1. プラットフォーム
メタファー的な要素の強い作品は、感情移入ができないので苦手。 [インターネット(吹替)] 3点(2024-06-26 15:25:36) |
2. ロスト・ボディ(2012)
《ネタバレ》 どんでん返しありのよくできたサスペンス。 ただ、その割にそれほど面白くは感じなかった。 [インターネット(吹替)] 5点(2024-06-25 18:52:31) |
3. プリズン211
《ネタバレ》 新人看守が囚人の暴動に巻き込まれて、囚人のフリをして危機を逃れようと知恵を絞る。 囚人のボスとの奇妙な友情や、ハリウッド的な大団円で終わらないところがなかなか面白い。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2019-12-23 23:32:39) |
4. インポッシブル
2004年スマトラ島沖大地震での津波に遭った家族の実話に基づく作品ということだが、こういうのは下手にドラマや映画にするより完全ドキュメンタリーのほうが響くのかも。 実話としての臨場感、フィクションを加えた物語性という点で、どっちもつかずの中途半端な感じがなきにしもあらず。 [DVD(吹替)] 5点(2018-03-24 10:40:09) |
5. ガンマン大連合
《ネタバレ》 武器商人のヨドラフと、靴磨きから革命軍の幹部に大抜擢されたバスコ。政府軍と革命軍の戦いの中で、それぞれの思惑が交錯する。 キーマンとなるサントス教授は、あくまでも無血での革命にこだわる。モンゴ将軍にはサントス教授のような崇高な理念はなく、ただ金が欲しくて革命を起こしたいだけ。 個性豊かな登場人物の中でも、敵役で執拗にヨドラフを追うジャンが面白い。鷹匠のようにハヤブサを飼い慣らし、いかにも悪人にふさわしい不敵な面構え。ヨドラフに裏切られて磔にされ、逃れるためにハヤブサに右手を食いちぎらせた壮絶な過去を持つ。そのハヤブサを焼き鳥にされたあたりはちょっと笑ってしまうが、本人にとっては憎しみも倍増だろう。 ポケットの銀貨で助かるくだりは「荒野の1ドル銀貨」と同じ。機関銃をぶっ放すのは「続・荒野の用心棒」を彷彿させる。パクリというかパロディというかオマージュというか…。 ヨドラフがラストで政府軍の姿を見て急に変わったのが謎。この邦題もよくわからない。 マカロニウエスタンにモリコーネの音楽は、チャーハンに餃子並みの相性の良さ。 [DVD(吹替)] 5点(2017-10-13 22:48:56) |
6. 星の旅人たち
《ネタバレ》 息子の遺灰を撒きながら巡礼の旅を引き継ぐ老人、メタボ対策で痩せようとしている大食漢、禁煙しようとしてるヘビースモーカー女、スランプでネタを探しに来ている作家。たまたま出会った4人が800キロに及ぶ聖地巡礼の旅に同行するロードムービー。 巡礼の目的もそれぞれ。ヘビースモーカーの女は禁煙目的とは言っているが、DV夫との離婚という過去を背負っており、そのトラウマ解消が本心か。大食漢の男も単なるダイエットの他に何かわけがありそうにも思える。自分探し、再生の道のり。 断絶していた父と息子は、父が息子の巡礼を経験することでその気持ちを理解しようとした。遺灰を撒き終えて幻影の息子と見つめ合う父の顔からは、二人の距離が縮まった喜びが感じられた。 じんわりとくる良作だと思うが、聖地巡礼というのがそもそもいまいちピンとこない。今では信仰心がなくてもこの映画のように自己実現やスポーツ的に挑戦する人も多いようだけど。やってみればわかるのかな。 [DVD(字幕)] 5点(2016-10-23 22:49:55) |
7. ルシアとSEX
《ネタバレ》 ストーリーはメタファーや幻想が多く、時間軸も前後するし、時折り現実と小説とが混ざるので把握しにくい。ミステリアスなつくりで、登場人物が整理できればそれほど複雑な話でもないのだが。 SEXシーンは過激だけど文学的な薫りがするので、女性にも受けそう。スペイン映画らしく、邦画では見られないような自然で開放的な官能美。 [DVD(字幕)] 6点(2016-09-17 01:16:46) |
8. ミツバチのささやき
スペイン内戦を時代背景に、少女の視点を描いた文学の香りのする映画。フランケンシュタイン、毒キノコ、脱走兵、焚き火、血の口紅――幾つもの寓意を含んで深みがあり、婉曲的な表現で感性に訴える。 高尚な感じはするが、シュールで苦手なタイプの作品なので好きにはなれない。小説なら心理描写があればわかりやすくなるが、映像だけではなかなか難しい。 [DVD(字幕)] 4点(2016-07-31 01:46:17) |
9. オープン・ユア・アイズ
《ネタバレ》 サスペンス性があるので引っ張られるが、結局安易な夢オチでがっかり。悪夢を望んで見たというのもよくわからない。ペネロペ・クルスだけが印象に残った。 [DVD(吹替)] 4点(2016-07-29 21:37:07) |
10. スパニッシュ・アパートメント
《ネタバレ》 エラスムスが何のことかわからなかったが、EUの留学奨励制度とわかって納得。 シェアハウスでの青春の一ページ。骨太のストーリーがあるわけではないが、雰囲気は楽しめる。こういうのに憧れてた時期もあったなぁ。 空気の読めない人間との同居はストレスが溜まりそう。仲の良い友達同士の旅行でも、何泊かするうちにちょっとしたことでイラっとすることも出てくるのに。 国籍も性格も違って、まさにごちゃ混ぜ。バラバラにも見えた皆が、ウェンディの浮気を必死で隠そうと団結。ゲイを装って姉の危機をしのいだ弟がお疲れ様。でも、シェアハウスにこんな美男美女が集まることは現実ではなさそうだけど。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-02-01 21:37:46)(良:1票) |
11. 欲望のあいまいな対象
《ネタバレ》 二人一役の特殊な演出がどうにも肌に合わずイラつく。若い女の尻を追いかけるスケベじじいにも嫌悪感。テロを絡めるのもよくわからず、人を食ったような感じをどう捕らえるかで好き嫌いが分かれそう。 [DVD(字幕)] 2点(2015-12-29 22:19:38) |
12. MAMA(2013)
《ネタバレ》 ママは不気味で怖いし、幼い姉妹は抜群に巧かったのに、ストーリーはちょっと飲み込めないところがあって水を差された思い。結局ママが何をしたかったのかがわからない。我が子を捜し続けて、せっかく胸に抱いた我が子の遺骨。それなのに、姉妹を取り返そうして我が子の遺骨を投げ捨てるというまさかの暴挙。これがコントなら、放り投げられた我が子の「うそぉ…」って言葉が聞こえてきそう。これは突っ込まずにはいられない。 ママは実体がはっきり見えない時のほうが和テイストの不気味な怖さがある。洋テイストのゾンビ的な姿をはっきり現してからは怖さが消えてしまったのが残念。我が子放り投げ事件も尾を引いて、姉妹の別離や擬似親子の絆に浸りきることができず、微妙なラストに。ママが顔を晒さないうちは良かったのに。あの顔はいかにも作り物のモンスター感があって、よく見るとファニーな感じもする。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-07-20 22:58:47)(良:1票) |
13. 永遠のこどもたち
《ネタバレ》 雰囲気が不気味な上に、ときどき音でびっくりさせられるので心臓に悪い。最後にはちょっとメルヘンチックな部分もあり、家族愛もしっかり描かれていて、ただのホラーにはなっていない。 伏線は一応収束させているが、ストーリーで腑に落ちないところもチラホラ。ラウラとシモンの結びつきが、実の息子でもないのに自ら死を選ぶほど強くなったのはなぜか? どうしてわざわざエイズにかかっている子を選んで養子にしたのか? ラストはラウラが同じ孤児院にいた友達5人とシモンに囲まれて生きていくということで、取りようによってはハッピーエンドにも見えるが、その中にトマスも含まれている。トマスは5人のいたずらで殺されたようなものなのに、それにはちょっと違和感が。 [DVD(字幕)] 5点(2015-05-30 02:26:32)(良:1票) |
14. 2つ目の窓
《ネタバレ》 奄美大島の大自然を舞台に、生と死、自然との共生、親子の葛藤、思春期の恋が綴られる。吉永淳が本当の高校生に見えるほどフレッシュな透明感があってとても良い。小麦色の肌が爽やかで、健康的な離島の娘の雰囲気が出ている。北野高校出身の秀才でもあるようで、存在感のある女優になるかも。 母の中にある性的なものへの嫌悪感から、少女に好意を持っていながら抱くことができない少年。こんな高校生が今どきいるかと思うほど、あまりに純真すぎて嘘っぽいけれど、こうした離島だからこそひたすらに真っ直ぐで純粋な二人がマッチしている。ラストで大自然の中でのラブシーンは、微笑ましいくらいに清々しく初々しかった。命の根源である水の中で全裸で泳ぐ二人は、神とも通じる母なる自然にすっかり溶け込んでいるように見える。 ユタの存在に象徴されるように、霊的なものが自然や死への畏怖、一体感につながっているよう。映画全体から女性監督らしい繊細さも感じさせる。ただ、あくまでも女性監督がイメージだけで作り上げた男子高校生のようで、少しもリアルに感じない。どんなに母親の性を嫌悪していたって、好きな女の子に性的に反応しない男子高校生なんていない。 映画の雰囲気は良かったけれど、ストーリー的には親子の葛藤などに平凡なところもあって物足りなかった。冒頭のイレズミ男の死も、結局は消化不良。女性監督の作品にしばしば見られるように、男と女では受け止め方や評価が分かれそうな気もする。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-05-18 01:06:55) |
15. アデル、ブルーは熱い色
《ネタバレ》 アデル・エグザルコプロスとレア・セドゥの主演二人が、レズビアンで好対照の女性を演じている。アデルはまだ顔にあどけなさが残る女子高生で、青髪で男っぽいエマに惹かれていく。テレビではさすがにかなり割愛されていたが、過激なラブシーンはカンヌ映画祭などでも話題になったようだ。 普段はどちらかというと表情に乏しいアデルが、男との浮気に激しい怒りをぶつけるエマに対して、号泣しながら許しを請う。別れてしばらく経って、もう一度ヨリを戻そうとするアデルが、もう元の二人に戻れないと悟る姿もなかなか切ない。この主演二人の演技がとても良い。 ストーリーは、同性愛ということを除けば普通に男と女の恋愛そのまま。性別を超えたラブストーリーになっている。 ラストでもっと何かあるのかと思ったが、特に変わったこともなく、ちょっと物足りない印象。時間もこの内容で3時間は長すぎる。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-05-17 00:36:06) |
16. ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
《ネタバレ》 まったくどんでん返しになっていないラストに呆然。 あまりにも見え見えだったので、それがミスディレクションでもう一ひねりあるだろうと思ったくらい。 ところが、早くから予想された通りの真相で、拍子抜けもいいところ。 レイプ殺人の被害者とされた女と、犯人とされた同僚の男が、ともに死刑廃止の活動家ということで、事件の真相は見えてくる。 それに、ケヴィン・スペイシーということで、どうしてもカイザーソゼのイメージがあって、素直に冤罪の被害者で終わるとも思えない。 そこで死刑撤廃を目的とした計略が疑われるが、それにぴったり合致するようなシーンが続く。 デビッドがビッツィーへ孤独と不安を抱える二人が愛し合ったところで、やっぱり二人は共犯だったと予想が確信に。 愛する女の思いを遂げさせ、一緒に死んであげるというのは、究極の男の純愛か。 愛というよりは共感と、冤罪ですべてを失ったことへの絶望と復讐のような動機かもしれないが。 ただ、中盤から真相が見えてしまい、謎解きやどんでん返しのサスペンスの醍醐味は味わえず。 そういったことを抜きにしても、内容的にもスッキリはしない。 死刑廃止の思想も、それを実現する手段もまったく共感できないし、生死をかけてそこに突き進んでいくことに違和感を覚える。 コンスタンスがデビッドも犠牲になる偽装計画に反対しなかったのも解せない。 [DVD(吹替)] 3点(2015-02-10 22:25:31) |
17. 汚れなき悪戯
《ネタバレ》 モノクロの古い映画でキリスト教色が強い。 悪戯ばかりの「悪い子」マルセリーノが、イエスの祝福を受ける。 マルセリーノの歌は子供の頃に聞き覚えがあったが、この映画の主題歌だったとは。 天に召されたマルセリーノに喜びを感じるのか悲しみを感じるのか、宗教観によって違ってきそう。 心温まるファンタジーになるかと思ったが、無宗教の人間にとってはなんだか複雑な心境に。 ハッピーエンドには思えず、切ない余韻が残った。 この先、天国があると信じるようになれば、珠玉の作品に変わる可能性はあるけど。 [DVD(字幕)] 5点(2014-12-27 00:11:38) |
18. 今のままでいて
《ネタバレ》 当時19歳のナスターシャ・キンスキーの男たちを虜にしてしまう美しさが堪能できる。 役柄は父のような男と関係を持つ16歳の女子学生で、スレンダーなヌードも披露。 娘のような若くて美しい女に積極的に迫られ、あっという間に関係を持ってしまう、中年オヤジの願望を実現したような内容。 それが、本当に血のつながった父娘かもしれないと疑惑が明るみになって葛藤が生まれる。 この中年オヤジが情けない。 自分の娘かもしれない若い女と寝てしまうなんて。 近親相姦だったかどうかは藪の中。 母と同じ別れ方をするのも予測がつき、なんてことないストーリー。 ナタキンだから成立する、ナタキンを鑑賞するための映画。 ナタキン以外で何気に印象に残ったのは、ジュリオがフランチェスカの父宅を訪れ、笑い話をしようとして失敗するシーン。 なんとも間の悪い空気感がリアルでムズムズする。 [DVD(字幕)] 5点(2014-12-12 23:35:33) |
19. 宮廷画家ゴヤは見た
《ネタバレ》 ゴヤが主人公かと思っていたら、狂言回しの役だった。 人の真の姿を浮き彫りにした絵を描くゴヤの目を通して、中世スペインでの人間模様が映し出される。 魔女狩りの拷問が神の名のもとに正義として行われていたことを思うとゾッとする。 見とれるほどに美しいナタリー・ポートマンが、15年間の牢獄から解放されたときのやつれ果てた変貌ぶりは驚き。 ポートマンは、裕福な商人の令嬢イネス、監禁後の廃人のようになったイネス、蓮っ葉な売春婦アリシアと、三つのキャラを見事に演じ分けていた。 イネスを救うために父がロレンソ神父に娘がされたのと同じような拷問をして自分が猿だとする告白書を書かせるなど、前半は面白い。 ナポレオンの進撃や、イギリス軍の反撃など、情勢が変わるたびに価値基準が一変する。 異端者を排斥していた者たちが、今度は弾劾される側に立たされる。 「正義」や「権力」がいかに危ういものであるか、人間社会への風刺がうかがえる。 唯一首をかしげたのが、ロレンスの終盤での人格の変化。 偽善者たるロレンソがなぜ改宗しなかったのか、どうしても腑に落ちない。 ロレンソは何の咎もない天使のようなイネスを異端審問所にぶちこんだ上、絶望の中で助けを求めてすがるイネスに協力する姿勢を見せながら性欲にまかせて孕ませた。 イネスとの子であるアリシアも、売春婦になっていたのを知ってアメリカに追いやろうとした。 死刑を免れるためなら平気で改宗しそうな、殉教者とは最も縁遠い俗物なのに。 人間が変化、成長することを描くのがドラマだけれど、何を経験して何を克服してそうなったのかが説得力をもって描かれていないと違和感を感じてしまう。 残念ながらロレンソの変化には、その裏づけがしっかり描かれてはいなかった。 だから、突然聖人にキャラが豹変したようで、ありえない無理筋に思えた。 この変化に説得力があれば傑作になったはずだ。 ゴヤの作品の数々が映し出されるエンドロールは、絵心のある人にはたまらないだろう。 自分にはそれがないのでピンとは来ないが、ゴヤという人間とその作風はぼんやりと伝わってくる。 [DVD(吹替)] 5点(2014-08-09 22:48:15) |
20. 砂の上の恋人たち
《ネタバレ》 画家志望の男二人女一人が三人で愛し合う。 男の一人は不能、女は不感症。 冒頭マリアとマルコスのベッドシーンがマルコスが不能ということで親友のハイメが加わり、いきなり3Pに移行する展開はAVのよう。 不能の男を親友が体でカバーして三人で付き合おうというのもぶっ飛んだ発想だが、それをすんなり受け入れる女も芸術家だからか知らないが普通じゃない。 単なるセックスフレンドなら何の問題もないのだろうけど、本気の愛が絡んでいるのでややこしくなってくる。 三人のルールは二人だけでセックスしないことで、一人が見ているだけでも三人揃っていればいい。 ところが、そんなルールは予想通り守られるはずもなく。 マルコスがグループ展で絵の才能を高く評価される一方で、ハイメは野心家だが絵の才能はない。 女や絵の才能をめぐって、マルコスとハイメの間に独占欲や嫉妬など微妙な感情が見え隠れする。 ハイメが愛しているのはマリアだが、マルコスはハイメを友人という枠を越えた目で見ているようで複雑。 ベッドシーンはたくさん出てくるけど、三人の関係を心理描写を含めて細やかに描いているので、裸だけの映画にはなっていない。 濡れ場も濃厚でいやらしいものではなく、キレイにあっさりした感じで撮られている。 三人の関係がどうなっていくか気になったが、ハイメが三人で住まないかというマルコスの提案を拒否するのも無理もない。 ただ、突き放した終わり方が尻切れトンボのようでスッキリしない。 [DVD(字幕)] 5点(2014-08-04 22:53:56) |