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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3957
性別 男性
年齢 53歳

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1.  ビヨンド・ザ・エッジ 歴史を変えたエベレスト初登頂
エベレスト初登頂の模様を描いたドキュメンタリー。と言っても頂上までカメラマンが同行していた訳ではないので、再現映像が交えられた作品になっています。再現と言ってもセリフ仕立てではなく、流れるのは関係者の証言ナレーション、なのであくまでドキュメンタリーの構成。 実際の映像と再現映像とが区別なく流れていくのですが、これが正解だったかどうか。わざわざ区別するような断り書きを都度入れるのも興ざめ、という声もあるかもしれないけれど、断り書きが無いなら無いで、これも気になるもの。再現映像は確かに迫真の出来、であるシーンも多々あるのですが、残念ながらあまり迫真ではなくってそれこそ目のやり場にちょっと困るようなシーンもあって。 ドキュメンタリーに紛れ込む作り物感、ってのは、どうも始末が悪いのです。 再現ドラマが悪い、って訳ではないんでしょうけれど、ラストももう一息、何か、事実の重みを感じさせるものが欲しかったなあ。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-06-22 18:53:11)
2.  エイリアン:コヴェナント 《ネタバレ》 
これはもしかしてアレですかね、“エイリアン VS ブレードランナー”の前日譚ですかね。そんな映画がいつかできるとして。アンドロイドは電気ウナギの夢を見るか? 見ないでしょ。 未知の惑星を防護マスクも何も無しで闊歩して、そんないい加減なことでいいのか、と思ってたら案の定、謎の花粉が飛んできて大変な花粉症に悩まされることに。まあ、一作目とは趣向を変えよう、ってのは大いに結構なんですけれども、あの「宇宙服のマスク越しに襲われる」っていう衝撃に比べると、ヌルいというか何というか。一作目って、奇妙な事象の連続で我々をグイグイ引っ張って、謎の連続で前半をアッという間に見せる(後半はパニックでアッという間に見せる)、実にスリリングな作品でしたが、タイトルのうしろに「コヴェナント」をつけただけで、こうもモッサリするものかと。 一作目とは路線を変えよう、趣向を変えよう、ってのは勿論結構ですが、終盤に「実はエイリアンが一匹、船内に」という、とってつけたような原点回帰。しかし一作目の神秘性を削ぎ落された本作では、ずいぶん見劣りがしてしまいます。 という訳で、「エイリアンもよく見ると赤ちゃんの頃はカワイイねえ」という、まあ、そんな作品でした。 本作はニーベルンクの指輪における序夜、らしいので、いつか「神々の黄昏」が描かれるのでしょうか?
[DVD(字幕)] 5点(2019-09-08 17:17:51)
3.  ホビット/決戦のゆくえ
いよいよ一大決戦が描かれる、という趣向なんでしょうけれど、さっぱり盛り上がらず。 「あ、何だろう」とか「何が起こるんだろう」というタメも緊張感もなく、モンスターどもがサッサと姿を現してはサッサと斃されていく、その繰り返し。 そもそも、ここまでの2作で、さほど大風呂敷を広げていた訳でもないので、物語が収束する快感も乏しいし。 映画ではなく、ただただ「CG」を見せられている感じです。 ところで、第2作の最後を途中で打ち切って、ドラゴンとの戦いを第3作のアタマに持ってきたことについては、賢明といえば賢明なんでしょう。このあっけない最期を第2作のラストにもってきたのでは、確かに収まりが悪いかも。第3作の前フリとしては、よろしいかと。
[CS・衛星(吹替)] 3点(2017-01-22 09:38:41)
4.  ホビット/竜に奪われた王国
三部作の真ん中の第二作なんてどうせ、中途半端なところで終わるんだろう、と思っていると、やっぱりその通り。 一応、正味2時間半もあるんだから、少しは物語が進むかと思ったら、これはさにあらず、ちいとも物語が進んだ気がしない。「竜が出た」って事実さえ分かれば、別にこの第二作は無くっても構わないんじゃないの、という気もしてくる。 だけど、表面的な見栄えという事に関しては、よくぞここまでやるなあ、と。CG使えばここまでできます、っての(だけ)を連発し、2時間半持たせてしまう、これはこれで一つの芸なのかな、とも思います。 とりあえず、急流すべり好きの方には、ご満足いただけるでしょう。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2017-01-12 22:44:55)
5.  ホビット/思いがけない冒険
洞窟でビルボと話しながらこっそり石を手にするゴラム、ああこの後どうなるんだろうか、ってのがサスペンスであって、オモシロい映画というものにおいては、こういった場面の積み重ねが我々をワクワクさせると思うんですけれども・・・・・・本作、上述のシーン以外にあとどのくらい、こういうサスペンスを感じさせるシーンがありますかね?? どうも単調。敵の襲撃を受けるシーンなんかでも、味方の様子と敵の様子とを同じように描いて、戦況はわかるけどサスペンスが無い。敵がいつ襲ってくるんだろう、どこから襲ってくるんだろう、などのワクワク感の無さ。そもそも、切れ切れのエピソードを単調に積み重ねていく構成自体、難しいものがありますね。最初の方、旅の仲間が集まってくるあたりのエピソードをあんなに時間かけて描くのは、ある意味とても几帳面、ただし何のための几帳面さなのやら、そこがよくわからない。ただこうやって几帳面にエピソードを積み重ねて3時間近い尺を埋めて見せ、確かに退屈するほどではありませんが、やっぱり3時間弱は必要ないでしょう、と。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2015-04-26 08:35:04)(良:1票)
6.  紀元前1万年
この作品を「紀元前1万円」と呼びたい。スペクタクル映画一本で一万円とは確かに安過ぎるけど、自腹を切るにはちょっと痛い。そういう、値頃感を含めてのリスペクトを示しているのです。しかっし、エメリッヒ、さすがです。何と言ってもこの、気持ちの強さよ。こういう映画を作るためなら、バカと思われることなど何とも思っちゃいない。何しろ宇宙人、怪獣、氷河期と、様々な敵と戦ってきた男。「バカと思われる危険性」というのもこれらに劣るとも勝らぬ強敵であるけれど、今回も堂々と打ち破って見せてくれました。“CG”という心強い味方さえいれば、どんな逆境も乗り越えられる。いや実際、よくできたCGです。CGをフル活用する以上、マンモー(マナクではなくマンモーと呼ぼう)はたくさん登場させねばならぬ、群衆はさらにテンコ盛り出さねばならぬ、これを画面に収めるには、相当高い視点からの映像が必要だなあ、と。かえって欠如してしまったスケール感がこれまた愉しい作品。喜び過ぎってか。
[地上波(吹替)] 7点(2011-10-02 07:54:31)(笑:1票) (良:1票)
7.  第9地区
前半は結構、忍耐力が要求されます。ドキュメンタリを装うこと、ただその一点にリアリズムの表現を頼りきっているのが、この上なく薄っぺらくて、面白くないのなんの。大体、南アを舞台にアパルトヘイトの再現を宇宙人相手にやっているってのが、寓話と呼ぶ気も起らないアホラシさ。しかも『インデペンデンス・デイ』かと思ったら実は『ザ・フライ』でした、ってか。 しかーし。後半、物語の主眼が見えてくるに従い、ガゼン面白くなってきます。主人公は最初、宇宙人をコケにしていたし、我々もまた、醜悪な宇宙人を気味悪く、疎ましく感じている。この「宇宙人に対するヤな感じ」は、映画全編にわたる「バッチさ」の執拗な演出によるもので、これもまた“映像の力”と呼ぶんでもよいでしょう。この「ヤな感じ」は、どこかに嫌悪感を残しつつも、主人公の姿と心の変化とともに、我々の心からも徐々に消えていく。主人公と宇宙人が、信頼と裏切りの間で揺らぎながら共闘する、という、この荒唐無稽さ、ぶっ飛び具合が、ああ久しぶりにSFらしいSF映画に出会ったな、という感じ。いや以前に、これだけ正面切って、主人公の決断、そして成長を描いた、物語らしい物語ってのも、結構、貴重かも知れません。さらには、本作は「無表情の宇宙人の感情を表現する」という、映画演出の腕の見せ所(俳優の演技力に頼らない)に挑戦している点も、見逃せません。と言う訳で、後半、面白かったです、ホント、前半だけ撮り直してもらえないですかね。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-11-30 00:19:24)(良:1票)
8.  さまよう魂たち
オバケネタ満載、しつこいまでのどんでん返しとも合わせて、とことんまで楽しませてくれるホラーコメディ。『ゴースト/ニューヨークの幻』を観て「コメディとしてかなりいい線行ってるのに、イマイチ詰めが甘いのが、惜しいよなあ」と思える(奇特な)アナタにはまさにうってつけの映画です。映画でオバケを題材にするなら、このくらい徹底しなければ、とばかりに、オバケにまつわるアイデアてんこ盛り、コアなオバケファンでもさすがに満足できるのではないでしょうか(と、いささか一般性に欠く誉め方をしていますが)。ピーター・ジャクソンって、本来、こういう作品を作ってもらうためにアメリカから声がかかったんではなかったのかい?
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-10-24 16:42:10)
9.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 - スペシャル・エクステンデッド・エディション -
どうにも単調で、観ててなかなか興の乗らないシリーズ、と思ってたら、いやいや、この第3部が、実はオモシロイ。←というか、すでにこの映画の語法に、幸か不幸か慣れちゃったからね~、あとは意地でも楽しむしかない、という心境にもなろうもんだけど。退屈な第2作の鬱憤を晴らすべく、戦闘また戦闘のオンパレードに、とりあえず大興奮。ホントはこれを、CG抜き・膨大なエキストラの物量作戦でやって欲しかった気もするけど・・・。それにしても、苦しかった長旅のひもじさを全く感じさせないショーン・アスティンの肥満顔、ってか。『グーニーズ』が懐かしゅうゴザイマス。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-03-02 22:51:22)
10.  キング・コング(2005) 《ネタバレ》 
『ロード~』で好きホーダイやり過ぎ、一方的過ぎてちょっとついていけない面もあったが、今回は“キングコング”というSFスペクタクルの原点、いわば共通土俵での勝負。これが結果的にいい方に転んだ気が。冒頭の見通しのよいNYの光景→閉塞感に満ちた船内の光景→ついにドクロ島に到着!良くも悪くもピーター・ジャクソン語法が炸裂するゲーム風スペクタクル→再び見通しのよいNYを舞台に最後のバトル! ってな感じの“映像的起承転結”が、流れとして悪くない。33年版の流れに沿ってこれを利用しながら(露骨に彷彿とさせる、パロディ的シーンも)、「今だからこそ作れる映画」としての味付けもまた、行き届いております(ケーハクな時代のケーハクな映画。ケーハクさを徹底的に追い詰めたなら、それもまた時代のモニュメントたりうる、のかも)。まず、コングに囚われたヒロインが、徹底的に振り回される。これは表向きはコングが彼女に愛情をまだ持っていない証なんだろうけど、こんなことされたら普通死んじゃう(33年版も76年版も表現できなかった点)。でも死なない。これはいわば「これから映画の中でムチャクチャしまっせ」宣言。宣言どおり、この後はデタラメなモンスターがデタラメに登場しまくる、デタラメな展開。これが楽しくって楽しくって、しょうがない。白眉は3頭のゴジラ(?)との対決。さすがの円谷英二もここまではできなかった(バカバカしいから?)。ヘッドロック、フライングメイヤー、キャメルクラッチと、基本に忠実、地味なワザのオンパレード。勝った後のコングの表情、つい「ヨッ、いいオトコ!」と声をかけたくなる、なかなかの男前。ヒロインの目もハート型(ウソ)。彼女を守りつづけるコングが、エンパイアステートビルでの最後の戦いでは、彼女を手放し、下に置く。彼は死を決意したのだ。コング転落後に写るヒロインのドレスは、まったく汚れの無い純白。こんなことは勿論ありえない。ここでは、彼女がまさに「守られた」ことが象徴されているのだ⇒いやあ、なんと直接的なワカリヤスイ表現でしょう。深みが無いですね。はっはっは。 ※ところで囚われのヒロインがコングの前で芸をするシーン。子供の頃、動物園で見かけた光景を思い出した。檻の前でゴリラをからかうオッサンがいた。ゴリラは非常に興奮してた。
[DVD(字幕)] 9点(2006-12-10 22:28:29)(笑:1票) (良:2票)
11.  ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 - スペシャル・エクステンデッド・エディション -
「特別版」は、こちらに書けばよいのかな? いやあ、長かった。クライマックスの戦闘が近づく一方で、「さすがにそろそろ映画終わるんじゃないの?」という気がしてしょうがなく、いっそこのまま戦闘シーン直前で映画が終了し「次作に続く、乞うご期待」とかテロップが出たら、大笑いしながら暴れまわろうと思ったが。さすが長い映画は違う、これだけ長い上にさらにちゃんと戦闘まで描かれてた。しかししかし、前作で離れ離れになった一行、本作で何か展開があるのかと思ったら、うーむ、何もないやんけ。その意味では物語はほとんど平行線のまま終了。たとえ3部作の一本に過ぎないとは言え、ひとつの作品であると言うのなら、物語の中に、何でもいいからとにかく何らかの「転機」(=典型的には、「主人公が何らかの“決断”を行う」等)があってしかるべき、という気がするが・・・。それはともかく、相変わらず、視野の狭い映画、との印象を拭えない。スペクタクル映画のハズなのにどこか圧迫感を感じてしまう。効果音みたいに多用される音楽で、その場その場を何とか盛り上げた挙句、結局これといって印象に残るシーンが乏しい(主人公一行が離れ離れになったせいで、大きいヒトと小さいヒトを同時に見せるあのスバラシイ特撮もほとんど見られなかったしなあ)。印象的なシーンが乏しい中で、ダムの決壊シーンは、こりゃなかなかナイスでしたよ。うん、これは良かった(笑)。というわけで、いささか緊張感を持続させづらい映画で、このあまりの長尺にはどうにも納得いかなかったもんで、続けて“通常版”も観てみた(←意味不明の行動)。うん、確かに少しだけ短かったネ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-11-12 23:48:47)
12.  ロード・オブ・ザ・リング
「トールキンの『指輪物語』は時代を超え、コンピュータRPGに大きな影響を与えた。CG技術の発達に伴いRPG的映像が巷に溢れ、それが映画へ与える影響が大きくなった今、映画が改めて『指輪物語』へと回帰することになったのは必然の成り行きである」←とか言って、『指輪物語』も読んでなきゃ、RPGもやったことのない私が言うんだから、超無責任、ウソ八百のデタラメなんだけどね。ふふふ。でも、何だかモットモらしいことを言った気がして、気持ちよかったりするのよねん。しかし実際のところ、当て推量で「よくわからんけど、きっと↑上記みたいなことなんちゃうけ?」とついつい思っちゃうような、そんな映画であります。全体的に視野が狭く、スペクタクル感が乏しい映像。ここぞという場面ではCGをジャンジャン使って、「とりあえずソレっぽいもの」を見せておく。画面だけ見たらあまり工夫のない、大した事無い場面でも、音楽を効果音みたいに多用し、それなりに盛り上げる。結局、なんだか長い時間かけて色んなモノを見せてもらって、コレといって強い印象は残らないけど、3時間グルグル振り回されて、そこそこ腹いっぱいになる映画、ですかね。それに、いくら「強い印象が残らない」と言っても、あの、大きいヒトと小さいヒトが出てくるのは、結構インパクトありましたよ(これが本作最大の印象)。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-11-12 23:10:06)
13.  ブレインデッド
これも今は昔、甥っ子がまだ小さかった頃。まあ、こんなどーしようもない映画であっても、やっぱり小さい子にはとってはトテモ怖いらしく、ビデオ開始早々から「コワイコワイ」と逃げ回り、じゃあ見なきゃいいんだけど、台所辺りの遠くの物陰から、恐る恐る画面をうかがっておりまして。で、そのとき、棒立ちに硬直しながら彼がつぶやいた言葉、「・・・・・・くび とれた・・・・・・」がいまだに忘れられません。これほど端的に本作を表現した言葉を、わたしゃ知りません。まさに、絶妙のレビュー、ですよ。っちゅうか、子供にこんな映画見せるなっての(ちなみに私が見せたんじゃないからね~)。なぜ子供に見せてはいけないか。まあ、子供がカンフーを誤解しちゃマズいから、ですかね、へへへへ。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-19 22:49:36)
14.  ラスト サムライ
当初から「アメリカ先住民モノの映画の設定を日本に置き換えただけ」という批判はよく耳にしました。私が同じ事書いてもしょうがないので、違う事書きましょう。この映画は「逆・戦国自衛隊」です。前近代的な武器しか持たぬ武士達が、近代兵器と圧倒的兵力を有する官軍に戦いを挑む、この「戦国自衛隊」以上に絶望的なる悲壮感! この映画をただ「武士道」の映画とだけ捉えては、多くの矛盾点、考証の甘さばかりが目に付いて辟易するでしょう(そう捉えられて当然だし批判受けて当然、なんですけどね~確かに)。しかし、ここで描かれている悲壮感はもっと普遍的なもの。そう、ジョン・ウェインが描いた『アラモ』の攻防にもつながるもの(この映画も評判悪いんですけどね、トホホ・・・でも私は好きですよ、情熱が漲っているんだもの)。やはり感動をおぼえずにはいられませんでした。それに日本人である私がこの映画を一段上から見下して「米国人は武士道をわかっとらん!」などと言うのも何だか気が引けて。じゃあ私は、今の日本人は、武士道を理解しているのか?今の日本映画の何割に、本作よりマシな「日本」が描かれているのか?自信ないでしゅ~。本作に映し出された圓教寺の荘重さ、ここをロケ地に選びカメラに収めただけでも大したセンスだと思います。トム・クルーズの殺陣も充分見ごたえあるし(明日からチャンバラトリオにも入れますよ)、真田広之の存在感も忘れられない。彼の長身ではないが重心の定まった姿、そして立ち居振る舞いは、まさに「武士らしさ」を体現しており、存在自体が映画に張り詰めた空気をもたらしています。そして何と言っても「ボブ」役には、日本一の斬られ役、福本清三氏。氏の起用こそが(製作者の意図はともかく)結果的に、日本の時代劇への強烈なオマージュになっていると言えましょう。そう、ラストサムライとは、彼のことだ! さて、観てて少し気になった点、それはカメラのズームの多さ。日本家屋での撮影では多くなるのも当然かもしれないが、戦闘シーンも白兵戦の中にカメラが入り、とにかく被写体がカメラに近い。ロング・ショットがたまにしか入らず、うぉー、もっとロングで見せてくれ~って思っちゃう。でも多分、この「もっと観たい」と思わせてくれる事が、重要なんですね。観たいものを観たいだけ見せてくれるのが、幸せとは限らないのだから。ところで、あの「大村」って・・・大村益次郎?
8点(2004-09-04 23:36:03)(良:1票)
15.  ピアノ・レッスン 《ネタバレ》 
映画始まって早々、映像のひとつひとつが、入念に作り上げられ、まるで絵画のよう。う~む、このペースでこんな凝った映像が脈絡なく続いていったら、さすがに疲れるだろうな~、と映画のバランスに対する不安がチラとよぎったのですが・・・そんな心配は無用でした。冒頭からのハイテンションな「映像美」に対して、映画の進行とともに、ストーリーも映像も過激なものへ展開、ガンガンにテンションを高めていく! 例によって間男されるサム・ニール、妻の浮気相手がレッドフォードならおそらく大目に見るのだろうが(←『モンタナ~』)、さすがにハーヴェイ・カイテルではとても看過できない。そうだ、怒って当然、たまには怒れよ!・・・いやイカン、それはやりすぎだっての。というわけでですね、意外にも意外と盛り上がる映画でした(笑)。さて、タイトルはThe Pianoなんですけども、その割に肝心のピアノの存在感がイマイチ(例えば『殺意の夏』での自動ピアノの方が余程印象的だった気が)、むしろきっぱり割り切ったような下世話な邦題が、何となく懐かしいほろ苦さのようなものも感じさせ、なかなかナイスであります(褒めてる訳でも貶してる訳でもなく、だた意味も無く感心しているのです)。存在感の薄いまま、ついにピアノは海に落とされ、ええい、腹イセにホリー・ハンターまで道連れだ!と思いきや、難なく逃げられ、ひとり海底に沈むピアノ哀れ。ドロドロ恋愛ものとは確かに一線を画す映画ではありますが、もしピアノが映画の強固な求心力たり得ていれば、一線どころか二線も三線も画していたのではないでしょうか。救いはナイマンの音楽、これは印象的、というよりは、自分で弾いてみたくなるんだな。ピアノの心得などまるっきり無い私ですら、何とか弾いてみようと無駄な努力したもんね(当然無理だった)。ナイマンの音楽はやっぱり一般映画よりはグリーナウェイ作品に向いてそうな気もしますが、本作の音楽を元にしたピアノ協奏曲なんか実は結構好きだったりします(ああ、何となく恥ずかしい)。いや~。それにしても覗かれやすい家であることよ。
7点(2004-04-24 00:30:45)(良:1票)
16.  戦場のメリークリスマス
全体的に妙な雰囲気。収容所という限られた舞台、という事を差し引いても、「戦争らしさ」がまるで感じられない、何か異次元世界の話のようです。日本人がわざと「外国人風のヘンな日本人観」で作ったような映画、という事もその一因でしょう。さらには坂本龍一教授扮するホスト系大尉「ヨノイ」。一体何者? ここに教授入魂の味わいのある音楽が加わり、えも言われぬ不思議な世界が展開されますが、人間臭いハラ軍曹の存在が、映画と我々の接点をうまく保ってくれます。特に、演じているのが、まだ「世界のキタノ」ではなくて、「タケちゃんマン」でしたからね、意外性もあれば必然性もある起用で、印象的でした。ところでトム・コンティ、もっと日本語練習しろよ、聞き取りにくいぞ。
7点(2004-02-07 01:22:48)
17.  乙女の祈り
モーフィングがうまいこと出来てますねえ。これがショボかったら興醒めしてたかも知れないけど、セーフ! 風呂につかってるケイト・ウィンスレットが無気味すぎます。こういう題材で、こんな映画作っちゃうのかー、と、目からウロコの一本。
8点(2003-08-14 20:12:11)
18.  バトルトラック
敵の装甲トレーラーにバイクで戦いを挑む主人公!ストーリーのスケールの小ささは、ニュージーランドの荒野をバイクで縦横無尽に横切る雄大なシーンで、充分カバーされ、お釣が来る程だ。ラストも予想どおり、いやいや、期待通りで、もう大満足。ウソ。中満足くらいかな。
6点(2003-05-17 03:39:28)
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