1. ケミカル51
イギリスを舞台にしたアクション特有の粗悪さというか乱雑さが主演の2人(サミュエル・L・ジャクソン、ロバート・カーライル)に合っていて映画としてのまとまり良かったと思う。サミュエル・L・ジャクソンを中心とした「悪ノリ」が随所に散りばめられていてブラックな爽快感をかもし出している。 6点(2003-10-14 15:45:13) |
2. サラマンダー
もう少しライトなノリのB級モンスター映画っぽさを期待していたんだけど、思ったよりもテンションが低くて暗かった。まあすでに人類のほとんどが全滅してしまっていてはテンションも上がりようがないけど。微妙にシリアスに仕上げてしまっているので細部の荒さが目立った。良いのか悪いのか、マシュー・マコノヒーがいかついスキンヘッド男に風変わりしている様には驚いた。 4点(2003-09-29 20:59:54) |
3. 28日後...
予想以上に恐怖感が満ちた映画であまり怖いのが得意ではない僕は思わず目を伏せてしまうようなシーンも多かった。「凶暴性」のみになってしまう細菌が国中に伝染し感染者がゾンビのように非感染者に次々と襲い掛かる。と、もしハリウッドが作ればコテコテのホラーアクションにないそうな題材をさすがは英国の新進気鋭ダニー・ボイル、人間の本質を鋭く描き出した深みのある内容に仕上げていた。鬼気迫る若手俳優の演技、緊迫感のある映像感覚と申し分なかったが、もう少し脚本のディテールがしっかりしていればさらに濃密な映画になっていたと思う。 7点(2003-09-29 11:16:05) |
4. スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする
非常にサスペンスフルで狂気感に満ちた雰囲気を見せつける秀作だと思う。この映像世界を創りだしたクローネンバーグ監督はやはり鬼才という言葉がふさわしいと思った。加えてレイフ・ファインズのじめじめとした演技が非常に見事だった。しかし、悪くはないんだけどストーリー的に若干の説明不足を感じたのは否めない。実際は物凄く内容が深い物語であろうことは感じられたので、それが作品の中にいまひとつ反映されてなかったのは残念だ。機会があれば原作を読んでみたい。 7点(2003-08-27 16:17:52) |
5. ターミネーター3
《ネタバレ》 ジェームズ・キャメロンがノータッチという時点でやはり期待はしていなかったけど、見終わった後の率直な感想はやっぱ「不満」だった。「T1」「T2」にあった夜の舞台に映える金属的な統一感がなかったのが大きな違和感として残った。もちろん前作までの雰囲気と完成度はJ・キャメロン監督の力量であると思うのでそれを求めても仕方ないのかもしれないけど、それならばもっと違う良質な雰囲気を出してほしかったと思う。アクションにしても全体的に盛り上がりと新鮮味がなく、話題の強敵TXも前作のT-1000ほどのインパクトがなかったのが残念だ。なによりも結局終末戦争は止めることができなかったというラストには大いに失望した。ストーリーの理屈は分かるけど、あのラストでは前作までの意味がなくなってしまう。製作発表があった時点で「作る必要があるのか?」と不安だった「T3」であるが、名作である「T1」「T2]の価値を下げるくらいならやはり作るべきではなかった。 2点(2003-08-01 18:06:37) |
6. フォロウィング
「メメント」もそうだったけど、この監督はただでさえ奇抜でサスペンスに満ちたストーリーをさらにサスペンスフルに見せる創作力に非常に秀でていると思う。行き過ぎるとわけが分からなくなる演出法で観客を絶妙に引き付けることに成功している。小作ならではのブラックなラストがとても良かった。 7点(2003-07-07 04:02:55) |
7. ノー・マンズ・ランド(2001)
派手な戦闘シーンなどを一切使わず、濃厚な反戦映画を作り上げている。決して笑うことができないブラックなユーモアが秀逸だった。ラストは触れ込み通り非常に重い。 7点(2003-07-03 16:03:37) |
8. 007/ドクター・ノオ
今のところ古い007映画(ピアース・ブロスナン以外のボンド映画)の中では唯一観た作品。世間的にも言われているように、ショーン・コネリーのボンドっぷりは実にハマっていると思う。 6点(2003-06-30 16:03:08) |
9. ザ・コア
ノリとしてはよくある地球壊滅規模の災害パニック感動作で「アルマゲドン」とか「ディープ・インパクト」に近いものはあるけど、出来栄えはかなり良くて、特に「アルマゲドン」なんかと比べると格別に良い映画に仕上がっていた。やはり、注目すべきはこの映画で地球を脅かすものは隕石などではなく「地球の核」そのものであるということであろう。この今まで描かれてこなかった地球の危機を題材にすることで斬新さを出すことに成功している思う。地球の核に向かって突き進む映像は非常に恐怖感とパニックに満ちており、何より新鮮であった。ストーリーの展開はありがちであるが、これこそ災害映画の王道的なストーリーと言ってしまえばそれで充分に納得できる。ラストでハッカーの青年が「地球が自らの力で甦ろうとしているんだ」というセリフがとても印象的で、この映画では地球のひとつの生命体としての大いなる力強さを感じることができる。 8点(2003-06-17 01:59:03) |
10. 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ
アクション性がそれほど高くなくストーリー展開にも爽快感がなかったので、娯楽性が低かったように感じた。へたにドラマ性を出すよりもエンターテイメント性を追求してほしい。 3点(2003-06-08 14:22:50) |
11. K-19
非常に濃厚な原子力潜水艦映画だった。僕の中ではこの手の映画ではベストな作品になった。決して派手さはないんだけど、命に代えて戦争の発端になりうる艦内事故を処理しようとする乗組員たちのドラマが非常に濃密に描かれていて終始画面に引き付けられてしまった。この実に重厚で男臭い映画を女流監督が作り上げたというから驚きである。実はあまり期待はしていなかったハリソン・フォードも艦長役を今までにないほどに熱演しており素晴らしかった。 9点(2003-06-08 01:53:23) |
12. トレインスポッティング
何かずっと観る気になれなくて、満を持して観たんだけれどそれほど面白さを感じることはなかった。やはりあまりに僕たちの青春とはかけ離れていて、感情移入がとても出来ないことが原因だと思う。日本人でこの映画を心底好きなんて言える人はほとんどいないはずだ。 4点(2003-06-08 01:18:48) |
13. 耳に残るは君の歌声
非常に良く出来ている映画でこのままでも充分ドラマティックではあったのだけど、ストーリーが重厚な分もっと長い尺で撮ってほしかったと思う。演出も演技もとても濃密なものを見せているのに全体の尺が短く展開があまりに早いので主人公らに充分に感情移入させることができなかった。 7点(2003-06-07 21:49:23) |
14. ゴスフォード・パーク
英国の貴族階級の屋敷を舞台に繰り広げられる秀逸な群像劇だった。貴族と使用人それぞれのキャラクターが緻密に描かれており、それぞれの会話や言動から時代背景や人間ドラマが伺えて集中を切らせなかった。屋敷内でのめくるめく人々の動きを適確にとらえるカメラワークも見事で迫力があった。様々な人間模様を見ているだけでも楽しいが、この作品には更に殺人というエッセンスが加わり映画として面白みを増している。 9点(2003-06-07 21:27:29) |
15. トゥームレイダー
映画の内容自体は実際ショボいけど、アンジェリーナ・ジョリーの魅力がそれをカバーして何とか見れるアクション映画に仕上がっていたと思う。 5点(2003-06-07 18:11:56) |
16. シャドウ・オブ・ヴァンパイア
発想は非常に魅力的なのに映画自体はとても退屈でつまらなかった。ジョン・マルコヴィッチやウィレム・デフォーの個性を生かしきれずに空回りさせてしまっている。 2点(2003-06-07 17:28:25) |
17. エントラップメント
もっとくだらない映画を想像してしたので、思ったよりは楽しめた。といっても手放しで面白かったと言えるほどではないけども……。 5点(2003-06-07 15:37:12) |
18. ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
「スナッチ」を先に観て、ストーリーの性質もテンションもまったくそっくりだと思った。けど、このノリは好きなのですんなりと楽しめた。「スナッチ」も面白かったけど、今作も洗練されてない分味があって面白かった。愉快で痛快な群像アクション映画だ。 7点(2003-06-07 14:03:21) |
19. スパイ・ゲーム(2001)
「スパイ・ゲーム」というタイトルがふさわしいストーリー展開が秀逸だった。ありきたりのアクション映画と一線を画しロバート・レッドフォードによる心理戦に重点をおいた展開は非常にサスペンスフルで良かった。映像的にもスピード感があり全体的にテンポが良かったことも好感触だった。 8点(2003-06-07 13:23:12) |
20. ショコラ(2000)
ラッセ・ハルストレム監督の作品は、温和な雰囲気の中に強烈なテーマを違和感なく持たせるところが非常に素晴らしい。この映画もまさにそうで、チョコレートの甘いにおいが漂うファンタジーという印象を与えつつ実際に描くものは、人間の抑え切れない欲望である。人間の欲望の象徴として甘美なチョコレートの誘惑を選んでいるのだ。 8点(2003-06-06 01:53:47) |