21. ゴーストランドの惨劇
《ネタバレ》 いや、これは。 ホラーなんだけど、鬼畜系。 家に押入られてからの有無を言わせぬスピード感が凄まじい。 そして母は強し。妹だけじゃなく姉のことだってちゃんと愛してる。 って思ったら、そういうことね。 完全にやられましたわ。大満足の想定外。 しかしまあ久しぶりに、ちゃんとした映画で倫理的にどうなのって映画を観た。 監督が「マーターズ」の人なら、まだ抑えた方かも。 映画としては面白かったし、一応ハッピーエンドでホッとした。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-01-11 16:58:09) |
22. バイオハザードII アポカリプス
《ネタバレ》 バイオハザードのゲームをしていなければ、四つ足の怪物とか、無敵のフランケンシュタインが一体何なのかほぼわからない。 映画を楽しむためには、やはりそこはきちんと説明するべき。 ただ、ゲーム経験者にはたまらない配役。 シエンナ・ギロリーのジル・バレンタインは、ゲームの映画化史上最高のクオリティではないかと。 そこに加点。 とにかく加点。 って、ここまで書いてきて見返して見たら、完全にアクション映画のレビューになってるな。 まあこのシリーズに対する私の認識はまさにそうなんだけど。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-01-10 09:58:19) |
23. ガーンジー島の読書会の秘密
《ネタバレ》 一冊の本がつなぐ出会い。 ジュリエットがガーンジー島に降り立った時から、二人の恋の行方が気になってワクワクが止まらない。 だが、ドーシーには娘がいて、読書会の名付け親のエリザベスが島にいない? おまけに島に来る前に婚約までしちゃったじゃんか。 というようなことを浄化するのは、エリザベスを巡るエピソードと、郵便局長やアメリア、アイソラといった島の人たち。 特に郵便局長と孫のイーライが素晴らしい。 あんなアメリカ人と結婚させるなとジュリエットの所へ行かせる局長。 そして、母親が亡くなっていることを娘のキットに告げようとするドーシーに、エリザベスからもらった勇気の出る勲章を手渡すイーライ。 とてもいいシーンだった。 それにしても、リリー・ジェイムズは現代劇より、中世とか20世紀中盤までの衣装が素晴らしく映える。 彼女のキュートな笑顔にも加点。 [DVD(字幕)] 8点(2020-12-30 16:38:47)(良:2票) |
24. バイオハザードIII
《ネタバレ》 ロメロゾンビへの敬意に満ちた三作目。 シチュエーションも、ゾンビのしつけも、ヘリでの脱出もほぼ「死霊のえじき」を踏襲。 異なるのは、バイオハザードはアクション映画であり、終末観とは無縁な状態で純粋にアクションを楽しめること。 私の中では、バイオシリーズで一番カッコいいミラ・ジョボビッチを堪能できる。 ナイフ捌きにもしびれるし、何より衣装が素晴らしい。ミラの長身を存分に活かしたコートスタイルは、ナイフホルスターとの相性も抜群。 いや、監督わかってるなあ。 難点は、ラストの博士が弱すぎること。 そして博士とともにアリスが死ぬ気でいること。 君が死んだら、血清ができないのでは? まあスカッとしたらそれで満足なんだけど。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-12-12 22:58:43) |
25. バイオハザード: ザ・ファイナル
《ネタバレ》 映画館にも観に行った。 最後はやはり見届けたくて。 自らがクローンであると知ったアリスは、やっぱりなんだかかわいそうだった。 でも、人類のために自らも死に追いやる決断をし、実行する。 あのシーンは美しかった。 クローンだと知った途端にオリジナルを殺すアイザック博士とは、品格が違うのだ。 だからこそ、あのまま終わって欲しかったというのが、正直な感想。 争いの虚しさを教えたラオウが一人昇天したように、アリスにも人類救済の礎になって欲しかった。 そこらへんの美学が、この監督には欠けている気がするなあ。 でもまあ、このシリーズを最初から映画館で観てきた者として、最後を見届けられた喜びはあるし、ドキドキハラハラさせてもらった。 またしばらくしたら、1から観直すか。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-11-28 21:01:43) |
26. この愛のために撃て
妻のためなら後先考えずに突っ走る。 これ、自分ならできるかどうか疑問が残る。 善良な一市民と、殺し屋の指名手配犯。 硬軟と善悪のバランスが絶妙で、互いの特徴を引き立て合う演出は素晴らしい。 手を取り合わないものの、二人の信頼関係が深まっていくのも自然。 そして何より筋立ての面白さ。 こんなに短い85分は久しぶりの、隠れた佳作。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-09-13 16:01:47) |
27. ハウス・ジャック・ビルト
《ネタバレ》 なんて不快な映画を作るんだ、フォントリアー。 彼の不快な映画は何本か観たけど、これは群を抜いている。 だが、観ているうちに不思議な感覚が生じてくる。 フルメタルジャケット弾の辺りでは、ジャック自身も完全におかしくなっているのだが、彼の犯行がバレて、警官隊が冷凍庫のドアを焼き切って入って来ようとする。 そこまでの犯行でジャックにも映画にもうんざりしていた筈なのに、心の中では彼の作品を最後まで見届けたいという思いが兆していて、警官隊を邪魔者のように感じる自分に気づいて少し怖くなった。 製作の意図は理解できなかったが、強烈な力のある映画。 ただ、観るのに覚悟は必要。 [DVD(字幕)] 8点(2020-08-16 12:36:55) |
28. ハンターキラー 潜航せよ
《ネタバレ》 予備知識無しに鑑賞したのだが、それが良かった。 というわけで、ネタバレなしで鑑賞されることをお勧めするのだが、感想はネタバレ有りで書きたいというワガママをお許しいただきたい。 下手に兵学校を出ていない叩き上げの艦長は、規則よりも生き残ることが優先。 そんな艦長に反発を覚えながらも、その決断力と実力に徐々に敬意を払うようになる副長や、開戦を何とか避けようと最善の策を練る海軍少将やNSAの女性エージェントなど、脇を固める人物もなかなかに魅力的。 急遽ロシアの大統領を救うことになる特殊部隊の隊長も最高に男前。 脚を負傷した部下を見捨てず、救出に見事に成功するシーンには胸が熱くなった。 そして何と言っても、米露の潜水艦艦長同士の友情が素晴らしい。 ラストで大事にしていたコインをさりげなく渡すシーン、良かったなあ。 海に陸にと観るものを惹きつける2時間。 観て損は無し。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-08-02 13:39:42) |
29. トリコロール/白の愛
《ネタバレ》 トリコロール三部作、順番とかあるのかな。 作法がわかんなかったから、とりあえずデルピー様から鑑賞。 やっぱ綺麗だよなあ。色っぽいし。 あのラストは復讐かとも思ったが、ドミニクを独占したい情けない男のしでかしたつまらんことじゃないかと。 牢獄に入れば誰のものにもならないし。 復讐にしても独占欲にしても、どのみち最低なんだが。 法廷にうっかり入って来るビノシュ様と、相変わらず脱ぎっぷりのいいデルピー様に加点。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-04-21 00:12:57) |
30. ターミネーター2
《ネタバレ》 T1000のラストが、遊星からの物体Xに見えて仕方ないのは、何にでも化ける設定を拝借したキャメロンがジョン・カーペンターに敬意を表したからに違いない。 断末魔の声といい造形といい、まさにそのもの。 それはさておいても、やはり面白い映画。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-11-04 02:29:21) |
31. 恐怖の報酬(1953)
《ネタバレ》 小学生の時にテレビでリメイク版を観た記憶。 ロイ・シャイダーを観て、ジョーズの人だ、と思ったような。 で、随分年を取ってから、オリジナルを鑑賞。 いや、フランス人やっぱりすごいな。 50年以上前の映画なのに、手に汗握ってしまう。 中でもトラックを迂回させるシーンは秀逸で、ワイヤーが引っかかるのを見て、思わず叫んでしまった。 ルイージのトラックが吹っ飛ぶシーンも、タバコの葉を使った演出がにくい。 そしてラストの蛇行運転。 ダンスに合わせたカメラの揺れがトラックの動きにシンクロして、緊迫感を増していた。 リメイク版ももう一度観たいと思わせる輪廻転生な一本。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-08-20 20:06:06) |
32. 禁じられた遊び(1952)
《ネタバレ》 両親よりも犬に執着した割には、新しい犬に誘われてミシェルについて行く。 ポーレットにとって必要なのは、それぞれ個性を持った特定の両親や犬ではなく、まさに両親や犬という記号的な存在だったのだろうか。 十字架を立てるには何者かの死が必要だが、そのことには思いが至らず、ただ十字架を増やすことに熱中する。 誰かの死を想像して悼むことができない、無益な戦争を始める為政者への強烈なメッセージのように感じられた。 善悪の判断力が失われているのは、為政者と子どもと何ら変わるところがない。 しかしポーレット役の少女の演技は見事。 そこに加点。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-08-17 00:55:27) |
33. フライト・ゲーム
《ネタバレ》 最後まで緊迫感のある面白い映画。 リーアム・ニーソンって、最近こういう役ばっかりやってるけど、ハマってるなあという感想。 ジュリアン・ムーアが要所を締めてくれるので、安心して観ることができた。 ジュリアンは年齢を重ねて本当に魅力的になったなあ。 ラストもスッキリして、時間を感じさせない良作。 [インターネット(字幕)] 8点(2019-02-17 18:24:43) |
34. ヴィーガンズ・ハム
《ネタバレ》 フランスって映画先進国。 これをブラックとはいえコメディで撮って、しかも面白くするなんてなかなか。 日本でこれを撮ると、「冷たい熱帯魚」みたいな背筋が凍る系になってしまうと思うのだが、ちゃんと笑いの要素を散りばめてくるんだからさすが。 日本では笑えるけど、菜食主義者の多い国では笑えないのかもしれないが、どうなんだろうね。美味しいと言って御贔屓にしていた客たちは、事実を知ったあとどうなってのか気になるところ。 とは言え、耐性のない人にはもちろん不向き。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-03-21 07:48:28) |
35. ピアノ・レッスン
《ネタバレ》 砂浜に置かれたピアノ。 このアイデアだけでも映画として充分成立している気がする。 ホリー・ハンターはこういうけだもののような女性を演じさせると、他の追随を許さない怪しさが魅力だ。ハーヴェイ・カイテルの武骨さは今更説明の必要がなく、その個性と個性が惹かれあうのは、多分理屈を超えている。 私が一つ解せなかったのは、なぜ娘は母を売るような行為に及んだのか、ということ。 それまでの母娘の関係性からはちょっと予想できない行動だった。 それも、ピアニストの指を切り落とす、という画が先行して、無理やりこじつけた結果かもしれないが。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-10-18 16:18:32)(良:1票) |
36. ターゲット(2010)
《ネタバレ》 まあね。そもそもエミリー・ブラントが観たくて観たので、彼女のいけすかないやりたい放題のわがままっぷりが心地よくて大満足。 こういう役をやっても憎めないのがエミリー様の魅力。 で、どう見ても年齢詐称のビル・ナイが彼女や彼のビッグ・マザーに振り回されるのがまたたまらなく面白い。アクションはちょっと雑だけど、ほんわか進む感じがちょうどよい映画。ザ・イギリス映画、かな。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-08-01 16:10:15) |
37. ブラックボックス 音声分析捜査
ブラックボックス、という響きだけで映画が一本できそうだが、そこに愛憎劇やサスペンスも含めた非常に見応えのある一本。 我々の見ているものが真実なのか否か、疑心暗鬼に陥りながら辿り着くラストは、まあ予想の範囲内ではあるのだけど、それでも面白かった。 こういうプロフェッショナルな技術を見せつけられる映画、嫌いじゃないなあ。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-07-27 15:15:05) |
38. ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!
《ネタバレ》 どっちが先に作られたのかわからないけど、「ワールズ・エンド」とほぼ同じ展開。 この監督この作風が好きなんだろうね。 いや、もちろん私も嫌いではない。 サイモン・ペッグが優秀な警官、という時点でコメディが成立しており、ニック・フロストが脇を固めた時点で面白いことが確定していると言っても過言ではない。 心には残らないけど、時々「あの映画また観たいな」と思わせる映画。きっと観るたびに新しい発見があるんだろうなあ。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-01-21 08:11:50) |
39. ハイテンション
《ネタバレ》 十数年前に観た記憶があったものの、ストーリーはかなり猟奇的だったなあくらいの記憶しかなく再鑑賞。 得体のしれない男が醸し出す雰囲気は、この系統の映画の中でもかなり上位に入るであろう鬼畜ぶり。終始無言で、幼い子供ですら躊躇せず手にかける展開は、観る者を戦慄させずにはおかない。捕らわれた友人を救うためにバンの荷室に紛れ込むなんて、私なら絶対にごめんこうむる正気の沙汰とは思えない蛮勇。 さすが「ハイテンション」というタイトルに恥じない展開と思っていたが…刑事がガソリンスタンドの防犯カメラを確認する段になって私はやっと思い出したのだ。 そういえばこの映画、自作自演だったんだと。 そして店員に振り下ろされる彼女の斧。 たいした理由もなく殺戮を繰り返す得体の知れない男が作り出す恐怖。 それで充分過ぎるほど満足で、ホラー映画にその名を刻むであろう怪作になり得たはずなのに。 そんなもったいない映画。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-11-01 17:17:32) |
40. 燃ゆる女の肖像
《ネタバレ》 予備知識なしで鑑賞。これほど男性が登場しない映画も珍しい。 肖像画で妻にするかどうか判断するという時代。 そもそも自由恋愛が許されない身分ということが、彼女たちの同性同士の恋愛が許されるのかという問題を薄めてしまっている印象。 結婚する相手を親に決められているんだから、自由な恋愛はそもそも無理だよね、で終わってしまった。いや、そういう描き方こそ監督が狙ったものなのかもしれないが。 主役の二人だけでなく、メイド役の女性も生き生きというか、生々しくて作品に花を添えていた。 まあこの時代の雰囲気を楽しむ映画なのかも。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-10-31 17:32:42) |