1. パピヨン(1973)
《ネタバレ》 何度も再見してのレビューです。 こんな綺麗なエンドシーンの映画を見たことがない。 そう言っても過言ではない。 一緒に脱走するはずだったドガが、俺には無理だと言っても、 それでいい、それでも俺は行くよと、何度も抱擁するパピヨン。 そう、それが君らしい、それが君だよ。何度もうなずくドガ。 そうだ、それが君だ、いけ、行くんだ微笑みながらも、波に翻弄される姿を見て不安そうな顔をする。 そしてまた海を泳いでいく姿に、そうだ、君なら出来る。行け、パピヨンと。 波間にパピヨンの姿が消え、視界から消えていく。 大丈夫かと不安そうな顔をしながら、でもパピヨンは望みを叶えた。 ここから先は俺が考えても、何も出来ない。パピヨンは望みを叶えた。それでいい。 と海に背を向け去っていくドガの後ろ姿。 これほどの友情を綺麗に言葉姿にのせて描いた映画は見たことがないと言えるくらい、 ゴールドスミスの音楽と相まって、あまりにも美しすぎるラストシーンだと思います [ブルーレイ(字幕)] 10点(2024-11-26 04:09:46) |
2. 灼熱の魂
《ネタバレ》 すごいどんでん返しありの社会派映画だよ、と勧められて見たけど、 はぁ?としか思わなかった。 まさか、こんな落ちじゃないだろうなと、まさかまさか、そんなわけないだろう。 そんなわかりやすい終わりないよなと思って観たら まさかの、まさかのそのまんまのオチ これのどこが社会派の映画なのだろうか。 途中途中で色々な紛争の混沌やジレンマが入っていたから、どうなるかと期待していたら。 はぁ、結局、そこに落とすの?と、目が点になりました。 宗教というものの難しく深い諍いを感じられるところに加点ですが 社会派映画と勧めた友人には説教ですな。 [DVD(字幕)] 4点(2024-03-18 23:17:54) |
3. ニューオーダー
《ネタバレ》 これはなかなかシビアな展開。 軍政財の癒着と腐敗が民衆の嫌悪と怒りが生んだ暴動。 政情は混沌を極めるなか、それでも富裕層としての暮らしは揺らがない。 花嫁になるはずだった女性が巻き込まれていても。 荒唐無稽とは思えない内容。 現代日本で生きている立場では想像すらしないことだが、 今も、近い将来にも、これが現実に起きていることを想像させるに余りある。 誰が何を企んでいるのか混沌としているが、 ただ無垢で正直な人間が犠牲になって成り立つ世界がある事実。 それだけがクッキリと浮かび上がるような気持ちでエンディングを迎えました。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-02-02 20:41:49) |
4. 小さな悪の華
《ネタバレ》 さすがの幼女性愛映画大国フランス。 悪口ではなく、自分は知ってるという無知を好奇心が上回る。 そういう幼さを理解して映像化して、それを認める国らしい映画でした。 ゲインズブールのわかっていてあえてする悪意のある曲のような映画でした。 ただ無知と好奇心が混在する子供の世界を、サタン信仰に置き換えたのが残念でした。 理由もなく虫を殺したり、花をむしり取った子供時代を覚えている人は、 この映画を否定しきれないと思います。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-01-30 20:56:39) |
5. ベネデッタ
《ネタバレ》 結構、ガツンとやられました。 以前よりエログロと嫌味、皮肉、悪意の塊を作品として成立させる稀有な監督だと思っているのですが、 今回はキリスト教がターゲットで、大丈夫かいなと。 もともとキリスト教系の作品では思うことが多く、 大きなところでは、スコセッシの「最後の誘惑」や「沈黙」なんかも いわゆるキリスト教視感とは異なる内容で物議を醸しだしたりしました。 それら作品にもいろいろ考えさせられた上で、 大丈夫かいなと、今作を不安と期待で視聴。 結論として 信仰や宗教に関わるのが人間であるという生々しさで、 ヴァーホベンの斜に構えた問いかけに圧倒されて見終えました。 ベネデッタがキリストの使途であるような、 ただの妄想や権力にとらわれた女性なのかは明確に描かれず、 でも否定的に振るまっていたフェリシタ前院長は迷うことなく ベネデッタを信じて火に身を投じる姿が印象に残ります。 批判されることが多い監督ですが、信じて観て良かったと思える作品でした。 [インターネット(字幕)] 10点(2023-10-08 21:36:24) |
6. ダンケルク(2017)
《ネタバレ》 何にも残らない。 それは映画にではなく、ダンケルクという場所で起きた全て。 それぞれが命をかけてダンケルクという場所に臨む。 でも、何も残らない。 この後、終戦まで5年。 ダンケルクで失ったフランスを取り戻すためノルマンディー作戦で多くが死ぬ。 世界に拡大した戦線は5000万人以上の人の命を奪う。 ダンケルクの戦いは、その瞬間に臨んだ人にとっては全て。 35万を救出した作戦は英雄的行為だったかもしれない。 でも、戦争にハッピーエンドはない。決して。 [インターネット(字幕)] 7点(2017-12-30 20:21:18) |
7. サイレントヒル
《ネタバレ》 世界観や映像美も良いけど、実はラストのパラレルワールド化が印象的。 憎しみと復讐が生み出したアレッサは、望みを叶えて消えたわけではなくて、シャロンと同一化した。 ずっと渇望していた母からの愛を永遠に独り占めするため 自分のサイレントヒルにローズを閉じ込めたんだろうな、と。 復讐と愛。 欲しかったものを共に手に入れたアレッサは ローズに抱かれるシャロンの中で、ニヤリとほくそ笑んでいるのでしょう。 ホラー系なんだろうけど、恐怖というよりは圧迫感や閉鎖感で息が詰まるような感じ。 孤独という虚無感を感じさせる、自宅でのパラレルな終わり方も秀逸です。 [インターネット(字幕)] 8点(2017-12-29 13:04:09)(良:1票) |
8. LUCY ルーシー
《ネタバレ》 なんとも、まぁ ベースのコンセプトは面白いのですが 所々の演出も面白いのですが まぁ、なんとも言えません ベッソンが考えたオリジナルシナリオのままなのか 商業的な演出を無理くり加えたのか ベッソン好きな個人的には 後者であって欲しいです [ブルーレイ(字幕)] 4点(2016-07-18 19:13:09) |
9. ニキータ
《ネタバレ》 何もなくて空っぽだった女の子が 少しずつ何かを得ていって 失いたくない人と、自分自身を得たのに かつての自分が故、その全てを捨てるしかない 無常な物語でした それにしても JHアングラードは 才能はあるくせに恵まれてないけど 情が深くて、懐のある甘い男性役が似合いますねぇ [映画館(字幕)] 8点(2016-07-12 17:48:16) |
10. アレックス
前衛的な映像に衝撃的な内容 と、聞いていましたが さほど衝撃的には感じない時間軸逆回転という演出に 表現過剰で不快なカメラワーク どうやら自分には合わなかったようです とはいえ 演出と映像が非常に苦痛だっただけで ストーリーは十分に作品として見れました 奇をてらった演出じゃなければ それなりに面白かったのかもしれません モニカベルッチとヴァンサンカッセルご夫妻(当時)の熱演に それぞれ1点ずつ [DVD(字幕)] 2点(2016-04-07 18:06:04) |
11. フィフス・エレメント
《ネタバレ》 壮大なスケールのSF というかSFコメディーですかw でも映像や物語としては完成されてると思います こんな未来や世界があったら そんなワクワクをくれる映画です 結局、ゾーグとコーベンは一度も出会ってないし ルビーはワイワイしてるし いろんな偶発が 結果として地球?を救うわけでwww いろんなことが不可思議な世界観で それを楽しむことができる人には傑出した映画 ワシに絶好調な映画です [映画館(字幕)] 9点(2016-03-03 01:51:07) |
12. グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版
魅力を語ったらきりがない 深遠な海 ジョアンナの横顔 ジャックの透明感 エンゾの人間くささ 悲しいわけでも辛いわけでもないし 幸せなわけでもない でも 何かを感じて仕方ない映画です [映画館(字幕)] 10点(2016-02-27 21:04:53) |
13. アンチクライスト
開始早々の感想。。。 ぎゃー フォントリアー作品じゃねーかー!! 自分で借りといて 気付いてませんでした(汗 もう 覚悟して見るしかありません あいも変わらずの トリアーワールド 嫌いじゃないよ 嫌いじゃないけど 疲れるんだよ。。。 どっと疲れるんだよ。。。 [DVD(字幕)] 7点(2015-11-06 19:50:50) |
14. WATARIDORI
《ネタバレ》 鳥が空を飛んでいる姿は、気にしていると意外と日常的に見れるものです。我が家のベランダでも雀が羽を休めていったりします。 だけど鳥の存在を意識してる人は少ない(少なくとも僕の周りでは)のは、人を中心に据えた考え方が横行している現代社会では、鳥の存在など必要ともされておらず、取るに足らないものなのだからでしょう。たとえ動物園であっても、パンダやライオンなどに足を止めても、鳥のコーナーなどは『つまんない』という言葉のもとに、立ち寄りもせず、すっ飛ばす人は少なくない。 でも、人本意ではなく、地球という視点では、鳥の存在は『大いなる自然の営み』のひとつです。 地球上のあらゆる生命の頂点にいると迷いもせず生きている人類にとって、鳥たちの営みは取るに足らない、小さいものなのか? この映画を見ていると『生きる』ということに対して、『自然の営み』ということに対して、自分が実に不誠実であり無知であるかを思い知らされます。 こうしてレビューを書いている時も、遥か遠くへ向けて飛んでいる命があるんですよねぇ・・・ [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-12-09 17:29:40) |