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TANTOさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 901
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 最近になってまた映画を観る習慣が出来ました。
前はほとんど観なかった邦画をたくさん観るようになり
新しい映画ライフが充実しています。

昔ほど数はこなせませんが
趣味と生活のバランスをうまく保ちながら
なるべくたくさんの映画を観て、
なるべく読み応えのあるレビューを続けていきたいと思います。

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201.  劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん 《ネタバレ》 
かなり面白かったです!大杉漣さん演じるドラマverも観ていたので入り込みやすかったことも手伝って、すぐに世界観にハマれました。自分はあまり人とコミュニケーションを取るのが得意ではないタイプなので、いまいちこういうチャットで仲間を作るネットゲームというものの良さがよくわかりません。ゲームならリアルの友達とその場で盛り上がるやつか、それこそ一人でRPGをするかくらいなものです。ですが、そんな私でもこれを観ると少しやってみたくなりますね。  突然仕事を辞め、昔から距離があって理解し難かった父親とゲームを通して絆を作ろうという「光のお父さん計画」。息子は息子であることを隠しながら父親をゲーム内でサポートします。はじめは経験者である息子が父親のアドバイザーとして常に側で支えてあげる役割を果たしていたが、現実の仕事に悩む息子を、そうとは知らない父親が逆に支えてあげたり。父親は父親で相手が息子とは知らず家庭に対して父親がどう考えているかをゲームを通して知ってしまったり。決して一方的ではなく、相互に絆を作っていく過程が見ていてとても良かったですね。  どの話も良かったのですが、特にお茶漬けのエピソードと、娘の彼氏のお笑いライブを見に行くシーンはなんだかジーンときました。  最後、病院を抜け出した父親をネット内で見つけた時、もう息子はそこで自分が息子だとばらし病院に戻るよう説得するのかと思いました。「なんでそうしない!?」と心で叫ぶ自分もいて。ゲームどころじゃないだろうと。しかし、「ツインタニア」という敵に対して、ただのゲームの敵として以上の価値を見出している父親を止めることはできず、そのままバトルへ。正直バトル中はずっと「そんなこと親子でしてる場合じゃないだろう…」とイライラのような感情も沸いてきましたが、バトル勝利後の父親の語った想い、そしてようやくきちんと「息子」と出会い、約束を果たせたことに感動しました。結果オーライといったところですが、探して心配しまくった奥さんと娘は気が気じゃなかったでしょうね。  とても良かった。自信を持って人に勧められる映画です。
[インターネット(邦画)] 9点(2021-08-13 02:48:13)
202.  マスカレード・ホテル 《ネタバレ》 
豪華なキャストが代わる代わる出演する、そんな話題作りの映画かと思ってましたが、中身のほうも充分に楽しめました。思ったよりここでの評価が低くて意外でした。他の方が指摘されてるような「一流ホテルはこうあるべし!」みたいなのがそんなところに泊まったことがない自分にはわからなかったからそれがよかったのかな。普通に面白い映画でした。  物語の本筋は連続殺人犯の追跡なんですが、それに絡んだり絡まなかったりする枝葉の話もひとつひとつが緊張感があってよかった。おそらく豪華キャストを出すための流れだったんでしょうが、そういった製作側の都合がうまく見る側の楽しみにつながってマッチしていたとも思いました。月曜から夜ふかし準レギュラー?の青山めぐちゃんが高嶋政宏さんと出ていたことにびっくりしました。あそこで新田(=木村拓哉さん)が刑事ならではの観察眼でトラブルを未然に防ぎ、山岸(=長澤まさみさん)との距離が縮まって二人の奇妙なコンビが出来上がりましたね。  ストーリーは基本的にホテルを訪れる面倒な客たちを、刑事は連続殺人犯と疑いながら、ホテルマンたちは大事なお客様として扱いながら処理していくお話。中でも生瀬さんの演じる客は一等面倒くさい人でしたね。実際一流ホテルならあそこまで対応するんでしょうかね。PCの消えた(と客が勝手に言っている)データなんか知ったこっちゃないけどな。映画だから最後は本人が悔い改めましたが、現実にはあんなクレームはあり得てもあんな風に自分の行いを悔いる人なんていない。と言うか、あんなことができる人はそもそも自分が悪いと思っていないから。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-08-08 05:47:16)
203.  新聞記者 《ネタバレ》 
ジャーナリズム、マスメディア、政府による情報操作の可能性、などについて考える機会となりました。もちろんこれは映画なので、やや荒唐無稽に思える設定や状況があるのですが、ある意味そう言うものが映画だと分かっているのでそこはスルー。 大事なことは出てくる情報は必ず誰かの手が入っていて、手が入っているということはそこには必ず何らかの狙いがあって、情報を受け取る側はそこを見極める必要があるということ。現代は超情報化社会と言っても差し支えがないくらい情報に溢れていて、その情報一つひとつも嘘なのか誠なのか、はたまた30%だけ嘘であとは本当だとかグレーなものもあり、文字通り玉石混交。それを「見極める」なんて至難の業だがそれをしていかないといけない。ほんと、大変な時代です。  冒頭、薄暗いオフィスで内閣情報調査室、いわゆる内調が時の内閣の都合の良い内容のつぶやきをSNSで投稿しまくる、というシーンがあります。「そんなアホらしい仕事そんな立場の人達がやるのか」とは思いつつも、あんな黒い仕事はそこらへんのアルバイトとかにはさせられないなとも思う。実際近年の報道ではTwitterやヤフコメの書き込みを記事に引用することはしょっちゅうあり、その影響力の大きさを目の当たりにすると、内調にこんな部署があってもそれほど可笑しい話ではないとも感じました。内調であればどこからどんな記事が出るかとかはある程度わかっていそうですしね。 ただ本当にそんな仕事をする部署があるとして、役中の杉原(=松坂桃李さん)と同じくそこに確かなモチベーションを持って業務に就ける人なんかいるのかな。SNSの誘導書き込み、政敵となる人間(それが一般人でも)の個人攻撃のための情報捏造とその拡散、そして組織を守るためのスケープゴート役… どこかのタイミングで「何やってんだ俺」って神崎さんのように虚しくなってしまって自己嫌悪に陥ってしまいそうなもんだが、そういう仕事が意外にハマったり代わりに甘い汁を吸えたり、何らかの運や巡り合わせで普通の人なら感じる違和感を何の疑問も持たなくなるとか、どんな仕事でもあるんでしょうねきっと。この間も少し知り合いが以前勤めていたブラックな営業をしていた会社の話を聞いた。この映画の話はなんらありえない話では無いと思った。  昔、報道とは事実と客観的事実のみを世間に知らせる完全に中立なものであるべきだと思っていました。今もそれが理想だと思っているしその考え自体はまだあるんですが、誰かが何かを意見したり論じる時、100%全ての人に公平で中立なものなんてあり得ないんだなということも最近思います。何かを報道すればそれで得をする人損をする人は必ず存在して、その数や割合が平等になることなんて無い。同時に、報道をする側もその報道で影響を受ける人たちのことを計算に入れて報道を出す。きっとその記事は誰かにとってメリットになり、他の誰かにとってデメリットになるものなんだろう。最近実感として思います、完全に客観的な記事なんてきっと無いんだろうな。だからこそ、「中立」「中庸」を目指したいと思っているのですが。  色んな社会問題が、この超情報化社会の中で私たちの目の前に簡単に出てきて、「こうあるべき」「こうするべき」と示してきます。多様性を謳いながら一つの解答に誘導する圧を感じます。本当、本当に生きにくい社会になった。この映画を観て、なにかそう強く思ってしまいました。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-08-03 23:56:54)(良:1票)
204.  竜とそばかすの姫 《ネタバレ》 
冒頭で思ったのは、『サマーウォーズ』の既視感。ozがU、アバターがASに。ただ違うのは、『サマー〜』のozはその世界から現実のシステム(道路の信号機や衛星など)につながりまくりの危ういシステムだったのですが、『竜とそばかすの姫』のUはあくまでネット上で自分のアバターで色んなコミュニティと交流したり映像や音楽を楽しむもの。やったことありませんがイメージ的には「セカンドライフ」のようなものなのかな、と。  そんなU世界の中で主人公鈴の作ったアバターBELLがその美声と容姿の美しさから瞬く間に数億フォロワーを抱えるビッグコンテンツとなるわけですが、何点か不可解な点や説明足らずと感じた点が。  ①いくら整った容姿で歌がすごかったとしてもただ一曲披露しただけであんな勢いでフォロワーが増えると思えない。自分はネットチャンネルの運営など一切してませんが、実際フォロワー獲得に四苦八苦してる人達が見たら「そんな簡単にいくか!!」と総ツッコミが入るのでは。 ②そもそも竜があそこまで敵視される理由の説明が不十分。別に弱いものいじめをしたりするわけでもなく、明かされた理由はU内の武術会で「ちょっとやりすぎた」から。それだけであそこまで迫害されるものなのか、その過程で何らかの行き違いやイザコザがあったとも想像されるが、あそこまで竜を迫害する動機は観てる側からははっきり示して欲しいところ。 ③生体認証で自動生成されるアバターを、その情報を元に強制的に本当の姿に戻すunveil〈アンベイル〉ですが、あんな機能この世界にあっていいんですか?冒頭のUのナレーションで「現実の人生ではやり直しはできませんが、Uなら出来ます」という趣旨の内容をしゃべってましたが、この〈アンベイル〉機能はその方向性と真っ向からぶつかるもの。一度姿が晒されればその記録も当然残るし、個人の特定にもつながる。Uの自分どころか現実の自分の生活まで危険に晒すあんな機能が公式に認められていることがあり得ないと思いました。 ④ 映画なので観てる人に分かりやすくするのはまあ当たり前なのですが、ネットの意見があんなに分かりやすく何色かに染まることなんて無いということもどこかで見せて欲しかった。実際はもっとカオスでもっと分かりにくく、何が目的で何が本当か嘘かもわからない、そんな刹那的なものがネットなので。  などかな。あと気になったのは〈アンベイル〉された鈴がその後の学校生活どうなったのか。素顔を晒されたわけだし、多分大騒ぎになって平穏な学校生活は送れないんだろうなとか色々考えてしまった。鈴ちゃんに関しては、これを機に「脱U」「脱ネット」して現実で思いっきり歌って現実で思いっきり恋をする人生を送ってほしいと思いました。 もっと映画に時間かけてもらっても構わないから、そういう気になるところの描写も欲しかったと感じました。  色々書き立てましたが映画はとても面白かったです。歌も綺麗で心地よく聴けて、とても印象に残る気持ち良い曲でした。やはり『サマーウォーズ』で好きだったところと重なってしまうのですが、とてもディープな電脳世界を描きながら、それと共にある田舎の生活とのギャップが何ともいえずマッチしていました。 さすがに細田アニメも六作品目ともなると、段々雰囲気や流れのようなものが読めてしまうところもありますが、これからもこの世界観を楽しんでいきたいと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2021-07-31 19:54:28)
205.  60歳のラブレター 《ネタバレ》 
観る前に予想していたものはもっと、ヨボヨボの要介護のおじいさんみたいなのが家族に見守られながら思い出話を語って…っていう感じのものを想像してましたが、考えてみれば60ってまだまだピンピンしてる年齢でしたね。  60になる歳の3組の男女の恋愛事情が描かれるわけですが、自分が男なので男目線で見た時に一番感情移入できたのが医者のおじさんかな。不器用ながらも誠実さでアプローチしていく様子や、相手のこともよくわからず食事の場に引き入れられ反発してしまう娘さんなどもリアルでした。英文を訳させてプロポーズするというのも面白いですね。  あとの二組はなんだか作りもの感が強くてあまりまともに受け止められませんでした。突然現れた60近い女性を執拗に口説きにかかる人気小説家。若い女と不倫して堂々と離婚したくせに昔奥さんが書いた手紙を読んで突然目覚めるエリートサラリーマン。普段旦那にボロカス言うのに急にヘソクリでギターをプレゼントする奥さんと、病室でずっと歌い続けるその旦那。 病室で歌う旦那は素敵だとも思うが、自分だといくらなんでも病院の周りの迷惑が気になってあそこであれはできない。  まだあの年齢ではないからなのか、どこか引いた目線で見てしまった作品でした。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-07-31 18:44:09)
206.  蜜蜂と遠雷 《ネタバレ》 
原作未読です。  幼い頃からピアノの英才教育を受けたサラブレッドの天才、生活者としてのピアノにこだわる努力家、七年前に突如姿を消し今回のコンテストで復活をかける天才少女、そして「ピアノの神」が残した異端児。この四者四様の若きピアニスト達がしのぎをけずる演奏場面を見れるだけでも眼福もの。いや耳福とでも言うべきか。面白い映画でした。私には楽器を奏でる才能はまるでありませんが、ピアノが弾けたらいいな、あんな風に弾いてみたいなと思わせられる作品でした。感情を乗せて表現できる道具があるって素晴らしいですよね。  個人的には最後の本戦の優勝者は栄伝亜夜、準優勝は風間塵、第三位はマサルでした。まあ盛り上がる順番に見せられたそのままの流れで魅せられてしまったというだけかも知れませんが。でも風間と栄伝の、自分の抱えている感情を全てぶつけきって粉々になるまで表現しきったようなあの激しい演奏には心が震えました。 カデンツァや本戦のようにそれぞれがそれぞれの趣の曲を演奏するのも良いんですが、同じ曲を別々のピアニストがどんなふうに表現するのかの違いなんかも見たかったですね。サントラ買おうかな。  映画としての映像の見せ方も良かった。演奏前に曲名紹介の字幕が入ったり、鹿賀丈史さん演じる指揮者の登場で、ちょうど英語で彼のことを「第2の刺客」と呼ばわっていた時にその字幕が彼の真下に出るように演出したり。 ただの音楽映画ではない、映像としての作り込み・奥の深さも感じられました。良作です。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-07-28 19:55:29)
207.  ちょっと今から仕事やめてくる 《ネタバレ》 
ほとんど予想通りの展開なのに、うるっときてしまった。  仕事が辛ければ辞めればいい、自分の命を捨てて周りの人を悲しませてまで仕事を続けなくていい。今どきはよく聞くようなメッセージを持った映画ですが、青山(=工藤阿須加さん)の追い詰められる描写をひたすら見せられた後だと、「あー、よく聞く話だよね」と一般論のように見ることはできなくなってしまう。それくらい青山の追い詰められ感、会社のブラック感が鬼気迫るものでした。あんな社訓や部長のパワハラなど、それこそ今どきならSNSで労基にでもすぐ訴え出られそうなものとも思うんですが、日本には何百万もの会社があって、ああいう社風がまかり通るようなところもきっとゼロではないんだろうなという気持ちで見ていました。最後、「ちょっと仕事をやめた」青山くんの同僚たちは、きっと「次の標的は自分になるんじゃないか」と戦々恐々としながら仕事をすることになるんでしょうね。部長はきっと次の怒られ役を作るんだろう。個人的にはあの会社のその後がどうなったのかがとても気になります。  ひとつのことがうまくいかず、連鎖するように他のことも回らなくなり、いつしか自分のことを心配してくれる誰かの声を聞くことも億劫になり、そんな自分を嫌悪してまた悪い方に考えて…というマイナスのスパイラルに陥る気持ちがとてもよくわかって、痛かった。そういう時は、この映画のタイトルのように「ちょっとやめてくるわ」なんて考えには至れないし、至ったとしても踏み出すエネルギーも無い。そのエネルギーを与えてくれたのが「ヤマモト」であるのだが、実際にはこんな風に「ヤマモト」が現れてくれるわけではない。青山はまだ独身で決断がしやすかったと思うが、これが妻帯者や子持ちだったらと思うとまた難しくなってくる。この映画が「ヤマモト」のように同じような立場の人にエネルギーを与えてくれるものになってくれれば嬉しいが。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-07-25 14:05:31)
208.  冷たい熱帯魚 《ネタバレ》 
『狐狼の血』を観た影響で、なんとなくグロいヤクザものを観たくなり、それっぽいなと思って選択しました。ヤクザ映画っていうか、サイコパス映画でした。この手の映画は、作中の人物に性格なり考え方が少しでも同調できるものがなかったらただただしんどい。社本一家も、村田も村田妻も、気持ちとか感情が何一つ理解できなかった。何をもって『冷たい熱帯魚』なのかも、ずっと考えながら見てたけどわからなかった。映像描写よりも、出てくる人間たちの性格がグロすぎて正視に耐えない映画でした、ってちゃんと見ましたけどね。  特に何が理解できなかったんだろうか。ノリや何らかの狙いの上で簡単に誰とでも寝る村田嫁?ちょっとのせられたくらいであんな店であんな格好で嬉々として働く娘?意味のわからない理屈で頬をはたかれながら抱かれる社本嫁?  「なんかすごい」と言わせるようなパワーがある映画だとは思いますが、私にはあまり刺さらなかった。有名な監督さんの作品がなにからしいのですが、すみません、良さが分かりませんでした。
[インターネット(邦画)] 3点(2021-07-22 23:59:31)
209.  空(カラ)の味 《ネタバレ》 
自分には摂食障害になった経験なんてないので、気持ちがわかる、とかそういう類のことは一切言えません。ただ、どうにもコントロールできない自分自身を理解?というかとにかく受け入れてくれて、解放してくれたのは紛れもなくマキさんなんでしょうね。マキさん、言ってることは支離滅裂だしとにかくテンションが高くて受け止めるのも大変な感じの人なんだが、話し方がすごく良かった。多分個人的にああいう話し方の人が好きなだけなんだろうな。言ってる内容は滅茶苦茶なのに、何故だか心の内側に沁みて入ってくる、そんな喋り方でした。  ほとんどBGMもなく、主人公さとこがだんだんと摂食障害に陥っていく過程をひたすらゆっっっ、、、、、くりと描いていきます。おそらく最初は自分でも変だな、おかしいなくらいのレベルだったものがじっくりとしかし着実に体と心を蝕んでいきます。私は知りませんでしたが、この映画みたいに過食&拒食の複合パターンみたいなのもあるんですね。食欲あるのに吐いてしまうって、すごいな。そんなのが両立することに驚いた。家族の無理解を嘆く描写がありましたが、家族は家族でただただ心配してるだけで、わからないから本人に聞くしかなくて、何だかこの歳になってそっち側の立場でものを見ることが多くなってきたように思う。歳かな(笑)
[インターネット(邦画)] 5点(2021-07-17 19:40:55)
210.  アンノウン(2011) 《ネタバレ》 
「へぇ~、リーアム・ニーソンさんがサスペンスドラマ出てるんだ~」って感じで観始めたんですが、やはりリーアム兄さん。最終的にはアクションで締めるということで・・・。  物語自体はけっこう引き込まれました。自分、そんなに先の展開を読むとか得意じゃないもんで、物語のオチには「マジで!?」と普通にビックリ(←いいお客だ)。でも冷静に考えると、暗殺者としての記憶は戻ったのに考え方だけ常識人になってるとかおかしいですよね。記憶の戻り方がちょっと(てかかなり)ご都合主義だなとは感じました。 冒頭に書いたように、サスペンスドラマと思いきやアクションで締めるという展開があれですが、それについてこれる人ならそれなりに楽しめるのかなと。  【令和3年7月14日再鑑賞】 このページ開いて初めて知りました。前にも観てたんだ…(汗)一時期リーアムおじさんにハマってたから、その時期観たんだな。でも再鑑賞なのに全く初めて感で観れてしまった(笑)  さて久しぶりに鑑賞しての感想は、かなり突飛なストーリーですが一応辻褄は合わせてありますよね。なんで二人のマーティンが同じ記憶や経歴を持っているか、なぜ妻まで自分を全く知らないかのように振る舞うのか。そう言った疑問には「あーなるほどね」と思わせる用意はありました。ですが、事故にあったマーティンをいきなり殺そうとするのはどうなんだろう。記憶喪失を起こしてると分かっててもいきなり殺そうとまだするだろうか。そういう組織ならそうするのが普通なのか?知らんが。「おい!本当に記憶がないのか!?」くらいの確認はあっても良いと思う。それに妻役の人が結構落ち着き払いながら結局爆弾解除できずに爆死するのもいただけない。そしてあんなに「妻を愛してる」と言っていた人が、記憶が戻って彼女が死んだ途端サラッと他の女性に鞍替えしたのもなんだか…という感想。美術館で「愛してる」とも言われていたのに、何でそうなるのか。少しそのへんがもやっとして終わってしまった映画でした。  前回は5点をつけていましたが、前より楽しめた気がしますので再評価させていただきます。
[DVD(字幕)] 6点(2021-07-17 01:48:30)(良:1票)
211.  RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語 《ネタバレ》 
以前にも一度観たはずなのですが、ただただ感動してしまった。ジーンとさせようとしてるなーって何となく感じてるんですけどね。分かっててもジーンとしてしまう。それはもう仕方ない(笑)  一流企業に勤めセカセカと働くことに何の疑問も持たず生きてきて、それが友人の死と家族の状況の変化を受け一大決心をする49歳のおじさんの話。こんな歳のおじさんだからこそ魅力的な話の展開になっています。仕事仕事で家族も蔑ろにしていたら気持ちにも余裕がなかったのが、夢だったバタ電の運転士になってからはまるで憑き物が落ちたよう。家族ともゆったりとしかし誠実に向き合い、運転士の仕事にもまっすぐに取り組む。「仕事?楽しいよ。恥ずかしいくらいにな。」縁側で娘とスイカを頬張りながらこう答える父はなんだかとても格好良い。また中井貴一さんっていうのもぴったり合っていたので良かったんでしょう。あの歳でも精悍な佇まいで、地元の人にも愛されそうだ。  多少古い映画ですが、こんな田舎の牧歌的な地方電車ですら、時代の変遷も感じてしまった。少し遅れてくる乗客のために電車を待たせたり、乗客の荷物を運んであげて電車を止めてしまったら、失礼ながらこんな田舎の電車でもやはりあのくらい怒られるんですね。それにSNSも。当たり前ですが、なんだか昭和的に寛容に許されてきたことはもう許されなくなってきてるんだなーと感じてしまった。実生活でもそれはすごく実感することが多いですが、この時代・このロケーションですでにそうなっていたことに、いささかショックを受けました。そしてやはりこれは映画なので、中井貴一さん演じる筒井さんは地元の方の応援のおかげで事なきを得るんですが、実際は筒井さんと同程度の人が現実にいたとしてもああはならないだろうなとも思ってしまう。冒頭に書いたように分かってはいるんですが、そこはうまくいきすぎですよね。  ある程度それまでに稼いでいたり、奥さんが今バリバリ働いているから父親がこんな自由にできるんだろうとは思いますが、それを差し引いてもこの昔の夢を再度追いかける行動力や、仕事に真摯に向き合う姿勢は見習いたいと思いました。色々立ち帰るところを思い出せた映画となりました。
[インターネット(邦画)] 9点(2021-07-17 01:35:05)
212.  ひとよ 《ネタバレ》 
まず、DVで子どもの腕を折り、顔にアザが残るまで殴る。そんな父親が母親に故意に車で轢き殺されるところから始まる。暴力を振るう父から解放され、「これで自由よ。何にでもなりたいものになれる」と言う母。そこから殺人者の母を持つ子どもたちの人生が始まる、、、というストーリー。  それほど大きくない町で一つの場所で暮らす家族にとっては、母が殺人罪で捕まった、というのは実際すごいハンデになったんだろうと推測します。母の立場、子どもたちの立場、職場の人たちの立場、新たに家族になる人の立場、それぞれによってこのことをどう受け止めてどう反応するかは違うと思う。ただ私自身の個人的立場から言わせてもらうなら、殺す必要がある人はやはりいると思う。東野圭吾著の「さまよう刃」で娘をレイプした男たちや、今作のようなDV男、それもかなり悪質な。法の裁きでは不十分、任せられないと思った時点でそれも仕方ないと個人的には思う。特に前述のような目にあった娘の父親の立場なら、殺意しかないだろう。そういう意味で、この母親の行動は納得がいく。自分でもそうするという思いがある。その一方で、それをしてしまったら残った家族はどうなるかということも気になる。結局何もできないのかもしれない。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-07-13 18:15:14)
213.  人のセックスを笑うな 《ネタバレ》 
全然笑えないな。みるめ(=松山ケンイチさん)への感情移入が止まらなくて、ずーっと真顔で鑑賞しました。こういう雰囲気の女性に惹かれてしまう気持ちが分かりすぎて、痛い。自分の好きなこの女性の人生の中心には自分はいないことがわかってて、なんとかその中心に入ろうと必死になって、でも全くそれがかなわない。彼女に近づきたくて全然知らないリトグラフを始めたり、家を探し当てたり、でも彼女が結婚してるとわかって距離を取るために携帯電話を針金でぐるぐる巻きにして封印したり、それでもやはり会いたくなって家まで行ってしまったり、、、。奔放なゆり(=永作博美さん)に翻弄されまくるみるめは愚かながらも、でもその気持ちや葛藤の一つとして否定することは自分にはできず、ただただ苦しい気持ちを共有して終わってしまいました。  ゆりは、みるめとの関係においてはたぶん、100%自分のやりたいようにやったんだろうな。関係を始めてから、関係を終わらせるまで、文字通り終始マイペースで。そしてみるめはみるめでそこまで振り回されておきながらゆりとの関係に対して1ミリも後悔はしてないんだろうな。「もっとこうしていれば今も一緒にいられたかも」という後悔はしただろうけど、一緒にいたこと自体を悔やむようなことはきっと無い。ゆりのことをとてつもなく好きだっただろうから。いや好きだろうな、今も。  そんなに好きな相手が突然自分の目の前から消えて、会ってどうするかなんてわからないけどとにかく手がかりを求めて探し回る。電話が来たと思ったら意中の相手は旦那と一緒に海外旅行。気持ちが切り替えきれないみるめ。そしてラスト、 「会えなければ終わるなんて、そんなもんじゃないだろう」 そもそも終わらせるつもりなんてなかったのに、ただただゆりを求めて空虚に彷徨うことしかできなくなってしまった。この彷徨には出口があるんでしょうか。いまだにそんなもの見えてこない。
[インターネット(邦画)] 10点(2021-07-08 00:12:30)
214.  夜明けまで離さない 《ネタバレ》 
映画ではこういう謎めいた男、出てきますよね。ただ、現実にはこんな男いないわけですが。そういうお店に来ておいてそういうことしないとか、逆に怪しまれて本当の目的も果たせなくなりますし。店に来た変な男が、たまたま自分の息子が万引きするところに居合わせて仲良くなるってのも、まあ映画ですよね。少し、ご都合的かなとも感じました。時に、現実にもそういう時があるということも分かってはいるつもりですが。  結局宮地真緒さん演じる美咲も、謎の男も、美咲に想いを寄せる刑事(=甲本雅裕さん)も誰も幸せにならない話でしたね。「何年でもあなたを待つ」という美咲の淡い願いくらい叶えさせて欲しかった。 終盤、美咲が夜の街に入った理由が語られますが、どんな事情があれ夜の街に入った人たちは幸せになれないんでしょうか。願っても抜けられないんでしょうか。そんな解釈をすることは極端かもしれませんが、なんだか救われない話を見てしまった後だとそんなふうに感じてしまう。せっかく息子も認めてくれて、あとは刑務所で刑期を終えるのを待つだけだったのに、、、切ないな。  社会では、女として生きようとする母や、母として生きようとする女のことを批判的に語る雰囲気がありますが、どちらも両立させようとした美咲は清々しくていいなあと思いました。こういう女性像は好きです。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-07-05 20:37:22)
215.  天国から来た男たち 《ネタバレ》 
20年前の映画かあ。私も一度タイに行ったことがありますが、「アジアの混沌」というものは確かにある。別にそれはフィリピンやタイ特有のものではなくて、普通に日本の中にもあるもので、よその国の人が「おかしい」とか「いかれてる」と思うようなことなんかいっぱいあるんだろう。この話がどれだけリアリティに基づくものかはわかりませんが、そういう尺度で映画を楽しみました。お金次第でなんでも自由な刑務所、なんか本当にありそうですよね。こういうのを見ると、いかに自分が平和で安定した場所が好きなのかよくわかる気がします。英語が多少できますが、だからって日本からそれほど出たいとも思ってないし、やたらと人の輪を広げようとも思わないし、基本的に内に引きこもりたいタイプの人間なんですが改めて「外って怖いなー」と思わせられた作品。たぶん映画が見せたいものとは全く違う感想を持ってしまいましたが。まぁ仕方ない。思ったんだから笑  しかし20年前の映画なのに、吉川晃司さんや遠藤憲一さんはあまり外見に変化がないですね。つい最近撮った映画だと言われてもそんなに違和感はない。ある意味カメレオン俳優だわ。山崎努さんだけは、さすがに『長いお別れ』を観た後でこれを見るとさすがに年取ったなーと言いたくなる。キャラも全然違うしそこは自分の中だけで違和感だらけでした。  話自体は夢がある、というか「色んな世界があるんだなー」と率直に感じた作品。だからってそこに行きたいとはほとんど思わなかったが。いや、少し行きたいかも。ただ、少しブラブラするくらいでがっつりそこで滞在したいとは思わない。どんなところか少し見てみたい、その程度の関心。なんて言うか、ああいうお金や悪いビジネスで繋がるっていう感覚が自分には無くて、毎日そういうことをして綱渡りで生きることが楽しいと思うような自分がもうないんですよね。そもそもそういう要素がある人や若い人ならこの吉川晃司さんや山崎努さんに憧れるのかもしれないけど。自分には全然響きませんでした。最後サクセスストーリーっぽく描かれてますが、特にそれもどうとは思わなかった。  結局この映画は何が大事と言いたかったのか。お金?信仰心?友情?それとも愛する人?混沌の中でも自分を失わない強さが必要ということなのか。色々考えさせられて、自分の大事なものを確認することができました。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-07-02 23:54:28)
216.  ローリング 《ネタバレ》 
昔盗撮で職を追われた教師がかつての教え子たちと再会し、その盗撮動画をきっかけにさらに転落していく人生を描いた物語。  タイトルはこの「転落」ということかな。または色々合った結果鳥の巣になってしまったという意味で「流転」ということなのかなとも思ったり。権藤の生き方はまさしくROLLINGだなと感じました。  でもあまり共感だったり感情移入できることが少ない話でした。誰の気持ちもわからん。権藤も、貫一も、みはりも、かつての同級生たちも。教師を辞めても教師であった自分に葛藤し続ける権藤もよくわからんし、そんな男について行くみはりもよくわからない。貫一も一見みはりを愛してるように見えて、態度がそっけなかったりやたら束縛したり、いなくなってもあまり気にしてなかったり、それほどみはりのことを大切に思ってなかったのかな。愛に対しても、お金に対しても、それぞれの生き様に対しても、その時だけのいっときの感情の発露だけで生きていく人間たちを描いた物語。そんなふうに見えました。そりゃあ人間なのでいっときの感情に振り回されることはあるでしょうが、時が過ぎれば無くなってしまうような感情なら持たなければいいのに。と、特に貫一には思ってしまった。権藤も大概ですが。  映画としてはそのROLLINGっぷりをただただ見る映画、って感じですかね。最後何がどうなって鳥の巣に辿り着くのかだけは気にしながら鑑賞できました。あとは別に…って感じかな。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-07-01 03:07:54)
217.  ユリゴコロ 《ネタバレ》 
自分の出自を知るってそこまでショックを受けてしまうものなのかな。動揺のしかたが少し極端かなと感じた。さすがに親が人殺しだったわけではないですが、いやたぶんね笑、でも成人してそこそこ歳食っていれば清濁合わせ飲むではないがそんなにみんな清廉潔白なわけ無いってうまく処理できそうなもんですが。 自分なら出自なんかより、自分やその周りの人の「今」のほうがよほど大事です。自分が生まれる前の親の過去なんて知ったところで別にそこまで考えない。過去の親の犯罪のせいで付き合ってる女性と別れることになってしまったとかならまだ理解できる。しかしそんなことも起こらず、五体満足ですくすく成長し、自分の店が持てるまでになれたならそれで充分では。殺人鬼の血をひいていたから車の運転が乱暴とでも言いたげな描写も少し引いた。それこそ安直だわ。  「ユリゴコロ」=「揺り心」ってことなのかな。なぜあんな精神科のようなところに行かなければいけなかったのかは定かではありませんが、あのくらいの子があまり喋らないとかまあ普通にあるんではないだろうか。穴に色々生き物を入れてしまうような行動も、描き方が暗すぎて不気味な気がするだけで、普通では。昆虫の標本とか、蟻の巣にイタズラする子どもに似たような演出付ければそれなりに不気味になるでしょう。それよりもそのあと人を殺してしまったことで彼女の運命はもう方向づけられてしまった。そう感じました。  設定では木村多江さんは主役の松坂桃李さんの「親くらい歳が離れてる」と自分で言ってましたが、どう見てもそこまで歳が離れてるようには見えない。なんだったら婚約者の千絵さんと同世代でも通じるくらい。母親役にはちょっと若すぎて違和感でした。  はじめは「ユリゴコロ」を持たなかった美紗子も、洋介と出会って徐々に良い意味でのユリゴコロを持てるようになっていったことが見ていてわかりました。人を好きになって、その人からも愛され必要とされて、人は変わるんだなと思いました。愛する人や子どもの大切さを確認できた映画でした。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-28 21:16:39)
218.  メランコリック 《ネタバレ》 
思っていたよりずっと良い映画でした。 そして松本くんを演じていた磯崎義知さん。彼が抜群に良かったので印象に残りました。髪の毛マッキンキンでいかにもまともに仕事とかできなそうな彼ですが、人当たりはとても良くて、言葉は不器用ながらも周りのことをちゃんと考えて気遣いができる、好青年でした。鍋岡くんが殺しの仕事についてどんなに無知でどんなに使えない人だとわかっても彼は常に鍋岡くんを「和彦さん」と呼び敬意を忘れず接していました。最後、撃たれて怪我をした松本くんを必死になって助けたくなるのもわかります。プロフィールを見ると磯崎さんは武道の心得もあるとかで、作中のアクションも素人目からも動きが違うと思いました。いろんな要素が輝いている俳優さんという印象でした。これから注目したい。  舞台は銭湯。通常は普通の銭湯として営業してるそこは、深夜には殺し屋の殺人スペースとして借り出されている、というなんだか面白そうな設定。他だと、中身が設定についてきていない映画とかもあるんですが、これは設定と中身の雰囲気もバッチリ合っていました。松本くんと和彦くんが「黒い仕事」を終えた後に二人で肩を並べて銭湯の湯に浸かってる様はなんだかほっこりします。ロケーション、良いですよね。  そして、和彦くんの最後のナレーションが心に響きました。すごく共感できる、いい言葉でした。自分のための備忘録的に、ここに文面を起こしておきます。  「人生には何度か、一生これが続けばいいのにって思う瞬間がある。何もかもが完璧で、幸福で、この瞬間のために俺は生きてきたんだ。そう思える瞬間が、本当に何度か。そして僕たちはまさしく、その瞬間のためだけに生きてるんだと思う。その、何度か訪れる瞬間のためだけに。それで充分。うん、それで充分だと思う。」
[インターネット(邦画)] 9点(2021-06-25 22:07:12)(良:2票)
219.  教誨師 《ネタバレ》 
「教誨」=【教え諭すこと。】または、 【あやまちを悔い改め、善に返すために教誨師が囚人を教え諭すこと。】 とのこと。  よけいな前振りはなくいきなり教誨のシーンから始まります。6人の死刑囚それぞれと、それぞれに合わせつつも忍耐強く神の教えを説く大杉漣さん演じる教誨師。確かに少し説教がくどいところはあるが、あんな人に話聞いてもらえたらなんだかほっとしますよね。囚人たちが一様に彼に心を開いていくのもわかる気がする。  毎回の教誨で物事の正悪について議論しようとする高宮。彼は彼であんな態度ながら牧師との話を楽しみにしていた節がある。自分が持っている今の社会への鬱憤を牧師を論破することで晴らそうとしているような。実際、本当に賢ければあそこで牧師を論破しても何にもならないことは分かりそうなものだが。それでも毎回彼は牧師に突っかかっていく。あれはあれで彼の救いになってたんだろうなぁ。彼は認めないだろうが。  あとは、字の読み書きができない進藤さんのことが心に残った。あの年で字を覚え始めてどうなるのとか、そうこうしてるうちに死刑になるんじゃ…などと色々頭をよぎった。そんな彼が最後、晴れてキリスト教徒になった後で牧師に渡したグラビアのページの裏に書いてあった言葉が牧師の心に刺さります。  まあ、例えばあの教誨師さんが10人の囚人の教誨を担当していたとして、じゃあ10人の考え方やその生き様全てに感情移入したり心を砕くことは現実にはきっと不可能だと思う。現実はもっと事務的で割り切ったものだろう。じゃないと心がやられる。少し形は違うが、教誨師さんは刑務所版カウンセラーのような役割も果たしているんでしょうね。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-06-23 12:04:43)
220.  レイクサイド マーダーケース 《ネタバレ》 
ミステリーやサスペンスを期待して鑑賞した映画ですが…どちらの要素も中途半端だったかな。ミステリーなら犯人探しやトリック、真犯人の犯行の動機や背景などが詳らかになっていくのが見ていて引き込まれる。サスペンスなら人間同士の葛藤や関係のもつれ、それらが重なっての犯行や狂気性などを見るジャンルと言えると思いますが、この映画はそのどちらもなかった。事件は起きるがそれの対処はひたすら普通の人たちが普通に考えて思いつくことをやっているだけ。しかもそれを延々と。湖に捨てるまでのシーンなんてあんなに長くいるかなあ。結局犯人もはっきりしないから動機もよくわからないし。憶測の動機について親たちや先生があれこれ言ってそれで終わり。楽しめたかと言われると首を縦には振れない。  あと自分がお受験というものに対してあそこまで思い入れがないことも話に入り込めない一因です。結局あんな極端な感じの私立に入れて本人は幸せになるのかなって思ってしまう。まあ自分がそんな私立に行ったことがないしもちろん環境は大事とは思うのですが、個人的にはちょっと良い公立くらいでちょうど良いと思ってしまう。まあそれも、私立で人生が決まった、決まると思っている親には通じない理屈なんでしょうが。 実際あんなふうに子供の受験のために親まで泊まり込みで合宿、なんてあるんですかね。私なら、人付き合いも苦手だし絶対嫌がってるな(笑)  ずっと冷静で、言ってしまえばとても冷たい対応をしていた豊川悦司さんが終盤、子供たちやその親たちに急に感情的になり罵詈雑言浴びせて罵るシーンがありましたが、あれ、驚くほど棒読みの台詞でしたね。すごく感情出そうとしてるのにあそこだけ演技がすごく下手で、なんだか見てて冷めてしまいました。あんな感情剥き出しにしていうセリフが心に響かないってちょっと致命的だな。それなら終始ずっと冷たいキャラでいってもらった方がよかった。かえってあれで話に入りにくくなってしまいました。  タイトルやあらすじが引き込まれる内容だっただけに中身が残念という、本当に残念な映画でした。こういう話題性のみで作って予告編まで楽しい、みたいな映画が減ることを願います。
[インターネット(邦画)] 3点(2021-06-19 00:30:19)
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