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41.  スティング 《ネタバレ》 
面白い映画ですね!さあお芝居の、はじまり、はじまり。紙芝居形式で、章ごとにイラストを配す。一見邪魔に見えるけど、肩を張らないで観てくださいという意味でしょう。軽妙な音楽をあいまって小粋な演出です。トランプ詐欺のオチは全すり替えという低レベルのものですが、その前にコンドーフがトランプの腕を披露しているので見事は手腕に見えるわけです。また披露の最後に少し失敗しますね。それも見てるので、最後までハラハラするわけです。このように伏線が効いてます。競馬詐欺でも、アナウンサー役が「いいのがない」とぎりぎりまで捜していたり、電信屋のオフィスを作るときもぎりぎりセーフというタイミング。演出がうまいですよ。フッカーは大金を得てもギャンブルですってしまうような子供だったが、最後は報酬を受け取らないほどに成長。彼の成長物語としても観れます。演技で光るのがニューマン。トランプ詐欺のときの演技は神がかりと思えるほど。堕落した詐欺師からボスへの変身ぶりは見事。ロネガンやヘン顔の手下など脇役の演技もうまい。愛を込めてアラを捜すと。最初の路上詐欺は三人組なのに、二人組とされているのはどうして?黒人差別の色濃い時代にルーサーが黒人で、黒人のための白人が復讐?復讐というが、路上詐欺にあった男はそのせいで殺されている。この男の死に責任があるはず。フッカーとコンドーフは女の趣味が悪すぎ。サリーノ(女殺し屋)はどうやってあの店の店員になれたのか?目撃者など気にせず殺して逃げればいいのに。詐欺師の同業者名簿って何?FBIの事務所オンボロすぎ。最上の詐欺は騙されたことにも気づかせないことだそうが、電信詐欺はそのうちバレそう。敵ボスの損失が50万ドルでは、破産に持ち込めない。敵ボスは足が不自由なので同情してしまう。敵ボスはもっとクールで冷酷な自分津にしたほうがよかった。ポーカーであんなに熱くなるのではたいした奴じゃない。敵が強くて大きいほど詐欺が成功したときのカタルシスが得られるのだから。とはいえ、一度観れば一生心にスティング(突き刺さる)する映画です。
[DVD(吹替)] 9点(2009-09-19 20:40:13)(良:2票)
42.  アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 
バドは気が好いが、行き当たりばったりの男。アパートを上司の浮気用に貸して、出世をもくろむ。フランに好意を持っている。フランは不倫をして自己嫌悪にながらも、男の甘い愛の言葉を聞くと信じてしまうお人好し。その相手がバドの上司。バドは、割れたコンパクト(ハートブレイクの象徴)から、そのことを知る。傷心して、彼女のことをあきらめるが、彼女が彼のアパートで自殺未遂して急展開。看病の間にまだ愛していると気づきはじめる。彼女の兄に殴られて「いいんだ、ちっとも痛くない」と言うときが、彼女を心から愛していると気づいた瞬間。彼女をかばった結果なので、かえって嬉しいのだ。彼女に愛を告げる決心をするが、上司が離婚を決意して、また急展開。フランは男の言葉にまた騙されて「夢みたい」。バドは身を引くが、上司からアパートの鍵を貸せと言われて拒否。クビになるが、メンチェ(人間)に戻る。フランは上司からバドが会社を辞めたことを聞き、バドが自分を愛していたこと、彼を愛していることを悟る。アパートへ直行。バドは愛を告げるがフランは聞き流し、コートを脱ぎ、カードを始める。これは彼女が甘い言葉には騙されない女に成長したこと、古い殻を脱ぎ捨てたこと、人生の勝負をもう一度やり直すことを意味。誰も真似のできない小粋なエンディングですね。。キスを一度もしないラブコメは唯一無比。エレベーターは出世と恋の浮き沈みの象徴。その独創性に脱帽。気の利いた台詞のオンパレードです。「男は妻の元へ、そして女は…、このエビ味が落ちたわ」「(男が去ると)何もかも急に醜く見える」「(電話:いるのか?)いないわ」「なぜ人は恋するの」「女房持ちの恋にマスカラは厳禁なのに」「未練はいつになった消えるの。洗浄できればいいのに」「毎年ケーキを贈るわ」「(スペルができず秘書失格になったのを受けて)うまく言えないわ。(I can't spell)」「物事は成り行きだわね。But that's just the way it crumbles, cookie-wise.」マイナス要素は、自殺未遂させたこと。コメディには重過ぎます。
[DVD(字幕)] 8点(2009-09-29 04:17:56)(良:2票)
43.  フルメタル・ジャケット 《ネタバレ》 
人間らしい剥きだしの精神は脆く、戦場では戦えないので、「Full Metal Jacket(完全被甲弾)」にする必要がある。人間性が隠れるまで「Born to kill(生来必殺)」の装甲を施す。その完成形が、前線に向かうジョーカーがヘリで出会、逃げ惑う女子供を無差別に撃ちまくる兵士。「逃げる奴はベトコンだ! 逃げない奴はよく訓練されたベトコンだ!」「簡単さ、(女子供は)動きがのろいからな!」戦場という剥きだしの狂気。そこには正義も主義もない。「単なる殺し」があるだけ。ラストでジョーカーは戦場にありながら「もう恐れはしない」と感じるようになる。フルメタルジャケット装着完了である。皮肉や矛盾をあちこちに散りばめ、戦争の醜さを表現しようとした映画。①”微笑みデブ”は厳しい訓練に耐え、卒業したのにその日の夜に暴走。②鬼教官は、立派に生徒を教育したのに生徒に殺される。③最も優秀なジョーカーが、前線からは最も離れた報道部に配属。④平和のバッチをつけながら、帽子には「Born to kill」の二重性。⑤優秀で勇敢な兵士ほど先に死んでゆく。⑥多大な犠牲を払って得た戦果が、狙撃手一人。歴史に残る業績と皮肉る。⑦敵の優秀な狙撃手がかよわい女性。ジョーカーらは訓練キャンプで女性扱い(半人前)されてきた。⑧女を助けたいが、それが殺すこと。勲章がもらえると皮肉る。⑨戦場の行進で歌うのが、ミッキーマウスマーチ。見る物、聞く物、何もかもが虚しい。「貴様らは蛆虫以下の存在」と言った教官は正しい。戦場で狂気に捕われず、生き残るには、心を黒く塗る(Paint it black)しかない。不満点:訓練キャンプの主人公のデブが死んでしまったので、前半と後半で別の映画になってしまっている。彼はジョーカーと一緒に戦場にいくべきだった。
[DVD(字幕)] 8点(2009-10-17 23:36:48)(良:2票)
44.  グエムル/漢江の怪物 《ネタバレ》 
従来にない怪物映画で、新境地に達していると思う。ホラー的要素よりも、社会風刺に重点を置いています。簡単に言えば、突如現れた怪物に娘を攫われた家族が必死に救出する物語の中にギャグを取り入れ、結局娘は助からない物語。視聴者を驚かすために用意したとしか思えないバッド・エンドの代償として、浮浪児が助かり、家族になります。米軍に対する怒り(毒物の不法投棄、ウィルスの勘違い、突然の軍事介入)や政府、マスコミへの批判など盛りだくさんです。オマヌケ家族のキャラが際立っているのが共感できます。まぬけ=愛されるいうことを再認識しました。天才バカボン一家に似てますが、違うのは、母親不在という点。その代わりに娘が母性を存分に発揮し、怪物から浮浪児を守ります。ここは見せ場でした。エイリアン2が頭をよぎりましたよ。大学は出たけどデモばかりに出て、就職できないが、火炎瓶作りが得意な弟、アーチェリーの選手の妹など、ラストの対決シーンへの伏線が効いています。父はカンドゥの弾の数え間違いで命を落としますが、その前に息子を溺愛しているシーンがあるので、悲惨さはありませんでした。息子のためなら生命を平気で投げ出す大きな愛情が感じられました。脇役のユニークさは特筆ものです。仮斎場でずっこけたのをごまかしてアナウンスする細菌部隊員、カンドゥの話をまじめに聞くと思わせてウィルスによる幻想と判断する米軍医師、助けると見せかけて裏切る借金まみれの先輩、役立たずと見せかけて意外に活躍する浮浪者など、ニヤリとしますね。みなストーリーにしっかり絡んでいます。残念なのは、浮浪児の兄貴分。店は荒らしても、金は盗むなと浮浪児のモラルを教えていましたね。是非生き残ってもらいたかったです。さて、ラストですが、カンドゥは成長したのでしょうか?髪の毛が黒くなり、料理を作り、店番も眠らずに出来てました。毒ガスを浴びたせい?ウィルスに関する米軍の弁解など意に介せず、食事にくらいつくのは庶民の雑草のような力強さの象徴でしょうか。それとも真実を見ようとしない暗愚な庶民の象徴でしょうか。いろいろと考えさせられます。さて怪物ですが、登場シーンでインパクトがあったものの、出現するたびに慣れて、怖くなくなるのは欠点です。次々と新しい生態を描いて、観客をはらはらさせるべきでした。十分楽しめる映画です。
[DVD(字幕)] 8点(2009-09-09 03:29:10)(良:2票)
45.  スパイダーマン3 《ネタバレ》 
あ、執事さん、父親の死の真相はちゃんと息子ハリーに話しておこうよね。大切なことだからね。(おかげで話がややこしくなってるし) あ、ピーター、家賃払ってなかったのか?カメラマンのバイトじゃ稼げないのかな。学校でいじめられてるんだね。ダンスはやればできるじゃん。 あ、砂男、とっとと金を盗んで娘のところに運べばいいのに。砂になって空飛べるんだからね。 砂男は最後許してもらって逃げたんだよね。それでいいのかな。かなり暴れまわってるんだけど。 えっとー、宇宙からの黒い寄生生命体だけど、寄生されると性格が攻撃的になる設定はわかるけど、エディブロックがスパイダーマンもどきに変身するのはどうして?(教会で神にあいつを殺してくれって祈っていいのかな?) スパイダーマンが寄生を逃れられたのは教会の鐘のおかげだけど、これってただの偶然だよね。たまたま落ち込んで、あそこにいただけだようね。教会は関係なく、ただ金属の共鳴音に弱いんだよね。 生命体が燃える前にエディが「やめろ」と飛び込んで爆発しちゃうけど、正気に戻ったはずのエディがどうして生命体を守ろうとしたのだろうか。 生命体の一部は、まだ教授の元に残ってるよね? あ、物理研究所の人、あんな危険な実験はシールドされた建物の中でしてよね。「質量が増えた?カラスが飛んでたな」そんないいかげんなことで厳密な実験ができるの?そもそも何の実験だ! あ、MJに魅力なし。話にのめりこめない原因の一つだ。二人の恋愛なんかどうでいいっておもえちゃんだよね。 ピーターのおばさんいいこといっぱい言うね。 主人公がヘタレで途中退屈するのはいつものパターンですね。青春映画って呼ばれる理由ですか。爽快なヒーローアクションものでいいと思うのですが。 今回は悪人という悪人がいないので、スカッとはいかない結末に。 で、結婚はどうなったの?
[DVD(字幕)] 6点(2008-05-12 13:11:39)(笑:2票)
46.  彼とわたしの漂流日記 《ネタバレ》 
これは拾い物。隠れた名作的位置づけにあたる作品だ。生きる希望を失い、孤独な生活を続ける二人の男女が知り合い、奇妙な交流を通じて自己再生していく物語。その”奇妙さ加減”が抜群に面白く、コミカルな小ネタもふんだんで、観る者を飽きさせない。意表を突く展開の連続で、先が読めない小気味さがある。丁寧なカメラワークで二人の繊細な内面を写しだす手法には感服する。韓流特有のオーバー・アクションや感情過多は少なく、むしろ控えめな演出で、日本人には共感しやすい。◆男はリストラ、離婚、借金苦で、人生に絶望し、橋から投身自殺を図るが、漢江の中洲の無人島に漂着する。最初は助けを求めたり、自殺を図ったりしてあがくが、いつかサバイバル術を覚え、そこに住み着くようになる。砂浜に描いたHELPがHELLOWに変わるのがおかしい。女は三年間、マンションの一室で引きこもり生活を続けている。両親とは会話もしないが、ネットでは別人になりすまし、偽りの対話で自らを慰めている。趣味は月の写真を撮ること。月に人類はおらず、完全な孤独なところに魅かれるのだ。年に二度、地上を撮ることがある。有事訓練で路上に人がいなくなるときがあるのだ。そのとき女のカメラが偶然に中洲の男を捉えた。男が孤独であると知った女は、内なる欲求に抗いきれず、ついに男との交流を図る。それが何とも不器用で、朴訥で、はがゆく、おかしく、そして微笑ましい。最初の返事が来るのに二月半もかかるし、メッセージも一行だけという慎ましさだ。だがこの交流で二人の心に変化が芽ばえ、徐々に人間らしさを取り戻していく。その過程はやわらかく、しなやかで、孤独がちな現代人に温かいメーっセージとなって伝わってくる。◆台風の日、女はネットでのなりすましがバレて、逃避先を失う。男も台風の清掃にきた職員に発見されて、島を追われる。絶望した男は自殺を決意する。それを止められるのは女だけだ。女は必死に走って男の乗ったバスを追い駆けるが追いつけない。もうだめだと諦めたとき、奇跡が起きる。漸く初対面を果たせた二人の眼から溢れでる涙。それは忌まわしい過去を流し、本来の自分を取り戻した喜びの涙だ。沖を流れるアヒルの船が映し出されて終了。この船は、男が住居としていたもので、男は”醜いアヒルの子”を自認していた。”醜いアヒルの子”との訣別という象徴性に富んだエンディングに拍手。才能のある監督です。 
[DVD(字幕)] 9点(2012-11-08 14:01:12)(良:2票)
47.  日本のいちばん長い日(1967) 《ネタバレ》 
日本首脳は戦争を止めようと考えた。理由は勝てる見込みが無く、戦争維持能力もなくなったから。無差別空襲と原爆とソ連参戦が大きい。だが陸軍の考えは違った。「補給戦や小さな局地戦で負けただけ。本格的な開戦はやっていない。本土決戦をすべき。敗戦は英霊に申し訳ない」「もうあと二千万の特攻を出せばかならず勝てる」いわば現実を直視できない妄想家のようなもの。海軍は連合艦隊がほぼ全滅しているので冷静だった。そこへ英断下って、終戦決定。陸軍大臣は受け入れたが、一部の軍人は反乱を企てた。名付けて天皇人質作戦。かなり無茶な作戦で、天皇激怒必死、成功確率1%未満。陸軍らしいといえば陸軍らしい。市ヶ谷台(陸軍省・陸軍参謀本部)の将校全員自決計画もあった。自決する自決すると言って自決しないのも陸軍の伝統。 ◆不思議なことに反乱将校は、逮捕されておらず、鎮圧後もビラを撒くなどしており、陸軍の身内への甘さがよく出ている。誰も責任を取ろうとはしないのだ。戦争で多くの兵や民間人を死に至らしめても、最後には自決すれば申し訳が立つと考えている。だから一億玉砕(たとえ全滅したとしても、日本民族の美名は永遠に歴史に残るだろう)などと主張する。本土決戦で何百万人の人が犠牲になろうが、そんなことは眼中に無い。彼らにすれば臣民は隷属者でしかない。お国の為と言いながら、「体面、天皇、英霊」しか見えてない。厳しく言えば自己防衛。自決も天皇、英霊に対する責任感で国民に対してでは無い。戦争の生んだ化け物のようなもの。皮肉だが、ある意味戦争の犠牲者。戦争しか知らない子供達の哀れな末路だ。平和を知らず、国家神道、軍事教育一辺倒で育ったのだから。 ◆反乱将校がまるで狂犬のように描かれ、理性の無い駄々っ子のように見える。これは演出上の都合だろう。実際は陸軍大学出のエリートであり、もっと冷静に行動していた筈。彼らは終戦の後に平和がくるとは考えなかった。隷属されると考えていた。日本が満州にしたように。人生の総てだった陸軍が崩壊するのが怖かった。閣議で戦後のビジョンを誰も見いだせなかったのも悲劇の一因だ。 ◆8月14日日本軍は特攻隊を送り出し、米軍は熊谷、伊勢崎、秋田・土崎を空襲した。映画では特攻隊が美化され、空襲は無視。反乱はこれで終了したわけではなく、厚木基地では更に徹底交戦を主張、24日には反乱の生き残りが川口放送所占拠事件が起こす。
[ビデオ(邦画)] 9点(2010-12-28 05:57:08)(良:2票)
48.  ディーバ 《ネタバレ》 
物語は少し複雑。メインは郵便配達人ジュールとディーバであるシンシアの純愛。ジュールは運命のいたずらで3つの組織に追われる。買春組織の暴露テープを持っていることで警察に。同じ理由で殺し屋に。そしてレコーディングしないシンシアの録音テープを持っていることでレコード会社に。さらに複雑なのは売春組織のボスが、警察の殺人課の上司であること。このため捜査状況が殺し屋に筒抜けとなる。レコーディングテープはベトナム人少女アルバに預けて置いて無事だった。暴露テープは殺し屋に奪われそうになるが、謎の男(アルバの恋人)に助けられる。暴露テープは謎の男が殺し屋のボスに売る。後にボスはジュールを殺そうとして、謎の男に殺される。 ◆感情移入を損ねる要素がある。アルバが平気で万引きする。ジュールもそれを咎めない。ジュールがシンシアへの愛の代償として黒人娼婦を買う。ジュールは逃げ回っているだけで最後まで成長せず無力である。主人公なのだから活躍して欲しい。最初は無力でも途中からヒロイズムを発揮するか、知力でピンチを乗り切るかすべき。謎の男に助けられているばかりでは、シンシアの愛を獲得する資格は無い。要するに主人公の印象が薄いのだ。ここが最大の不満点。謎の男ばかりが目立ちすぎる。ジュールがライブを録音し服を盗むのは、幼い愛の表現として許容できる。 ◆最大の魅力はシンシアの歌だろう。実に力強い。随所にユーモアの要素もある。二人の殺し屋のキャラも立っている。何でも嫌いな殺し屋は特に印象的。ジグソーパズル、動く波の模型、壁の画、バイクなどガジェットも豊富。構図やマ撮り、彩使いなど映像がスタイリッシュ。 ◆不可解な点もある。①レコード会社の人は、テープを探してジュールの家に押し入ったが、何故テープをずたずたにしたのか。腹いせだろうか。また謎の男から違うテープを渡されるだけだが、何故確認しないのだろうか。②最後の場面、唐突に無人の舞台となる。説明が欲しい。テープが途中で止まって、また始まるが誰が操作しているのか。③謎の男は、テープを売った金をどうしたのか? ◆ミステリー要素も恋愛要素もそこそこの出来で、良くまとまっている。アクションは陳腐。普通に考えれば、ディーバが狙われてジュールが助けるのだけれど、意表を突く展開が好ましい。本筋と離れた部分で、謎の男と不思議少女の抜群の存在感が映画を稀有なものにしている。
[DVD(字幕)] 7点(2011-02-13 11:59:21)(良:2票)
49.  シベリア超特急 《ネタバレ》 
悲劇の連鎖を生む戦争を起こしてはいけないという反戦映画。それなのに主人公はB級戦犯の山下奉文陸軍中将(後に大将)という首をかしげる設定。山下が生き残るのはわかっているので、もともと少ないサスペンスがさらに半減する。致命的である。水野晴郎は山下奉文を尊敬するあまり、本名を「山下奉大」と改名していたそうである。このあたりで既に理解に苦しむ。それに2,3人の軍人を殺したからといって戦争が回避できるはずがないではないか。彼女達の殺人の動機は単純な憎しみであり、偶然の交換殺人である。戦争の悲劇を描いているとも思えない。冒頭の自殺シーンは、映画終了後の寸劇につながってるとは、あきれ果ててものがいえない。真面目な反戦映画ではなかったのか。車掌の死体が発見された時点で全車両中大騒ぎとなるはずだが、何事もなかったかのように物語が進むのがオカシイ。山下を殺しに来たリーランが何もかも話しすぎ。これから殺そうとうする相手に何もかも懇切丁寧に教えてやることないじゃん。あーあ、だからあんなことになっちゃった。書記官の恋人とリーランがウリ二つという設定は安直。リーランが一目見て書記官を好きになるのもへん。
[DVD(邦画)] 1点(2010-03-11 01:13:26)(良:2票)
50.  ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 《ネタバレ》 
1、2、3、と観て、一作毎に完結しており、連続した物語の面白さは感じられなかった。それが4作目あたりからシリーズものの”つながり”が表れ、最終章で、謎の解明と、張り巡らせた多くの伏線が回収される快感を味わった。予想外の出来の良さだ。謎と伏線のほとんどは、魂を分けて保存する「分霊箱」と「三兄弟と死者の秘宝の物語」と「ダンブルドア校長の遺言書」に集約される。一度限りの登場としか思っていなかったり、大した意味もないと思っていた人物やものが、再登場したり、真の意味が明らかになるなど、奥深い一面を見せる。ハリーの額の傷の秘密とヴォルデモート卿との関係。ヴォルデモートの不死身の秘密と分霊箱の謎。伝説のグリフィンドールの剣と大蛇バジリスクの毒の合体の意味。ハリーがダンブルドアからもらった「透明マント」の由来。トム・リドルの日記の正体。世界最強の「ニワトコの杖」の真の主が、前所有者スネイプを殺害したヴォルデモート卿ではなく、ハリー・ポッターに移った理由。スネイプがダンブルドアを殺した理由。スネイプとハリーの母リリーの関係。細部までよく考えられている。屋敷しもべ妖精ドビーの思わぬ活躍と死など、意表をつく展開もあった。特筆すべきはCGの出来で、繰り返されるハリーとロンの仲違いと仲直り、生ぬるい恋愛、敵の弱すぎる手下など、”ゆるい”部分には目をつぶるしかない。描写希薄なヴォルデモートのまとめ。孤児院で生まれ、母親(魔法使い)はすぐに死亡。父はマグル(人間)。魔法学校で能力を発揮し、分霊箱の術で不死の力を得ると、ダークサイドに落ちる。純血主義を唱え、忠誠を誓う手下「死喰い人」を率いて、「マグル」や「半純血」を粛清。父親とその親族も抹殺。魔法界の大半を支配下に置く。ある日彼を滅ぼす可能性を持つ者の出現が予言される。それがハリー。赤ん坊だったハリーに放った「死の呪い」がハリーの母親の「守りの魔法」で撥ね返り、肉体を失ってしまう。この時ハリーの額の傷にヴォルデモートの魂の欠片が引っかかり、意図せぬ分霊箱となる。ハリーの血によって復活するが、ハリー母の「ハリーを守る呪文」も取り込んだため、彼が死なない限り、ハリーもまた死ぬことはなくなる。最後「ニワトコの杖」で、ハリーに「死の呪い」を用いたが、杖の真の所有者ハリーに対する忠誠心により、呪いは無力化され、結果的にハリーの体内の彼の魂だけが破壊された。
[DVD(字幕)] 8点(2012-11-10 06:34:17)(良:2票)
51.  スターダスト(2007) 《ネタバレ》 
大人のファンタジーですね。 主人公が愛と勇気をもって壮大な目標に向かって進むのではなく、 こじんまりとした動機で、いきあたりばったりに行動してゆきます。 愛をかちとるファンタジーでもあるのですが、あれあれ途中で相手が 変わっちゃったよ。 王になる物語にしては試練が少なすぎます。 主人公はいい人であり、終始受身で、活躍するのは最後の剣での戦いのみ。 だから影が薄い。 ヒロインの人間のほうは途中から関係なくなるし、 流星の君のほうもキャラがぱっとしない。 若さに対する執念がづよい魔女だけよかったかな。 美しさとおそろしさを兼ね備えて実に魅力的です。 次々と殺される王子たちが死後の世界から見守っているのは 新しみをかんじました。 凄惨さがなくなり、ほっとします。 このストーリーで退屈せずに見れるのは、CG技術のおかげですね。 日本のおそまつなCG技術で作ったらお粗末な作品になっていたでしょう。  
[DVD(字幕)] 7点(2008-04-17 19:04:21)(良:2票)
52.  天然コケッコー 《ネタバレ》 
【そよさん】心やさしい少女。下級生の母親的存在。思い出をとても大切にする。それは大沢が捨てた校舎の石を捨てれなくて持ち帰る挿話に集約されている。「もうすぐ消えてなくなると思えば、些細なことが急に輝いてみえてきてしまう。一緒に登校したことを奇跡みたいに思い出すことがあるのだろうか」大沢に愛のある接吻はできなかったが、黒板にはできた。ジャケットにこだわるところはリアリティがあります。 【大沢くん】いつも無愛想でつまらなそうな顔。両親が離婚し田舎へ引っ越すという悲運を負う。都会ずれし、プロレスとゲームが趣味。自殺者に花を供え、拝んでいるさやに無理やりキスしようとするほど無神経。「おまえの手、おしっこくさい」「(膀胱炎の子を心配するそよに)よかったじゃん、ガキの子守りしなくてすむし」などと心無い発言が多い。「この高校パス、だって坊主じゃん」「都会の高校行くかもしれん」でもそよの温かさにほだされ、田舎の学校に残ることに。悪い人じゃないんだけどね。 【感想】修学旅行で都会の喧騒に馴染めないそよだったが、ふと町騒が山の音と同じだと気づく。幻想的な映像と音楽が流れる。新しい世界との折り合いがついた瞬間だ。「あんたらとはいつか仲良くできる日がくるかもしらん」元気になって大沢の手をとって歩きだす。少女の心の成長の一頁を鮮やかに切り取った場面です。そよとって大沢は外部世界の象徴。彼から刺激を受けつつ、ささやかな冒険を通して、時には傷つきながらも成長してゆく姿が瑞々しく描かれています。大沢の魅力が少ないのが残念。さやを救った場面くらい。あとは接吻のおねだりばかり。田舎の人の心に触れ心が癒され、やさしい少年に成長してゆくのが理想なのですが。ロングショットによる長回しや合間に挿入される季節の映像が印象的。ラストショットは少し作り過ぎでしょうか。「扉から教室を見るさや」から「窓から教室を見るさや」への転換は見事ですが、陽光浴びるカーテンのゆらぎ、満開の桜の位置、舞う花びらなどコテコテです。きっと私の心が汚れてるからそう見えるのでしょうね。反省。不倫、ロリコン男など田舎を描くのにリアリティありましたが、映画の主題からして不要でしょう。短縮して短編映画の如き雰囲気にすれば傑作になれたかも。題名は「天然の鶏=地鶏」で田舎に自然に暮らす人のこと。ボロイラーにはなりたくなりですね。心は地鶏で居たいです。
[DVD(邦画)] 7点(2010-06-09 17:34:27)(良:2票)
53.  プラダを着た悪魔 《ネタバレ》 
カタルシスはアンが成功一歩手前で意に沿わない職を放棄し、本来の自分に戻るところ。サクセスストーリーではなく、成長物語。アンはファッションの奥深さを学び、ファッションセンスを磨き、仕事も先読みでき、上司から認められる。しかし望んでいない世界で、上司のような犠牲の多い生き方は出来ないと悟る。二人はお互いを認め合いながら別れます。それに恋愛を絡める。意図は良いですが、デフォルメしすぎたためか、ふに落ちない点が多いのが欠点。 ①就職面接に行くのにニンニク入りのハンバーグを食べながら行く。行儀が悪すぎ。 ②ジャーナリスト希望だったら最初からミラー紙の面接を受ければいい。軟派作家に書いたものを送ったのにも関わらず、編集者を紹介してもらうのは断った。 ③どうしてジャーナリスト志望なのか、何をしたいのかの説明が無い。 ④アンは父に「このファッション出版社に就職したのは腰かけに過ぎず、一年も経てばパリで人脈が出来、ジャーナリストとして有利であるため」と説明。上司に似て元来が打算的人物。一方で彼女は雑誌名やファッション界のカリスマ編集者ミランダの名前さえ知らなかった。矛盾してます。 ⑤上司は時間外労働を強要し、嵐の中を飛行機を飛ばせとか、出版前の本を手に入れろとか、要求が度を越えている。しかもそれは仕事ではなく「私ごと」。真に仕事のできる人のやることではない。 ⑥恋のパートがあやふや。最初から同棲している設定が間違い。アンと男とは恋人未満だったが、最後にはお互いの自分の本当にやりたい道を見つけ、恋人同士になる展開にすればすっきりした。最後二人はニューヨークとボストンにそれぞれ就職が決まる。別れるのか、元さやか。「考えてみる」という返事はダメ。軟派作家と寝るのは言語同断。それをやっちゃおしまいよ。単なる尻軽女。 ⑦社会人の男性が誕生日を友人たちと祝う?同棲している恋人が誕生会に来れなくなるとあんなにスネる?アンの頑張っている姿を見てるのに。 ⑧コートやハンドバッグを投げ出したりして乱暴。 ⑨上司の子供が若すぎる。高齢出産?又子供を甘やかしすぎる。 ⑩コーディネートをしてもらっていたけど、あのブランド服を全部買ってたの? ⑪アンのファッションセンスがよくなってゆくのは「仕事と心の成長」を意味していると思ったが、最後に全否定された。アンは何を学んだのか?
[DVD(字幕)] 6点(2010-06-12 06:35:00)(良:2票)
54.  クローバーフィールド/HAKAISHA 《ネタバレ》 
手ぶれカメラ映像を映画として観るのはつらいなあ。「クローバーフィールド」は放射能汚染マークで核を暗示しており、最終的に核兵器を使用して怪物を退治、かつてセントラルパークと呼ばれた場所は、クリーバー畑となってしまいましたという意味でしょうね。怪物映画としてはつまらない部類に入ります。怪物の姿があまり写りませんから。怪物はビルを破壊する大型怪物、弱っちい蜘蛛型小怪物、それに最後にカメラに正面顔が映った中型怪物の3種類でしょうか。プラス、ウイルスですね。どうも焦点がしぼりきれてないですね。大怪物だけではパニック度が低いので出してみましたという安易な設定と思います。 この映画は突然不条理に、恐怖のどん底に突き落とされた人間を描くことをメインに据えているのでしょう。そういう意味ではある程度成功しています。途中でテープの消し忘れ部分が写され、現代の恐怖とのコントラストがいい効果をあげていますね。ドキュメンタリー手法の勝利です。しかしそれならば、生命の危機を感じ逃げ惑いながら、どうしてカメラをまわし続けるのかという理由づけが欲しいところです。あのカメラマンはジャーナリストであるとか、プロのカメラマンであるとかの設定にすればよかったのです。それだけで説得力が増すではありませんか。 パニックシーンは、戦闘機が都市に爆弾を落すシーンで始まりますが、それまでにヘリの拡声器による非難警報が散々出ているはずで、これに気づかなかったというのは不自然な気がしました。 結論として、斬新さを追求するとこういう撮影手法が出てくるのも道理ですが、観づらいというのは欠点です。
[DVD(字幕)] 5点(2009-02-28 20:41:56)(良:2票)
55.  ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア 《ネタバレ》 
男は単純だ。人生に必要なのは、酒、たばこ、女、車。余命いくばくも無いと宣告された二人。やけになって煙草を吸うし、酒は飲む。あんなところにテキーラがあるのは実に不思議だ。「天国じゃ海の話題が流行っているらしい」「おれはまだ海を見たことがないんだ」「じゃあ、見に行こう」酔っ払った二人は高級ベンツを盗んで出かける。途中でお金が必要となって、ガススタンド強盗と銀行強盗。驚くほどうまくいく。また車のトランクから大金の入った鞄も出てきた。こうして道具立ては揃い、ギャングと警察の追求をうまく逃れて無事海にたどり着けるかの、痛快なロードムービーが始まる。ギャングがトジなのはいいが、警察が間抜けすぎるのは笑えない。やりすぎてはいけないのだ。海を見るのが目的だったが、お金が入ったので予定変更。もうひとつのやりたいことをする。一人はプレスリーの真似をして母にキャデラックをプレゼント。一人は女二人と寝る。ギャングに捕まり、絶体絶命のピンチ。だが大ボスが粋な計らいを見せる。「海を見に行きたいんだろ?行きな」最大のサプライズだった。大ボスの人生ドラマを少し描いておいて欲しかった。銃撃戦があっても弾は人には当たらない。車が崖から落ちても平気。大ボスは許してくれる。本当は二人はすでに死んでいて、天国にいるのだろうか?結局強盗で奪った金は戻し、損をしたのは大ボスだけ。残った金は見知らぬ誰かに送る始末。最後までギャグを忘れない二人。二人は海に辿りつくが、もう終りだと思うと寂しい気分になった。目的があるということが人生を価値あるものにしている。彼らにはもう目的がない。ささやかな目的を達して、彼らは死ぬ。ささやかな人生だけど、つかの間の夢をありがとう。
[DVD(吹替)] 7点(2009-10-24 02:56:07)(良:2票)
56.  ワルキューレ 《ネタバレ》 
ノルマンディー上陸作戦の一月後、敗戦濃厚で、時期は熟していた。あれだけの人数が揃っているので、ヒットラー暗殺だけなら比較的容易に達成できたはず。しかし目的がクーデターであり、短時間による政府と軍の完全掌握を目指していたので、ヒムラーやゲッペルスなども同時に暗殺などと余計なことを考えて何度か機会を逃している。実行犯の大佐が新政府の要職に予定されていたため、爆発物セット後、すぐに逃げ出したが、これが最大の失敗。何をおいても、総統の生死を確認すべきだった。確認がないままクーデターを実行するのはお粗末。大佐は障害者なので、ボディチェックはほとんど受けなかった。いざとなれば総統もろとも自爆する覚悟があれば成功しただろう。カリスマ総統を倒しておけば後をヒムラーが後を継ごうが倒すのは容易である。二段構えの周到さがほしい。暗殺が失敗することは既知だが、サスペンス、緊迫感は十分伝わってきた。そこは評価できる。だが大佐の人間性の描き方が希薄だ。反ナチ思想を持つ経緯を描くべき。戦争の悲惨さも伝わらない。最後は家族の安否を心配するだけの弱い男になってしまっている。彼の兄も連座して処刑されたが描かれていない。夫人と五人の子供はどうやって生き延びたのか?他に関係者6~700人が粛清され、ロンメル元帥も自殺。これらの人の死に大佐たちは責任があるだろう。「計画は失敗したが、彼らの目的は戦争をやめることであり、命をかけた彼らは英雄である」という単純な考えはできないだろう。後半、総統が姿を見せないのは、サスペンスを重視した脚本構成の所為だが、史実を描きたいのなら、総統側の様子も見せるべきた。一方だけを描いても真実は伝わらない。総統のカリスマ性も対等に描くべきだろう。「史上最大の作戦」のように敵味方、両側を描けば、より見ごたえのある映画になった。大佐の人間ドラマをより深めれば「シンドラーのリスト」のような深みが出た。「暗殺=テロ」なので、現代人にとって彼らの行動を無条件に賛美することはできない。歴史の正当な評価は時代と共に変わる。そんなことを考えされられた。
[DVD(字幕)] 6点(2010-05-09 23:17:34)(良:2票)
57.  十三人の刺客(2010) 《ネタバレ》 
グロい映画でついていけません。四肢切断など趣味が悪いです。まず言いたいのはあの手の大名はいないということ。江戸後期にもなれば大名はみんな物わかりがよく大人しい。非道の振る舞いをすれば、いくら将軍の弟でも乱心扱いで押し込め隠居させられます。朱子学、儒教に基づいた倫理観(御世道)が許しません。それよりあの大名が剣豪だったら面白いのにと思いました。たいてい馬鹿大名は武道に疎い青瓢箪ですが、その裏をついて欲しかった。そうすればラストの対決は見どころがあった。あっさりを首を刎ねられて残念。面白い性格だったのに。【疑問点】①参勤交代の行列が出発してから何故三日間ものんびりしてたのか?②宿場は公共のもので買い取ることなどできない。毎日何百人も宿泊するのだ。宿場に村人がいないのも変。③大名行列には常に先遣隊がいて、宿泊する陣屋などと打ち合わせをする。先遣隊があの大仕掛けに気づかない筈がない。④当時は家の改修でも役所の承認が必要。大仕掛けを見た誰かが役所に密告する。⑤当時の大名はお金がなくて、江戸に出入りするときと出帰藩するときだけ人足を雇って格式通りの大名行列をするけど、それ以外は少人数だった。途中で手勢を集めたといってるが、どうやったのか。⑥新左衛門は「小細工はここまでだ!」と弓矢攻撃をやめるけど、まだ130人も残っているんだよね。⑦火まみれになって暴れる牛がかわいそう。動物虐待です。⑧山の男が強すぎる。山の男が不死身すぎる。山の男がどうして参加したのか不明。⑨明石藩士達は鉄砲、弓矢、槍を使わないのが不思議。鉄砲手は射られる場面があるが。⑩真っ先に屋根の上に登り、射者をうつべし。⑪街道の両側を塞いだところで、いくらでも脇に抜け道はある。⑫大名暗殺が目的なら行列の伸びきる山中で待ち伏せて鉄砲で狙えば良い。井伊直助暗殺の事例(18名、ピストルを使用)をみてもわかるが側面から襲撃すれば比較的容易い。宿場で待つのは阿呆。全員を殺すのは無駄な殺生で、大名の被害者より人数が多い。⑬新左衛門が大名にわざと刺されるのはどうして?⑭陣笠、編傘などは視界が悪くなるので真っ先にはずす。⑮大罪を犯した武士は類が家族郎党に及ぶので離縁したり、息子と縁を切っておく。⑯四肢切断女の目から流血してるのはなぜだろう。⑰どう考えても明治維新や原子爆弾とは無関係。
[DVD(邦画)] 5点(2011-09-17 04:55:59)(良:2票)
58.  天国と地獄 《ネタバレ》 
犯人は貧民街の三畳間アパートから丘の上の豪邸を見上げる生活を続ける中で、豪邸の主である権藤に対する歪んだ憎しみを熟成させ、遂に憎悪が生き甲斐にもなった。犯人が憎んだのは権藤という個人ではなく、貧困という不幸な境遇と社会の不平等、不条理。◆犯人は不幸な境遇に負けたわけでは無い。それどころかインターンで、成功の一歩手前、もうすぐ貧困から脱却できる状況。それにも拘らず犯行を決行したのは、世間に対する挑戦状。天国にいる者を地獄につき落す快楽もあるが、誰よりも知力に長け能力がある自分に対して冷たい仕打ちしかしてこなかった世間に対する挑発行為であり、途方もない自己実現の方法。◆人の命を救うべき医者が、人を殺すという矛盾。絶対善と絶対悪の逆転。天国から地獄への転落。犯人が望んだものは、上辺だけのきれいごとを並べ立てる世間に対して、人生の不条理をいやという程見せつけること。◆だが所詮犯人は世間知らず。犯人が天国の住人と思っていた権藤の生活も決して甘いものではない。彼は見習い職人から身を起こした苦労人であり、成功した今でも会社の権力闘争に巻き込まれ、安住した生活を送れていない。憎しみの対極として想定した相手は、実は似た者同士だった。◆計画は用意周到でトリッキーだが、甘さも目立つ。ジャンキーは殺すが子供は殺さない。子供に顔と車を見られ、窓からの景色や道も覚えられている。ジャンキーの死亡を確認せず、金も回収しない。車は目立つ場所に放置。電話で声色を使わない。◆犯人は権藤に何を伝えたかったか。死ぬのは怖くないと強弁。震えは恐怖ではなく、拘禁症状。憐みの気持ちで見られたくない。「私が死刑になって嬉しいでしょう」と挑発。みじめな死にざまであったと思われたくない。最後の強がりだが、心の弱さが露呈して絶叫。敗北を認めた瞬間である。彼の主張は一人よがりに過ぎなかった。死の残酷さを強調して終了。余韻が残る。【気になった点】①新聞社が警察に要請されて犯行のお札使用という偽情報を発表のはあり得ない。報道の両親に反する。②犯人に犯行を再現させるために泳がせる事はあり得ない。そのせいで第二の殺人が行われた。警察の大失態だ。警察は犯人の刑期が軽いから死刑にさせる小細工などはしない。③親父(社長)が最後まで登場しない。④会社での様子が描かれてないので、権藤の凋落ぶりが伝わらない。⑤尾行や麻薬街のシーンが無駄に長い。
[DVD(邦画)] 9点(2011-01-10 05:32:03)(良:2票)
59.  デジャヴ(2006) 《ネタバレ》 
爆発物捜査官のダグは、クレアの死体て何かを感じた。それは彼女に惚れたのではなく、彼が一度タイムトラベル(TT)して彼女と会った既視感からくるものだ。FBIで、監視装置“スノウホワイト”の映像を見せられ、「複数の衛星情報を解析合成したもので、膨大な情報処理に四日間を要するため、常に四日前の映像しか見れない」と説明される。が、疑念をもった彼がモニターのクレアにレーザーポインターを当てるとクレアが反応した。実は空間を折りたたんで時空の二点を繋げた“時空窓”で、出力を上げれば物質も送れる。彼は過去の自分に手紙を送るが、誤まって同僚のラリーの手に渡り、結果、彼は殺され、クレアも巻き込まれる。ダグは、携帯時空窓ゴーグル・リグを使って四日前の犯人の行方を追い、隠れ家を発見し、犯人は逮捕された。一件落着するが、ダグは自分の所為でクレアが犠牲となったことを悔やみ、二度目のTMをする。犯人を片づけ、大事故を防ぎ、クレアの命も助けるが、自分は爆破死してしまう。本作品では「過去は改変できない」のが前提で、過去に介入する度に分岐した別の世界になる。現代と、一度目のTM、手紙送信、二度目のTMの三つの分岐世界の四つが交錯するのでややこしい。ダグがラリーを救えなかったは、彼の死が四日以上前の過去になってしまったから。厳密にはTTを繰り返せば、スノウホワイト完成の四日前まで過去に遡れる。大事故は防いだものの、別の犠牲者で出ているので爽快さは無い。TTがなくても、事故は防げる。警察に事故を予告する手紙を出すとか、犯人の心臓に弾丸を送るとか、準備中の爆発物に弾丸を送るとか、方法は多様だ。過去に情報が送れるのなら、過去の人は未来を知ることとなり、相場や競馬、選挙結果等、社会が混乱するだろう。一度目のTTで犯人逮捕に失敗したダグがどうなったか不明。二度目のTTでダグが生き残った場合、携帯電話を鳴らすとどちらの携帯が鳴るのだろうか。冒頭で遺体袋の携帯電話が鳴る場面があるので気になった。犯人が、「私には運命がある。創造者が定めた運命が。それを変えようとする者は滅びる。運命を止めようとするとかえって引き金となる」と言った時、今後どんな展開になるか楽しみだったが、ただの虚勢で終った。大爆発、カーチェイス、銃撃戦と派手な演出で観客を驚かすという安易な姿勢が残念。TT無し、捜査だけで事件解決に導く演出なら良かった。
[DVD(字幕)] 7点(2014-12-01 16:22:35)(良:2票)
60.  ノウイング 《ネタバレ》 
最初に魅力的な謎が提示される。その正体が明らかになるにつれ、人類滅亡という壮大なスケールの物語であることがわかる。最後は地球はフレアに飲み込まれ、全生物は滅亡。心優しい宇宙人がノアの箱舟的発想で、選別した人類を宇宙船で連れ去ってゆく。飛行機、地下鉄、フレアのCGは迫力があった。多方面からのカットを小気味よくスイッチし、ほどよい時間に編集されており、見るものを飽きさせません。この監督の次回作も観たいと思いました。さて、この手の映画の評価は、鑑賞後ストーリーを検証してみて、納得できるかどうかにかかっています。1.少女は予言の数値を受け取ります。最初は意味がわかりませんが、やがてその意味を知ります。それなら、彼女の正しいことは簡単に証明されるはずです。何しろ全部あたるんですから。世界中から注目されること必至です。2.宇宙人は未来を知っており、全知全能に近い存在。でも何度か子供達をさらうのに失敗していますね。わざと?4.宇宙人が予言のメッセージを送った意図は何か。テレパシー能力があるかを判断するため?未来を知ってるなら、誰を連れていくかもわかるはずですが。5.ジョンと息子、ジョンと父の関係はうまくいっていません。その関係が修復されるのがサブストーリーですが、上っ面だけの修復で、失敗しています。5.あの黒い石はどういう意味があったのか?6.ケレイブ(息子)も取り付かれたように数字を殴り書く場面がありました。あれは何の数字だったのか?未来はほとんど残ってないのです。7.女先生が、まだ数字を書いている少女の紙を、時間だといって、無理に取り上げますね。あんなことしないでしょ。8.飛行機と地下鉄の事故がありますが、あれに家族をからめればよかったですね。悲劇性が高まります。自己犠牲の要素も取り入れるべきでした。9.ルシンダは何故、ベットの裏にメッセージを書いたの?10.ルシンダはどうして娘の死ぬ日を予言できたんだろうか?娘にそれを伝えた理由は?11.ねえ、宇宙人ってフレア止められないの?12.宇宙人は何故間際になって人類を連れていくのだろう。もっと何年か前から計画的にやったほうがいいのでは?
[映画館(字幕)] 6点(2009-08-04 03:47:28)(良:2票)

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