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性別 女性

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1.  天城越え(1983) 《ネタバレ》 
田中裕子という女優はこんなにも美しかったのか、と心底驚いた。20代の女の私でさえ心奪われる。ましてや思春期の少年なら尚更だろう。甘酸っぱくも切ない、ダウナー系「マレーナ」。でも、色香を放つ大人の女性に心奪われる思春期の少年を描いた作品ということでは、私は断然こっちの方が好きです。少年の内に渦巻く複雑な感情、その欲望と愛憎、憎悪の表出。切な過ぎる、ことの真相。そしてあの天城峠の姿は、記憶の中でも記録の中でも悠遠の彼方に消え失せ、少年の心抉られる痛切な葛藤も、事件の真相も、その全ては過去のものとして、永久に守られるように、滅失してしまった。かつての幽遠の峠は、今は暴走族の出す爆音に包まれている。
8点(2004-04-06 20:37:55)(良:2票)
2.  ダークシティ
「ロスト・チルドレン」と類似するダーク・ファンタジー的な映像に「マトリックス」と同系列に位置するようなテーマ性。監督の妄想を具現化した世界観。私も似たようなことをよく考えていたパラノイアな子供だったので(てゆうか大人になった今でも)、うん、うん、そうかもねえ~この世は全て絵空事かもねえ~、などど同調したりはした。どこか病的なルーファス・シーウェルの眼差しと妄想迷宮的な物語、ゴシックな景観と野暮ったい美女という雰囲気のジェニファー・コネリーが何だか妙にマッチする。
6点(2003-12-27 21:55:23)(良:1票)
3.  シー・デビル(1989)
小学生の時になぜか居間で一家団欒で観た。鑑賞中も鑑賞後も、誰も何も一言も言葉を発さなかった。あまりにもつまらなく、早く終われーい、早く終われーい、とただひたすら念じ続けた映画(家族みんなそう思っていただろうに、なぜか誰も観るのをやめようとしなかった。そして誰も感想を口にしなかった)。面白くなかった、それ以上の感想が出ません(笑)。あくまで小学生当時の感想ですが。今観たらまた観想は違って来るのかも知れません。
2点(2003-12-24 13:57:45)(笑:1票)
4.  EUREKA ユリイカ 《ネタバレ》 
“ユリイカ=発見。「分かった」を意味するギリシャ語”。思えば発見とは、外的な未知のものとの邂逅による変化ではなく、内的に既存するものへの回顧と再考による進歩のことのような気がする。発見とは決定的な変転の契機であり、変化とはそもそも内面からでしか起こり得ないものなのだから。ラストに思うのは、彼らが遍歴により得た、大きな悟入。既存のもの、内なる傷痕、取り消せないものを享受することと、そこからでしか進めないことを悟ること。それこそが「発見」なのか。受け入れることで姿勢が変わるということ。受容という悟入により、世界が色を変え、拓けて行くということ。景色が彩色され、俯瞰で世界が広がって行く、静かだけれど劇的なラストに「ユリイカ」を見た。
[ビデオ(邦画)] 6点(2006-06-03 11:15:59)(良:1票)
5.  トレマーズ 《ネタバレ》 
やばい。何回観ても面白い。奇跡的なまでに面白い。今更言うまでもないけれど、言わせてもらおう、「これぞB級モンスターパニック映画の最高峰!」。12歳で出会って以来、私の中では今もこれを超えるB級モンスターものはない。出て来る人たちのキャラも立っていて素晴らしい。ナイスコンビの何でも屋とか、傭兵みたいな夫婦とか。ただ、何だちきしょう、って思ったのが、アジア系の人だけ殺られたことね。やっぱね、あれはね、あ~ハリウッド映画だなあ~って思ったよ。アメリカ映画ではいつも、“カラード”で括られる人間は真っ先に殺られるんだ。まあ、いいや。それでも。多めに見よう。面白いから。
10点(2003-11-30 22:39:26)(良:1票)
6.  着信アリ 《ネタバレ》 
柴咲コウが好きだし、吹石一恵が妙にアクロバティックな死に方をするという噂も耳にしていたので、ちょっと気になって鑑賞。それらはともかくとして、ラストの曖昧さ、お茶濁し感は何?DVD特典の秋元康の語りを見て唖然、「知りたければ小説を読んで続編を観ろ」とな。w(゚Д゚)w ハァ? 秋元康よ、体の贅肉はもちろんだが、心の贅肉も落とせよ。
5点(2004-09-13 17:45:08)(笑:2票)
7.  ゴーストワールド
頭が切れるけどひねくれていて、人と違う格好にこだわるイーニド。大勢の中に埋没したくないけど同時に世の中から浮くことや疎外されることに焦燥感を抱くイーニド。難なく世の中と折り合いを付けられる親友を蔑みながらも嫉妬するイーニド。「私は人とは違う」という優越感を持ちつつも周りから浮く自分に劣等感も感じるイーニド。自分の居場所が欲しい、かといって今更世の中と折り合いを付ける術なんて知らないイーニド。そんな彼女の強烈な自意識と動揺と葛藤の先に見えるゴーストワールド。青春の幻影。認めるのは恥ずかしいけれど、イー二ドは10代の頃の私にひどく似ている。
9点(2004-03-22 19:44:42)(良:2票)
8.  美しき冒険旅行 《ネタバレ》 
見渡す限りの原野で、黒い少年が白い少女に恋をした。少年は命懸けで伴侶を求め、少女もまた命懸けで文明を目指す。美しく残酷な、道のない道往き。これは何の映画なのだろう。文明批判の映画?フェティシズムの映画?ヒューマンドラマ?ラブストーリー?この作品は無数の顔を持つ。それはまるで少女が泳ぐ水面に乱反射する光のように。そして思う、強さって何だ?弱さって何だ?思えば強さには種類がある。逞しさと図太さ。弱さにもまた種類がある。繊細さと惰弱さ。終幕に思うのは、“逞しいがゆえの繊細さ”と“惰弱がゆえの図太さ”との対比。この道のないロードムービーは、皮肉にも、道を発見した瞬間に終わる。共有したはずのWALKABOUTは少年には命懸けの通過儀礼であり、近い未来に回顧する少女には文字通りの彷徨だったのか。何が他の映画と違うのかは上手く説明出来ない、でも他に類を見ない無二の映画でした。観ることが出来て良かった。心の隅に静かに残り続ける映画にまた1本出会えました。
[DVD(字幕)] 9点(2006-05-15 22:57:44)(良:1票)
9.  不思議惑星キン・ザ・ザ
「資本主義者か?」得体の知れない者に対して吐かれる台詞。そこで、ああ、そうか、これは旧ソ連製作の作品だったんだ、ということを思い出す。脱力系の音楽に乗せて終始進行する、脱力系SFストーリー。しかしいつしかこのゆるぅ~い物語の中に巧みに詰め込まれた比喩隠喩に気付き始める。コミカルなのに強烈にシニカル。長閑さの中にも絶対的に存在する強烈な毒。ひょっとしたらこれはとても深遠な作品なのかも知れない、そう思ってしまった時点でもう負けだ。この奇妙で珍妙で辛辣で深遠な世界にハマってしまう。感覚を麻痺させる卑怯なハイセンス。ちなみにDVDの選択画面を放置していたら、延々と続く「クー」画面が始まる。これは実に気に入っている。
9点(2003-11-29 17:02:23)(良:2票)
10.  ショーシャンクの空に
だいぶ前、原作の「刑務所のリタ・ヘイワース」の方を先に読んでから観ました。この映画は、完全に原作を凌駕している数少ない映画の1つ です。と言っても、原作がつまらないわけでは決してないのですよ。原作を読んでない方の為に付け加えますが、さほど長くない中篇の原作を、原作に忠実になぞりながら、こんなに長い映画にする訳ですから、この映画では、より設定やエピソードが濃くなっているんです。例えば、原作の刑務所側の人間は、映画ほど極悪に悪い奴ではありません。相当悪いは悪いんですが。人物描写が、より精緻になっているような気がします。個人的なエピソードですが、私がレンタルビデオで借りて来て観た数日後、いつもは友人と外に遊びに行って、家に1人でいることなどほとんどない弟が、部屋にビデオを持って行き、3時間も1人で部屋にこもって、観終わった後、出て来て一言、「凄く感動した」と言っていたのが印象的でした。スティーブン・キングは、自身の小説の映画化作品で成功したものの1つとしてこの作品をあげています。その他は、「スタンド・バイ・ミー」「黙秘」「グリーン・マイル」「ドリームキャッチャー」だそうです…え……「ドリームキャッチャー」?それはなあ…。
9点(2003-12-07 15:06:32)(良:2票)
11.  ターミネーター2
シュワの“俺様、シュワ様”っぷりが鼻についたり、“1度全壊した車のフロントガラスが次のカットでは無傷”などなど、完璧主義のキャメロンさんよ、どうしたよ、というような箇所も多々あったけれど、個人的には深いことを考えずにアクションに酔えた数少ない作品の1つ。てゆうか、まあ、時効だけれど、エドワード・ファーロングが大好きだった。後に何かの雑誌である文化人が「ルキノ・ヴィスコンティが生きていたらこの子に目を付けただろうね」というようなことを言っていたけれど、確かに当時の彼は「ベニスに死す」のビョルン・アンドレセンにも通ずる“血の通っていなさそうな美貌”を持つ少年だったと思う。中学生当時ポーっとなっていたことを思い出す。時効ですよ、時効。
10点(2004-02-15 15:23:54)(笑:2票)
12.  セント・エルモス・ファイアー
痛。……痛。………痛。…………痛。 社会人1年生、22、23の時期に観るとかなり痛い。まるで私や友人達を見ているようだった。これと「リアリティ・バイツ」は大学卒業直後なんかに観たりしたら、かなり効く。大学というモラトリアムの後に直面する現実。こういうテーマは普遍なのだと思う。痛いです。セント・エルモさんには私の道筋にも灯を灯してもらいたいもんです。私も思いっきり海難事故に遭ってるんです。
7点(2004-02-08 12:32:14)(良:1票)
13.  バーバレラ
“60年代女の子もの”が大好き。私の中で最強の「ひなぎく」には勝てないけれど、これもなかなか可愛い。“60年代サイケ、キッチュ、ポップ”が沢山詰まっていて、目の保養になる。ジェーン・フォンダの美しいこと。「60年代は女性が1番美しかった時代だ」と言われるけれど、この頃の作品に出て来る女性達は、本当にことごとく魅力的。そういえば、こないだ読んだ雑誌での著名人達の対談で「この映画を日本でドラマリメイクしたかった」みたいな話が出て、「バーバレラは市川実和子、悪の女王は柴咲コウがいい」という意見が出ていた。面白そう。でも、うーん…多分…夢と消える企画だろうなぁ…。
8点(2004-02-20 17:59:31)(良:2票)
14.  汚れた血
偏愛のある映画は素敵だと思う。自己愛に起因するそれは、ともすれば自己完結になりかねないシロモノで、全くもって危険物。そのギリギリのライン上にある、取り扱い注意な危険映画が好きだ。カラックスはそんなギリギリの危険人物で、時にはその境界線を越えてしまう。鼻に付く位のナルシストで、かっこつけ野郎で、取り澄ましてやがるけれど、溢れる偏愛を隠せない。そういう所に恥ずかしいまでの分かりやすい人間性も感じてしまう。どういう描き方、演出をすれば評価されるか、良い映画たり得るかを知っているし、計算出来る。でも描くものの本質は子供の絵。彼はずる賢い知恵を付けた子供なのだ。そういう意味で「神童」という言葉がとても似合う。そして滅茶苦茶な駄々っ子。当時まだ20歳そこそこだった大好きなジュリエット・ビノシュを、「やくざな中年男のやさぐれ情婦」にしてしまう。そんなの、好きな女の子をいじめてしまう小学生の男の子と一緒だ。とっても恥ずかしくて可愛い妄執。どうにもこうにも子供っぽい偏愛に溢れた素敵な映画。
9点(2004-02-06 18:06:26)(良:1票)
15.  ラン・ローラ・ラン
冒頭のシーンでの掴みは素晴らしい。哲学を平易にお洒落に語る。ドイツというのは基本的に小難しくて理屈っぽく、勤勉なイメージが昔から一般的にある。これはそういうドイツ流哲学を新しい時流に乗せ、極めて現代的で斬新な映像表現でライトに見せた、新世代のドイツ映画だと思う。ほんのちょっとのタイムラグで未来は変わる。映画を貫く1つのメッセージ。走れ、ローラ!走れ!彼女はジャーマンテクノに乗って、ただひたすらに疾走する。彼女のその赤い髪はなんてかっこいいことか。ただやはり、いくら斬新で面白い演出をしても、何度もの繰り返しはちょっとくどい。退屈させまいとする試みは随所で伝わるものの、中だるみする感はどうしても否めない。もともと深みを追及した作品ではなく、表層的なお洒落感で魅せるタイプの作品なので、その表層的なものがトーンダウンして来たらちょっときつい。好きな映画だけれど、その点は微妙。それに根本的な問題として、あんな男、私だったら助けない。てゆうか付き合わない。
9点(2003-12-26 16:16:36)(良:1票)
16.  エイリアン
リドリー・スコットの味。流石に光と影の魔術師で、硬質で野暮な金属の構成体たる宇宙船内部すら、どこか高尚でありながらも色気の漂う映像空間に変えてしまうそのセンス。1つ1つの陰影全てが不敵なまでの計算の下に映し出される。美しい。閉鎖空間で繰り広げられる、これ以上はないというまでの心理戦。「宇宙人との対決」というテーマは、一歩間違えたらB級映画にまで陥落しかねないのに、この作品にはそこはかとなく高貴な雰囲気が漂い、圧倒的なまでに詩的。SFホラーの金字塔とまで昇華されている。ただ1つ指摘するなら、人物描写が物足りないような気がした。登場人物の背景が一切見えず、主人公のリプリーという女性の魅力すら伝わらない。残念ながら彼女は私には、ただ自己中心的で強気の女性、というようにしか見えなかった。まあ、主役はむしろエイリアンだからいいのかな。相変わらず私の好みのテイストの映画ではないけれど、このシリーズには、好き嫌いの範疇を超えた、その功績に対する1つの敬意としての高評価を呈示します。
8点(2004-01-21 16:14:16)(良:2票)
17.  卒業(1967)
名作と言われる映画の中で、私が嫌いなものの代表。どうしても個人的にこの映画を好きになれない。主人公も女も大嫌い。ラストシーンも痛過ぎる。一時の高揚感に身を任せた愚行でしょう、あれは。最低ですやん。バスの中でもうすでに2人とも醒めているじゃないかい。あの倦怠感ありありの2人の表情が、彼らの未来を如実に物語っています。
2点(2003-12-19 14:31:46)(良:1票)
18.  シド・アンド・ナンシー
ここまで恥も外聞もなく、醜く汚く剥き出しの心で誰かと向き合うなんて、逆に清々しい。羨ましい。何だか妙に清澄な余韻。キレイなものを見たような気にすらなった。不思議に。
7点(2004-07-20 21:14:13)(良:1票)
19.  ペット・セメタリー(1989)
この映画は結構好きです。ホラーというより、淡々と静かに暗く進行する寂しいヒューマン・ドラマという感じ。ああいう道があると1人で行きたくなる病なんです、私は。山奥の一本道、その先の墓場…ああ、大好き。父方の実家近所にああいう所がある。人間の墓場ですけど。子供の頃1人でわくわくして散歩に行きました。薄暗くて、誰もいない、あの静寂が好き。何だか落ち着く。不気味な子供でした。今は不気味な大人です。
7点(2004-01-10 15:06:46)(笑:2票)
20.  羅生門(1950)
白黒映画を撮る上で東洋には、西洋にはない強みがある。それは白と黒の色の美学だ。東洋には水墨画という伝統美術がある。それは、完全な白と完全な黒との間の無限の灰色の一色一色全てにそれぞれの意味を見出すというもので、白と黒が持つ無限の美学と可能性を畏怖する思想だ。だからこそ日本は前提的に、白黒映画を武器に出来た。黒澤監督はそれを誰よりも分かっていた。だから、1つ1つの色彩に偏執的なまでにこだわり、結果的に作品中に1つの宇宙を作り出した。無限の美学。この作品の色彩の美しさには紡ぐ言葉もない。木立にも、光にも、百姓が着るボロ服の中にも美学がある。この作品の中に剥落するものなど何もない。必要なものは全てあり、不必要なものは何もない。事象全ての凝縮体のように思う。限りなく瑣末な人間模様、滑稽劇の中に、1つの宇宙がある。人間の弱さ瑣末さ矮小さ、人間が卑小であることに対する、1つの赦しがある。
10点(2004-02-06 15:41:58)(笑:1票) (良:6票)

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