が、今いる市街の上にぽっこりと浮かんでいる滑稽さ。さらにヒトより頭一つもでかく、ジャンプ力や膂力にもすぐれ、かつ文明や科学力もはるかに人類より進んでいるはずの宇宙人たちをただの野蛮な野良エビ扱いし、上から目線で特別区に住まわせるという設定のありえなさ。それについて弁明をはさまぬどころか、ゴミ漁りに人との諍いといった規準の宇宙人像とはかけ離れた姿をたたみかけてくる映像。ここまでやられれば、観客はこの映画は冗談で作られているのだということに気付き、苦笑せずにいられないだろう。人と変わらぬスラム街の有り様の中、強制立ち退きのためエビのサインを求め歩く主人公の小役人ぶり、さらにはキャットフードにゲロに立ち小便とギャグ連発。ただここで勢いあまったか、エビの卵を引っこ抜き中絶だと嘲笑しかつ焼却処分する(しかもパチンパチンという音付きで)という、黒すぎるギャグを映し出してしまったことが後半の展開と激しく矛盾することとなり、すっきりした後味とはならなかった遠因になったわけだが、まー向こうの人は神経が太いからなんとも思っていないのかもしれん。 宇宙船はなぜニューヨークでもシカゴでもなくヨハネスブルクに降りたのか。その理由は明白だ。したがってあちらの観客は、こんな馬鹿げた映画はないと大笑いしながら見るんだろうけれども、と同時に、作者がこのエビに見立てているやつらというのはこんなにも野卑な、異星人並みの連中なんだろうかという不安をそっと感じ、背筋を凍らせる、そういう仕掛けになっている。 (続きは私のブログでどうぞ。ただしちょっと書きすぎてますので、未見の方は絶対読まないでください) 
[映画館(字幕)] 9点(2010-04-17 22:10:36)
8.  イングロリアス・バスターズ 《ネタバレ》 
正直私は『キル・ビル』で辟易したクチなので、まさかこんなに面白いとは思わず当惑している。こりゃー最高傑作と自賛するだけのことはある。たとえ一瞬でも馬鹿にしてごめん、謝るぜ。 【以下多数バレ】 いったいどういう風の吹き回しでこんなにタランティーノらしくない映画を撮ってしまったのか。いやむろん第1章や第4章での長々とした無駄しゃべりはレザボア以上の面白さだし、頭の皮剥ぎやらバットによる撲殺やらグロとギャグを混同した悪趣味ぶりも相変わらずなのだが、にもかかわらずこの映画はらしくない。むろん茶化すことが憚られるテーマであることはわかっちゃいるが、それにしてもシリアスすぎる。ユダヤ人を匿った親父は床を指差しながら涙を流すし、大佐の質問攻めから解放された女館主は一転して情動失禁するし、映写室で若い二人が撃ち合うシーンなどは、何をトチ狂ったのかと思えるほどメロメロシリアス演出なのだ。これじゃあまるで普通に手練れの名監督である。一方ギャグは空回り気味で、ブラピはただ眉をひそめてドナルド・ダックみたいな声でがなっているだけだし、イタリア人の真似する場面でもちっとも面白くない、将校殺しの中尉のアレも獣医もイマイチ。だいたい第2章以外はその手の演出自体が少ないのである。 だがこの映画の一番の見所はそうしたシリアスな場面でもギャグでもない。ブラピ以外の俳優陣、特に大佐と中佐と女優のキレキレの演技である。表情、それも目配せのレベルで見所多数。私は10回見ても飽きないと思う。むろん細部が完璧だからこそ結末が面白いのだが、しかしいったいどうやったらこんな演技をさせることができるのか。その理由もじつは台詞背景がシリアスであることと無関係ではないのではないか。思うにこの監督はこの作品で、まさに自らが追い求めてきた独自世界と古くシリアスな「映画」との見事な融合を果たしたのだ。古いフィルムを燃やし、映画館を破壊するシーンは象徴的だといえば大げさか。ショシャナの哄笑を浴びながらナチスが銃弾を浴び皆殺しにされる。史実を無視して総統をぶち殺す、この無茶苦茶なカタルシスはむろんタランティーノゆえであり、後進世代ゆえの呪縛から解放されかつ独自の世界との融合をようやく果たしえた、その気持ちがラストの台詞として表れたのではないかと思うのだ。  
[映画館(字幕)] 9点(2009-12-04 07:46:15)(良:2票)
9.  ヒックとドラゴン 《ネタバレ》 
タチの悪い映画パート2。しかしこの夏のアニメの中でいちばん面白い。 【以下バレ】  猫とコウモリが合体したようなドラゴンも可愛かったが、何よりヒックらを乗せて龍の巣へ向かう時の、並行して飛ぶ何体かの龍の姿が雲の間から浮かび上がる映像や、無数の龍が巣穴を飛び交っている場面の映像などでもう私はノックアウトである。子供の頃に永井豪の漫画を読んでうけたあの衝撃をひさしぶりに思い出した。  『インセプション』を観た時も感じたことだが、作り手はおそらく自分らが子供時代にうけた衝撃をリアルに実写化(というのも変な表現だが、ぴったりくる)することに情熱を燃やしているのである。そのようなことが出来る才能や、技術面も含めた環境を同世代人として羨ましく思うし、うまくいった場合は思想がなんであろうが映画として不純だろうが、断固として支持する。  なんでナイトフェアリーだけ一頭だけなのとか、いくらひどい仕打ちを受けていようが自分らの女王に簡単に歯向かえるはずがないとか、あのラストはいくらなんでもないだろうとか、んなこたどうでもいいのである。
[映画館(字幕)] 8点(2010-08-31 23:51:06)(良:1票)
10.  インセプション 《ネタバレ》 
こんなにタチの悪い映画もないと思うが、面白いから許す。 【以下バレ】  夢というか他者の意識内に潜入するというアイディアは知る限り『ゴルディアスの結び目』が初出。すぐれたアイディア故に模倣者を何人も生んだが、「夢の夢」だのチーム戦だの、ここまでアイディアを膨らませた者はいなかったのでは。それにコブの個人的な深層心理や、既視感をスケールでごまかす映像の連発など、観客の興味を力づくででもひきつけてやろうという根性はたいしたもんである。  特に夢のまた夢による多重化した緊張感というのはなかなか得がたい体験であった。これだけでも8点行くし、後世に語り継がれることになると思う。  夢の表現そのものに目新しい発想があるわけではないし深化したわけでもない。それに第3層(雪山)はあきらかに余計だしヘタ。浮遊する身体の撮り方といい、この監督は映像センスというか、立体的なものを面白く伝える感覚ははっきり言ってイマイチである。しかし前作にも通じることだが、とにかく物語を面白く完遂させるセンスがある。  なんでタチが悪いかは、ノーコメントとさせていただく。
[映画館(字幕)] 8点(2010-08-31 23:48:40)
11.  インビクタス/負けざる者たち 《ネタバレ》 
心ときめくような映像は今回あんまなかったが、いったいどーしてこう泣けるんだろうか。現実世界に戻りたくなくて、エンディングロールよ永遠に続けと願う、こんな体験は年に数度だ。 【以下バレ】 例えばKじいさんのそれは計算ずくの人造的な涙だという気がするし、Aバターで泣けるとすればあれは民族宗教的ちうか、…まあどちらも人の弱みにつけ込んだいわば「泣かせ」であるわけで、この映画を見て流す涙とは根本的に違う。語弊を恐れず書けば、何やら崇高な物に触れたときの「かたじけなさに涙こぼるる」という類いの涙である。んで、その崇高さというのははたしてこの映画のメッセージによるものなのか、メッセージ以外の何か(映画そのもの)なのか、渾然一体となりすぎて自分でもわけわかめとなるのがこの監督の作品を観終えた際の常である。 憎たらしいことに、彼は演出過剰とは逆向きの演出方針で平然とそういう映画を作ってみせる。監獄見物に行った際にマンデラの囚人時代の姿が幻視されるシーンと、それに試合ラスト数秒で時計がゆっくり進むシーン、この二つの見せ場だけが何か紋切り型の過剰演出だが、それ以外は演技も台詞も抑え目であるかのように見える。それはスポーツというものが元来映画化には不向きであり、試合の場面をどう演出しようが幾分か反映画的になってしまうことをあらかじめ予測して、あえて他の場面が映画的になりすぎるのを避けたのであるのかどうか、私はそう想像するが誰か聞いてみてほしい。結果的に、映画としての完成度は他作品に比べて異質となったという印象をぬぐえないが、しかし『ファイヤーフォックス』と同じ価値を持つ貴重な作品であると思う。 「赦し」というメッセージは強烈だ。現代においてなお殺し合いを続けている民族にとってはなおさらだと思う。この映画はそうした場所でこそ公開してほしいと願う。マンデラもまた存命である。私は自分が矮小な存在にすぎないことを知り、なぜか喜びを感じる。 ぶっちゃけまあ、あまりにもど真ん中すぎて見送り三振という去年も食らったパターンで、また今年もやられたなあという感じ。 
[映画館(字幕)] 8点(2010-02-13 20:24:54)
12.  ノウイング 《ネタバレ》 
いやもうホントにもうなんというか、とんでもねーとしかいいようがない映画。 冒頭から少女の預言の紙がなんたらというよくありそうな展開が続き、でもまあよくできた映像だなあと思いつつ正直このテンションがいつポシャるか、いやいつ収束するかと見ていたわけだが一向にそうなる気配はなく、それどころか飛行機墜落から地下鉄転覆を経て映像的破綻もなく話はどんどん盛り上がる一方であり、いやこりゃたいしたもんだ、しかし盛り上がれば盛り上がるほどヘタな落ちでがっくりする率は高くなるわけで、いったいどうするつもりなんだと余計な心配しつつ固唾を呑んで見守る中、話は脇目も振らず「そこ」へと向かい、まさかまさかの蟻地獄的終末展開、そして続くラストの思くそ衝撃的かつ大霊界的大団円大音響映像を目の当たりにしてただ腰を抜かしてしまったわけだが、これはやはり私がいつものハリウッド風味予定調和(つまり何らかの方法で地球は助かる、ね)に知らず知らず慣らされていたせいか、それとも宗教体験ほぼ皆無なのが原因なのか、しかしこのラストは子供のころ怯えながら想像した終焉そのまんまでありいい歳して脳幹にもろに衝撃を受けたのかもしれず、ともかくすごく貴重と思える体験をしてしまったのは確かなのであり、やはりこれも映画を見続けてきたおかげであるなあと今日のところは書いておくことにする。しかしこの映画を作った人たち、いかれてますね。私はあなた方のことが大好きです。 
[映画館(字幕)] 8点(2009-07-15 18:17:47)(笑:2票) (良:1票)
13.  スター・トレック(2009) 《ネタバレ》 
トレッキーではない私にもかなりおもしろかったが、原作に詳しければより楽しめただろうと思われる部分が多数あり、それがちと口惜しい。そんなふうに思えるほど楽しい映画。 カークが不正に乗船した際のエピソードには爆笑したし、ドリル沿いに宇宙から垂直落下するシーンはなかなかの迫力だ。フェンシングだのスポック掴みだのでにんまりしたし、すべてのエピソードがそつがなく続く。だいたいどいつもこいつも「一見似ているようで微妙に似ていない」はどういうわけか。パラレルワールドなのでそうしたのだとしたら、何ちう芸の細かさか。 ラスボスは弱すぎ。しかしワールドだけでなく時間にもずれがあると判明した段階で、物語は添え物となり、ツッコミを入れるのは野暮となった。あっさり終わらすのもありだろう。 ラストは無鉄砲さという白人の生来の資質を肯定してカークが無事キャプテンの座に着く。ユダヤ的なものを代表するスポックや、黄色人やロシアや黒人はその部下である。ちと穿てばこの映画は、あきらかに都合のよい新生・再出発の物語だ。でも楽しいからそんなことは気にしないんだ。 ところでドクター・マッコイの眉のひそめかたは悪ノリのネタとしか思えないのだが、もし続編が作られるとして、ずっとあのままいくのかね。 
[映画館(字幕)] 8点(2009-06-03 07:55:08)
14.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
前半はとてもよかった。主人公の過去とクイズの回答がリンクするという仕組みは同時にインドという国の貧困と富裕が混み合って存在している様を示しているのであり、映画という虚構の中では大いにありだ。というのは虚構は現実を映し出すところで成立するものだからで、ストーリーか仕組みのどちらかに非現実的な部分が宿命的に必要なのであり、この映画の前半は虚構を成立させるために後者を選び、川のトイレや暴動や意図的な不具や盗みや殺しなど、酷すぎて非日常的なエピソードの数々がむしろ日常的に起こりうることであるということ、これが現にインドの一部分であるということを結果として相対化しえたのである。あっ、わけのわからんこと書いちまったどうもすいません。 主人公が成長してからの展開にベタメロドラマな印象があり、かつ賞金の行方や再会の仕方などちとわかりにくい部分があったので減点するが、このへんは映画を終わらすためにはしょうがないとも言える。制作者の主たる創作意図は前半にある。非常におもしろい映画。 
[映画館(字幕)] 8点(2009-05-03 09:58:31)
15.  ワルキューレ 《ネタバレ》 
ヒトラーという御仁は外人から見てももかなり特殊な顔立ちをしていたのかもしれない、とこの映画を見て気づかされてしまった(そりゃ誇張メイクだろうけど)。ありゃ人の形をしたエイリアンだ。悪魔の所業をなしつつ兵卒の心を掌握できていたというのがある意味衝撃で、やたら演出の細かいこの映画から、それが事実であったいう重みが伝わってくる。 とにかく描写の細やかさがいい。兵士の集合とか電信係の女たちとか銃殺シーンとか。主人公の直属部下や電話将校がなんであっさり寝返ったのかイマイチ不明だし、最後の方トム・クルーズ一人がヒーローすぎて浮き気味なのも気になるが、独特の演出の細やかさで大いに楽しめる。 ところで、なぜか若作りのゲッペルスは決死の覚悟で状況を一気に逆転させるわけだが、もしヒトラーが本当に存命なのなら彼は毒を口に含む必要があったのか? 声の似た影武者などがいたのでは? そういえばこの監督は、最後まで生きのびたヒトラーの姿を写さなかったなあ。 いい映画ですよ。何ヶ月ぶりかでなかなかの映画を見た、という感じ。
[映画館(字幕)] 8点(2009-03-28 03:32:59)(良:1票)
16.  ウォーリー 《ネタバレ》 
これはいい! アニメということで敬遠している映画ファンの方々、この映画は見にいかなきゃ損ですぞ。ことに今年は他の正月映画がどうも低調のようで、ひょっとしてこの冬いちばんのおすすめということになるのではないか。 序盤、もはや昔ながらの「アニメ」という言葉が合わないのではと思えるほど緻密な映像(CG)や、登場ロボたちのリアルな動作にまず引き込まれる。イブが目標物を見つけたらすぐシャットダウンしたあたり、いかにもありそう。中盤の宇宙船に潜入するあたりからはさすがに「それはないだろう」というシーンが続き、破綻ぎりぎりだなあとは思うがまあ子供らが見れば夢中になるだろう。腑抜けと化しどちらが飼われているのかわからくなってしまったような人間たち、700年前の命令に忠実に従おうとするオート、オートの言うとおりにしていればそのまま平和に暮らせるにもかかわらず、地球に戻ろうとする船長と、言外に突きつけられるテーマの数々は案外深い。クサイ表現だが、いちばん大切なものって何だったっけ、という気にさせられる。そして、いいおっさんが思わず涙したラストシーン。疵があるとすればなぜ主人公のロボットだけが生き残っており、かつなぜああも人間的な感情を持っているのかという説明がいっさいないという点だろうが、そんなことはどうでもよい、負けたよ。
[映画館(吹替)] 8点(2008-12-31 22:43:01)
17.  ミッドサマー
はいはい。  あなたがとても才能のある人で、みんながモヤモヤモヤモヤ感じてることをすごくうまく映像化できるということはよ~くわかったから、今度はもうちょっと役に立つもの撮ってね。
[映画館(字幕)] 7点(2020-04-12 21:26:02)(良:1票)
18.  パシフィック・リム:アップライジング 《ネタバレ》 
 電脳共産主義だかなんだか知らんが、このクオリティのものを大量生産できるんなら別にいいじゃねーか。なあ?   【ネタバレ】   なんにも考えず楽しめりゃいいのよ。   ところであのラストを見てふと思いついたんだが、富士山のマグマ溜まりの上らへんに原発をあえて作るというアイディアはどうだろうか?  攻撃すると世界の終わりになるわけだから、中国だろうがアメリカだろうが事実上手出しできなくなる。  むろんもし攻撃したらここ破裂さすぞというブラフを普段からかけまくるのである。  核武装と同程度の抑止力になるんじゃないだろうか? 名付けてザ・スカンク作戦。   憲法改正も不要である。関係者各位にぜひご検討いただきたいものである。
[映画館(字幕)] 7点(2018-05-02 21:05:42)
19.  メッセージ 《ネタバレ》 
ゲソ星人つまんねーし。 【ネタバレ】 他の映像もアイディアもべつにぶっとんでねーけど妙に印象には残る映画。 つーかこの映画のキモは「人は過去のことだけを記憶しているわけではない」とかじゃねーかと思うんだが、そんなケッタイな話みんな面白いと感じるのかな。SFファンにゃ馴染みだろうが。 『君の名は。』でも感じたが、「3次元の人間には理解できないことを無理くり納得させる」ことに腐心してる感じ。そういう時代に突入したか。 ま、おりゃ身に覚えがあるけどな。はっきり言って。 あと宇宙人による分割統治うんぬんで、中国への露骨なラブレターありw。
[映画館(字幕)] 7点(2017-06-20 00:12:19)
20.  アメリカン・スナイパー 《ネタバレ》 
わりとミもフタもねー  【ねたばれ】 だらだらだらだら中東の紛争は続く。イスラム国だの何だのと、事態は解決どころかややこしさを昂進させている。敵はもしかして勝つことでなく、ゲリラ戦を「やり続けること」に活路を見出してるんじゃないか、と思えるほどである。  911でやられた味方を守るため、ヒロイズム・マッチョイズムで「正義の守護神」を引き受けたはいいが、いつまで続くのもう疲れてきたよ。どこもかしこもちょっといいかげんにしてほしいんだけど。だいたい終わらせる気あんのこれ? な~んて思っちゃってるアメちゃんも、少なからずいることだろう。  「蛮人を殺すことに後悔はない。仲間を守れなかったことにこそ悔いがあるんだ」とかいうセリフのあと、主人公はまさにその元「仲間」に殺されてしまうわけだが、そこにブーメラン的メッセージを見出すとかいう封建的な作りにもなってないと思う。ドリルで子供殺したりする様は間違いなく「蛮人」だし、それにスナイパーを撃つ時のゴルゴ13みたいな演出は、あっさり命中して終わりで反映画的淡白さ。主人公も身も蓋もなく女子供殺すわけだし、きっと現実の戦場は、映画な物語など関係なしにどうしようもなくリアルなんだ、とそういうことなんだ、たぶん。(んで、神様は蛇足で落ちをつけるのが好きなんだ、つーところまでリアルだ)。  戦争をリアルで日常の職業とする、ということの異常さを、こんなふうに(一部の)アメリカ人はちゃんとわかっている。かといって「世界の警察」の座を降りるわけにもいかん(志願者は無尽蔵だろうし、それに「正義」を「多国籍」軍に委ねるには、ちとまだ無理があるような気がするからだ)。  しかしまあ、この先もこの一国が正義ヅラをし続けることが、やや古臭くなりはじめたことは確かなのである。長期戦になること必定のシリア情勢に加え、ウクライナ&ロシアである。さらに中国の膨張は止まず、10年以内にGDP抜かれる・ほっといていいの? 加えて半島では考えられん刃傷沙汰ときて、相対的に弱いアメリカ? が漏れ出し始めちゃってんである。  では、地球の平和はいったいどーオムツされるのか?  バランス・オブ・パワー? ハイパー兵器? んで日本核武装? とかいうところまでいくと思うツボかもわからんが、まー一度、ヒマな時ぐらい思いを馳せておくんなさいお父さん、てな映画。 
[映画館(字幕)] 7点(2015-03-08 21:34:19)
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