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41.  ミス・ファイヤークラッカー
ここに出てくる人はみんなコンプレックスを持っている。「過去の傷」というよりはコンプレックス。外見的なものだったり、精神的なものだったり。がむしゃらにタップを踏み、赤いドレスにこだわるカーネルは、自分をさらけ出してコンプレックスを克服しようとするタイプ。レモンドロップが好きで、赤いドレスをこっそり隠すエレーンは、コンプレックスを隠し持つタイプ。正反対のようだけど、永遠の恵み=美を求める心は同じ。T.ロビンス扮するデルモントは言った。「人はなぜ生きているのか。」この作品をみて私が思うに、人はコンプレックスを克服する事に生きる活力を見出し、コンプレックスを互いに認め合える相手に出会うために生きているのではないか。そんなふうに思えた。なかなか素敵な作品です。
7点(2004-08-30 14:36:32)(良:1票)
42.  おくりびと 《ネタバレ》 
死人で飯を食うと遺族から蔑視され、汚らわしいと家族から忌み嫌われ、自分でも納得いかないまま始めてしまった納棺士を通して、死というものを見つめなおすという着眼点が新しく、また清々しいものに仕上がっている。「死は門である」。死、そして葬儀というものを、誕生から始まり、例えばお宮参り、卒業式、成人式、結婚式、還暦…などと続く人生の節目の内の一つとして捉える。そしてその葬儀を厳かにけれど暖かく演出し、遺族の悲しみを少しでも癒すことが出来たら、納棺士とは素晴らしい職業だろうと思う。確かにここでのモックンはチェリストにせよ納棺士にせよ所作が美しく、そして嫌な部分はコミカルなオブラートで包み隠しているのは確かだが。賛否両論あるとしたら、キレイな部分だけ見せて美化しているところに否を感じる見方もある。しかしこの作品は納棺士の紹介ではなく、日本人特有の死や葬儀に対する姿勢や文化を世界に紹介し、また忘れかけている日本人に思い起こさせることに成功した。そういう作品として素晴らしく、世界で認められた功績も讃えたい。
[DVD(邦画)] 9点(2009-04-21 17:36:31)(良:1票)
43.  デビル(1997)
初めて最後まで見た。いつも途中まで見ては止めてしまっていたので。でもやっぱりおもしろくなかった。H.フォードもB.ピットも好きなのに何故?と思ってたんだけど最後まで見て分かった。この二人ほとんど絡んでない。いつもワンショットなんだよね。ツーショットがない。別撮り?て疑ってしまう所多すぎ。だから二人の間に芽生えるはずの「友情」が薄っぺらいの。撮影中不仲だったとかそんな噂より何より、このカメラワークが敗因では。もしかして本当に別撮り?
2点(2004-02-10 21:16:53)(良:1票)
44.  夢売るふたり
西川美和という人はかなりのハイパーなクリエイターであると思う。原作脚本監督でこんなに深い作品を作り上げてしまうのだから。女性ならではの視点とか、そういうことは既に超越している。確かに登場人物は様々な「女」であり、描かれているのは様々な女の「業」である。いろんな種類の女がいていろんな愛し方があって、それでも皆生きていく。詐欺師と詐欺られる女の話から、結局は生きるしかないんだよという普遍的な理論まで語っている。もちろん大きなテーマだけでなく、全ての登場人物をそれぞれ人間臭く、ちょっとしたシーンにも血を通わせ細部まで作り込んでいる。風俗嬢の紀代ちゃん、ウエイトリフティングのひとみちゃん、ラーメン屋の店主など、何かいい。俳優さんはこんな監督に撮ってもらいたいと思うんだろうなと思う。  
[映画館(邦画)] 8点(2012-11-19 16:57:56)(良:1票)
45.  CUBE
極限に置かれた人間がどんな行動をとるのか。実際にやってそうな実験です。映画としても少ない予算でこんな作品が出来るんだ、という実験です。すごいです。これだったら入れる人間を換えただけでいくらでもストーリーが出来ます。でも2はおもしろくないんですね?まだ未見です。全体的に気持ち悪く、血なまぐさく、ちょっと苦手。二度は見たくないかな。でも「エレベーテッド」見忘れてビデオ屋さんに返してしまったので、また借りなければ…。で、もったいないからって本編もまた見ちゃうんだろうなぁ…。やだなぁ…。
[DVD(字幕)] 7点(2005-06-21 10:16:18)(笑:1票)
46.  刑事ジョン・ブック/目撃者
邦タイトルからして、ありがちな「刑事もの」「推理もの」を想像して拝見。前半はサスペンスタッチで予想通りかそれ以上の出来栄え。怪しげな音楽と、事件が起こる前後などはかなりの緊張感を保っている。が、この作品が他の刑事ものとの違いを見せるのが、皆さんもおっしゃっているアーミッシュの村へ逃げ込んだ所からですね。ここでののんびりした雰囲気が賛否を分けるところだが、カーペンター・ハリソンも見れ、カーラジオでダンスするセクシー・ハリソンも見れるという、一粒で二度も三度もおいしい、お得感十分な作品になっている。それだけではハリソンのプロモになってしまいそうだが、ストーリーの方もしっかりしており、閉鎖的なアーミッシュの村と、同じく閉鎖的な警察内部という対比がおもしろい。その二つの社会の交わりは実際困難で、ラストの別れのシーンが切ない余韻を残している。
8点(2004-09-15 10:13:26)(良:1票)
47.  グローリー 《ネタバレ》 
グローリー、栄光、名誉。このタイトルを掲げた戦争映画とはどんなものだろう?と思い鑑賞。戦争映画、反戦映画はその惨たらしさ、無意味さ、虚しさを表現したものが多いので、このタイトルにいささか居心地の悪さを覚えたからだ。冒頭の戦闘シーンは主人公のトラウマになるような、ザ・戦争風景。ラストも硫黄島とかぶる無残な、ザ・戦争風景。決して戦争を美化しているわけではないのに、何なんだろうかこの感動は。それは南北戦争という戦争が、侵略や制裁とかではなく、黒人開放という目的を持ったものだったからだろう。家畜同然に扱われていた黒人が、人間になるための戦い。そこに虚しさなんて感じられない。彼らが人間の名誉を懸けて戦う姿が、他の戦争映画に無い熱い感動を与える。助演男優賞を取ったデンゼルより、圧倒的存在感と説得力をもつモーガンが光っていた。暗闇で黒人を撮るときにバックに炎や煙をたく技法はなかなか素晴らしいと思った。ラストはあっさり戦死だが、そこはあえてのあっさり。死んでしまえば白人も黒人も無い、同じ穴のムジナ、と言わんばかりに死体の山に放り込まれる、このワンシーンが反戦メッセージを凝縮して表現していると思う。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-09-28 09:42:01)(良:1票)
48.  イージー・ライダー
「連中は自由な人間を見ると怖がる」「自分が自由であることを証明するためには人殺しだってする」ジャックニコルソンのこの台詞が作品の全てを物語ってしまった。当時のアメリカはようやく人種差別を撤廃しようと動き出し、「自由の国」を作ろうとしていた。そんな時代背景の中、何か大きな管理下で自由を気取った人間は、屈託の無い自由人を変人扱いする。そして排除する。まだまだそんな時代だったのだろう。アメリカって怖い。怖すぎる。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-10-08 18:08:45)(良:1票)
49.  エド・ウッド
駄作ばかりだけど自信満々、脚本も書く主演もする監督もする資金調達もする。女装(アンゴラ)好きだけど女も好き。筋金入りの映画好き=映画バカ。情熱がある愛がある。映画愛が。その点でつながるのがこのエドとティムとジョニーと、ベラ・ルゴシとマーティン・ランドー。映画が好きUFOが好き妖怪が好きタコが好き(イメージ)。映画バカの映画バカによる映画バカのための作品に仕上がっている。ジョニーの口半開き、半笑い、首横振りの恍惚顔は、娘4歳との間でしばしブームになった。愛すべき作品です。
8点(2004-01-06 10:08:10)(良:1票)
50.  凶悪 《ネタバレ》 
原作未読。読みたくなります。誰も知らない三つの殺人。上申書殺人事件を基にしたフィクション。冒頭のケンちゃんや日野、五十嵐の理不尽な死は主に映画版オリジナルの創作のようだ。時系列が行ったり来たりしていて、二回目三回目の視聴で全体像が繋がりました。この創作の殺人三件を冒頭に置くことによって、より告発者須藤の残虐性を念押ししたかったのだろう。実在の「先生」はこの作品のリリーよりもっとサイコパスで、クソらしい。リリーもかなりヤバいですが。つまり実在の事件と比較して須藤はより凶悪に、「先生」はマイルドに(あれで)アレンジされているらしいです。だとすると、私は原作の方に興味が湧きます。この映画版においての拾い物は、須藤の内縁の妻役、松岡依都美。この人の演技がとてもいい。
[インターネット(邦画)] 6点(2018-06-22 10:06:05)(良:1票)
51.  マラソン マン 《ネタバレ》 
血を見ない拷問はめずらしい。そういった意味では必見だけど、そこだけが一人立ちしてしまっている感有り。ナチ戦犯がニューヨークに訪れたたことへの恐怖や、今だ残るユダヤ人と呼ばれる者との関係など、時代背景をもっと明らかにしてもらえるとありがたかったです。確かに拷問したり、スーツの袖口からシャキーンと刃物を出すローレンス・オリビエはもの凄く怖かったけど、それだけで終わってはいけないシナリオだったので点数低めで。
5点(2004-02-10 20:52:30)(良:1票)
52.  永遠に美しく・・・
女の欲望を、これでもかとブラックに表現した所、文句なくおもしろいです。メリルのコメディエンヌぶりも完璧。更にB.ウィリスなんて今までで一番適役?なんて思ってしまったくらい(ファンの方スイマセン)。個人的にはとっってもおもしろかったんだけど、「他人に薦められる」かって言うと・・・。ちょっと悪ふざけが過ぎて賛否両論になる事は間違いないのでこの点数で。 
6点(2004-01-09 22:13:44)(良:1票)
53.  シックス・デイ
人間のクローン化を禁止する法律「6d法」は過去の臆病な法律、寿命を操り死を克服し、そして私は神になるのだ!って怖…。リアリティは置いといて野心家の科学者ほど恐ろしいものは無いかもしれません。題材は重いんだけど、あのキモい人形とかヴァーチャル弁護士、ヴァーチャル製精神科医、ヴァーチャルガール…などがちょっと滑稽で軽いSFアクションなんだなと分かりました。その方向性ならば二人のシュワが協力して悪に立ち向かう姿をもっと期待したのだが。で結局どっちのシュワが残ったのかいまいち確信をもてないままのラスト。面白くなりそうな要素を生かしきれてない残念な終わり方でした。
[地上波(字幕)] 6点(2008-01-21 17:32:49)(良:1票)
54.  アミスタッド
奴隷解放運動家と、奴隷を家畜のように扱う人々、どちらの言い分が正しいかなんて第三者から見れば簡単にわかること。ただそう単純にはいかないのが現実。政治的背景もある。内戦を恐れるのも当然の考え方。この作品は、当時の色々な人々の思惑がからみ合った、複雑な歴史の局面を描くことに誠実に取り組み、成功していると思う。勉強にもなるし、感動的でもある。シンケ役のジャイモン・ハンスウはものすごい存在感で、「原始のパワー」みたいなものを表現していた。またラストのサーの演説「先人のおかげで今の我々がある」という言葉はまさに、現代人に投げかけられた作り手のメッセージである。彼らが虐げられ、戦い、話し合ったから今の私たちがあるのだと。とっても素晴らしい作品だったのに平均点低すぎなので、この点出しちゃいます。
10点(2005-01-31 12:39:54)(良:1票)
55.  キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-
まず、このような形でキャプテンハーロックという人物を再び世の中に送り出してくれたことに感謝したい。松本零士先生の頭の中だけに存在した世界が、自らの手によってマンガという形でこの世に産み落とされてから40年、フル3DCGという最新の技術で実在の人物であるかのごとく私たちの前に再び姿を現したのである。何てありがたいんだろう(泣)。そのCG映像は想像以上に素晴らしく、人物や艦隊、背景等あっぱれでありました。ストーリー部分に不満を持たれるのは多少仕方ないとは思います。あの、絶対にかっこいいハーロックが、実は!なんて信じたくないという心理から、昔からのファンはまず拒絶から入ってしまい、減点したくなるのは当然かと。でもそもそもハーロックという男、原作でもその人物像ははっきりしていないところが多く、とにかくかっこいい宇宙海賊のキャプテンという漠然とした存在なのだ。決してぶれないカリスマ的男の中の男として、絶対的な父性の象徴として、とにかく誰が何と言おうと君臨している。でもやはり影のある「海賊」なのである。ヤマトの古代や沖田艦長とは違うのだ。その闇に隠されていた彼のダークな過去を今回「これが真実だ」として発表したその勇気と決断あってこそのプロジェクト、これを実行し実現させたスタッフの皆さんに労いと感謝の言葉を贈ることしか出来ない。 
[映画館(邦画)] 9点(2013-09-22 16:41:26)(良:1票)
56.  ウォーターワールド
悪名高き本作、ケビン・コスナー好きとしては何とか高評価をと思って見たが…。オープニングのユニバーサル地球儀からそのまま導入する辺りはなかなかおもしろい。が、その後のシーンとか、登場人物とか、全体の雰囲気が汚い!荒廃した世界だからと言ってもちょっと引いてしまう。更に主人公を含め、全ての登場人物に魅力が無く、感情移入できない。好感が持てない。特に主人公が、無口で粗野で、心が狭い。孤独な生活がそうさせたにしても、それがあまり伝わってこない。主人公を好きになれないのは致命傷。世界観は「未来少年コナン」にちょっと似ていると思ったが、主人公がこれじゃあ…。急にいい人になるのも不自然に感じた。また、戦闘シーンは、何だかわけの分からない道具をガチャガチャとやって、もう着いていけない。確かにセットはすごいと思うけど、それが裏目に出てしまった典型。音響、美術、装置、どれも決して悪くはないのだが、駄作と言われてしまうのは致し方ない。
3点(2004-09-22 09:40:53)(良:1票)
57.  スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス
皆さん点数低いんですね。確かにジャージャー・ビンクスをはじめとする異星人たちの動きはうるさいし、懲りすぎという感もある。ポッドレースシーンは長すぎる。ストーリーも単純だし…っていいとこないじゃん!でもSWファンはそんな事気にしちゃいけない!これから始まろうとする壮大なサーガのプロローグとして、スターウォーズを見たことない人々にその世界を知らしめるプロモーションとして、また16年ぶりにシリーズが復活した「お祭り」として見ればいいのだ!エピソード1というより、ゼロというか。アミダラ妃という新キャラも申し分ないし。パルパティーンも目が離せないし。これからですよ!
8点(2003-06-01 15:45:40)(良:1票)
58.  クレイジー・ハート 《ネタバレ》 
良い意味で期待を裏切る爽やかな作品だった。過去の栄光にすがり、周囲の人間に毒づき人を寄せ付けず、酒に溺れ声も才能ももはやかっすかす、みたいな主人公ではない。物事に対して一歩引いた感じの所はあるものの、決して卑屈になっていない。結構いいやつでそこそこの人望もある。そしてなんと子供好き。営業先で誰やねんて冷遇されたり、物を投げられ引っ込めと野次られることもない。才能は枯渇したわけでなく、まだまだ需要はありそうだ。弟子として育てた若者は売れて天狗になり、かつての師匠に対しあんたはもう終わってるよ早く引退しろよじじいなどとは言わず、相変わらず尊敬の念を抱き接してくれている。そう、悪人が全く出てこないのだ。普通の日常なのだ。初老男性のリアルな姿が普通に描かれており、自然と感情移入し応援したくなるキャラクターがそこに存在した。ジェフブリッジスが役のバッドに成りきり、バッドという男が実在するように感じられたため、この作品には生身の人間の息が感じられた。ラストもさらっとしていて、それでいてジワリと感動させられる。バッド(ジェフ)頑張れよ!って、カッコいいよ!って思った。 
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-22 15:27:15)(良:1票)
59.  ファンダンゴ 《ネタバレ》 
ケビンコスナーがカッコイイ~。私が初めて彼に出会った時、彼は農場の気のいいオヤジでした。広大なトウモロコシ畑の風景と普通のご家庭に囲まれた、ザ・アメリカ人のお父さんという感じで、少年の心はまだ残っていましたが、既に生活臭の漂うおっさんでした。 そして次に会った時は、正義感あふれるお役人で、マフィアと戦っていました(あくまでも私が出会った順番ですよ)。その時の彼は若さゆえのやる気と無っ鉄砲な所を持ったエリートでしたが、周りの大人たちがカッコ良すぎて、存在感は普通の人間どまりでした。 その後も度々彼に出会う機会があったものの、時代の流れに上手く乗れないタイプなのか、加齢とともにとは言え、いつの間にかパッとしないオジサンになっていました(あくまで個人の見解です)。で、35年前の彼はというと、いちいちカッコイイ。絵になる。バカ騒ぎやっても、口から出まかせハッタリで何となくその場を切り抜けて突っ込み所ばかりだけど、カッコイイんだな~。で、ハメ外してバカな事も勢いでやっちゃって、何なんだろうと思っていたら、仲間と埋めたタイムカプセルを掘り起こして。全部大人になるための卒業式だったんだ。切ないけど誰もが通る、実はピリッとした人生のワンシーンのような、素敵な映画です。
[インターネット(字幕)] 9点(2020-11-20 12:13:15)(良:1票)
60.  ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 《ネタバレ》 
「なぜ少年は、生きることができたのか」という投げかけから、万が一トラと漂流してしまった場合(絶対にありえないが)、生きて帰れるサバイバル術を紹介しながら3Dのびっくり映像を楽しむ子供向け作品かと思ったのですが、序盤の宗教感の話からして哲学的で子供向けではないなと見る目が変わり、ラストでこの作品の深さに唸った。あそこまでの漂流記を3D映像でリアルに見せた後に、全く別の漂流記を饒舌に語るのはいったい何なんだろう。肩すかしを食わされたような騙されたような、一瞬がっかりした気持ちになったのだが、見終えてからの余韻が尋常ではない。これも全て計算なのだろう。物凄い映像を見せ夢の世界に引っ張り上げておいて、ラストでバッサリ突き落とす。そしてどちらを信じる?と選択させる。今の今まで見せられたものを信じたいが、それは少年の頭の中だけの世界だったというオチも面白い。まんまとやられたな、という読後感を残す作品。やっぱり哲学的な話だったんだなと。ただ一瞬でも裏切られた気持ちを抱いてしまったので、-1点。振り返らなかったトラが妙にリアルなので、やっぱりトラ編を信じたい。どちらにせよフィクションなのだが、考えるのは楽しい。同じく原作読みたくなりますね。
[映画館(吹替)] 9点(2013-02-06 18:33:07)(良:1票)

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