1. 容疑者Xの献身
《ネタバレ》 自分の母は特定のホームレスの人から雑誌を買うことが習慣で、その人がいないと病気じゃないかしらと心配しています。その他ホームレスの人たちのために何かしらできることをやってる人が何人か知っています。 そういう人々がこの映画観たら何と言うでしょうね? 「ざけんじゃねえよ、何が愛だ、何が献身だ、なぜそんなものの為に無関係の人間が殺されなければならない、何故ホームレスというだけで命まで軽く扱われなければならないんだ」と。 ストーリーを否定するわけじゃありません。現代の科学捜査の発達とか考えるならば、本当の死体が見つかって身元がわかる可能性は否定できないから、その前に別の死体を用意して誤認させるというのは、よく考えられたトリックだと思いますよ。 ただ「ホームレス殺人」の扱い方の軽さ・酷さがどうしても。 まず石神。確かに変人としての描写はあります。ただ、メインは愛する母娘を守るために、犯罪を犯した哀れな献身的な愛情の持ち主としての描写であって、無関係なホームレスを冷酷、無慈悲に、自分のスキームを実行するために、何の思いやりもなく殺した殺人者としての描写は皆無です。 次に湯川、彼の心を占めるのは優秀な頭脳を持った、心の優しい?友・好敵手が愛情の為に、恐ろしい犯罪を犯してしまったことへの悲しみ、憤りであって、何も罪のないのに殺されたホームレスに対する同情、悲しみは彼の意識の片隅にすらありません。(少なくとも映画では、そういう風に受け止めました) 靖子の号泣もそうですよね。あの時彼女の心を占めていたのは、石神の自分への献身の大きさ、犯罪まで犯してくれたことへの申し訳無さであって、殺された人間への申し訳なさとかは無かったわけで。 その他、登場人物の中で、ホームレスが殺されたことに関して、悲しみ、怒りなどを誰も表現していません。 結局、製作者(原作未読なんで敢えて原作者とは言いませんが)の意識の中での、ホームレスの命の価値は、トリックのための「道具」であり、それ以上でもそれ以下でもないんでしょうね。 酷いなあ。全く無関係な全く罪の無い人間が殺されながら、そのこと自体の重さが全く表現されないって。 人の命の重さが身分によって当然のごとく判断される(あるいは判断以前に無意識に区別される)映画が大ヒットして、そのことに違和感を持つ人間がほとんどいない……… [DVD(邦画)] 1点(2010-05-31 11:57:43)(良:8票) |
2. ヘルタースケルター(2012)
《ネタバレ》 最初に、窪塚さんと哀川さんと綾野さん、それから寺島さん(女優の方)(笑)がすごくうらやましかったです。役柄とはいえ、エリカ様とあんなことができるなんて。 キャスティングが全ての作品。エリカ様と同等、あるいはそれ以上のルックスを持った女優がいないわけじゃないし、またこのリリカと同一視されてしまうような少しマイナスのイメージを世間的に持たれている女優も他にいる。 だけれども、リリカにふさわしいだけの説得力を持ったルックスの持ち主で、なおかつリリカと同一視されるようなマイナスイメージを持った女優さんは、今平成24年7月14日現在で、エリカ様以外ありえない。 だから、キャスティングでエリカ様を起用し、取りあえず映画を完成させ、そして今日にいたるまで上映中止になるような問題を起こさせなかった段階で、製作者、監督の成功、勝利。自分が描いたイメージとおりの女優を使い、イメージ通りの映像を作れたわけだから。 しかし、たとえルックスだけを消費する側とは言え、5年も6年も彼女のファンを続け来た者にはちょっと悲しい。 あと、女性の監督、脚本家って男性じゃ考えられないくらい同性にシビアですね。上記のエリカ様の扱いもですが、「神様は女性に若さと美しさを与えて奪い取る」(不正確失礼)なんて台詞を言う役回りの配役を、かつて美少女アイドルだった頃のオーラの欠片もない鈴木杏にするとか、男性にはそんな残酷なこと絶対できない。 [映画館(邦画)] 7点(2012-07-14 14:03:35)(良:4票) |
3. ピンチランナー
《ネタバレ》 押尾学さん再逮捕記念ということで、久しぶりに見ました。(おそらく、今後2度とテレビで放映されたりすることはないでしょうw)●● これって、そもそも映画でしょうか?編集完了前のフィルムがそのまま出てしまったのでは。 画面の中に、撮影中の他のカメラがはっきりと映りこんでる映画って(絶句)●● 那須さんの経歴調べてみました。東大の経済学部を卒業して、日活入社。この時は、映画が相当好きだったんでしょうね。その後、ロマンポルノ、ビーバップシリーズ、湘南爆走族、そしてデビルマン、ま商業映画の監督としては、そこそこ成功された方だと。●● 別に商業映画の監督だから見下すつもりは全然ありません。塚、しっかり観客をを楽しませる能力さえ持っていれば、独りよがりのサブカル系の監督より、はるかに上だと思ってます。●● ただこの映画撮影されてる時の那須さんって最早、プロ意識さえかなり磨耗してたのでは。そうでなくては、カメラが映っちゃってる画面カットしないわけがない。(飯田の手振りもそうですね)●● ただ、もちろん那須さんが全て悪いわけではなくて、企画自体に問題があったのではとも思います。●● 映画の撮影のために、地方自治体に駅伝大会を主催してもらって、実際に出演者が走る姿を映すって、いったい誰がそんなお馬鹿な企画を考え付いたんでしょうか?●● そんなことをしたために、出演者の見苦しい走りぶり、ジョンソンの手振り、一緒になって走る見苦しいヲタ達、上記のカメラの映り込み、全てが発生したわけで。●● 今まで、いくつもマラソンや駅伝をテーマにした映画、ドラマありますけど、そんな馬鹿な撮影方法の映画他にはなかったでしょう。(あったら大変で、40キロ走らされたら、江口さんとか、どうかなっちゃったでしょうねw)●● 多少の経費節減、宣伝効果はあったかもしれませんが、常識のある人間の集まりだったら、普通企画段階で却下されると思われるんですが。 とにかく、未完成品のまま出荷されたという時点で、史上最低の映画だと確信します。 [ビデオ(邦画)] 0点(2010-01-03 11:29:02)(笑:1票) (良:3票) |
4. 魔女の宅急便(2014)
《ネタバレ》 小芝風花が実に可愛い。もう画面に出てきた瞬間萌えまくって、あとはにやけっぱなしなので、まともな評価はできないと思いますw ただ、街中に広まった悪い評判も、嵐の中の無謀ともいえる飛行も、必ず上手くいくとわかってる予定調和もそんなに悪くはないかなと。 誰もが金、暇かけて不愉快な思いをしたくないわけで [映画館(邦画)] 10点(2014-03-01 16:49:31)(良:3票) |
5. SPACE BATTLESHIP ヤマト
《ネタバレ》 (数少ないよかった点)一部BGMとか制服とかキャラクター設定とか(佐渡先生を女にして、本来の佐渡先生的人物を徳川機関長にしちゃうのは許容範囲)、懐かしい台詞「急いであわてず正確に」とか「地球か、なにもかも」などを生かすとか、デスラーの声優に伊武さん起用など原作への最低限のレスペクト、宇宙空間に限定してのCG、目立たない役柄の割に可愛杉て絶えず眼を惹いた相原(笑) (駄目な点)原作者として犯罪者の名前がクレジット(民事裁判の判断がどうあろうと、松本零士原作とされた方が絶対イメージいいって。これだけメジャーな作品でそんなこと許されるんなら、ひとつ屋根の下再放送してよ(笑)、艦内に画面が切り替わったとたんいきなりしらける学園祭の演劇レベルのセット、宇宙の広さ、旅の困難さ、ガミラスの強大さをまるで感じさせてくれないストーリー展開、特に中枢部を攻められても、せいぜい数百人の雑兵部隊がワラワラとわいてくるだけで、たった一台のアナライザーや数人の人間に防がれてしまう適当さには失笑。 (最悪、絶対許せない点)やたら、目つきの悪い、ぶっきら棒な森雪。(ま、黒木メイサ、ここまで好みに合わないのを確認できたのは、ある意味収穫だけど) 船体が逆さまになった時しか使用されないはずの第三艦橋に配属(爆笑)される死亡フラグ立ちまくりの浅利君(案の定、即死亡)、と彼が死んだことで盛り上がって子作りに励む主役二人。(黒木メイサってよほど子供作るの好きなんだなw) [地上波(邦画)] 3点(2012-04-14 10:20:48)(笑:2票) (良:1票) |
6. 人間の証明
《ネタバレ》 クライマックス近くの犯人の「日本デザイン大賞授賞式」での独白。ここは感動するところなんでしょうが、大爆笑してしまいました。いや、話してる内容そのものも結構むしゃくしゃなんですが、それでもここまでストーリーを追ってきたもの、あるいは事件の全容を知る刑事たちには、それなりに感慨もあるでしょう。でも、あの会場にいた全く事情を知らない人々にとってはどうですか?有力代議士夫人でもある有名デザイナーが大賞を受賞する。そしてその第一声が「息子が死にました」w。そしてうつろな目をしながら、その息子は私が殺したと言ってみたり、あるいはいきなり西条八十の詩を朗読しだす、あげくがむぎわら帽子を人生に例えて熱く語りだす。何にも知らない人にしてみれば、この人緊張のあまり少しおかしくなったんじゃないと思うのが普通だと思いません?だから自分も当然、観客のそういう反応を予想し観てたら…… みんな、こんな、訳わからない話に感動して拍手喝采。この映画のリアリティの無さを象徴するようなシーンに声を上げて(一応勤務中なのにw)大爆笑してしまいました。 この頃から薬物の影響を受けていたかもしれない製作者ご本人以外は、みんなこんな馬鹿らしさ当然気がついてたと思うんですが、周りが怖がって自分に対する客観的な評価を一切与えられなくなった独裁者って、かえって気の毒ですね。 5点は仮。原作を読んでから再評価 [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-03-09 13:06:42)(笑:3票) |
7. ソラニン
《ネタバレ》 企画段階で失敗だった映画というのも珍しいですが、まさしくこの映画はそうです。 もともと映画化の企画があって宮崎あおいを選んだのか、あるいは宮崎あおいの主演作としてこの題材が選ばれたのか?いずれにしろ、大失敗でした。一旦動き始めた企画というのは、取り返しのつかない事実が判明しても止められないんでしょうか? ま、ストーリー自体が「現実の仕事はくだらないよ(っていちゃもんつける前にホッチキスくらい決まった位置につけろよな。w)人間好きなことして生きてければいいんだ、それ以外の生き方は駄目だよ的な陳腐で陳腐でしょうがないテーマと、人を殺せば感動を得られると思ってる駄目な邦画の典型みたいな流れ、二人とも無職で生活が不安な様子が画面から全くわからない脚本・監督の無能さ」で成り立ってたんですが、それでも宮崎あおいの演技があまりに上手で、表情があまりに良くてなんとか終盤までは脱落せずについて行ったんですが…… 最後のライブシーンがね。一番感動を盛り上げなければならないところで、あの歌唱力は……………。 もちろん、女優としての宮崎あおいの魅力、能力に歌唱力なんて全く関係ないことは、言うまでもありません。しかしながら、少なくともあのシーン、ライブハウスで大勢の観客から喝采を受け、感動させるだけの歌の魅力、全くありませんでした。(塚、テレビを壊すくらい否定したグラビアアイドルより下手だったら、もうその時点で映画のリアリティ終了でしょ) 歌唱力、声量の乏しい女優が、余技としてCDを出したり、それをファンが喜んで買ったりするのは別に問題はないと思います。(塚、自分がやってますw) だけど、映画の中で歌の力で人々を感動させる役をやっちゃまずいでしょ。短期間のボイストレーニングで何とかなると考えたとしたら、映画と音楽の両方を舐めきってると思います。 自分が大好きな女優の映画を、しかも封切りの第一回で見に行って、こんな不快ななんともいえない思いをするとは予想すらしませんでした。 がっかりです。 [映画館(邦画)] 6点(2010-04-03 17:03:47)(良:3票) |
8. BUNRAKU ブンラク
《ネタバレ》 今の自分にはこういう映画は、困るんですよ。一見駄目映画で、ところが見てみると案外面白いってのは。こういう嬉しい驚きを体験しちゃうと、またそれに出会いたくなって何十本も駄目映画を見ることに。 出だしはまったく期待薄だったんですよね。いかにも適当な設定、あからさまに作り物の背景。いつものごとく出鱈目な日本描写。ところが、一旦見始めると、ところどころ意外な「本物」が。例えば、ガクトと菅田さんの間で交わされるきちんとした日本語の会話。いかにもバタ臭い女優さんが出てきて、駄目かと思えば口を開けば、これまた案外しっかりした日本語が(彼女、日本育ちのハーフだそうですね) もうこの時点で 好感度大です。(わざわざ日本を舞台にしながら韓国人に日本人役をやらせて怪しげな日本語を話させてたカーレース物の映画と比べればどれだけ、こちらがいいか理解していただけるかと) あと、ガクトの剣道がインチキくさいハリウッドアクションじゃなくて、最低限日本風になってたのもよかったです。 そして、何よりも良かったのが、どんなに強くても、こちらが少数であちらが多数なら勝つことはできない(広場)、そして敵の数の力に対抗するにはこちらも数の力が必要(敵の本拠)、このごくごく当たり前なんだけど、映画では簡単に否定されがちなリアリズム大好きです。 デミ・ムーアが最近の馬鹿役じゃなくて、年齢相応の落ち着いた役になってたのもかなり嬉しかったな。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-07-25 16:08:59)(良:3票) |
9. 関ヶ原
《ネタバレ》 映画鑑賞後、帰宅して真っ先に、ホームページを開いて時代考証を担当した方の名前を探しました。でも載ってませんでした。エンディングの字幕で一生懸命観たんですが、残念ながら自分の記憶にはないお名前でさっぱり残りませんでした。メモでもとりゃあ良かったなあ。 少なくとも私がすぐわかるような歴史学者はこんなとんでも映画の時代考証なんてまあ引き受けなかったのも当然といやあ当然で。 ある程度以上関ヶ原に興味がある歴史好きなら、石田三成が七武将に追われて家康の屋敷に逃げ込んだなんて馬鹿話が大嘘であることはもう常識レベルなんですが。そんな非常識を堂々と映像にしてしまう時点で、まずこの映画のレベルの低さが如実に表れてると感じました。(もうよほどその段階で席をたとうかと) まあ、このことに比べれば、小早川が西軍の別の武将を追い出して松尾山に入りほぼ東軍寄りの姿勢を最初から鮮明にしていたこととか、北政所が必ずしも家康側であったわけではないことなどはそこまで確定した事実じゃないんで我慢しますが。 それじゃあ、全くのフィクションとして楽しめるかっていうと、それがまた。三成の主張、立ち位置がバラバラで。最初から豊臣家に忠誠を誓う人間で、その意味での「義」なら全く問題が無いんですけどね、秀次の処刑を義に反すると非難し、秀吉の治世も義に基づくものではないと必ずしも肯定しない人間が、秀吉が死んだらいきなり豊臣体制を守ることが義であり、そのために徳川家康を排除すれば義の世の中になるって、あんたブレブレじゃないですか。それともなんですか、勝ったら自分が実権を握り「義」の世の中を作るってか?もしそうならわかりやすく表現してもら寝ないと 歴史好きな人、あほらしいか立腹されるかと だからお勧めしません 歴史にあまり詳しくない人 登場人物の説明とか実に不親切で多分ご理解できないかと というわけで、薦める対象がない駄目映画 [映画館(邦画)] 4点(2017-08-28 17:15:45)(良:3票) |
10. 燃えよ剣(2020)
《ネタバレ》 「ゆきは今宵乱心します」いいですよねえ。思わず原作を探してしまいました。下巻の184ページです。参考までに。 それと同じくらい 「なにを口に入れているのです」「いいえなにも」「すると、お雪さんの唇は自然(じねん)に甘いのですか」(下巻181ページ) ここの部分も大好きでした。 実は、ストーリーとか台詞に関して、原作がずいぶん大胆に改変されていて、まあ、それは限られた映画の時間を考えれば覚悟の上だったんですが、そこに時折加えられる上記のような珠玉の司馬テイスト、悪くない、本当に大好きです。いや、むしろ司馬遼太郎ってこういう面もあったんだなって何十年ぶりに再認識させていただけたくらいで。 この監督関ケ原の印象があまり良くなかったんで、若干迷いがあったんですが見て良かったです。(まあ、自分の人生の書、第一位が映画化されて見ないわけにもいきませんし、ちなみに第二位は宇宙の戦士 三位以下は未定w) オリジナル部分も七里の処理とかそんなに悪くはなかったし、エピソードの取捨選択、メリハリもまあまあかと。(もちろん、騎馬でピストル振り回すのが、土方が学んだ西洋兵法かよとか、五稜郭のあの段階であんなに兵隊残ってませんとか、突っ込もうと思えばいくらでも突っ込めますが、敢えて避けます) ただ、キャスティングだけは、どうしても残念。土方、近藤、お雪、沖田、あと松平容保、慶喜 おっと忘れかけた芹沢鴨、ここらあたりは、最高申し分ないんですが他がちょっと。まず他の方も触れてられたけど、源さんが年寄りすぎます、あと加齢による認知力不足を棚にあげて言わせてもらうと、出番があまり多くない脇には、もう少し知名度が高い俳優を使ってもらわないと。ぶちゃけ原田と永倉の区別が最後までつきませんでしたw。全くお笑いの必要がない映画に、わざわざお笑いの人を起用するのも意味不明です。(使うなって言ってるんじゃないでよ、ハンサムスーツ大好きでマイレボリューション聞きながら通勤する人間がそんなこと言えるわけがない) 上記で我が人生第一位の書とかいいながら、実は何年も読んでない。できたらもう一度読み返してから再度鑑賞したいです。 [映画館(邦画)] 7点(2021-10-18 19:31:55)(笑:1票) (良:1票) |
11. IAM A HERO アイアムアヒーロー
《ネタバレ》 普通に面白かった。特に冒頭近くの日常が非日常に変化していく街頭のシーン、邦画にありがちな安っぽさをまるで感じさせず、そうかと言って洋画とは一味違った非常にリアリティのある無秩序さ。もうあのあたりからぐいぐい引き込まれて、そのままのテンションで最後まで見ることができた。 主人公の覚醒を本当にじれったいくらいぎりぎりまで引っ張ったのも良かった。 あと、女優好きの自分としては長澤はまあまあ、それよりも有村を最初からなんのわだかまりもなく素直に可愛いと思えたのが収穫。 (思えば、あまちゃん放映時、若春子のけなげさが結構好きで、過去パートも楽しんでたのに、ヒロインを演じた女優に肩入れするあまり彼女が不遇なのに、なんで有村ばっかと自分でも理不尽だとわかってるわだかまりをずっと引きずってきたのは自分でも馬鹿だったかなと。ヒロイン女優に対する気持ちの整理がほぼついた今、素直に有村の魅力を認められるのはちょっと嬉しい。さあ、観るぞ、有村映画w) 書き忘れて追加、自分が一番つぼにはまったのは、有村のスマホの2ch?に出てた、赤ん坊のころ階段から落として足を不自由にした妹が扉をがんがん蹴ってるんだけど、あけてあげようと思ってる っていうような書き込みでした。皆さんお気づきでした? 映画はそりゃ映画館で見るのが一番に決まってるけど、こういう細かいところに気付き確認できるのは録画したものを観賞するならではの楽しみですね 最後に、鉄腕麗人さん、あなたのレビューを見なければ多分、こんな面白い映画見なかったと思います。ありがとうございます。 11月19日点数のみ8→7 [CS・衛星(邦画)] 7点(2017-03-05 18:30:11)(良:2票) |
12. シェーン
もちろん、単純に西部劇として見ても面白いんだけど、それよりも農場主夫婦とシェーンの関係性、心理描写がたまらないなあ。ドキドキするほど面白い。 もう初対面からあからさまにどんどんシェーンに魅かれていく妻、その気持ちに気づき自分も魅かれながらも、夫との友情を大切にするシェーン。 妻とシェーンの間の感情に気付きながらも、決してそのことに反発せず、それどころか万が一の時は、妻をシェーンに託してもいい、いやその方が妻も幸せじゃないんかと実は考えてる寝取られ気質の旦那(失礼w) こちらの方が牧場主との争いよりもよほど面白い。旦那とシェーンの最後の殴り合い、まあシェーンの側には善意しかないけど、旦那の側には人の妻をよろめかせやがってという恨みがなかったとは言えまい(笑) あと、敵役にも3分とは言わないまでも2分ぐらいの理を持たせたのもいいなあ。 これ、現在にも通じる問題、紛争ですよ、元から住んでいる人間の既得権を後からやってきた人間が法や数の力で踏みにじっていくっていうパターン。 無残に殺される彼の姿に多少の同情を感じました。 [DVD(字幕)] 10点(2019-10-26 18:02:28)(良:2票) |
13. アヒルと鴨のコインロッカー
《ネタバレ》 つくづくネタを知らないで見ることが出来て幸せだったと思える映画です。 実は、前半はかなりイラつく映画でした。意味不明な登場人物が繰り広げる、意味不明な行動。勿体ぶった意味不明な台詞。実は大嫌いなサブカル系にありがちのパターンと誤認しかかってあやうく観るのを中断しかけました。 それが一旦後半部分に入ると!!!!! 今まで意味不明と思われたことが、全てきちんと伏線になってて回収されていく面白さ、気持ちの良さ。 これだけ前半と後半の印象が違う映画も珍しいです。 あと、すごく泣ける映画でもありました。 死ぬ寸前に、逃げていく犬をじっと見つめてそれから閉じられる琴美の大きな目、 恋人と唯一の友人を失い、ずっと部屋に閉じこもり二人の残した声だけを何度も何度も聞いて過ごしてきたドルジの耳に聞こえてきた椎名が歌うボブ・ディランの歌。(ああ、思い出しただけで泣けてくるw) ただ、すごく残念なのがやはり一度目と二度目以降では、どうしても面白さに差が出てしまうという点ですね。 もちろん、一度観てそれで評価すべきという考え方もあると思われますが、自分にとってほんとに好きな映画というのは、何度も何度も繰り返してみるものなので。 できるものなら、何かのはずみでこの映画に関する記憶だけ失われたら、こんなに幸せなことはありません。w 22年2月8日追記 思いが高じてDVD購入しました。 実は、一番最初のシーンさえ注意深く見ていれば、ネタとか完全にわかったということを発見しました。 あと、メーキング映像が秀逸。監督がどういう意図を持っていたか、俳優がそれをどう受け止めてどう変えていったか。これほど映画の理解を深めるメーキングに出会ったことがない。(塚、今まで買ったDVD映画がたいていアイドル女優物だからw) もちろん、正統的な映画の楽しみ方とはずれてることは重々承知ですが、この映画が好きな人には是非お勧めです。 [DVD(邦画)] 9点(2010-02-01 11:49:14)(良:2票) |
14. TRICK トリック 劇場版2
《ネタバレ》 最近の映画で、あまりにあからさまな人種差別とか、男女差別、あるいは職業差別が平然と描かれることは滅多にありません。(描くなというのではなくて、描くならそれなりの意味が必要と言いたいのですが) しかし、たった一つ残った、しかも公然と堂々と行われる差別が、地方差別、田舎差別です。 どうして、田舎に住んでいると言うだけで、21世紀の現在に古くからの「因習」を守って生活したり、あり得ない信仰を持ったり、あげくが自分の村が消えたとか簡単に信じるとか、ギャグの対象になるようなものすごく低レベルの存在にされなければならないんでしょうか?理解に苦しみます。 ただ、山田と上田のキャラ設定とか、スチュワーデス物語のパロディの小ねたとか、多少は笑えましたが。 [DVD(邦画)] 3点(2010-07-26 11:18:20)(良:2票) |
15. ラスト サムライ
《ネタバレ》 かなり突っ込まれてる方が多いようなんですが、そもそもこの映画を日本を描いたものとして見るから引っかかったり、不快になったりするんですよ。 この映画は日本を描いたものではありません。ハリウッド映画によく登場する「ジャパン国」という国を描いたものです。以前から位置がよくわからないという疑問がありましたが、この映画を見てどうもオーストラリアの東方に位置するらしいということがわかったのは収穫でした。(ちなみに芸者がアクロバットをしたり、原っぱで作戦を練ってパールハーバーを攻撃したのも当然この国ですし、ロサンゼルスで「二つで充分ですよ」といってるのもこの国からの移民です。) ただ、反乱軍の首領が首都に屋敷を構え、堂々と会議に出席したりとか、この国の過去の有様に関してはまだまだ疑問も残るので、今後もハリウッドの映画を通じて学んでいきたいと思います。 [地上波(吹替)] 3点(2009-12-27 12:10:08)(笑:1票) (良:1票) |
16. 梟の城
《ネタバレ》 映画が企画先行で作られた場合、どれほどの駄作、失敗作になるかといういいお手本。 流れとしては司馬遼太郎氏死亡→「じゃ、それにちなんで彼のデビュー作でも映画にしようか」といようなものがありありと感じられ、映画製作者に原作から何を感じたかとか、どのように解釈したかとか、とにかくそういう情熱が一切感じられない。(多分、この映画の脚本書いた人は、他の司馬氏の小説と一切読んだことが無い人じゃないかな。 そうじゃなければ、伊賀と甲賀の忍者の性格の違いとか氏の真骨頂なのに完全省略とか) 実際に何が行われたかというと、ただ単に氏の小説の題名がついた映画を作り、内面をほとんど省略して粗筋だけを登場人物になぞらせ、しかもその粗筋さえ、複雑すぎて処理できない点はごく粗雑に改変。こんな映画、司馬氏にささげて欲しくなかった。 映画という産業が営利を目的にしてることは、別に否定しないし、逆に営利を度外視した独りよがりのサブカル系の映画には嫌悪を感じるほうなんだけれど、ただそうであっても、あるいは逆に営利を目的にしてるからこそ自分達の商品にもっと熱意を持って欲しい。別に映画に限った話じゃないけれど [CS・衛星(邦画)] 1点(2011-05-19 17:28:43)(良:2票) |
17. プライベート・ライアン
《ネタバレ》 まず、誰もがおっしゃるオマハビーチでの迫力ある戦闘シーン、それから最後の方の、ミラー大尉が敵戦車に向かって拳銃を撃ち続け、もう駄目だと思った次の瞬間…… この二つだけで戦争映画ファンとしては見る価値ありで、8点は確定です。 あと思ったことは・アメリカ本土で、あの兄弟のことを発見したおばさんは、ものすごく優しい善意の人だと思います。ただ、戦場というものを全く知らない彼女の、善意、優しさのために死ななくていい人が何人か……・ミラー大尉は任務を遂行してというような受け止め方をされてる方が多いようですが、単純にそう言いきっていいでしょうか?ライアンが死ななかったのは、あくまで偶然、僥倖です。本当に任務を遂行するつもりなら、ライアンを拘束、強制しても連れ戻してこそ、本当の任務遂行と言えるんじゃないでしょうか? 平成24年10月22日追記 少し上記とダブりますが、やはりミラー大尉の行動は間違ってるし、ライアンは少なくともあの場ではた「よく」なかったと考えざるを得ない。端的に言えば、たかだか4台の戦闘車両と50人の兵士からなるドイツ軍部隊が橋を越えて逆襲してきても重大な結果を引き起こしたとは到底考えられないし(そのことを結末の連合軍の戦闘爆撃機の編隊と大部隊の出現が如実に示してるわけで)、また少なくとも全然別の任務で訪れ、なぜか一切の情報手段を持たないミラー大尉が、橋を突破されることが重大な結果になると判断できる材料もない。命令を受けているわけでもなければ、戦略的な見地から絶対免れないわけでもない、そんな戦闘、しかもかなり不利な戦闘にミラー大尉が部下を引きずり込んだのは、単に感情レベルでライアンに動かされたから。人の命を預かる指揮官としてあまりに幼稚じゃありませんか?しかも、そんな行動を英雄的なものと描く映画のトーンもおかしい。ライアンに銃突きつけて拘束して帰れよって思ったのは自分だけかな。少なくとも兵士が将校に向かって「その命令は聞けません」というのが重大な規律違反だし、合理的な理由もなく兵士の感情に動かされてしまうのは、将校失格、指揮官失格だと思うのですが。 [DVD(字幕)] 6点(2010-01-01 11:47:44)(良:2票) |
18. セブンティーン・アゲイン
《ネタバレ》 高校生へ結婚まで純潔を保てという説教が、ギャグじゃないのに驚きました。 まさかアメリカ映画でそんなものを観るとは! ブッシュ共和党政権の8年間で、アメリカがどれほど保守化したか実感することができたのは観たかいがあると思います。 (ただ、自分自身が高校生でできちゃった結婚してる親父が、そんな説教たれても説得力には大いに疑問を感じます) どんな勢力がどんな意図で映画というメディアを使おうが勝手なんですが、どうせならもっと上手に作らないともったいないな。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-07-21 10:26:04)(良:2票) |
19. パッセンジャーズ
《ネタバレ》 現実世界でないことは、早いうちからわかってました。クレアの立場の不明確さ。 ペリーの立場もよくわからない。飛行機会社の人だって、受付カウンターで働くような人があちこち、ウロウロと。まるで現実感無し。 だけど、こういう落ちとは思いませんでした。塚、姉の方が死んでると予想してたので。だから、いささかの驚きはあったんだけど、感動は?と言われると困る。 (このさき重大なネタバレあり) 死んでしまったのに納得できない人に、素敵な思い出が与えられ、やがて身近な人が迎えに来る。 欧米人のように来世とかあの世を100%信じてる人たちには、ぐっと来る話なんでしょうかね。 ただ、自分のように完全な無神論者には、「ああ、せっかく恋が芽生えかけたし、姉とも和解できただろうに、これじゃ可哀想杉」くらいの感想しか浮かばす、感動までは行きませんでした。 久々のハサウェイで期待して見たんだけど、ちょっとがっかりです。 ただ、とても綺麗なことは変わりないのでその分加点で、かろうじて7点 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-24 18:39:57)(良:2票) |
20. 大脱走
《ネタバレ》 どこが面白いかは、たぶん私より前の300人によって語りつくされていると思う。個人的には脱走してからの方がよりスリルがあって面白かった。マックィーンのオートバイ、 バスに乗るときの尋問での最後の「グッド・ラック」、逃げおおせたとほっとしたロジャーに背後からかかる声。見所はいくらでもある。 しかし、私はこの映画に無条件で10点をつけることはできない。どうしてもストーリーの背後に見え隠れする「自分達は絶対の正義」「ドイツは絶対悪」「正義対悪の戦いだから、ルールなど守る必要はない」「しかしながらドイツ側がルールを守るのは当然である」みたいな、ある意味極めて身勝手な考え方がどうしても我慢できないから。 今回改めて戦時国際法をじっくり調べて見た。確かに捕虜の逃亡は、ある程度、当然の行為とみなされ、一定の処罰の対象とはされるものの死刑は正当化されない。 だからこそ、ラムゼイは脱走者の死亡に対して憤然たる態度を取り、また所長は申し訳なさそうな態度を取ったわけで。 しかしながら、軍人が私服を着たり、場合によっては敵国の軍服まで着ている事実が、 まるで問題のないように描かれるのはどうだろう。 それから、バートレットの目的は、単なる逃亡では無い、敵のかく乱行為=戦闘行為である。国際法ぎりぎりの戦闘行為を行いながら、それで処罰されたら相手を鬼畜生扱いは、あまりにも子供じみていないか?だいたい絶対倒さなければならない「自由の敵」(バートレットの言葉)が、必ず国際法を守ると無邪気に信じる発想がわからない。 最後に、彼らの大部分は空軍兵士であるわけだが、彼らによって焼き殺された非戦闘員には、捕虜になって命を守る機会など一切無かったことだけは忘れないで欲しい。 [DVD(字幕)] 7点(2010-09-09 18:41:54)(良:2票) |