Menu
 > レビュワー
 > キムリン さんの口コミ一覧
キムリンさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 303
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順123456
投稿日付順123456
変更日付順123456
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  ミステリと言う勿れ 《ネタバレ》 
いやあ、面白かったですね。謎解き物と してはよく考えられたお話で堪能することができました。 無暗に人が殺されないところも良かったです。 遺産相続のお話と思わせといて実はその裏にもっと深い 闇があったというプロットには恐れ入りました。  久能君が途中で本筋とは全く関係のない女性論について 話すところは彼らしいところではありますし、内容には 禿同でありました。  弁護士の孫の登場があまりにも唐突で不自然で、彼が何ら かの形で絡んでいるのだろうというのが容易に推測できた ので、もう少し考えてほしかったとは思いました。  最後の松嶋奈々子がそれぞれに形見を渡すシーンは確か に長くて、本筋の秀逸さに比べて月並みな感じは否めま せんでした。  物語の突っ込みどころは、狩集家は地域での大きな自作農 家であれば当然多くの小作人や役人などとも顔なじみで あり、鬼が突然成り代われば容易にバレてしまうであろう 点でしょうか。  ちなみに、久能君が若いにも関わらず各方面に超博識で あるという設定であれば、狩集幸長の遺言を皆の前で 弁護士先生が開示するところで、「公証人の検認なし に開封したら犯罪になりますよね」とか、「一人だけ に相続させるのは遺言であっても遺留分侵害で無理で すよね」とかの発言をしてもよさそうなものなのに、 彼はそうしなかった。(さらに言うなら、汐路のお母さん は遺産を全くもらえない、というのも、現在ならば、もし 生前に遺言者の世話を押し付けられていたのであれば、 夫が死亡していてもその寄与分に対する金銭請求が可能)  これは設定が犬神家のように戦後の混乱期でもなく 純然たる現代ならばあり得ないことなので、当然彼は そのことに気づいていたのに全く口にしませんでした。 これは意図的なものだと思っていました。 つまり僕はその時点で、どうやら二人は怪しい、遺言 書も偽者ではないかと気づいていたんです、という 種明かしを最後にするのか思っていたのですが、完全 スルーでした。もしかしてその辺の法律事情を作者も 知らなかったのでしょうかね。
[地上波(邦画)] 7点(2025-01-06 19:42:07)
2.  望み 《ネタバレ》 
原作未読でこの映画自体全く知りません でしたが、民放BSの番組表に載っていたので取り敢えず録画して 見始めたのですが、確かに重い映画でしたが、普通なら早回しで観 るのをじっくりと最後まで見入ってしまいました。 規士君は亡くなってしまいましたが、あれ以外の結果だったらこの 家族はその後は維持できなかったでしょうし、被害者側であったが 故に悲劇的な事件を乗り越えて生きていくであろうことが予感でき ラストの余韻は言われているほどには悪くはなかったです。 久しぶりに心に残る映画でした。 満ち足りた幸せな家族に降ってわいた息子の失踪と殺人事件。 家族の中での立場の違い故に異なる心情を抱いてしまう3人が丁寧に リアルに描かれていました。 家が特定され卵を投げつけられ落書きをされSNSでの誹謗中傷はさも ありなんという風景で、それゆえ法務省がタイアップしていたのでしょ うか。法務省もさることながら、息子を心配する両親に捜査に支障がでる からと何も状況を伝えない警察にも反省を促したいですね。  ところで、息子の情報を得ようとファーストフード店で高校生たちに聞 いて回るお母さんのところは違和感がなくもありません。高校生が問題を 起こしたなら普通はまず学校の担任の先生に当たるでしょう。マスコミ もまず学校に殺到し、校長先生が慌てて記者会見を開くのが世の常ですね。 家族を中心に描いた為に余分な学校の存在は消してしまったようです。  ちなみに、衆人環視の中でお父さんを殴って、その後は土下座ってあまりの手のひら 返しですが、世間とはそんなものでしょうね ジャーナルの記者の人や男刑事さんも意外といい人でしたね。結局犯人の少年 たち以外は登場人物の中に悪い人はいませんでした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-10-16 10:01:36)
3.  侍タイムスリッパー 《ネタバレ》 
幕末から現代にタイムスリップした侍が 戸惑いながらも剣術の腕を生かして殺陣や切られ役と なって生きていくという単純なお話かと思っていまし たが、それだけじゃあローカル劇場で公開した本作品 が大人気となり全国拡大興行となるわけないですよね。  なるほどなかなか考えた作品でヒットした理由が分か りました。コミカルではあるけども、現代に生きる侍 をそれなりに無理なく見事に描いていました。 2時間以上の長尺も気にならず最後まで興味が尽きませ んでした。  確かに冒頭で雷に打たれた時に相手はどうなってしまった のだろうかと思うわけで、敵方も時代を前後して現代に タイムスリップしていてそれぞれに侍としての葛藤があ り、最後は宿命の対決が再開するというのが味噌ですね。 ラストの切り合いには思わず手に汗握ってしまいました。  テレビドラマから時代劇がほとんど姿を消して時代劇消 滅の危機と言われ殺陣俳優たちが生活困窮したのは少し 前のことでした。当時もしこの映画が封切られていたら 一層切実感が伝わったでしょうね。
[映画館(邦画)] 7点(2024-10-13 15:11:42)
4.  ラストマイル 《ネタバレ》 
既にテレビ放送された2作品とコラボした シェアードユニバースムービーと名を打った豪華キャスト、 日本の映画・ドラマでは珍しい実在の駅名を使っているなど 実験的要素も多い話題作ということで映画館まで見に行き ました。 まあ料金に見合う程度には楽しむことはできました。 満島ひかりさんは相変わらずの自信満々の演技でしたが、 大仰さにやや食傷気味ではありました。  しかし物流業界の事情に詳しくなくしかもテンポが速い為、 ストーリーにもついて行けず、役者さんたちのセリフが十分 聞き取れないし(どうやらボケ始めたのか、日本映画にも字幕 をつけてほしい)、あれよあれよいう間にハッピーなのかアン ハッピーなのか良く分からないような形で終わってしまって 大分消化不良でした。  舟渡さんを経歴を偽ってセンター長に送り込んだ米本社の意図 はなんだったのか、そして本人は何をしようとしていたのか、 前半は少なくとも会社を守るために動いていたように思うの ですが、いつの間にか現場の人たちの側に変わってしまった ようで一体何があったのやらではあります。  来年あたりテレビ放映される時に録画でもしてじっくりとみて みたいです。  追加(もろにネタバレ) ちなみに犯人の筧まりか役の女優さん(二村紗和)の名前が どこにも出ていなくてあっちこっち検索してようやく見つけ ました。最初、満島ひかりの一人二役なのかと思いました。 エンドロールには果たして出ていたのだろうか。
[映画館(邦画)] 6点(2024-09-08 16:11:11)
5.  白い巨塔 《ネタバレ》 
テレビドラマの方は鑑賞したのですが、 この映画のことは随分前から知っていたものの今回初めてじっくり と鑑賞しました。 150分という長尺にも拘わらず、錚々たるベテラン俳優陣による教授選 から裁判に至る熱のこもった演技の展開には長さを全く感じることなく 最後まで見終えることができました。  但し、ラストはあれれっ、財前教授勝っちゃったの、っていう感じで どんでん返しでびっくりしました。 確かテレビでは田宮バージョンも唐沢バージョンも、裁判で負けて い、「控訴してください」といって昏倒してしまうので、てっきり 映画もそうなるのかと思っておりました。 確かに悪が栄えるというのもインパクトがありますが、やっぱり後味 は良くないですね。  テレビドラマではその辺の配慮して結末を変更したということでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-05-20 23:18:29)
6.  デンジャラス・ラン 《ネタバレ》 
確かに基本的プロットに新鮮味はないし どこかで観たようなシーンや筋書き満載ではありますが、 セーフハウスを舞台にした組織の裏切り者が金の為に組織 の裏切り者リストを手に入れるという最初の掴みや二人の 間の心理戦のくだりもはなかなか面白かったです。  後はもうお決まりのリストを巡るドンパチと見え見えの ラスボス登場と内容が暴露されることで政治問題化する という想定内のオチでしたが、まあそれなりに飽きるこ とはありませんでした。  ちなみになんでこんな陳腐な題名をつけたのでしょうか。 英語の原題セーフハウスの方が意味深でよかったと思う のですが。
[地上波(吹替)] 6点(2024-02-29 22:09:30)
7.  ゴジラ-1.0 《ネタバレ》 
映画館の大スクリーンで見る価値のある ド迫力な映画でした。 完全にゴジラは脇役に追いやられてしまって、子供がゴジラ 目当てに観たら怒り出すのではないかと思うような、中心は 戦争映画、反戦映画、人間ドラマでしたね。永遠のゼロが 直球勝負なのに対して変化球で勝負でした。 まあもともとゴジラ映画は反戦・反原発映画でしたから本来 の趣旨に沿っていると言えます。  浜辺美波が前半であっけなく死んでしまってありゃりゃと いう感じでしたが、さすが他人の子供を育てる強い女です、 ゴジラの熱線にも負けていませんでした。  最後のワダツミ作戦はちょっとまどろっこしかったですね。 神木君が口めがけて特攻するだけだとあっけなさすぎるとい うことなんでしょうけど、最新のVFXをしても安っぽさを隠す ことができなかったようで、突然本来のゴジラ映画の片りんが 現れたという感じでした。
[映画館(邦画)] 6点(2024-02-02 15:09:35)
8.  生きる 《ネタバレ》 
以前松本幸四郎主演のドラマの方は観たこと があったけど、映画の方は観る機会がなく初めて鑑賞しました。 豊かになった現在と比べて戦後まだ10年も経っていない貧しかった 頃の日本の社会風景が何とも切ないですね。 やはり志村喬の目力の演技が光ります。 当時はまだ40代後半だったと思うのですが、昔の人々は現在と 比べると随分と老けていたんですね。  女事務員とのデートの最中に突然覚醒してから、公園の完成まで の苦労の過程がもっと細かく描かれるのかと思ったらあっという 間にお亡くなりになり、通夜の席での思い出話に終始したのは、 考え抜いた脚本とは思いますが、観ている側としてはちょっと 拍子抜けな感はありました。  それにしてもお役所仕事とはよくいったもので、現在でも基本的 には変わっていないように思います。 自治体や霞が関のお役所でバイトをしたことがありますが、今の 時代でも前例踏襲が基本で超アナログ&書類に埋もれたごみ屋敷 のような職場には驚かされます。
[地上波(邦画)] 6点(2024-01-09 15:17:30)
9.  こんにちは、母さん 《ネタバレ》 
とにかくめちゃくちゃ重い「福田村事件」を 観た後だったので、口直しというかチェイサーというか、とにかく ほのぼの、ほっとさせられ癒されました。 下町の風情が感じられる場面が多かったのですが、実際にまだこれ ほどの雰囲気が残っているのでしょうか。  役者さんそれぞれに味のある演技だったのですが、この映画の最大の 問題は昭夫さんが家庭でも会社でも問題抱えて悩んで憔悴している男 の暗さが感じられなかったことです。大泉洋さんの演技が下手という わけでは決してなく、彼には元々が明るいオーラが染みついていてし まっているからなのでしょう。 別の俳優さんなら暗い男をもっと的確に演じられたのかもしれませんが、 監督が彼を起用したというからには、そもそも監督にはこの映画をシリ アスな物にする意図はなかったのかもしれません。
[映画館(邦画)] 6点(2023-09-07 17:59:50)
10.  福田村事件 《ネタバレ》 
事件に至るまでの描写がかなり長いので すが、丁寧に描かれていてダラダラ感もなく飽きることなく どんどん引き込まれて行きました。  しかし行商団が襲われるシーンは史実でありリアリティを出す為 とはいえ随分と露骨で残酷なシーンが続き、何か夢に出てきそう で怖かったです。避けては通れないシーンとはいえもう少し暗喩 などを使ってトーンダウンしてほしかったようにも感じます。 米国ならば少なくともPG13以上には指定されるでしょうね。  それにしても訛りや方言、今は使わない言葉などが盛りだくさん で半分ぐらいしか正確に聞き取れませんでした。 日本映画にも字幕をつけてもらいたいですね。  人間関係も不明なところがあり、柄本明に胸をはだけて覆いかぶ さる女性は誰なんでしょうか? 瑛太の頭を斧でかち割り虐殺の引き金を引いた女性は誰だったの でしょうか?なぜやったのでしょうか?などなど  個性的な俳優さんがそれぞれの役柄を熱演されていました。中で も水道橋博士は憎々しい役柄の好演が光っていました。撮影は うつ病を患う前だったのでしょうか。  ※【大鉄人28号】さん 解説ありがとうございます。そういう背景があったのですか。 せりふがなまりが強くて聞き取るのに苦労して役柄もよく分からず (日本映画にも字幕がほしいです😅)、キャストの情報をスマホで調 べようとしていたら、隣に座ったオッサンにスマホやるなら外に出て いけと怒られて😭、やむなくそのまま観ていたのですけど、とにかく 一回みただけでは各登場人物を完全に理解するのは困難でした😭😭
[映画館(邦画)] 7点(2023-09-05 17:48:31)
11.  コクリコ坂から 《ネタバレ》 
ジブリ作品はファンタジーの世界を失って しまった自分にはもう理解できないだろうと敬遠していたのですが 地上波で放映されるとのことで観てみました。 みなさんがここに書き込まれていることの意味が分かる気がしました。 舞台となった戦後10年から20年にかけての時代を理解できる人はそれ ほど多くはなく、主人公たちに感情移入するのが難しいと思いました。 他の人が言っていましたが、この物語の主人公はメルと俊ではなく、 船乗り3人の友情物語なのだろうというのに同感です。  ただそれにしては全てが中途半端で従って感動も今一湧いてきません。 また、広小路のおばあさんの素性や母親がなぜ娘たちを置いて米国に 行っていたのか、留学する歳ではないはずなのに何か留学したような 口ぶりでしたが、その辺の説明がなく仔細にこだわる人にとっては もやもやが残ります。  メルという呼び名は、恐らく海=フランス語のMerから来ているのかと 想像はしますが、なぜフランス語なのかは不明です。
[地上波(邦画)] 5点(2023-07-16 22:32:39)
12.  ツレがうつになりまして。 《ネタバレ》 
几帳面な夫がうつ病になってしまってから の夫婦の普段の生活が淡々と描かれているだけの映画であり 特に劇的なことが起きるわけでもないけど、ほのぼのとした コミカルな雰囲気が結構気に入りました。但し前半までは。  生活苦に直面してハルさんがようやくもらった仕事の為に 必死に漫画を描いている傍らで、ツレはいつもながらマイ ペースなツッコミをいれて、相手にされないと自殺未遂を 起こしてしまう辺りから、生きることはそんなに甘いもの ではない現実を見せられてしまうとファンタジーに浸る気分 にはなれませんでした。  ちなみにこの掲示板で夫をツレと呼ぶのに違和感を持った人 が多かったようですが、現代において日本語で夫や妻を呼ぶ のにふさわしい言葉は意外とありません。 中高年以下の人は連れ合いを内の夫とか家内とかは何となく 呼びにくく、かといってラブラブな時期を過ぎても名前で呼ぶ のも気恥ずかしいようです。 本人に向かってツレというのは確かに違和感はありますが、 第三者に対して内のツレというのは案外使いやすい言葉で はないかと思いました。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-06-26 21:19:37)
13.  日本沈没(1973) 《ネタバレ》 
長年食わず嫌いで観てはいなかったのを BSでの放送があったので初めて視聴。50年前の作品として評価すれば 頑張って作った感は十分ありました、その後の関西や東北の大地震を 経験し、首都直下型や東南海地震の可能性の高まりなどを受けて単な るSF作品以上のものではあると思います。 但し、はやり50年前の作品で全て模型と実写だと迫力の点では見劣り せざるを得ないし、壮大な物語を映画の尺で表現すること自体がそも そも難しかったのだと思います。 ヒッチコックのように小松左京さんが顔を見せていましたが、本人は この映画をどう思ったのでしょうか。  全編を通じて科学者の視線で日本の滅亡が描かれており、経済的な視点 が欠落していると思います。もし日本が近々水没するとなれば、国債は 暴落、円も暴落、株価も暴落し、人々の脱出パニックの前に経済パニック が起こるのではないかと思いますが、その部分が全く描かれなのはやや リアリティに欠けていたように思います。  原作では玲子ではなく母性の象徴のような麻耶子という別の女性を登場 させ彼女と共にシベリア鉄道で西に向かうところで終わったと記憶して いますが、映画では玲子に両方の役を演じさせて終わっています。 果たして作者の意図が見る側に伝わったのかどうか。  とにかく役者さんが皆若いですね。バブル前夜の高度経済成長期末期の 夢のある時代でした。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-02-16 20:18:12)
14.  そして、バトンは渡された 《ネタバレ》 
なんだか時間軸がはっきりしない中で(意図的でしょうが)、梨花さん は夫をとっかえひっかえする(その都度離婚届は出したのだろうか)ので、途中まで話 について行けませんでした。 噂では何度も泣くというのだけど、終盤までは泣けるシーンもなくドタバタと話が展開 していった感じでした。鍵となる秘密というのが、梨花さんがみいたんと水戸さんの手紙 を隠していたことだとすれば、大した驚きもなく、本当のお母さんのお墓の前で宮森さん が早瀬君との結婚を認めて、めでたしめでたしで終わるなら、そりゃあないだろ、と思っ たら・・・なるほどそういうことだったんですね。確かにこれは泣けるお話ですね。 ちょっと結婚式でのお涙ちょうだい的演出が過剰ではありましたが。 それにしても幼児虐待の話の多い昨今、二人の母と三人の父から溢れるよう な愛情を注がれて育った優子さん、幸せ独り占めしすぎな気もします。悲しい時辛い時も 笑顔を振りまいていたご利益なのでしょうか。  確かに言われてみれば、色々と細かな伏線を描くと同時に、観ている側に気づかせない工夫を 念入りに行っていたのを感じます。 特に気になったのが、優子さんが卒業式でピアノを弾き終わった後に場面が切り替わって、満開 の桜の林の中を誰かが歩いているシーンの意味でした(細かいことが気になってしまう性格です) 最後になって、なるほどそういう風な意味だったのかと納得しました。 二度見して、そんな伏線と迷彩を探すのも楽しいのかも。  このお話のキモは梨花さんが病気をかかえていたことと、実はみいたん=優子さんの同一人物で 違う時代に生きている二人をあたかも同時代にいて別人だと思わせた、というところなのですが、 それを観ている側に気づかせないように、みいたんと優子さんは明らかに年代が異なるのに、そ れ以外の森宮さん、水戸さん、泉ヶ原さんの年齢の違いを敢えて描かなかったようで、まんなま と騙されてしまったわけです。
[地上波(邦画)] 6点(2022-11-12 22:04:06)
15.  八日目の蝉 《ネタバレ》 
当時小説も映画も話題になっていましたが、テーマ的に 気が進まずスルーしていました。今回テレビで放送されて初めて観ました。 観る側の立場や年齢によって評価が分かれる作品ではあるとは思いますが 現在の自分にとっては、非常に良かったです!映画館で観ていたら野々宮 さん確保からラストのことろで号泣してしまったかもです。  4年間とはいえ、仮の母親からの最大限の愛情を注がれて育った薫ゆえにその 後のわけのわからない展開に混乱し苦悩してしまうというのは皮肉ではあります。  子役も含めて役者さんたちの演技がすばらしかったですね。井上さんは これまで可愛いだけのパッとしない女優さんだと思っていたのですが、こんな 演技力があったんですね、お見それしました。  他の人の評価の中でも触れられていたのですが、この悲劇的なお話の原因は母娘 にまとわりついた自分勝手で無責任なダメ男たちの所業であるのに、その点につ いてほとんど描かれていないのはやや片手落ちとは思いますが(特に丈博さんは 実際なら世間から叩かれてボロボロになっていてもおかしくないのにその雰囲気が なかった)、赤ちゃんを置いて外出したいきさつや秋山家の社会的立場などはくど くど描くことなく、あくまでも野々宮さんと薫の描写に集中したということかも しれませんし、それで良かったと思います。  無名の俳優で充分だった薫ちゃん確保の婦警さん役で吉田羊さんが出ていましたが、 あれって友情出演か何かだったのでしょうか。どこで出てくるのかと思っていたの であれれっていう感じではありました。  【番外編】ダメ男たちについて: 本筋とは分けて考えるべきかと思いますが、最も非難されるべきは丈博氏である ことは明らかですね。 避妊をせずにセックスすれば子供が出来る可能性があることを知りながら、子供が 出来ると将来は一緒になりたいが今は子供は作れないと堕胎を強要、その一方で奥 さんとはセックスして子供を作るという、支離滅裂な場当たり的な行動をとっています。  奥さんは当然そういうことを分かってはいるが、丈博氏への怒りも含め全てを野々宮 さんにぶつけてしまうような弱い人間と言えますが、非難する気にはなれません。 そんな男と不倫をした野々宮さんも、きつい言い方ではありますが、自業自得の一面 はあるし、責任は逃れられないとは思います。  もし実際に野々宮さんの裁判が行われた場合、弁護側が優秀であれば徹底して丈博氏の 責任を追及し、野々宮さんの行為は追い詰められ心神喪失となった結果の犯罪として情状 酌量を求めるでしょう。野々宮さんは薫ちゃんには危害を一切加えておらず、薫ちゃんは 両親から逃げ出して交番に駆け込んだことからも野々宮さんを愛していることは明らかで この点も情状されるのではないかと思います。一方、生まれたばかりの赤ちゃんを家に放置 したことから、秋山夫婦の子供への愛情の希薄さも指摘できるでしょう。 また裁判で奥さんが「死んでしまえ」と罵倒したのは、野々宮さんの「空っぽの女」と罵倒 されたという供述を裏付けてしまいました。 奥さんは裁判ではあくまで子供を誘拐された可哀そうな被害者を演じなければなりません。 これらの点を訴えれば執行猶予はつかないにしても刑期はかなり短縮される可能性は高い ように思います。  そして再び同じタイプの岸田氏と恵理菜さんは関係を持ってしまうわけで、物語の結末に 持っていくために必要だったとのでしょうが、これはいささかやりすぎではあります。 世の中はこんなダメ男だらけではないことを祈るばかりです。
[地上波(邦画)] 7点(2022-08-13 11:04:21)
16.  RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語 《ネタバレ》 
美しい風景映像と悪い人は一人も出てこない べたな物語で、ローカル鉄道のプロモーション映画のような内容でした。  主人公が50歳を前にして大企業の重役の椅子を辞退して経営の苦しい地方 の鉄道の運転手になる決心をするというこの映画のキモの部分について、 その心境に至った理由付けを、小さい頃から電車の運転手になるのが夢 だった、工場のリストラと同僚の工場長の死、家族内の問題、母親の不治 の病など色々描いてはいるのですが、何だかどれも今一つ心に響くものが なく、それ故に全体を通して盛り上がりにかけて淡々と進行して終わって しまった印象ではあります。  次から次へと災禍が起きる昨今、こういう映画もありかなとは思うので すが・・・
[CS・衛星(邦画)] 6点(2022-03-21 13:24:10)
17.  映画 ビリギャル 《ネタバレ》 
ここのあらすじにも結末が書かれてしまっているし (これってネタバレじゃね?)、実話に基づいているのでハッピーエンド になるのが最初から分かっているので家族団らんでみるにはピッタシでは ありますが、プロ野球選手になることを父親から期待されている坊やの方 もおそらく挫折するだろうな、と思っていたらその通りになってしまった り、一応商業映画なのだから何かもう一工夫をして欲しかったような。  有村架純ファンの人ならたまらない映画ではあるのでしょうけど。 スマホが全く出てこなかったのは実話が2000年代初めだったからという ことなのでしょうが、随分と実話に忠実だなあ、などと思いました。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2022-03-03 16:22:20)
18.  シュシュシュの娘 《ネタバレ》 
映画館で鑑賞してからここに作品が登録 されるまで時間がかかったので、映画の内容や感想を大分忘れてしま いました。  確か公文書改ざんとか自警団とか最近の政治ネタを絡ませて果たして 結末はどうなるのだろうか、と興味をそそらせておいて、終盤にきて いきなり現代劇から忍者&仕置き人の本格時代劇になってヒーローは 悪人たちを成敗して夕日を浴びながら去って行ったとさ、めでたしめ でたし、っておいおいそれはないだろうと興ざめしてしまったのだけ は覚えています。
[映画館(邦画)] 5点(2021-09-19 13:16:30)
19.  マスカレード・ホテル 《ネタバレ》 
ここでの評価が低かったので、大して期待も せずに観ましたが、謎解き自体は結構面白かったし娯楽作品と してはそこそこ楽しむことができました。 原作未読ですが、おそらく原作を読んだら面白いのではないか と思います。  この映画の決定的な問題は、なんか年末オールスター感謝祭的 なコテコテの内容。あれだけ有名俳優が総出だとそれだけでも う食傷気味になってしまいます。松たか子がおばあさんの扮装 で登場してあのまま終わりになるはずないと誰でも思ってしま いますよね。あとファンの人には申し訳ないですがキムタクの 演技も相変わらずで、他の人はいなかったのでしょうか。 もしもっと無名の俳優さん達で制作したらよい作品になってい たのではと思います。  ストーリーとしては、劇団員にたどり着くのがちょっと強引で あまりにご都合主義的だったのでは。 何度も思わせぶりにホテルのロゴのペーパーウェイト(?)の 向きを見せておいて、結局キムタクがそれに気が付いて犯人を 逮捕しました、というのは明かさずじまいだったようですが、 普通は最後に解説すると思うのですが。その辺は監督の好みだ ったのでしょうか。
[地上波(邦画)] 6点(2021-09-19 13:07:20)
20.  十三人の刺客(2010) 《ネタバレ》 
史実のエピソード(大名行列を横切った幼児を処刑した) にヒントを得たお話とはいえ、ここまでご乱行の過ぎる殿様なら、当時でも 家臣が座敷牢に押し込んで隠居を迫るようなこともあったと聞くので、あま りにも非現実的といえるでしょう。  特に半兵衛については、ご乱行の数々を目の当たりにしているのにひたすら 殿への忠義を尽くし、その結果多くの家臣が刺客との切り合いで命を落とす ことになるわけで、忠義というものをはき違えていること甚だしい。彼が殿 を切り殺し、自ら切腹すれば多くの人が死なずに済んだはず。殿が老中にな れば自らの出世も叶うという邪な考えがあるとしか思えません。 殿の狂気もさることながら、半兵衛も正常な精神とは思えない。 あんなに死んでしまったら(双方で60人ぐらい死んでしまった)、死体を片付 けるだけでも大変だし、噂を抑えることも困難。病死として幕府に届けるだけ で済むとはとても思えません。  まあそこいら辺は深く考えずこの悪趣味な娯楽作品をチャンバラ映画として 楽しめばよいのかもしれませんが
[DVD(邦画)] 5点(2021-09-08 09:15:56)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS