1. 白い風船
いたってシンプルな話だが出てくる大人や子供の態度からなんとなくイランという国が伺えるようで興味深かった。 子供が困っていてもそうそう甘い大人ばかりじゃないというところが現実的。最後の子供達の態度もイスラム社会じゃアラーの神の思し召しとか言って、人の親切や施しも当たり前のことで別段お礼を言うほどのことじゃないっていうことなんでしょうか、、? 住む世界が違えば暮し方も考え方も違うっていうのは当たり前のことだけど、日本に住み異文化体験の乏しい身ではなかなか理解しかねるようなエピソードにちょっとびっくり。右往左往した騒動の末、目的を達成した兄妹はとっとと消え、親切な風船売りの少年が一人残されて座り込んでる図、というのはなんだか寂しい感じが漂う。 6点(2004-10-02 15:36:26) |
2. 12人の優しい日本人
二転三転するストーリーも面白い上、進行と共に12人の陪審員のキャラクターも少しずつ明らかになってくる、さらに陪審制度の危うさなども盛り込まれて良く出来た脚本だと感心する。 全員無罪の中、一人「話し合いましょう」と言って有罪を力説して皆を説得する序盤から、畳み掛けるような会話やギャグの数々はいかにも三谷幸喜らしい。 有罪が多数になり決定寸前でなお無罪を捨てない2人あたりからは急激にサスペンスフルな盛り上がって見事な展開になっている。 この経過を見ていただけの私もこの事件が有罪か無罪かと共に考え、結論を出したような気分になっているし、陪審員の立場も裏表共に明らかになっている。 見る者をここまで引き込み、オリジナル以上にひねった話をコメディタッチで見せきったのはうまい。ただもともと芝居向きの脚本だと思うけど、セリフまわしや演技も時に芝居じみてるのが少々気になった。 8点(2004-06-05 11:41:50) |
3. シンドラーのリスト
誰がなんと言おうとこれだけの作品を作ってしまうスピルバーグ監督は天才だ。この撮影当時は「ジュラシックパーク」の撮影と同時進行して撮っていたというから信じられない。あえてモノクロにして、この当時のナチの言葉にできぬほどの非道行為をドキュメンタリーのように描いて見せる。戦争地域以外で誰もこんな現場を知ることはできないが、映画を見ることで多くの人がこの狂気を目の当たりにして嫌悪し、おぞましく思い、二度と繰り返してはならないとの思いを強くするだろう。シンドラーという一人の人間を通して奇跡的に救われたユダヤ人、救われなかったその何千倍ものユダヤ人、監督自身がユダヤ人であることでこの時代を記憶にとどめるべく渾身の思いを込めた映像に心から感動した。あの印象的な赤いコートの女の子は実在の人物で実話、他にも登場する子供の話は実話で、当人が撮影風景を見てそのままだと言ったそうだからエピソードの数々は限りなく真実に近いものがあるのだろう。最後に生き残った人たちがシンドラーの墓に俳優と共に石を置いていくシーンに涙が止まらなかった。今頃レビューを書いたので「戦場のピアニスト」を見るまでは、戦後ではこれが最高のナチ・ユダヤものだった。ポランスキー監督の作品は一人のユダヤ人の視点から見たもので、これも本作以上に監督の執念が伝わって圧巻だった。 10点(2003-12-21 17:14:00)(良:2票) |
4. 真実の瞬間(1991)
レッドパージ当時の映画関係者の苦悩を伝える映画。これにまともに焦点を当てたというだけでも意味がある。しかし作品からはそのメッセージがやや弱い気がして、ちょっと物足りない感じがする。赤狩りの中心人物は確かFBIのフーバー長官。かのケネディ暗殺事件でも名前が取りざたされたというきな臭い人物ではなかったか・・映画界にとってこの時は本当に有能な人物達が失われた、悔やみきれないほど残念な時代だった。 7点(2003-06-05 22:18:25) |
5. 十二夜(1996)
いい作品だと思います。イギリス映画らしい品があって俳優がうまいし。イモジェンヌもヘレナもちょっとユーモラスで楽しい。二人とも、特にヘレナはどの作品に出てもとても魅力的で好きな女優さんです(特に声が好き)。他の方が言ってたように、男女の双子の設定ですごくよく似てるので違和感がない。すったもんだの末のハッピーエンドで後味もいい。 8点(2003-05-13 21:28:53) |
6. ジャンヌ・ダルク(1999)
ミラは熱演でいい女優だと認識したけど、ジャンヌ像がねぇ・・「信仰深き聖女」というより、なんだかヒステリックな聖女になってしまってるのが・・ 5点(2003-05-13 21:15:54) |
7. 17歳のカルテ
この映画からは少女たちのそれぞれの心のうちがリアルに伝わってくる。リサを演じたアンジーは実在のリサその人のようで、これ以降アンジーを見ても本当にリサのような人に見えてしまう。ウィノアはじめ他の少女たちにカリスマのような影響力があるリサの役以上に強烈な印象。ちょっと病的で複雑な少女たちの心理をここまで鮮やかに描いているのが素晴らしい。オズの魔法使いの映画が流れ「大事なものはいつも身近に」など、そこかしこにハッとするセリフや印象的なシーンがたくさんある。病的でなくても現実で落ち込んだり傷ついたりした時に見ると、より一層感じるところがあるかもしれない。 8点(2003-05-13 20:43:51) |
8. ショーシャンクの空に
アメリカではあまり珍しくないらしい、無実でのなが~い刑務所づとめ。理不尽な仕打ちにも耐え続け、ようやくスカッと意趣返しをして脱獄に成功する。やったねっ!という爽快な展開で、ラストも約束通り再び巡り会う男の友情の後味の良い幕切れ。ここまで諦めずに耐えた末の開放感だから、肩入れした主人公と一体化した爽快感はこの上なく心地いい。刑務所内での様々なエピソードといい、長い物語を全くだれることなく、無駄なく十二分に満足のできで見せてくれる。 10点(2003-05-13 13:28:22) |
9. Shall we ダンス?(1995)
そうですよね、ヒロインは魅力的でなくちゃぁ。セリフは素人だから大目に見て、ここでは立ち姿の美しいこと、ダンスシーンが絵になることが一番のポイントかと。それにしても役所さんてホント、真っ白な人ですね。どんな役をやってもその役に染まってしまう。ここでは平凡なサラリーマンそのもので、脇役の芸達者な皆さんと共にとってもいいアンサンブルでした。ショボイ邦画を元気にしてくれた久々の大ヒットでしたね。何度見ても面白くて元気になれる、爽やかで大好きな作品です。 9点(2003-05-13 13:18:49) |
10. ジャック
ほんとにこういうふうに人生を早回しするみたいに年を取る、早老症という病気の人のドキュメンタリーを見たことがある。子供なのに年寄りのような顔で痛々しくて、とてもここのロビンのような丈夫そうな状態ではない。心と体のアンバランスな苦悩を言いたいのだろうが、実際の病気を知ると、こんなもんじゃない、と共感できなかった。こういう人たちがいる、ということを知らしめることは出来ただろうけど誤解を招きかねない。 5点(2003-05-13 13:07:51) |
11. シャイン
天才音楽家である主人公をJ・ラッシュがとっても好演しているし、脚本も素晴らしい名作。父親は息子を愛しているが、いつまでも自分の内へ囲い込もうとするエゴがある。強圧的で一方的な愛は息子を苦しめ狂わせ、愛さえも失ってしまう。息子はむろん痛々しいが、こんな愛情しか表現できなかった父もまたさみしい。ピアニストは精神を病んでから、好意を示してくれた女性の胸をやたら触りたがる。愛情に飢えていたのだと分かり、これもまた痛々しい。しかしレストランでピアノを弾いて皆に認められることで立ち直ってゆく。オーストラリア人って実におおらかで素晴らしい。日本じゃとてもこうはいかない。さらに彼を愛し、受け入れてくれる女性に支えられリサイタルを開くまでになる。ラストのこのシーンで万来の拍手を浴び、感極まって涙を流す主人公と同様、私も感動の涙、涙だった。どんな時でも人は認められ、受け入れられることで生きていけるのだと痛感した。 9点(2003-05-13 12:43:19)(良:1票) |
12. ジュマンジ
次から次へとトンデモナイ危機が訪れる。はちゃめちゃだけど、発想がおもしろい。CGも良くできてたし、ロビンもはまり役だったしね。夢やスリルがあって、大人から子供まで一緒に楽しめる。 7点(2003-05-12 22:07:56) |
13. ジュラシック・パーク
あの恐竜の迫力、CGの助けなしには作れなかったでしょうね。まるで恐竜時代を目の当たりにするようなリアルさでした。はらはら、ドキドキのシーンの連続で映画の中に体ごと引きずり込まれました。ホント素晴らしい映像技術でしたねぇ。子供も大人も楽しませてくれるスピルバーグ監督、大好きです。 9点(2003-05-12 21:59:01) |
14. シティ・オブ・エンジェル
なに、この泣いてくださいって言わんばかりのストーリー。しらけて泣くどころじゃない。もう見え見えなんだから!大宣伝で誘われて、時間もお金も損した。もう駄作を見る余裕はないから、いつも厳選してるつもりなのに失敗した数少ない作品なんです~ 2点(2003-03-10 23:14:58)(笑:1票) |
15. シックス・センス
ラストのビックリより良かったのは、死者が見えちゃうことが言えなくて、母親にも理解されずにいたハーレイ君が、車の渋滞の時におばあちゃんとのエピソードを話すとようやく理解される。このとき驚いて泣くお母さんがいいです。ここの感動のシーンがあったからただのホラー以上の作品になった。一人で恐怖に耐えるハーレイ君はどんなに怖かったでしょう。 彼の演技は本当にうまいと思う。あとあんなに仲の良かった妻がなぜ冷たくなったのか、彼は撃たれてからどうなったのか、というのも伏線が張られてて二度以上見るとなお面白い。 8点(2003-03-10 22:58:42)(良:1票) |
16. 6デイズ/7ナイツ
冒険アクションもの・なんだろうけど話が面白くない。冒険アクションならもっとワクワクさせて欲しい。最後に麻薬取引の海賊とアクションとか、壊れた飛行機を直して無人島脱出なんてイージーだし、、私は劇場で見たんだけど、ハズレ映画はツライ・・・ 3点(2003-03-10 22:40:53) |
17. シザーハンズ
手がはさみの人造人間ってな発想がすごいファンタジー。白塗りおちょぼ口のディップの純情さが可愛い。いつも脇役だけど、ダイアン・ウィーストが好き。ここでも人のいいおばさんです。ティム・バートンの頭の中ってどーなってるのかしら?いつも奇想天外で楽しませてくれるから大好き。はさみの手で素晴らしい紙きりをしたり、植木カットをしたりのシーンも楽しい。 8点(2003-03-10 21:44:25) |
18. シコふんじゃった。
久々に日本映画が元気になった1本。何度見てもおかしくてホロリとする。マイナーな相撲でこういう見せ方をするなんて発想がすごい。個性的な役者たちもみないいし、モックンが相撲に目覚めるにつれ、逞しく成長していくのも見てて気持ちがいい。周防監督しばらく便りなし、何時かいつかと次回作を待っているんですけど・・ 8点(2003-03-10 21:31:15) |
19. 始皇帝暗殺
見たときは大作らしい作りがそれなりだった気がするが、記憶が薄れるのも早かった。コン・リーの存在感と、大きなプール?での暗殺シーンくらいしか思い出さない。 5点(2003-03-10 20:53:58) |
20. JFK
真実を知りたい。で、本も読んでこの映画を見てかなり真実に近いところに迫っていると思われた。アメリカではタブーに近い扱いになっているのもおかしい。それをあえて真正面から取り上げ、映画にした製作者、監督は偉い!一種の問題提起ね。大統領の暗殺という大、大事件なのにあの程度で捜査を切り上げるのは何かあるとしか思えない。冷戦時代に外交政策に軟弱と思われていたケネディを抹殺したい反対政治勢力のあったことは事実であろうと思う。コスナーは熱演賞。 9点(2003-03-06 23:18:19) |