21. ギャンブラー
《ネタバレ》 アルトマンの映画鑑賞にはコツがある。 群像劇の名手なので、サイドエピソードも主役級のドラマ性があるのだ。 だから、メインストーリーが曇りがちである。 だが、本作、群像劇ではなかった。 ギャンブラーなどと言うタイトルなので、マックィーンの「華麗なる賭け」のような内容と思いがちだが、 経営の話だった。 明治頃のアメリカの経営話は、怖いねぇ・・汗 暴力でケリをつけるお国柄だったんだね。 日本のヤクザ映画みたいなことを企業がやってたら、そりゃ、ビビりますって。 ラストは、ニューシネマらしい締めだった。 [DVD(字幕)] 7点(2024-04-10 01:19:53) |
22. 逆転のトライアングル
《ネタバレ》 この話は、イタリアの映画「流されて」に似ている。 舟と、漂流した島で、立場が逆転するというのは、この話が発明したモノではない。 まぁ最近の映画らしく、いい意味でまとまってて、無理も無駄もない。 よくできてる。 さぁ、今後の展開はどうなるのか? トイレ掃除のおばさんの天下は、終わったわけだ。 助かった後のことまで計算しなきゃならない時代なのかね、まったく。 人間を見る目が嫌らしくなっちまうが、仕方ないね。 今、上にいる人間が、襟をただしてくれればいいよね。 いつどうなるか分からないから・・ そんな教訓話。 [DVD(字幕)] 7点(2023-12-16 20:57:22) |
23. キッチン(1989)
《ネタバレ》 ゲイたちの生活の中に女が入ってくる。 そこから生まれる森田監督らしい微妙な緊張感。 森田監督は、怖がってる距離に色々詰め込んで、映画にする。 コウイチは言う。 「距離があるから特別になった」 ん?と思う。 が、ラスト、本当に特別になった! おめでとう!コウイチ! [ビデオ(邦画)] 7点(2023-08-07 01:50:58) |
24. きつね(1983)
《ネタバレ》 問題作になったらしいですね。 でも、少女とおじさん。 平成のオタクには人気出るんじゃないかな? 「ゴンドラ」が伝説の作品になったくらいだから・・ 本作は、まだ綺麗です。可憐です。 [DVD(邦画)] 7点(2022-11-02 23:33:24) |
25. 京都太秦物語
《ネタバレ》 地元のデパートで京都物産展があった。 その時、そこに出店していた団子屋のおばちゃんと色々話した。 京都には、いろんなみたらし団子の店があるという。 僕が食べた団子屋のみたらし団子は、3年寝かせた醤油だれにつけた素朴な味だった。 団子は柔らかな硬さの味で、男性に人気があるという。 なるほど、この映画のヒロインそのものだ。 柴又の団子とは、またちょっと違って、味わい深い。 [DVD(邦画)] 7点(2022-09-11 01:12:51) |
26. 菊とギロチン
《ネタバレ》 大正時代、関東大震災直後、社会主義思想者たちの 魂の叫びを女性相撲士たちが受け止め、もがき苦しむ話。 いつの時代も。社会の不条理は、 弱い男にしわ寄せが行き、それを女たちが受け止め、 権力者たちと戦う構図は変わらない。 [DVD(邦画)] 7点(2022-05-20 14:49:55) |
27. 喜劇 愛妻物語
《ネタバレ》 監督は自分のことを書いたんだろうか? 面白いけど、あざとい気もする。 大久保みたいなキャラはそうそういないので、 あり得そうで、あり得なさそうで、やっぱりありそうな話。 濱田岳が最高にはまり役。 ひょっとして、この役をやるために、俳優になったのでは? と、思えてしまう。 ちょい昔なら竹中直人が演じていたところだが・・ [DVD(邦画)] 7点(2021-08-10 23:40:31) |
28. 君の名は 第三部
《ネタバレ》 う~ん、俺の心が歪んだのかなぁ・・ あまり気持ちのいい映画には思えなかった。 俺はやっぱり歪んでるな(笑) 断然、淡島千景のほうが好みだな。 カツノリのエピソードは、「冬のソナタ」に似てるね。 おばさまたちの韓流ドラマファンって、かつての日本映画への心の郷愁だったのかもね~ [DVD(邦画)] 7点(2020-07-26 22:17:16) |
29. 君の名は 第二部
《ネタバレ》 さぁ、この二人の男女はどうなるのか? と思ってみてたら、カツノリの子どもは流産するわ、アヌイ娘のフミは 摩周湖に身投げするわ・・ しかもフミの騒ぎの後に、帰京する真知子に「帰したくない」とか言ってのける春樹。 でこの話のラストに、二人は結ばれるであらうか、と来た。 こりゃ、あんたたち、結ばれても良いことないって!!! 韓流ドラマのほうが、まだ命を大事にするって! うわ~、暗澹たる気分で最終話へ。 唯一の収穫は、こんなにカッコいい笠智衆見たことない(笑) [DVD(邦画)] 7点(2020-07-25 19:00:00) |
30. 君の名は(1953)
《ネタバレ》 旦那の浜口がつまらん。 そもそも真知子が心に思ってる男と、二人を添い遂げさせたいと、 真知子に付きまとうこと自体、ナンセンス。 そんなんほっとけばいいんであって、 人の恋路を邪魔するやつは・・というやつだよ、これ。 あれかな~、戦後、意のままならぬ男女関係が多くて、 お坊ちゃんの浜口は、真知子に光を感じて、惹きつけられたのかな~ でも浜口がいなければ、スムーズに真知子と春樹は、一緒になれたんじゃないのかな~ さて第2部は? [DVD(邦画)] 7点(2020-07-25 15:55:03) |
31. 記憶にございません!
《ネタバレ》 三谷節が良く弾けてる。 まず大筋が面白い。 記憶喪失のまま、総理大臣を続ける。 そして国をいい方向に向けていくべく、周りがサポートする。 そして最後はホロリと来るラスト。 器用に大河ドラマも、歴史も政治もこなすが、 彼の、ありえない状況から来る笑いは、日本映画に新風を入れてくれて、 今ではお馴染みの監督になった。 [DVD(邦画)] 7点(2020-07-11 22:28:28) |
32. 教誨師
《ネタバレ》 見応えあった。 大杉版「デッドマンウォーキング」といったところか・・ 最初は罪のある人たちとの空疎なやり取りが続く。 が、彼らの処世術が徐々に出てき始め、大杉演じる牧師の罪が洗い出される。 この辺の俳優たちの演技は見事である。 結局、観てて、その辺の常人の方が羽目を外してるよ、と思わされる。 最後の死刑囚の一人の宝物のグラビア写真に書かれた言葉。 「あなたがたのうち、だれがわたしにつみがあるとせめうるのか」 向こう側の人、こちら側の人、人間は小さい存在だ・・ [DVD(邦画)] 7点(2019-07-20 13:45:28) |
33. 恐怖分子
《ネタバレ》 「クーリンチャ」が最初のエドワードヤン体験だから、 この映画と言い、「台北ストーリー」と言い、明るい映像に意外さを感じた。 音楽を使わないのは、相変わらずだが・・ 今まで貧困に苦しんでた台湾が、一気に経済が回る国になったことで、 抱くようになった、社会への不安を映画化するエドワードヤン。 このタイトルの恐怖分子とは、その社会の不安を顕在化させる人物がすなわち社会の恐怖「分子」なのだ。 映画は2人の女性に焦点をしぼってる。 1人は美人局まがいの交友をする不良少女。 もう1人は作家の女性だが、本来の夫を大事にせず、不倫を重ねる女性。 いずれも近代化が進むにつれ、生じたキャラクターである。 エドワードヤンは、この社会の変わりようから来る人間の変化に本当に嘆いていたようだ。 [DVD(字幕)] 7点(2018-12-22 23:40:11) |
34. 気狂いピエロ
《ネタバレ》 さてゴダールものである。 以前「右側に気をつけろ」を観て、さっぱり意味が分からなかったので、 今回は理論武装して、挑んだ。 当時の映画のあり方に批判的、実験的に模索していたのがヌーベルバーグである。 ゴダールの本作は、その代表ともいえる作品で、実験的かつ政治的メッセージをこめた代表作である。 今では、政治的メッセージを込めた実験映画は、数多く創られていて、youtubeなどでも散見される。 本作では、男女の会話で、それらしきことがほのめかされるだけだが、当時は衝撃的だった。 ストーリーはまったくない?(原作があるみたいだけど・・) ただ当時のアメリカのベトナム戦争や、世界を変えつつあった消費文化を 風刺しつつ、シネマスコープのスタイリッシュな映像で男女の逃避行が描かれる。 (男女の逃避行と言えば、「俺たちに明日はない」だが、この作品の2年後である) 筋を追って、観ていたら、何が何だがさっぱり分からなくなってしまうとこだろう。 「勝手にしやがれ」はまだ映画として成立していたが・・ まったく「ゴダールには気をつけろ」だ(笑) ※「ゴダールに気をつけろ」という映画本がありますね。図書館ででも見てみようっと。 [ビデオ(字幕)] 7点(2018-12-06 17:01:40) |
35. 北国の帝王
《ネタバレ》 この映画、ビデオで持ってたんだけど、カビてしまった・・(泣) いやぁアルドリッチの映画はイイよねぇ。 ほんと、ただ乗りと、それを阻止するだけの話なんだけど、 胸を張って、ただ乗りしてるリーマービンがカッコいい。 もはや伝説で、下層階級の人たちのヒーローなんだね。 もうね、新聞やテレビには出てこないレベルの話なんだよね。 アルドリッチって下積みが長かったか、生活が苦しくて、いろんな職業してたのか・・ 映画学校出には描けない男の話を創るのが、アルドリッチなんだねぇ。 ボーグナインがまた敵役として、よく似合う。 彼は、情け容赦なく、仕事を完遂する鬼にピッタシ。 こんな骨太の映画は、いまアメリカ映画には観られないね、残念。 むしろアジアから、こんな映画が出てくるんじゃないかという予感。 [DVD(字幕)] 7点(2018-11-21 22:35:45) |
36. 鬼畜
《ネタバレ》 清張映画。 これ、子どものときに放映当時に何かでCMやってて、それが強烈に自分にインパクトを与えたんだよね。 子どもが3人ブランコ乗ってて、小さな子からいなくなっていくというCM。 子供心にぞ~っとした。 この年になって、ようやくその気になる映画を観た。 邪魔になった子どもを一人ひとりいなくなるようにしていく映画。 実話なんだってね。 一番ひどいのが、長女の女の子。 東京タワーで一人きりになってから、どうなるんだろう? 出てくる女性が二人とも怖いくらい人の血が流れてない。 お金の問題やら、旦那の浮気した子どもだからとか・・ 情けないくらいダメ男の緒方拳。 でも理由があるんだよね。 この男も子どもの頃にあちこちの家を押し付けられてたという過去が・・ 清張映画は、事件を起こす人間にも理由があるということを最後の方で言うんだよね。 [ビデオ(邦画)] 7点(2018-11-06 17:26:14) |
37. 希望のかなた
《ネタバレ》 アキカウリスマキって、どん底の人世をそれでもハートは失わないって味だよね。 それが本作でも出てる。 難民問題を描いてる。 そこでふとカウリスマキって社会派なんだって気がつかされた。 ユーモラスなニュアンスがあるから、気がつかなかったよ。 日本が好きなとこは相変わらず。 そういえば日本の歌謡曲がながれる監督作(「過去のない男」)もあったね。 でもマッティペロンパーが出ないと、カウリスマキ色が薄くなるね。 似た俳優使ってるけど・・ [DVD(字幕)] 7点(2018-10-06 22:24:15) |
38. gifted/ギフテッド
《ネタバレ》 非常にだれることのない、面白い佳作。 このDVDの予告編が映画のストーリーを見事に言ってのけてたので、 終始、安定した気分で観られた。 それも面白く観られた原因かも・・ 確か次のような解説が予告編であった。 「一番大切なのは人を愛する才能でした」とか・・ ネタバレもたまにはいいか(笑) [DVD(字幕)] 7点(2018-09-16 00:57:09) |
39. 疑惑の影(1943)
《ネタバレ》 ヒッチコックの得意なパターン。一緒にいる男性が実は?って演出は「断崖」でも見られた得意なサスペンス。でもこの映画、ヒッチコックが一番好きな映画という話もあるけど、「映画術」という本によれば、そういうわけではないとヒッチ自身が言ってる。ただ一緒に組んだ脚本家のワイルダーの才能にはすごく惚れ込んだと言ってる。確かにこの映画は女性が実に魅力たっぷりに描かれている。ホンがしっかりしてたんだろうね。彼氏の刑事が意外に出番がないのは、残念。ヒッチコックはこの主人公の女性は、生涯この哀れな犯人を愛しているだろうなんて言っている。観客の自分としては、刑事とうまくやるのかなぁなんて思ってたので、この発言は意外だった。 [ビデオ(字幕)] 7点(2017-08-20 00:31:43) |
40. キングコング: 髑髏島の巨神
《ネタバレ》 CGがスゴイので観ました。キングコングが女性に弱いのは、全編共有のようで・・。サミュエルジャクソンみたいのが上司だったら、嫌だな~(笑) [DVD(字幕)] 7点(2017-07-25 01:06:38) |