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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1922
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1.  嘆きのピエタ 《ネタバレ》 
血も涙もない冷酷非道な闇金の取り立て人、ガンド。利子が元金の10倍にもなるような違法な借金を返せなくなった債務者を無理やり障碍者に仕立て上げ、その保険金を返済に充てていた。片手や両足を使い物にならなくされた者、自らビルの屋上から飛び降りさせた者、一生車椅子生活を余儀なくされた者……。その顔を見ただけで債務者が震え上がるほど恐れられた彼は、その生い立ちもまた壮絶なものだった。産まれてすぐ母親に捨てられ、以来天涯孤独の身となった彼の心に愛というものは存在しない。だがある日、彼の目の前にとある女性が現れる。「ごめんなさい、あなたを捨ててしまって。私はあなたの母親なの」――。藪から棒にそう告白する女性。戸惑いながらもガンドは、その女性の悲痛な叫びに圧倒され共同生活を始めるのだった。当初は乱暴な扱いを続けていた彼も献身的に自分に尽くしてくれるその〝母親〟に、次第に心を許してゆく。だが、その〝母親〟も心にある闇を隠し持っていたのだった……。韓国の鬼才として有名なキム・ギドク監督が放つ、そんな破滅的な母子愛を濃密に描いたノワール作品。幾つもの賞に輝いたという本作を今回鑑賞してみました。確かに非常に完成度の高い作品で、最後まで衰えないその熱量の高さには素直に圧倒されました。ぎりぎりまで無駄を削ぎ落したシンプルなお話に切れ味の鋭いバイオレンス描写、時にやり過ぎなくらいの暴力をこれでもかと見せつけるかと思えば親子の普遍的な愛という極めて道徳的なものを織り交ぜてくる独特の世界観、そして最後はそれらを全てひっくり返す計算されつくした脚本。監督の才能は確かなものだと思います。人の温かみなど微塵も感じさせない町工場の乾いた雰囲気などもとても印象的でした。最後、自分のために編んでくれたと思っていたセーターが実は……となるのもなんとも言いようのない後味の悪さを残してくれますね。あとから思えばこの母親の「計画」が成し遂げられそうになる瞬間が何度もあったのに、それをさせなかったのはあくまで彼女が自らの方法に拘ったからなのか、それとも愛情が芽生えてしまったのか――。なかなか見応えのある、そんな暗黒の親子愛物語。あまりにもどぎつ過ぎて自分の好みにはそこまで合致しなかったですが、良い映画体験をさせていただきました。
[DVD(字幕)] 7点(2021-03-19 01:21:20)
2.  パラサイト 半地下の家族 《ネタバレ》 
半地下と呼ばれる、低所得者向けの賃貸住宅に住むとある四人家族。長びく不況のあおりを受け、揃いも揃って失業中の彼らは先の見えない困窮生活を続けていた。便所コウロギや酔っ払いの吐くゲロに囲まれ、スマホも近隣住民の飛ばすWi-Fi頼み、唯一の収入源であるピザ屋の内職も何かと理由をつけて買いたたかれるような屈辱的な毎日。そんな彼らが這い上がるために見つけたとっておきの方法。それは、小高い丘の上の豪邸に住む金持ち家族に〝寄生〟することだった――。浪人中の長男は、娘の英語の家庭教師として。同じく浪人中の美大志望の長女は、幼い息子の美術教師兼カウンセラーとして。失業中の父親は、主に金持ち主人の運転手として。そして母親は、住み込みで働く家政婦として。世間知らずの夫人に取り入り、もともと居た人間を追い出すようにして徐々に家族の中へと入り込む〝寄生虫〟たち。だが、異常を察知したもともとの家政婦が舞い戻ってきたことから、事態は思わぬ方向へと転がり込んでゆく……。韓国映画界を牽引するポン・ジュノ監督の最新作にして、外国語映画として初めてアカデミー作品賞を受賞した本作を今回鑑賞してみました。冒頭から流れるように続く、徹底的に考え抜かれたであろうストーリー構成は本当に素晴らしかったです。貧困に喘ぐ四人家族が、徐々にこの金持ち家族の中へと入り込んでゆく一連の流れはもはや神がかってました。細部にまで拘ったカメラワークに計算されつくした脚本、変幻自在な音楽の使い方など全てに監督の才気が漲っております。そして元々の家政婦が舞い戻って来てからのあっと驚くどんでん返しも見事にやられました。まさか寄生虫に先客がいたなんて!そこからのドタバタも皮肉が効いていて、ベタながらなかなか楽しい。そして最後はポン・ジュノらしく、貧富の格差という普遍的な社会問題へと落とし込む手腕もお見事。貧困家族がどんなに頑張っても消せなかった「臭い」の扱いなど、監督の視線は何処までも鋭く、そして切ない。エンタメ映画として観客を徹底的に楽しませておいて、最後はちゃんと社会問題についても考えさせられるという、アカデミー賞受賞も納得の良品でありました。
[DVD(字幕)] 8点(2020-10-24 00:06:10)
3.  殺人の追憶 《ネタバレ》 
血も凍るような残虐な方法で殺人を繰り返す連続殺人鬼を追って、執念の捜査を続ける対照的な刑事を描いたサイコ・サスペンス。監督は後に外国語映画で初のアカデミー作品賞を受賞するポン・ジュノ。という訳で今回鑑賞してみたのですが、うーん、正直微妙な出来でしたね、これ。確かにこの陰鬱でダークな世界観はかなり作り込まれていて、爽快感など皆無の絶望的なラストなども充分見応えはあったと思うのですが、いかんせん長すぎますわ。無駄なエピソードが多すぎる上に、ストーリーがあっちへ行ったりこっちに行ったりとちょっと脱線しすぎで途中のダレ具合が半端ないです。なんかこの監督の悪い面が出ちゃったように感じました。デビッド・フィンチャー監督の『セブン』と『ゾディアック』を足して二で割ったような印象ですかね。内容的にもその二作のちょうど中間あたりって感じでした。
[DVD(字幕)] 6点(2020-09-15 03:42:34)
4.  お嬢さん(2016) 《ネタバレ》 
日本統治下の朝鮮を舞台に、ある貴族の怪しげな豪邸で繰り広げられる三人の男女の駆け引きを退廃的に描いた官能サスペンス。まあやりたいことは分かるし、日本の大正から昭和初期のエロ・グロ・ナンセンス文化を多分に取り入れたデカダンスな世界観はよく出来ていたとは思います。江戸川乱歩や夢野久作チックなこの感じはけっこう嫌いじゃない。ただ、いかんせんお話が方がいまいち面白くないんですよね、これ。無駄に長いうえに、肝心のことの真相も容易に読める代物で僕は途中でダレちゃいました。体当たりで頑張った主演女優二人の濡れ場もなかなかエロかったとは思うのですが、ちょっと下品すぎますね。これくらいなら日本の百合系AVでもっとドエロいシーンがいくらでも観れますし、そもそも僕は映画にそーゆー要素を求めていませんので。なんだか無駄に悶々ムラムラさせられた140分でした。映画が終わってすぐ、そっち系の動画を再生したのは言うまでもありません(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2020-09-11 01:54:34)
5.  オクジャ/okja 《ネタバレ》 
スーパーピッグ――。それはアメリカの大企業ミランド社がチリの農場で偶然発見した新種の豚だ。最小限の食料で何処までも大きく育ち、しかも排泄物は少量、何より「美味しい」その豚は、世界の食糧危機を救う奇跡の豚として世間の注目を集める。将来の安定供給を目指すミランド社は、発見された27頭の子豚を世界各国に配布し、どの国の飼育方法がもっとも優れているかをなんと10年間モニターする計画を立てる。そして、10年後…、ミランド社が世界に配られた27頭のスーパーピッグを調査してみると――。韓国の人里離れた山の中で、小さな女の子ミジャに育てられたオクジャ。丸々と太っただけでなく、豊かな自然の中で伸び伸びと育ったその豚は誰が見ても見事な豚だった。ニューヨークで大々的に発表されることになったオクジャは、ミランド社のトラックに乗せられ、そのまま首都ソウルへと搬送されることに。だが、幼いころから家族同然に暮らしてきたミジャは到底納得いかない。何としてもオクジャを取り戻すため、すぐさまソウルへと向かうミジャ。そこにミランド社を敵視する過激な動物愛護団体も現れ、ソウルは大混乱へと陥ってしまう。果たしてオクジャとミジャは無事に再会を果たすことは出来るのか?韓国映画界を牽引するポン・ジュノ監督が、豪華キャストを揃え、そんな愛くるしい食用豚を巡るバトルをノンストップで描いたエンタメ大作。とにかくこのオクジャと言う巨大豚のフォルムがとても魅力的でした。となりのトトロとクマのプーさんとダンボを足して割ったような愛くるしい見た目でありながら、ちゃんとリアルさも感じられる絶妙な匙加減で大変グッド。そして、この豚と友情を育む女の子もその素朴な見た目とは裏腹に行動力抜群で、こちらも負けず劣らず魅力的。彼女がオクジャのためにソウルの街を疾走する前半部分はテンポも良く、演出もキレッキレで普通に面白かった!トラックの天井に摑まった女の子がトンネルにぶつかりそうになるシーンなんて手に汗握っちゃったし。途中からこのチェイスに参加する動物愛護団体のメンバーもなんだかとぼけた味があり、オクジャを乗せたトラックを運転する若者が変にクールなのも見ていて楽しい。そして舞台がニューヨークに移ってからは一転、一気にシリアスさが増すのも素晴らしい演出でした。何処かアウシュビッツを髣髴とさせる暗い飼育場で、ただ屠殺されるために並ぶ豚たち――。食べられるために生まれてくる命は自然の摂理として正しいのか?激しいカーチェイスやオクジャの愛くるしい造形で前半はたっぷりと楽しませ、後半は他の生物の命を頂いてその生命を維持する人間の業についてちょっぴり考えさせられる、素晴らしいエンタメ作品でありました。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-04-26 00:30:46)
6.  母なる証明 《ネタバレ》 
知的障害を持つ我が息子がある日、女子高生を殺害した罪で逮捕された。かなり深酒した息子が、夜道を歩いていた見ず知らずの少女を廃屋へと引きずり込み、暴行を加えようとしたが反撃された末の犯行だという。「こんなことあり得ない。あの子は虫も殺せないような優しい子なのよ」――。息子の潔白を信じて疑わない母親は、無罪を求めてそう世間に訴えかける。だが、出てくるのは息子に不利な証拠ばかり。警察も弁護士もマスコミもほとほと役に立たない。追い詰められた母親は、独自に調査を開始するのだった。泥酔しその夜の記憶が曖昧な息子、息子とは腐れ縁の地元のチンピラ、奔放な生活を送っていた被害少女、そして少女に弱みを握られていたという地元の有力者たち。少女を殺したのは、果たして誰なのか?事件に隠された深い闇へと踏み込んでいった母親は、やがて衝撃の真実を知ることに……。外国語映画として初めてアカデミー作品賞を受賞し今、ノリにノッているポン・ジュノ監督の代表作と言えるそんな本作、今更ながら今回鑑賞してみました。終始陰鬱で観れば観るほど気が滅入るようなお話ながら、なかなか完成度の高いダークミステリーの逸品に仕上がっていましたね、これ。二転三転するストーリー展開、母親役を演じた女優のナチュラルな演技、回想シーンの中で妖艶な魅力を放つ被害少女と、監督の才気溢れる演出にラストまでまさに一気呵成。中盤以降、もはや誰もが怪しいとしか思えない中、最後に明らかにされる衝撃的な真実。後味は最悪ながら、かなり濃密で充実した映画体験をさせていただきました。自分の子供のために母親が本当になすべきこととは何なのか?貧困の負の連鎖は永遠に続くのか?誰もが何かしら思わずにはいられない極めて深いテーマを扱った、良質の社会派ミステリー。この監督の他の作品も観てみようと思います。
[DVD(吹替)] 7点(2020-02-23 00:03:22)
7.  TOKYO! 《ネタバレ》 
その都市の名は、東京。世界中の様々な人間たちの夢や希望、憎しみや孤独、愛や欲望を丸ごと呑み込み、今もまだ増殖し続けるエキゾチック・シティだ。この特異な街を舞台に、時代の先端をゆく国際色豊かな3人の監督が独自に紡いだ摩訶不思議な3つの物語。映画監督志望の彼氏とともに、地元から上京してきた女優の卵。お互い才能もプランもないまま、友達の家へと転がり込んだ彼女は、次第に疎外感に苛まされてゆくことに。自分の居場所を求めて東京を彷徨い歩く彼女はやがて、自らに与えられた“役割”に気付いてゆく。――第1話『インテリア・デザイン』。東京の肥溜めのような地下世界からマンホールを通じて現れた隻眼の怪人は、旧日本軍が遺した手榴弾を使い無差別に日本人を殺戮してゆく。警察に捕まり、始まった裁判の中で怪人はまるで大昔の小説の主人公のように不条理な理論を展開するのだった。――第2話『メルド』。10年もの長きにわたって自宅へと引きこもっている中年の男は、土曜日にだけ頼むピザの宅配員の女の子に恋をする。だが、彼がとある“秘密”に気付いたことから彼女はお店を辞めてしまうのだった。自分の世界に閉じこもっていた男は、10年ぶりに外の世界へと出る決心をする。ただ彼女と会うために。――第3話『シェイキング東京』。第1話の監督は『エターナル・サンシャイン』で一躍時代の寵児となったミシェル・ゴンドリー。いかにも彼らしいマジカルな世界観は相変わらず健在で、このダメカップルのどうしようもない日常を気の利いた会話劇で描く前半はなかなか居心地が良かった。と思っていたら後半、彼女がまさかのメタモルフォーゼ。リアル人間椅子となった彼女はちょっぴりエロティック&グロテスクで大変グッド。ただ、いつもの彼らしいカラフルな映像は今回影を潜め、全体的に暗くて湿っぽく日常感に溢れているのは舞台が東京だからか。もっとポップさが欲しかった。6点。第2話の監督は、今回初めて作品を観たレオス・カラックス。正直、何がしたいのかさっぱり理解不能な作品だった。すんごく独り善がりな感じがして、短い作品なのにとても退屈に感じてしまった。また、若干日本人を小馬鹿にしたような表現が散見されるのも観ていて気持ちのいいものではない。4点。第3話の監督は、外国語映画として初めてアカデミー作品賞を受賞し今ノリにノッているポン・ジュノ。三本の中ではコレが一番良かった。太もものガーターのところに何故か電源ボタンが付いているピザのツンデレ配達員を演じた蒼井優がとても魅力的。他にも主人公の引きこもり描写や無人の東京の街並みなど、演出の細部にまで才気が感じられてさすがの貫禄だった。7点。というわけで、全体の平均を取って、総評としては6点。
[DVD(字幕)] 6点(2020-02-22 01:00:16)
8.  グエムル/漢江の怪物 《ネタバレ》 
ソウル中心部を流れる大きな河に突如として現れた謎の怪物、グエムル。恐ろしいその怪物によって理不尽にも引き裂かれてしまった、ある家族の物語をノンストップで描いたモンスター・パニック映画。普段、韓国映画は全くと言っていいほど観ないのですが、同監督の最新作が世界中の映画祭を席巻しているということで、今回鑑賞してみました。確かに、細部にまで拘ったであろう監督の映像センスには圧倒されましたし、アクションシーンも最後までキレッキレだったし、何より肝心のモンスターの造形が絶妙に気持ち悪いのも大変良かったのですが、やっぱり僕はこの韓国映画独特のノリがどうにも苦手だなと再認識してしまいました。いかんせん、このオーバーアクト気味の過剰演出が鼻について仕方ない。合同葬儀で、娘を失った家族が泣き叫ながらドロップキックするシーンなんて、「うーん、なんだかなぁ」って感じでした。こればっかりは国民性の違いなんでしょうけど。ストーリーの見せ方や家族一致団結してのクライマックスなどは監督の才気が漲っていて大変良かったんですけどね。
[DVD(吹替)] 6点(2020-01-31 00:57:32)
9.  シンクロナイズドモンスター 《ネタバレ》 
酒の失敗で職を失い、現在彼氏の部屋に居候中のグロリア。職探しもおざなりに友達と飲み歩くようなどうしようもない毎日を送っていた彼女は、さすがに彼氏に愛想をつかされ部屋を追い出されてしまうことに。行く当てもなく、仕方なしに田舎へと舞い戻ったグロリアは小さな部屋を借りて再出発を誓うのだった。偶然再会した幼馴染でバーのオーナーをしているオスカーの助けもあって、彼の店でウェイトレスとして働き始めたグロリアだったが、相変わらず酒だけは止められない。二日酔いでふらふらと近所の公園へと訪れたグロリア。――同じころ、地球の裏側の韓国では大変な事態に直面していた!突如として現れた謎の怪獣がソウルの市街地で破壊の限りを尽くしていたのだ。ネットでそのニュースを知ったグロリアは、すぐにあり得ないような秘密に気付いてしまう。なんとその巨大怪獣が公園にいた自分と全く同じ動作をしていたのだ。「私、どうしてだかこの怪獣とシンクロしちゃってる!」。大変な事態にもう二度と公園へは行かないと誓ったグロリアだったが、新たに驚きの展開が待ち受けていたのだった……。自堕落な生活を送っているダメウーマンと地球の裏側に現れた巨大怪獣がシンクロするというかなり特異な設定のモンスターパニック・ラブストーリー。アイデア勝負のそんな変な設定の作品なのですが、いやー、なかなか面白いじゃないですか、これ。まあ突っ込みどころは山ほどありますけど、アイデアの奇抜さとリアリティをぎりぎり損なわない最低限のルール設定が巧く機能していて最後まで違和感をそんな感じずに観ることが出来ました。嫉妬深いダメ男と酒にだらしないダメ女のどうしようもない恋愛が、ソウル市民に大災厄をもたらすというのはかなりブラックですが面白いですね。最後、ソウルに自分が行けば逆に故郷の公園に怪獣が現れるかもという展開にはやられたぁって感じですわ。アン・ハサウェイのダメ女っぷりも意外に嵌まってました。もう少しモンスターとロボットのアクションシーンを見たかった気もしなくもないですが、そこは予算の関係なのかな。とはいえ、ワンアイデアながらなかなか面白かったです!7点!
[DVD(字幕)] 7点(2019-02-12 00:20:00)
10.  スノーピアサー 《ネタバレ》 
地球温暖化を阻止するために全世界の上空に散布された人工冷却物質CW‐7の暴走により、超氷河期を迎えてしまった未来の地球。全ての地表は硬い氷と冷たい雪に覆われ、全生物が瞬く間に死滅するなか、生き残った一握りの人類は、永久機関を搭載し世界中に張り巡らせたレールの上を永遠に走り続ける高速列車〝スノーピアサー〟へと乗り込み、目的地を見失ったまま17年もの間走り続けていた。そして、そこは列車の開発者であるウィルフォード氏を頂点とする厳格な格差社会でもあったのだった――。最後尾車両で虫けらのような生活を強いられていたカーティスはある日、そんな理不尽な列車内の秩序を変えるため、とある計画を実行に移すのだった。皆で一致団結して叛乱を起こし、列車内のセキュリティを開発したという男を救い出すと、エンジンがある先頭車両を目指してひたすら進んでゆく彼ら。だが、車両を進むたびにカーティスは予想だにしなかった驚愕の事実を目の当たりにしてゆくのだった……。予告編を観て、「なんだか変な設定の映画だなぁ」くらいの予備知識だけで今回鑑賞してみたのだけど、予想外に面白かったですね、これ。いやー、この監督さん、僕の勝手な予想だけど若いころのテリー・ギリアムが大好きなんじゃないでしょうか(だって、最後尾の長老の名前はギリアムだし、「未来世紀ブラジル」へのリスペクトな映像がいっぱいあるし)。破綻寸前のぎりぎりで成立している荒唐無稽な設定と、列車内で濃密に構築される摩訶不思議な世界観、アクの強い個性豊かなキャラクターたち、グロと美しさが絶妙のバランスで同居しあう美麗な映像……。ギリアム・ラブな僕としては、そんな本作の溢れんばかりの魅力に最後まで見入ってしまいました。それにちゃんとこの監督独自の美学のようなものも随処に感じられて、久し振りに次作が楽しみな才能に出合えたように思います。このポン・ジュノって人、韓国で活躍されていた方なんですね。普段、韓国映画ってまったく観ないのだけど、彼の過去の作品もあらためて観てみようかなぁなんて思ってみたり。取り敢えず、なかなかアクが強い(ゴキブリ羊羹の製造過程なんてヒェェ~!って感じでした!!笑)ので、観る人を選ぶ映画だとは思うけど、僕のようにギリアム好きな人にとっては充分楽しめると思います。うん、8点!
[DVD(字幕)] 8点(2014-10-26 20:20:42)
11.  ボーン・レガシー 《ネタバレ》 
このボーンシリーズって取り敢えず1・2作目は観たのだけど、なんだか個人的に嵌らなくて、それは何故かと言うと登場人物たちがあまりにも完璧すぎて人間的魅力に乏しいからで、こういう完璧な主人公たちが活躍する疾走感溢れるアクションが好きな人の気持ちも分かるのだけど、僕はもういいやって感じで3作目は観てなかったのだけど、俳優や製作陣も心機一転して新たに創られたという今作、僕の好きなエドワード・ノートンも出てることだしとあらためて鑑賞してみました。うーん、映画が始まってから2時間以上のあいだ誰一人としてほとんど笑わない相変わらず超真面目な登場人物たちが織り成す、超糞真面目なストーリー展開は、やっぱり個人的に苦手だなぁ。でも、それを抜きにしても、ちょっと脚本上の粗が目立つような。クライマックスは当然エドワード・ノートンと直接対決するんだろうなーと思っていたら、唐突に出てきた№3とひたすらカーチェイスして、最後は何故かヨットに乗って「まあ復讐は果たせなかったけど、面倒臭いからこのままバカンスに行っちゃおう」って、ちょっとあまりにもやっつけ過ぎるでしょ、このオチ。
[DVD(字幕)] 4点(2013-10-30 22:52:38)
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