1. イエロー・ハンカチーフ
《ネタバレ》 不器用な生き方しかできない男が、長い年月を経て再び愛する妻のもとへ帰るというストーリー。とかくドライな現代にあってはファンタジーになってしまいそうではある。 ふたりの愛が長い年月を乗り越えるには、相応の何かがあるはず。極々普通の人間が社会でもがきながら生きる中で巡り会い、惹かれあい結ばれることを納得させるだけの何かを描かなければならないと思う。しかし本作ではそのあたりが山田版に比べ弱いように感じる。その原因はウィリアム・ハート演じるブレッドの性格付けが若干淡泊であることかもしれない。高倉健演じるところの島勇作のような内から迸る生きるエネルギーのようなものがあまり感じられないため、メイがそこまでブレッドに惹かれた理由が余り伝わってこない。 とはいえストーリーそのものが大変魅力的でることに違いはなく、ラストシーンではグッと来るし、全体に流れる穏やかな空気にも癒される。山田版に感銘を受けた人は見比べてみるのも面白いと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2011-02-13 11:02:15) |
2. イントゥ・ザ・ワイルド
《ネタバレ》 彼は現代文明における価値観、その意味を、自分の剥き出しの魂でもう一度再確認したいという思いで旅に出たのだろうと思う。 しかしそれは彼に限らず若い頃に多くの人が通る道でもある。 たまたま彼が不幸にも遭難死してしまい、その足跡が手記に残されていたところから多くの人々にその存在を知られることになった。 「現代社会の価値観を否定と言いながら結局はその社会に甘えた身勝手な自分探しの旅」という批判も確かにある。 しかし僕はこんな生き方もあって良いと思う。 もし彼が遭難せずに生還したら、どうだっただろう。きっと彼はやがてこの世の中と折り合いを付け、彼なりの人生を歩んでいったのかもしれない。 この作品が高い評価を受け、原作がベストセラーになっているというのは、彼の生き方に自分を重ねたり、憧れを感じる人々が多いということなのではないだろうか。 かくいう自分も彼ほどの行動力も思慮も無いのだが、魂を揺さぶられるような感動を覚えた。 [DVD(吹替)] 8点(2010-12-09 13:11:50) |
3. イーグル・アイ
《ネタバレ》 現代はユビキダス社会などと言われているが、その行き着く先を暗示させるような内容。 着眼点はなかなか面白いと思うのだが、いかんせん時代設定を今現在に持ってきたので無理がある。 いくら監視カメラから自動車からインフラからあらゆる機器がネットワークで繋がっているとはいえ、目的のためにタイミング良くそれらを自由自在に操ってしまうのはフィクションとはいえ現実感を失わせる。 また、FBI捜査官に性格俳優ビリー・ボブ・ソーントンも出演しているがちょっともったいない。 [DVD(吹替)] 6点(2010-12-09 12:59:43) |
4. インセプション
《ネタバレ》 夢の世界が何層にも別れていて夢の中の夢と深くなるにつれて非現実的で体感時間が長くなるというアイデアは面白い。その層を上下しながら進む物語はコブ自身の妻との葛藤も絡んでいて一筋縄ではない。 コブがつくったという3層目のビルが乱立する世界は自分の夢に見た世界と似ていてゾッとさせられた。 ただ、それ以外の部分は少し物足りなさが残った。折角の非現実世界なのにハリウッドお得意の銃撃戦ばかりでは芸がない。もっと不条理で想像力を刺激されるようなアイデアやビジュアルが欲しかった。確かに街が裏返ったり突然列車が現れたりなど驚かせるところはあるが。。。欧州出身監督でリメイクされたらだったらもっと違った風味の作品に仕上がるかも。ジャン=ピエール・ジュネあたりが監督したら非常に面白い作品になるかも知れない・・・。 [映画館(字幕)] 6点(2010-12-08 02:07:47) |
5. インベージョン
《ネタバレ》 うん、どこかで見たテーマだ。ジャック・フィニイのSF小説『盗まれた街』、2度映画化された「ボディスナッチャー」のリメイクであるらしい。オリジナルは未見。 主人公キャロルを演じるN・キッドマンは、一緒に借りた映画「ブレイブワン」の主人公エリカと同じくひとり危機に立ち向かう大人の女性。年齢は若干ジョディ・フォスターが上だが、こういう40代の女性が活躍できるテーマが成立するハリウッド映画は邦画よりも大人と言うことか。もし邦画で同じテーマを扱うとしたらひよっこアイドルの20代女優を使うだろう。 フォスターと比べてしまったが、キッドマンは人形のような美しさに助けられてはいるものの、フォスターほどの生々しさはない。熱演ではあるが、どこか醒めた空気が漂うのは気のせいか、もしかしたら彼女が本作に乗り気では無かったのだろうか。(メイキングで「監督は情熱的だけどデリカシーがないって言ってたっけ (笑)) ダニエル・クレイグも小粒な本作にはちょっともったいないかもしれない。 物語は「ヒドゥン」や「ゾンビ」的な要素もあるが、エイリアンに乗っ取られてはいても無表情になるだけで余りインパクトがない。原作が古いというのもあるが、もはやこういうテーマは飽きられており、随所に今日的要素を入れ込もうとはしているが無理矢理感が漂う。 [DVD(吹替)] 5点(2008-03-17 14:33:36)(良:1票) |
6. イカとクジラ
90分もない短い作品ですが、観ていてとても疲れました。かつて愛した人への感情的な鬱積、言葉の行き違い、喧嘩、生々しい性への欲望、とてもリアルで誰もが身につまされると思います。しかしこれを映画にして人々に見せるだけの価値があるのか、意味があるのかがわかりません。自分は誰ひとりとして感情移入できる登場人物も無く、虚脱感とイライラだけが残りました。 [DVD(吹替)] 5点(2007-06-22 11:53:32) |
7. 硫黄島からの手紙
日本人には重く、息苦しく、辛い映画。「父親達の星条旗」に続く本作も、イーストウッドらしく淡々としている。画面に繰り広げられるのは阿鼻叫喚の地獄なのに、ドラマチックに盛り上げようとは決してせず、突き放しているようで、実は暖かい目線を忘れない、静かな映画だ。そして美術考証の細かな違和感など吹き飛ばしてしまうような全体を貫くしっかりした物語の骨組みと質の高い映像、演出が見事というほかない。本作の批判に「戦勝国」である米国が、いくら敗者の視点に立とうとしても、それは傲慢であり、偽善に過ぎないというものがある。太平洋戦争に限らず、戦争によって傷ついた人々が再び和解することは長い時間と大きな苦痛を伴うし、許せないという気持ちもわかる。しかしイーストウッドが投げたボールを僕は受け取りたいと思う。硫黄島では、現在、日米双方が参加して合同の慰霊祭を行っている。これは世界の戦場を見渡しても例のないことだそうだ。そして、この二部作。日本人も、米国人も、これは試されているのではないだろうか。国や民族同士が戦うということ、駆り出された人々の傷、そして和解。島で斃れた日米の兵士達は身をもって「考えよ」と諭してくれているような気がする。また、第三国の人々もこの映画を観て、今自分たちが憎しみをたぎらせて争っている相手が、本当に悪魔なのかということを、少しでいいから思いやってみる事が出来ればと思う。 [映画館(字幕)] 10点(2006-12-14 16:09:12)(良:1票) |
8. インサイド・マン
《ネタバレ》 こういう映画はどれだけ現実の犯罪としてリアリティを持たせることができるかが勝負となる。「こんなこと実際不可能だろう」とか「どこそこをああすればすぐばれちゃうだろう」などと突っ込みを入れられたら最期なのである。この映画の最大の穴は、最後に残った犯人が倉庫の壁を細工して一週間こもっていたというもの。材料は?寸法はどうやってわかった?トイレはどうしてた?など、あまりに無理があって、ここで興醒めしてしまうのだ。 [DVD(吹替)] 6点(2006-11-10 20:25:08) |
9. イントゥ・ザ・サン
セガール氏はどんどん日本語が下手糞になっていくなあ。昔見たときはもっと喋れてたんだけど。思うのだが、彼はアクションスターとしては素晴らしいが、製作まで手を出さないほうがいいのでは。折角長年住んだ日本を舞台にしたのに、もうトホホな出来で、最後まで見るのがかなり苦痛でした。日本の一流どころの俳優も出演しているのにもう気の毒なくらい。皆さん仰るようにVシネマに毛が生えた程度のものですね。唯一救いといえば、あまりに頓珍漢な日本描写は少なかったという所かな。 [DVD(字幕)] 2点(2006-04-13 20:56:01) |
10. いま、会いにゆきます
《ネタバレ》 自分にはあまりピンときませんでした。記憶を失った澪が少しずつ巧や裕司と心を通わせていく過程がちょっと淡白で、彼女の心のひだがよく見えませんでした。巧にしても、死んだはずの最愛の妻が突然姿を現してあんな遠慮がちだというのもよくわからない。自分だったら最初は戸惑うだろうけど、きっと感情を抑えきれなくなると思う。澪と巧は大きな何かによって運命付けられていて、出会うべくして出会い、きっと澪が早くに死んでしまったのも、大きな力(存在)によって決められたことなのかもしれないけど、梅雨の短い期間、彼らの元に戻ることによって何が変わったのか、それほどまでに超自然的な力をもたらすほどに再び出会わなければいけなかったのはなぜなのか。結局自分には伝わってきませんでした。さらにエンディングのオレンジレンジのミスマッチな曲ですっかり現実に引き戻されてしまいました。 [DVD(字幕)] 6点(2005-06-21 20:21:59) |
11. イン・アメリカ 三つの小さな願いごと
家族を持っている人にはたまらない映画かもしれない。自分は独り者なので自らの人生に重ね合わせることが出来ないのが残念だ。巨大なNYの片隅で家族が運命に翻弄されながらも強く生きていく。これぞ人生。きっとこういうドラマは大都会のあちこちで繰りひげられているんだろうなと思う。しかしマテオの役回りがちょっと都合よすぎるようで気になった。最初は荒くれ者で、一筋縄では行かない男だと思っていたのに、子供達に随分簡単に心を許してしまうところに違和感が残った。 7点(2004-07-06 12:28:18) |
12. インファナル・アフェア
友人に薦められてみました。香港映画はあまり観ないのだが、こんなに質の高い映画が作られているとは・・・。邦画も頑張って欲しいが、こういう重厚感は何故かでないんだよなあ。なんでだろう・・・。 8点(2004-03-12 04:34:44) |
13. 愛しのロクサーヌ
ダリル・ハンナがきれいです。スティーブ・マーチンは笑いをまじえながらも、なかなかいい演技をしてると思います。 7点(2003-12-14 23:05:27) |
14. インナースペース
ミクロの決死圏のリメイクですよね。その当時なりに視覚効果もバージョンアップされてたけど、やはり初代のインパクトにはかなわないかな 6点(2003-12-14 07:54:29) |
15. インデペンデンス・デイ
予告編で観た超巨大宇宙船、期待したんですがねえ・・・。アメリカ人にとっては面白かったのかな。 3点(2003-12-12 16:35:46) |
16. インビジブル(2000)
物凄く期待したのにかなりがっかりさせられてしまった。もっと軽い気持ちで見ればよかった・・・ 4点(2003-12-12 11:27:50) |
17. インディ・ジョーンズ/最後の聖戦
続編は大抵パワーが落ちるけど、スピの演出力で踏みとどまったって感じかな。 6点(2003-12-12 11:27:31) |
18. インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
冒頭のタイトルバックでもう全身鳥肌たちました。理屈抜きで楽しめる映画。 7点(2003-12-12 11:27:06) |
19. インソムニア
ロビン・ウイリアムスはミスキャストだったのでは・・・ 6点(2003-12-12 11:26:36) |
20. いまを生きる
姉夫婦にこの映画の前売り券あげたんだよな。何であげたんだかよく憶えてないんだけど。 6点(2003-12-12 11:26:03) |