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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1251
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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121.  地獄少女 《ネタバレ》 
マンガもアニメもドラマも見ていない。この映画で見た限り、「地獄少女」役がこの人なら少女である必然性もなく、制服姿も不要なので和装の超絶美女で通せばいいだろうと思った。 もっと殺伐とした話かと思っていたらそうでもなく、前半の物語では復讐の連鎖があっさり止まり(ただし事故物件が生じた)、後半では手前勝手な理屈で世界を破壊しようと企んだ奴が一人で滅んだのはいい結末だ。意外に人道的な映画という印象だった。  基本設定はよくわからないが、恨む相手に対面して直接殺害できるならそうすればいいだけなので、一般人が手を出せない相手(拘置所にいるなど)に復讐してくれる仕事人のようなもの、というのが地獄少女本来の役目らしい。ただし必殺シリーズとは違い、「人を呪わば穴二つ」の原則で厳しい歯止めをかけていると取れる(本人が直接殺してもどうせ地獄に堕ちる)。 地獄少女の立場としては、依頼されれば実行するのが基本のようではあるが、実行時に本音を吐露する場面もあり、また場合によっては再考を促すこともあったらしい。口上を聞けばこの世の悪を裁くのが本来の目的のようでもあり、そこに近づけるようその都度いろいろ配慮しているということではなかったか。非情なようでも決して無情ではないように見えた。  ところで主人公少女の末路について、結論的にいえば地獄に堕ちなくて済むと思われる。それは主人公が恨みを晴らすのでなく、自ら地獄に堕ちる覚悟で親友の生命を救おうとしただけだからである。それでは依頼の条件が満たされないので契約も成立せず、処罰はフリーライターに代行させる形にしたのではないか。ラストの場面でも、地獄少女(とカラス)が空から2人を見守っていたように見えなくはない。 この監督だからといって救いのない結末とは限らない??わけだが、何より観客側としても、この主人公が地獄に堕ちては絶対困る、という気持ちで考えることが大事だ。そのように見れば悪くない映画であって、エンディングの雰囲気も余韻を残した(縦書きと曲が古風でいい感じ)。  キャストとしては、玉城ティナさんが人間離れした恐怖の最強美女になっているのは見ればわかるとして、実質主演である森七菜(もりななな?)という人も、天然小動物系少女をベースにしながらいろいろ個性的な顔を見せている。しょうもない邦画ホラーではあるが、新進女優にとってはなかなかいい出演作になったのではないか。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-07-04 09:59:36)
122.  血を吸う粘土 ~派生 《ネタバレ》 
また見てしまった。派生というか続編のようでもあり、若手多数出演の中で黒沢あすか姉さん(監督の妻)が奮闘するフォーマットができつつある。 今回も主要キャストとして、講談社主催「ミスiD2018」の関係者6人が出ている。選ばれただけあって容姿も高水準の人を揃えていたが、揃い過ぎて劇中人物としては不自然だった。なお主演の藤井愛稀(ふじいいつき)という人は、さすが主人公なので一筋縄ではいかない個性的な可愛さを見せている(母親とも津田寛治とも似ていない)。 バケモノ造形は、今回は粘土の素材感にそれほどこだわった感じには見えなかったが、鳥を捕って食うのが面倒くさいのは印象に残った。最後は何が出たかと思えば結局これかという感じだったが、このとぼけた顔を見せなければこの映画でないということではあるらしい。 ほかに映像面では、今回は普通にアーティスティックなビジュアルで見せていると思ったら、結局最後は本来の泥臭い世界が現出するという趣向だったようでもある。ビニールカーテンを使った虚構空間とかは面白くなくもない。  ストーリーとしては12年後の話だったようで、前回の怨念は薄れてしまって惰性的に凶行を繰り返すのかと思ったら、最後だけ唐突に前回並みのスケール感で大惨事が起きていた。この騒動の元凶になったジジイはいったい何がしたかったのか。ちなみに前回イモムシ(モスラ)と思ったのはミミズだったらしい。 ほかに人間ドラマ的なものとして、今回は主人公を中心にした家族関係のテーマがあったように見える。実父への思い、それとは別に実母への思い、養家の娘との関係など複雑だったようだが、切れ切れなのであまり心に残らない。どうもそういうところが素直に受け取れない作りなので、次回は(あれば)改善願いたい。  以上いろいろ書いたが、面白くなくもないが絶賛するほどでもないという微妙な感じなのは前回同様だった。しかし今回は総体的な映像面の印象と、主人公の可愛さで前回+1点にしておく。 なお笹野鈴々音さんがどこに出るのかと思っていたら何と顔が見えていないではないか。スーツアクターになってしまったのか。せっかく出るのだから可愛く見せてもらいたい(共演者のブログのようなものに打ち上げ時の写真が出ている)。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-07-04 09:59:34)
123.  Re:Play-Girls リプレイガールズ 《ネタバレ》 
変なものを見てしまった。 本来はアイドル・グラドルなど若手女子多数を揃えて無人島で殺し合いをさせるだけの企画だったのだろうが、この映画ではさらに若年者の自殺という変に重たい問題意識で肉付けしており、その肉付けがまた変に分厚いので非常に困惑させられる。 そもそも女子高生が無惨に殺されるのを見て喜ぶ映画自体が人倫に反するわけで、同様の枠組みで生命の意味を語る映画としては「人狼ゲーム」シリーズ(2013~2018)の例もなくはないが、この企画に関しては最初から動機のいかがわしさが臭うようで素直に受け取れない。キャストが女子限定か男女混合かだけでも印象が違う。 最終的には真面目な意図で作られたことも否定し切れなかったが、しかしネット上にあった公式サイトの残骸のようなものを見ると、“アイドル映画で何が悪い”と開き直っていたのが癇に障ったので、ここは順当にアイドル映画としての点数にしておく。映画製作に良心など期待するものではない。 ちなみにロケーション協力の愛知県豊橋市のイメージ向上にもつながっていない。  キャストに関しては知らない人が多いが、主演の外岡えりかという人は別の映画でネコ役をしていたのを見たことがある。また遠藤舞という人も同じネコ映画その他で見たことがあったので、あらかじめ若干の期待もなくはなかったが出番は少ない。 以上2人は当時のアイドルグループ「アイドリング!!!」所属だが、ほかにメディア主催のタレント発掘企画(ミスマガジン、日テレジェニックなど)からの出演者もいて、うち3人はそれぞれに焦点を当てたメイキングDVDが出ていたりする(今も売っている)。10年前の時点ではそういう方面からの期待もあったらしい。 なお個人的にはチヒロ(母親と対立していた少女)役の藤沢玲花という人の顔が印象に残った。この人はもともと役者志向だったようで、これ以前から仮面ライダーとか「山桜」(2008)とかにいろいろ出演しており、短編映画「ワタシのすみか」(2011年、小澤雅人監督)というのは今もネット動画で見られる。現在はプライベートでご多用中のようだが女優としての活動も続けているらしい。
[インターネット(邦画)] 2点(2020-06-27 09:51:18)
124.  メシア 伝えられし者たち 《ネタバレ》 
2004/1/10に作品登録されてから誰も書かずに放置されていたので見てやることにした。 要はアクション映画だろうと思ったが、沖縄の島が舞台とすれば同じ監督の「無人島物語 BRQ」(2001)のように、無人島で殺し合いをするだけの映画かと思っていたらそうでもなく、それよりもう少し込み入った話を作ってある。撮影もその辺で適当にやったのではなく本当に沖縄に行ったようで、サトウキビ畑や亀甲墓、村落風景などがそれらしく映っている。 筋立てとしては、かつて琉球王朝に仕えた支配層の末裔に対し、虐げられていた一族が復讐しようとしたように見せておいて、実は単なる悪人だった(顔を見ればわかるが)ので滅ぼされた話である。しかしラストがどうなったのかが不明瞭で、また題名の意味も最後までわかった気がしない。一応考えてもわからなかったからには仕方ないので、考えたこと自体が野暮だったと思うしかない。  主人公は真面目で非力な女子中学生で、「あたしはもう大人よ」とは一応言っていたがまるきり中学生に見える。敵の首領があまりに迫力のある悪人顔のため、こんないたいけな女子が対抗できるのか心配させられるといえなくはないが、他はともかくこのヒロインが悲惨な目に遭うはずもなく、やる時はちゃんとやるので当然大丈夫なわけである。 主演の森田彩華という人は当時「美少女クラブ31」というもののメンバーだったとのことで、美少女というより普通の中学生っぽいのがかえって親しみを感じさせたが、終盤になると少し美少女寄りの姿を見せていた。また、たくましいのと細身なのと対照的な体格のアクション女優2人(清水あすか/浅井星光)が見せる本格的(多分)なアクション場面は見どころだったかも知れない。 それほど絶賛するようなものではないが、正直それほど悪くない印象の映画だった。
[DVD(邦画)] 4点(2020-06-27 09:51:16)
125.  東京喰種 トーキョーグール【S】 《ネタバレ》 
基本設定が間違っているというのは前回書いたのでいいとして、また変に被害者ぶるのが気に食わないが聞かなかったことにするとして、今回は変態男の変な生態や変な欲望の描写が長いのでダレる。それぞれ持っているはずの武器のようなものもほとんど一瞬出るだけで、基本はただのアクション映画になってしまっていないか。あらかじめ原作段階から馴染んでいる人々が見て、ここは違うとか突っ込みを入れるための映画という印象だった。 出演者に関しては、いたいけな少女(今回少し大人っぽく見えた)は序盤で顔を見せただけで退場してしまい、また前回は古畑星夏さんがやっていた役も別人になってしまっている。呆れたのは、今回は佐々木希が少し活躍する場面があるのかと思っていたら出てもいなかったことで、それなら前回の顔見せは何だったのかと思ったが、考えてみれば当時もプライベートでいろいろ忙しかったからか。 なお山本舞香という人は、本人がけっこう硬派なタイプとのことでこういう役も向いているということらしいが、顔を見ればやはり可愛いのはいいことだ。またその友人役の森七菜(もりななな?)という人も、フレンドリーでちょっと煩わしい普通の女子になっていて好印象だった。やはり友達は大事にしよう。  ちなみに雑談として、偏見かも知れないが個人的感覚では、12星座のうちで最も格好悪いのはカニ座だと思っていた。カニ自体に罪はないわけだが、多くの人がカニといえば食い物としか見ていないような気がして(自分の周囲だけか?)、例えば自分は獅子座だ、というほど誇らしげに言えない。食い物というより先に、生き物には生き物としての敬意を持つことが必要だ。
[インターネット(邦画)] 4点(2020-06-13 08:57:02)
126.  ういらぶ。 《ネタバレ》 
原作の少女マンガは読んでいない(いちいち書くまでもなく当然だ)。女子中高生というより中学生以下?向けの映画にまともにコメントするのも大人気ないが、見てしまったので一応書いておく。 小中学生くらいなら、何かのきっかけで関係が変になって直せなくなってお互い困るのはありそうだが、精神的虐待を続けて人格形成にまで悪影響が及んでいるのは異常事態である。男の立場でいえばこういう女子を「好きすぎる」などということはありえないが、これを男が望んだというなら愛情とは別次元の異常な性癖が原因と思うしかない。それでも最後だけは劇的に都合よく事態が好転するのかと思っていたら、結局は支配と隷属の関係が解消されたようでもなく、これでは何のための物語だったのかわからない。この先には破滅的な未来しか見えない。 世間一般の女子がこういうのを好むというなら別に言うことはないが(おれに責任はないが世も末だ)、ちなみにネット上の評判を見ていると、成年女子と思われる人々が普通に酷評していたので安心した。  ところでイケメンで客を集めようとする企画では、対象層の反感を買わないよう、その相手役をわざとイモっぽく見せて、結果として魅力の感じられないヒロインになってしまうということがあるのではないか。他の映画でも見たように思うが今回は特に、ヒロイン役の女優がどうも割を食わされているのではないかという気がした。 ほかの登場人物としては、個人的には役どころとしても外見的にも、玉城ティナという人を見ていると安心できた。また妹役の桜田ひよりさんは、極端で破壊的な人物役などお手のものだろうがやはり面白い(やかましいが可笑しい)。「肉食なんでー」「知ってるー」というやり取りは笑った。もう一人、同じ高校にいたさっぱりして感じのいい女子役は、知らなかったが小野莉奈という人らしい。この人は年齢的に最も高校生らしく見えた。 ほかに評価すべき点としては、壁ドンしたら回転したという意外な展開と、ヒロインが発するブタさんの鼻音だった。
[インターネット(邦画)] 2点(2020-06-13 08:57:00)
127.  ダンスウィズミー(2019) 《ネタバレ》 
宣伝文では「ハッピーミュージカルコメディ」とのことだが、ミュージカルに徹するわけでもなくそれほど大笑いもしない。しかし一応ハッピーな気分で終わるので悪くない映画ではある。ちなみにミュージカル成分は、昔の映画でいうと優香出演の「恋に唄えば♪」(2002)と似たようなものかと思った(もっと少ないか)。 序盤のオフィスやレストランのミュージカルパートでは、せっかく周囲を巻き込んで歌とダンスで盛り上がったと思ったのに現実が悲惨だったのは非常に落胆させられたが、これはそれこそミュージカルの虚構性の表現ということか。その後のロードムービー部分で仲間と歌っているのは普通に楽しげで、特に恥ずかしいトラブルもなく、こういう純粋に音楽を楽しむところまでいったん戻ってから最後のトラウマ解消に至ったという全体構成だったのなら納得できなくはない。歌につられて自然に身体が動くのは変ではないだろうとはいえる。 歌の選曲としては少し古い方へ寄っていたようだが、個人的には「夢の中へ」とか「年下の男の子」のあたりは劇中人物のノリに同調できた。また普段、映画を見ながら先読みなどはしない方だが、3人組での「ウエディング・ベル」に関しては直前の予感が当たった(この状況ではこの歌しかありえない)…実は自分としては柄にもなくこの歌が心に刺さるものがあって痛い。 ちなみに何の説明もなく突然方言を聞かせるのが好きな監督ということなのか、今回また耳慣れない方言が出て来ていたが、これは新潟県の言葉だったのか(新潟市はほぼ標準語だと思っていた)。  キャストに関して、主演の三吉彩花という人は子役時代からいろいろ出ていたのを見たことがあり、昔から長身で美形だったので、周囲の子役の中で変に目立ってしまうところがあったように思うが、ここに至ってやっとふさわしい姿で出られるようになって他人事ながら感無量である。単純な美人女優でもないようで、今後とも幅広く活躍できる役者になってもらいたい。 ほかに名の知れた役者もいるがあらかじめ情報が出ていなかったようで、黒川芽以が出演しているのは実際見て初めてわかった(姉の「友美」役)。また「ウォーターボーイズ」(2001)のエンターテインメント性を一気に向上させた立役者である秋定里穂さんが出ているのは最初から知っていたが、実際見ると出番が少ないので不満に終わった。ここはもう少しファンに配慮してもらいたかった。
[DVD(邦画)] 6点(2020-05-03 20:29:16)(良:1票)
128.  さよなら、クロ 《ネタバレ》 
時代設定としては映画館の場面と劇中で流れる曲から前半が1967~68年、後半が1976年ということになる。映像的にはそれなりに昔っぽい風景で、これで考証的に正しいのかはわからないが、60年代と70年代で微妙な差を出しているようではあった。ちなみに鉄道は、長野市から松本市と別の方向に行く長野電鉄だったようである。 原作は読んでいないが、劇中教員が素行不良の生徒の人格を貶めるような発言をして、それで当人らが騒ぐわけでもなく率直に受け止めていたのを見ると、そういう時代だったということもあるだろうが、さすが進学校らしく物のわかった連中とも取れる。また先人の名言で「質問もしなければ批判もしない」は笑った(全くその通りだ)。  話としては犬の物語かと思ったが、犬自体が何か特別なことをするわけでもなく、ただそこにいてやがて死んだだけのように見える。しかしそのように、動物が無心にその生涯を全うしようとするのがいわば生命の基本の表現であり、それは人にとっても同じだろうというなら一つの考え方である。 また、犬が病気で死んでも寿命のうちと思えばそれまでのところ、あえて手術して数か月間?(生徒の顔ぶれが同じ)延命し、死んでしまったあとは人間並みに葬式まで挙げていたのはやりすぎ感がある。しかしこれは人も動物も同じく生き物だということを表現するために、人をケモノのように描写するのでなく、逆に動物を人間同様に扱ってみせたということかも知れない。 冒頭で名前が並ぶ愛護団体もそういう面で推薦していたのかも知れないが、ただ問題は、この犬がそれほどの思いを寄せられるに至った事情が素直に納得できるよう作られていないことである(単に長期間学校に住んでいただけ?)。ほかにも劇中人物の行動や展開に作為的・不自然・説明不足な点が多く、どこまで原作通りなのかわからないが、どうも映画化の段階で無理があったのではという気がした。  キャストとしては、何といっても伊藤歩さんが可憐で好きだ(高校時代は可愛い)。劇中では変な男にキスされずに済んでよかったが、犬に口をなめられるのはいいとはいえない。また三輪明日美嬢は今回個性を抑えて普通の友人役に徹している。秋定里穂さんはキャスト配列順では下の方だが、終盤になると重要人物グループの一角に位置づけられていたのが意外だった。「ウォーターボーイズ」(2001)では女子高生役だったが、今回は普通に大人の女性の顔を見せている。
[DVD(邦画)] 4点(2020-05-03 20:29:15)
129.  学校の怪談3 《ネタバレ》 
シリーズ共通だろうが大人が見て怖いところは全くなく、ひたすら微笑ましい子ども向け娯楽映画になっている。あらかじめ死んでいる人物を除き、劇中の教員や子どもらが次々死んでいくなどという悲惨な展開にはなりそうもなく、安心して子どもが喜ぶお化け屋敷的怖がらせに付き合ってやろうという気分になる。なお撮影場所の学校は岐阜県下呂町(当時)にあったらしい。 ちなみに自分の幼少時には「合わせ鏡」が特に不吉なものという感覚はなかったが、この頃はもう怪異の元凶というのが常識だったのか。鏡の世界では文字が左右反転していたが、右書きと左書きが混在していたのは意図不明だった。  お話としては小学校高学年向けの恋物語がちゃんとできていて、最後はそれなりにキュンとさせられる。ヒロインの美少女が「泣いちゃうよ」と言ったところは切なくて笑った。なぜか女子だけ美少女揃いで男はどうでもいい感じという対比ができており、長身でキュートな女子のお相手が肥満気味の男子だったのは釣り合いが取れないが、これは容姿にかかわらず万人に同様の可能性が与えられていることの表現か。それにしてもこんな奴の全裸(尻)など見たくはないわけだが、重要テーマの「運命は自分で変えろ」という言葉は特にこの人物のためにあったらしい。 他の登場人物としては、担任教員は微乳を売りにしていたようだがそれはまあいいとして、特に主人公の義妹が見せるとぼけた感じの表情が非常に可愛らしいので和まされた。また現在も女優として活動している秋定里穂さんが中学生くらいの年齢で出ているが、特に美少女の扱いはされていない(「ゾンビバス」の女子高生役)。なお肥満児の母親役で渡辺真知子さんが一瞬出ており、この頃はもうこういうキャラクターだったのかも知れないが、昔は歌っている姿だけ見て“かっこいいお姉さん”と思っていた。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-05-03 20:29:13)
130.  マリア様がみてる 《ネタバレ》 
原作もアニメも見ていない。 まず序盤はかなり笑わされた。実写にすると異世界ファンタジーというか、ほとんど茶番に見える劇中世界を大真面目に演出していること自体がユーモラスである。主人公の存在もかなり笑える要因になっており、訥々とした口調で極端な表情を見せられるので大笑いする。 そのうち次第にこの世界にも馴染んで来ると、怖そうに見えた上級生が見せる情愛にキュンとさせられたりするようになる。そもそもお姉さま方が意味不明な権威をもって四囲を睥睨するだけの存在ではなく、要は生徒会の仕事をする人々であって、学園祭では自主事業に取り組むなど結構まともに活動しているらしいこともわかり、それなりの敬意をもって見なければならない人々だと思わされる。偉そうにしていても所詮は高校生だと自戒していたのも賢明な資質を思わせた。 ストーリーとしては原作準拠とのことで、当然ながらまともに見られる物語ができている。最初は今どき「わらしべ長者」かと思ったが、そこから“ずっと握ったままで離さない”というところにつながったのは少し感動的だった。上級者に尻尾を振って成り上がろうとするのでなく、また「賭けとか同情とか」でもなく、それぞれの矜持を保ったままで互いに認め合っていく展開は素直に受け入れられる。最後の写真のタイトルというのも泣かせるものがあった。 ほか女子同士の疑似恋愛的なものがそれほど前面に出ていないのも見やすい理由と思われる。一度アニメ化されたものを実写にすると叩かれるのが普通だろうが、スタッフは今回いい仕事をしたのではないか。 ちなみに「マリア様のこころ」はよくできた曲だと思ったら本物の讃美歌だった。  登場人物としては、カワイイ系美少女ばかりでもなく意外に臈たけた感じの人物もいたが、上下の差を強調するため演者の年齢に幅があるのは当然といえる。波瑠はあまり可愛く見えないが、それは役柄というか本人のキャラもあるだろうからいいとして、未来穂香(当時)と1歳差にはとても見えないのは笑った。未来穂香という人は、その後にいろいろあって現在は矢作穂香という名前(本名)で活動しているので今後の活躍にも期待したい。ほかにも秋山奈々(現:秋山依里)や高田里穂さんなど見たことのある顔が出ていたのが嬉しい。広瀬アリスは今回それほど目立たないが可愛く見える役だった。ついでにシンデレラのネズミもかわいい(ヒゲをつけたのがよかった)。
[DVD(邦画)] 7点(2020-04-25 08:54:28)
131.  あの日のオルガン 《ネタバレ》 
保育園が主導した戦時疎開の話である。保育園というのは時間限定で預かるもの、という前提ならこんなことはしないだろうが、東日本大震災でも親元に返す途中の悲劇があったように思うので、施設主体で安全に守れるならそれに越したことはない。死ぬなら一緒に死ねばいいとはならないはずだが、それでも保護者からの批判として、親子を引き離して構わないと思うのは独身者や男だけ、と決めつけられたのは心外だった。結局誰かが死ぬまで人々は動かないということらしいが、子どもの生命は親のためでなく、みんなの未来のためにあると思わなければならない。  物語としては時系列的に出来事を追いながら、淡い恋心とか友情とか戦争関連のエピソードで起伏をつけている。妙なドタバタとか召集令状の後出しなど苛立たしくなる演出もあり、また川原の場面は話を作り過ぎだったが、最後の場面はこの物語にふさわしい終幕に感じられた。題名のオルガンは大して重要でなかった感じだが、時間稼ぎでオルガンを弾いて歌いまくる場面は確かに印象的だった。 ほか15年も戦争したとわざわざ言わせるなどはお決まりの反戦アピールのようでもあるが、それほど言いたい放題でもなく、怒りを感じたというところで止めているので政治色はあまりない(怒りだけなら誰でも感じる)。また自分としては賄い担当の人が、みんなが笑顔でいるのが文化的生活だ、と言っていたのは共感した。誰かを攻撃して貶めるのが目的の文化などには全く価値を感じない。 なお劇中の疎開先はよくある偏狭で陰湿な田舎という設定だったようで、南埼玉郡平野村の印象は悪くなる映画だったというしかない。  登場人物に関しては、現地の主任保母が何かと激昂して怒鳴るのが非常に不快だが、それでいて理解のある上司には甘えがあり、支えてほしいという心情を見せたりするのがかえって反感を増す。また歌好きの新米保母は、おまえはガキか(意訳)と言われたりしていたが、これはこれで得がたい人材だったらしく、そのことを含めていろんな人々がいて保育現場が成り立っていることの表現だったかも知れない。個人的にはラムちゃん言葉の人が、実直そうで温和そうで感じのいい人だと思った。 キャストでは、中堅保母役の三浦透子さんが色気皆無のおばさん風で(何歳の想定なのか)個性派女優ぶりを見せていたが、さすがに本人はこういう体型ではないと思われる。ほかどうでもいいことだが、「けんちゃん」の父母は顔の大きさが違い過ぎだ(母親役の陽月華という人は宝塚の出身)。  [2020/4/18追記] DVDが出たので家の者に見せたが、やはり疎開先の住民が否定的に扱われているため素直に見られないようだった。うちの地元は戦争中に学童疎開の受入側になり、その当時はいろいろトラブルもあったかも知れないが(カッペ呼ばわりで侮蔑されるなど)、それでも現在まだ地域間交流が続いているからには悪いことばかりだったわけはない。常に誰かを悪者にして自らを正当化する態度では共感も連帯も生まれない。 しかし今になって点数を落とすのも大人気ないのでそのままにしておく。
[映画館(邦画)] 6点(2020-04-18 12:58:46)
132.  感染列島 《ネタバレ》 
この時期だからとわざわざ見るものでもないようだがとりあえず気楽に見た。冒頭で、山中の村にヘリコプターが飛んで来たところで「アウトブレイク」(1995米)かと思ったが、村人を教会に誘導して焼き殺すのかと思ったらそうでもなく、どうやら劇中のWHOはまともな組織だったらしいことがわかった。 その後は細かい突っ込みどころが非常に多いがそれなりに現実味がなくもない。検査(劇中ではキット)の結果は絶対ではないとか、軽症者は自宅療養というのはまさに今現在の問題である。都市封鎖のような強硬手段は日本などにできるはずないと思っていたら、最近「いわゆるロックダウンに類する措置」というのが語られるようになって洒落にならなくなっている。ほか鳥インフルの関係で老教授が、禽舎がしっかり手入れされていると褒めたのは他人事ながら嬉しくなる場面だった。ちなみに医療関係者に向かって「人殺し」と叫ぶ人物がいたが、人殺しはマスコミの方だったではないか。 一つ真面目なことを書くと、南の島で老教授が、宿主を殺して自分も死ぬウイルスと人間は同じことをしていると問題提起したのに続けて、人間とウイルスの共存というような考え方を述べていたが、それぞれ重要そうでありながら方向性がずれた印象があって理解困難だった。  ところで非常に気に障ったのは、日本は天罰を受けるべきだ、というわけのわからない信念が制作側にあったらしいことで、BLAMEなどという悪意ある名前をわざわざ他国に言わせていたのは激しい不快感を催した。劇中の感染拡大は2011年1月から始まっていたが、現実の2011年3月に起きた大災害で多くの人々が亡くなったのも天罰だったと思うのか。最終的には日本人限定で1120万人も殺した上で、やっと今回は許してやるとでも言いたげな態度が極めて腹立たしく、そんなに日本が憎ければ、日本(宿主)と一緒に日本映画も滅ぶ映画を作ってみせろと言ってやる(共存は拒否)。 物語的にも安手のドラマでいちいち泣かせにかかるのが煩わしい上に138分もあるのではたまらない。点数を何点つけるか考えるのも面倒臭いので切りのいいところで0点にする。 なおキャストとしては国仲涼子がひときわ可愛く見えたが、その夫が何だこれはという感じの男で好印象が相殺された(子役は可愛らしいので悪くない)。  [2020/4/18追記] 当初は書かなかったがその後に強く思ったのは、来るべき危機に警鐘を鳴らす体でありながら、実は災難に乗じて日本社会を崩壊させたい願望が制作側にあるのではということである。今になってみれば、日本限定で人口の1/10が失われるなど極めて非現実的で作為的だということがよくわかる。日本限定の天罰だなどと言い訳すれば正当化できるわけでもない。 点数をさらに落としたいがゼロより下には下がらない。
[インターネット(邦画)] 0点(2020-04-18 12:56:54)
133.  櫻の園 -さくらのその- (2008) 《ネタバレ》 
[2020/4/12視聴] 1990年の旧作の続編のようなもので、前回が1980年代とすれば20年くらい後である。この映画の学校でも過去に毎年「桜の園」を上演していたが、平成9年(1997)に停止され、それを11年後(2008)に再開したのが今回の物語ということになる。季節の面でも今回は4月14日の前日?から始まり、桜が散った後の情景も加えて、最後を6月で終わりにしていたのが旧作の後という印象を強めている。 ちなみに部員の姉の差し入れとか(今回はシュークリーム)、終盤のツーショットなどが旧作との連続性を感じさせる。ほか序盤で学園ホラーっぽいところがあったのは個人的に好きだ。  前回からの流れでいえば演劇の上演は学校の伝統だったはずだが、劇中の教頭の考えはそうではなく、生徒が学校の決まりに従う校風の方を伝統と思っていたらしい。そのような前時代的な(前々時代くらいか)規制に主人公一派が従わず、“あきらめないことが生きる価値”(上戸彩の歌)という感覚で上演を実現させ、新しい伝統(=校風)を作ったという前向きな物語ができている。全体的に軽い印象はあるが、旧作の古風な話を同時代の若者が受け入れやすいよう作り変えたということなら意味はわかる。 最後はかなり都合のいい結末で、教頭のそれらしい言葉も適当に格好つけただけのようで意味不明だったが、要は時代が変わって自分も老いたことを自ら認識したというなら悪くない。もう変われなくなった者は去り、前に進んでいける人間に後を託すべきということだ。 ちなみに演劇の出演メンバーが、自分の役の台詞を使って上演に向けた決意を語った場面は何気に感動的だった。旧作よりもかえってこの映画の方が、元になった戯曲も読んでみるかという気にさせるところがある。  ところで旧作とはっきり印象が違うのは美少女を揃えていることで、大島優子嬢を含めたカワイイ系女子には和まされる。製作委員会のオスカープロモーションから主演の福田沙紀、舞台監督役の武井咲のほかにも著名女優を特別出演で出しており、前回とは映画の作り方自体が違うということらしい。 主演の福田沙紀という人は若干きつい雰囲気だが(一応かわいい)、役柄との関係ではいい感じを出している。また前回の主人公に相当する役の寺島咲という人は、美少女と言い切るには微妙な容貌なのも旧作に似ているが、終盤の自撮りの場面では目の覚めるような美男に変わる一方で倒錯的な可愛さを見せていた。
[DVD(邦画)] 6点(2020-04-18 08:58:03)
134.  櫻の園(1990) 《ネタバレ》 
[2020/4/11視聴] 6年前に一度見たが、その時は何を書けばいいかわからなかったので放置していた。今回見てもよくわからないが、とりあえず“変わるもの”と“変わらないもの”が表現されているかとは思った。 変わるものとは当然ながら劇中の高校生であり、この連中のこれから長い人生の中の、いわば一瞬の動態を捉えた映画に見える。また変わらないものの代表が桜であって、この桜にからめて中高年への反感を語る者もいたが、そのことで逆に自分らが変わっていく存在だということを意識させられていたようである。 劇中の学校では桜の開花と創立記念日(4/14)、及び演劇の上演がセットで“変わらないもの”として受け継がれてきていたが、ただし演劇も毎年の演出には違いが出るだろうし、さらにいえば桜の木にも寿命があるのでいずれは世代交代が必要になる。当然ながら全てのものが少しずつ変わるので、この映画で描かれたのも1990年(原作は80年代)の暫定状態ということになるが、ちなみにこの映画の高校生も現時点(2020年)では40代になっているはずなので、登場人物の「坂口」のような、もう自分を変えられない年寄りになり切ってしまわないよう気をつけた方がいい。 そのようなことをとりあえず今回は思った。  人物の描写では、古い映画なので時代がかって見える面がある。外見は普通に真面目な生徒が、冒頭いきなり見せるキスシーンなどは昭和の殻を破ろうとする思いがあったのだろうし、また女性の生理現象に関わる話題を出すのもこの時代なりの尖った表現のようで(原作由来だろうが)、そういう点も当時は評価されたかも知れないが、しかし今になれば逆に、昔の風潮としてはこうだったかも知れないというように見える。 またキャストに関して、現在の感覚と決定的に違うと思わされるのは、女子高の映画ながらいかにもな美少女がほとんど出ていないことである。最初から男役向きに見える演者もいたようで、最後の舞台も想定しながらのキャスティングだったかも知れない。主演女優は美少女とは程遠い容貌に見えたが、終盤のツーショットでは見違えるような魅力的な表情を見せていた。  ほか個人的な雑談として、今回たまたまこの時期にこの映画を見て、やはりどうも桜は人と無関係に勝手に咲くものだという思いが強くなった。以前から福島県富岡町の「夜ノ森」(よのもり)という場所に桜の名所があり、2011年の原発事故で住民がいなくなってからも春には咲いていたのを報道で見ていたが、今年はうちの桜の名所でも、もう満開なのに露店もなく人出もないのが不思議な感じで(ぼんぼりだけ出ている)、仮に人類が滅亡してもこの桜は咲き続けるのではという寂しい想像をしてしまった。しかし現実問題として桜まつりがないと地元も困るので、来年はちゃんと花見ができるようであってもらいたい。
[DVD(邦画)] 7点(2020-04-18 08:58:01)
135.  私はヒーローそれともヴィラン?よみがえれ勝連城 《ネタバレ》 
変な題名が気になって頭から離れなくなって困った。本題と副題がスイカと天ぷらのような相性の悪さがあり、またそもそもヴィランというのが何のことかわからなかったのでわざわざ調べたが、まあこういう用語は映画ファンの人とかなら常識なのだろうなと思った。ちなみに全体として何かの名前に似ていると思ってやっと思い出したのが「天才バカヴォン ~蘇るフランダースの犬~」(2015)だった。生きているうちに思い出せてよかった。 実際見れば世界遺産登録の勝連城(沖縄県うるま市)を扱った映画で、山頂からの眺望などが非常に印象的だった(空と海が広い)。個人的には沖縄の歌謡集「おもろさうし」に「やまとの かまくらに たとゑる」という言葉があることをなぜか以前から知っていたが、それがこの勝連のことだというのは今回初めて認識した。地元のヒーローである阿麻和利(あまわり)が、琉球王府の陰謀で滅ぼされたという話を聞けば、地元でないが近場の例で、蝦夷の阿弖流爲(アテルイ)が大和朝廷(ただし平安遷都後)に滅ぼされ、奥州藤原氏が鎌倉に滅ぼされたようなものかと思って一気に共感を覚えた。「肝高の阿麻和利」というのは記憶しておくことにする。  主人公は最初から傲慢で悪印象だったが、その後すぐに女子児童との関係で、ちゃんと人としての美点があることが明らかになる。自分が先に立って挑発して競い合って(三線の演奏付きで)人を引っ張る性格らしかったが、どうやら似た者同士だったようで、そのうちライバル関係のようになっていたのは笑った。 また、人は見たいものしか見ないというのは、人間の認識能力に制約をかけ相互理解を阻害する最大級の障害だと自分も思うが、それは劇中で出ていた歴史認識の問題も、個人の問題も同じということらしい。主人公に関していえば、要は視野を広く取れ、人の話を聞けということだろうが、しかしいま必要なことをまっすぐ見通して断行しようとする基本的性格までを矯正する必要はない。電話で同僚(副社長)に「間違ってない」と言ってもらったのは他人事ながら嬉しくなった(泣けた)。確かに、誰かが見てくれているというのは有難いことだ。 結果として、題名にかかわらず意外に感動的な映画だった。ちなみに映像面の印象もよかった。低予算だろうと思うが安っぽさは感じない。  キャストとしては、主演女優は写真の横顔を見て全く期待していなかったが、役柄との関係ではかなりいい感じを出していたので、そのうち「櫻の園」(2008)でも見るかという気になった。役名の「華那」は阿麻和利の幼名「加那」に合わせたものかも知れない。また親友役の大城優紀という人は沖縄の女優・モデルとのことで、絵に描いたような可憐で気の優しい洋風美女の姿を見せている。この2人と相似形の児童2人も沖縄の子役だったようである。
[インターネット(邦画)] 9点(2020-04-11 22:37:45)
136.  天才バカヴォン 蘇るフランダースの犬 《ネタバレ》 
この人物の映画は2つ目だが大体どんなものかはわかっている。大笑いというほどでもないが終始にやけ気味の顔で見ていた。 ネロとパトラッシュがまるきりそのままの姿なのは感動的で、この格好で実名付きで出てきても誰も気づかないのは意外に知名度が低かったらしいがそれはいいとして、人間社会に恨みがあるなら日本でなくベルギー(フランドル)社会に復讐してもらいたい。小ネタもいろいろ出ていたようだが自分としては世情に疎いので、「浜崎」というのはこういうイメージを持たれていたのかとか、「こまごめピペット」とは何のことだったか(器具でなく)と考えてからもしかしてアレのことかと思い出したというところはあった。また時節柄、鼻の粘膜に指で触るなとか、南米産のサルなど何がついているかわからないといった心配をさせられた。 物語的なところでは、これまで何十年間も隠されてきたものすごい秘密が明らかにされるのかと期待していたら、最初からネタバレしていたことに気づかないでいたおれはバカかと思ったが、それもウソだったらしく結局どうでもよくなった。しかし日昇ということに関しては、途中で極めてまっとうな理屈を説明していたにもかかわらず、最後になって荒唐無稽な超自然現象を起こしておいて「これでいいのだ」と言われても、別に悪いとは言わないが、宇宙の秩序が崩壊しているとしか思われないのでハジメちゃんに何とかしてもらいたい。ちなみにママは優しそうでちゃんとした人なので和まされた(好きだ)が、夫の奇矯な行動を周囲に詫びる様子など見ると、やはり昭和(戦前)生まれの人物像が表現されているようでもある。 そのようなことで、あまりまともな感想が出て来ないがそういう映画だった。好きな人は好きだろうとは思う。決して面白くなくはない。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-04-06 19:51:59)(良:1票)
137.  大阪最後の日<OV> 《ネタバレ》 
短編6話をまとめたオムニバスである。DVDの説明によると「本作はシニカル・コメディの連作です。SF超大作を希望されると御期待を裏切る事になります。」だそうだが、そもそもコメディという言葉を使えるかも怪しい。 各話は全く関係ない独立のエピソードで、単に小編をまとめてリリースしただけと思ってもそれまでだが、一応は「大阪最後の日シリーズ」として、第6話の破滅的事件と同じ日の出来事を並べたものだと説明されている。  【女流作家の苦悩】だから何だという感じ。前座というか、この後も全部この調子だという予告のようなもの。 【印刷戦線異状なし】まともな証拠がないことを、その辺にある材料を使って口先だけでどれだけ主張できるかの攻防戦。これが大阪の商慣行なのか。 【借金チキン】下町人情物ということなら悪くないが、しかしあまりにあっさりした展開のため、ただの不条理物のように取られる恐れがあるのは惜しい。 【取合う二人】面白くはないが、土建業の男の顔でも見ていろということか。ただし携帯を壊したところは、第1話からここまでの間で初めて笑った(失笑)。 【接触事故】最も手の込んだ脚本。示談金の意味を勘違いしたことが重大な結果を招いたということらしい。これも悪くない。 【大阪最後の日】表題作。これだけが屋外の撮影で、太陽光を演出に取り入れたりして少し映画らしく見える。「下町育ちの少年」は大阪弁が不得意のように聞こえるが、キャラクターとしては結構可笑しい奴である。また「上流社会の少女」はさすが上流らしく言葉が東京風な一方、演技はかなり変なので笑ってしまうが、ラストのびっくりした顔は可愛らしい。  表題作以外は基本的に出演者が2人だけで、1対1の会話で成り立たせようとする作りになっている。2つのエピソードに出ている人物が2人いて、この2人にとっては結構忙しい1日だったらしい。ちなみに個人的に最も大阪らしいと思った登場人物は闇金集金屋歴20年の男だった(偏見があるか)。 全体的には明らかに低品質だが(特に画質は厳しい)全く面白くないわけでもない。自分としては必ずしも嫌いではないが、まともな映画と思われるとまずいので点数は低くしておく。
[DVD(邦画)] 2点(2020-03-29 00:59:09)
138.  ちょき 《ネタバレ》 
和歌山県が出る映画を見たのは8本目である(ドキュメンタリー含む)。個人的には最近、和歌山県のイメージが著しく悪化しているが、それはこの映画の評価に直結しない。映像面では橋の風景(紀の川?)が特徴的で、これはご当地感とともに開放感とか飛翔感の表現だったかも知れない。 物語的には全盲の少女と、美容師の男の交流物語になっている。ジャンルとしては「ロマンス」だが、いわゆる「淫行」はしていないので犯罪とはいえない。妻を亡くして一人暮らしの男のところに若い娘が訪ねて来て、浮かれてしまったのは無理もない。  最後はハッピーエンドっぽく終わっているが、問題なのはこれだけ年齢が離れていると、それぞれの世界認識が全く違うのではないかということである。少女が男に好意的なのは明らかとしても、例えばまだ父親像と恋人像が分化していない状態かも知れず、これに適切に対応するには男の方に思慮と責任感が求められる。しかしその男の方も、実は娘だか恋人だか妻だかわからないまま少女に対しているのは問題だろうが、この少女を愛しく思う心情だけは間違いないということらしい。男が身を引けばいい結果が出るわけでもなく、リスク覚悟で少女を独りにしない(自分も独りにならない)と決めたのなら、それはそれと思わなければならない。あるいは亡き妻と一緒になった時も同じ心境だったのか。 またその亡き妻が共通の記憶になって、今後の二人の関係にガイドラインを提供する可能性もある。そもそも今回は妻が結びの神だったようで(天満宮は性質が違う)浜辺でつないだ左手の指輪は二人の間に挟まる異物というよりも、二人をつなぐ結び目だったのかも知れない。実際は死者の意向などわかるはずもないわけだが、絵馬を通じて、それぞれが互いの幸せを祈った結果がこうなったのなら必然ともいえる。 ちなみに鑑賞者側としても、男が少女を愛しく思う心情は、男を介さず少女の映像から直接感じる(ロリコンと言うなら言え)。鑑賞者としては黙って見ているだけだが、劇中の男なら職業柄、髪を扱う指先に感じる/込めるものがあったと思われる。時代をこえた二人の接点が髪だったということらしい。  キャストとしては、主演の増田璃子という人は同じ監督の「転校生」(2012)というショートムービーでも見たことがあり、今回かなり好感度が高まったが、最近の情報がないようでどうしているのか不明である。目の上に傷が見えるのは何かと思ったら、これは物語上の意味があったらしい。また友人役の藤井武美という人もときどき目にする若手女優なので今後に期待する。ちなみに芳本美代子という人は今回少しかわいく見えた。
[インターネット(邦画)] 8点(2020-03-23 20:29:06)(良:1票)
139.  THE JUON/呪怨 《ネタバレ》 
邦画の劇場版1を基本にしてOV版1の発端部分その他を加え、わけのわからない箇所やおふざけを除いて再構成した結果、非常に筋の通ったまともなホラー映画になっている。邦画版の特徴だった時間の前後もわかりやすく単純化されており、初めからこういう風に作ればよかっただろうが、と思わせるものがある。 真面目な映画のため、特にOV版にあったような笑いを誘う場面は目立たなくなっているが、かろうじてバスに乗っていたバカップルのようなのは存在自体が微妙に可笑しい。また細かいことだが、外国人教授が少年の額に手を当てようとしたときに、瞬時に少年が避けて無表情に睨んだのはネコの動きのようで面白かった。 ただ個人的に不満なのは女優が全般的に可愛くないことで、これは邦画版との大きな違いに思われる。邦画版と一対一で対応している人物も多いが、邦画版のあの人物がこれかと思うとあまりの可愛げのなさに呆れてしまう。その中で主役はかなりいい方で、終盤で日本人看護師と並んだところを見ても外人にしては大柄でないのが好印象だった。  ところで中盤過ぎに日本の刑事が、毎度の冒頭に出る辞書的説明をまるで日本全体の事情のように一般化して語っていたが、これはわが国に関する著しい誤解を生む恐れがある。映画全体としても日本の風景の中に外人多数を連れ込んだような違和感があることもあって、“日本にさえ来なければこんな目には遭わなかった”という教訓的な感じの映画になっている。タクシーの窓に「ようこそ日本へ」というシールが貼ってあったのは皮肉のようだがこれも笑うところなのか。 この当時はともかく現在は訪日外国人数が著しく増加しており(2004~2014の10年間で倍以上)、外国人観光客などを対象にした民泊の動きも全国的に活発になっている。そういうときに、古風な日本家屋には何が憑いているかわからない、というこの映画は水を差すのではという話だが、まあそういうことも含めて外人には受けるだろうと思うべきか。劇中の家の内部も微妙に外人受けしそうな作りのようでもあり、これが日本への旅情を誘うことになるとすれば幸いである。  [2020/02/16追記] 2015年の時点では、当時のインバウンド拡大の風潮に乗って外国人観光客を無条件で歓迎するようなことを書いてしまったが、その後に民泊の弊害とかオーバーツーリズムとか(感染症のリスクとか)の問題が出て来て、今となってはあまりよろしくない書き方だった気がする(反省)。政界や経済界の思惑はともかく個人の立場としては、人数や金の問題というよりも、日本に関心があって日本のことをもっとよく知りたいお客さんに来てもらいたい。
[DVD(邦画)] 6点(2020-02-16 13:48:36)(良:1票)
140.  デスフォレスト 恐怖の森 《ネタバレ》 
ゲーム原作ホラーとのことで、安手ながらそれなりに映画として見られるものになっている。一見正隆監督は、前に「いばらのばら」(オムニバス映画「恋につきもの」(2013)より)を見たことがあって全く期待していなかったが、まともに作ればそれなりだということが今回わかった。  全体としては簡素な作りで1時間に収めている。前半ではかえって時間が余っているようにも見えたが、中盤に至って林の中で「あれ」と指差した先に何かいて、浮足立ったように逃げ出した場面はいい感じだった。ガキの人間関係は煩わしいが、全部を他人のせいにするクレーマー気質の連中が先にいなくなり、残った人物で終盤の危機を乗り切るのはオーソドックスな展開で悪くない。 夜の場面は周囲が真っ暗で、光が当たった所だけ見えるのはいわばドキュメンタリーホラーの投稿映像の感覚ではないか(普段見ないがホラーDVDの「新作案内」に入っているようなもの)。もとからそうなのだろうが大顔キャラクターは出方が特徴的で、またフラッシュで一瞬白くはっきり見えるのはこのバケモノにふさわしい映像化と思われる。白塗り男も年齢不詳の独特な顔(笹野高史的)でけっこう不気味だ。濃厚なホラーというよりは、ゲーム原作らしい?ドライな印象でそれなりに面白い映画だった。  全部で5作あるとわかって見れば、今回はまず導入部として基本型を作ったようでもある。バケモノキャラクターのほか記者や謎の老婆はシリーズ共通の登場人物らしいので、次回以降の展開にも一応期待しておく。 ちなみに大顔キャラ役は奥咲姫(おく さき)という女優らしいが、事務所のプロフィールを見ると可愛い顔の写真が載っていて和まされた。そのうちちゃんと顔を見せてもらいたい(最後の写真がそうだったのか)。
[DVD(邦画)] 4点(2020-01-25 12:37:19)
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