61. スーパーマンIII/電子の要塞
スーパーマン自体の人間性の不安定さはある意味このシリーズの魅力であり、ストーリーの展開的にはなくてはならない要素なんだと思う。今作でもそれは顕著に現れており、クラーク・ケントのバカ男ぶり一喜一憂させられる。 [地上波(吹替)] 4点(2009-06-24 15:40:35) |
62. スティーブン・キング/ランゴリアーズ<TVM>
テレビ映画なので、全編通して映像的なクオリティは低いが、スティーブン・キングの斬新な原作によるストーリー展開はさすがに見応えがあった。時限と思想を超越するそのストーリーはとても興味深かった。あまりに陳腐なランゴリアーズのCGには笑ってしまうが、作品としての説得力はあった。 [地上波(吹替)] 5点(2009-06-24 15:11:27) |
63. 推定無罪
全体的に地味な仕上がりだったので強い印象はないが、ラストの意外性は興味深かった。ストーリー的には秀逸なサスペンスが軸なので、描き方にもう少し工夫があれば、もっと良い映画になっていたかもしれない。「推定無罪」という邦題はサスペンスフルなインパクトがあり良いと思う。 [地上波(吹替)] 5点(2009-06-23 23:12:58) |
64. スネーク・アイズ(1998)
冒頭の長回しなどのカメラワークには、さすがブライアン・デ・パルマと言わせるレベルの高さが見られたが、映画全体の出来としては何とも言いがたいものが残った。ストーリーを完全に理解しきれていないのかもしれないが、結局何が起こったかということが最終的に見えてこなかった。伏線につぐ伏線に対するラストの答えの意味も分からなかったので、もう一度見直したいと思う。 [映画館(字幕)] 5点(2009-06-23 23:09:05) |
65. スニーカーズ
派手さはなく印象は薄いんだけど、観た段階では楽しめた記憶がある。特技を持った個性的面々が集まって成し遂げるこの展開は好きなので、もう一度見たい。 [ビデオ(字幕)] 5点(2009-06-23 23:06:04) |
66. スターゲイト
壮大なSFロマンの要素は所々に見え隠れ(?)するので、楽観的に見れば楽しく観れると思う。そこまで細部まで要求できるレベルの映画ではないように思うので、楽しく観れればそれで良しではないかと。 [地上波(吹替)] 5点(2009-06-23 23:05:35) |
67. スラムドッグ$ミリオネア
クイズ番組が好きだ。 問題に答えるための「知識」は、自分がこれまでの人生の中で生み出した結晶で、クイズ番組はそれを確認できる一つの方法だからだ。 「知識」は、積極的な勉学の果てに得たものだろうが、偶然知り得たものであろうが、その価値は変わらないと思う。 自分だけのオリジナルの人生を経て、結果として“知っていた”ということ、それが最も重要なことだ。 そういう概念を根底に敷いて、スラム街に生まれ育った青年の一つの「運命」を、巧みな映画術で描き出した良い映画だったと思う。 前面的に描かれる“クイズショー”は、インドのスラム街の現状とそこに生きる子供たちの現実を如実に表現するための「縮図」で、出題される問題の一つ一つが、主人公の青年の人生にリンクしていく構成が見事だった。 当たり前の様にゴミ山の中を裸足で走り回り、当たり前の様に孤児になり、当たり前の様に物乞いをし、当たり前の様に犯罪に手を染めていく少年たちには、不思議なくらい陰惨さを感じない。 それは、彼らが自分たちが生きるその環境を「当たり前のこと」として受け入れ、生きる覚悟をしているから。 欺瞞に満ちたクイズショーで大金を手に入れることも「運命」。 銃弾を浴び札束で溢れたバスタブで果てることも「運命」。 そのさじ加減を一体誰が決められるというのだろうか。 [映画館(字幕)] 7点(2009-06-21 23:49:18)(良:1票) |
68. 図鑑に載ってない虫
日常生活の中に実は蔓延している些細な“笑いどころ”を、抜き出し、唯一無二のコメディに仕立て上げる「業」において、今三木聡は独壇場だと言える。 限りなく意味の無い“可笑しさ”のオンパレード。そのストーリーも限りになく無意味に近い。しかし、この監督の作品には、そのギリギリの部分で物語性を含み、感情を生む。 弾けとんだキャラクターたちは不思議な魅力に溢れ、物語が進む程に愛着が生まれる。 結果として、愛すべき作品、愛すべき映画へと進化していく。 しょうもなさや毒々しさを多分に含んだコメディなのに、最終的には何故か小気味良い“爽快感”に包まれる。 これはもはや、新しいエンターテイメントの形と言えるかもしれない。 [映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2009-06-20 21:06:39)(良:2票) |
69. スカーフェイス
個人的にはあまり好きなストーリーではなかったので強く心に残るものはなかったが、若くエネルギーに満ちたアル・パチーノの存在感にはこの後の大俳優への可能性を感じるに充分のものがある。壮絶すぎるラストの死に様は圧巻。 [ビデオ(字幕)] 6点(2009-06-20 20:22:18) |
70. スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする
まさに「狂気」という言葉が相応しい映画であり物語であったと思う。原作は読んでいないが、その濃厚さを伝えるにふさわしい映画世界の造型はやはり鬼才デイヴィッド・クローネンバーグの成せる業だと思う。陰気感に満ちたレイフ・ファインズの演技も安定しており、レベルの高いサスペンスに満ちた作品に仕上がっている。 [ビデオ(字幕)] 6点(2009-06-20 17:44:51) |
71. スペース・カウボーイ
今作の場合、じいさんたちが老体に鞭打って地球を救うために立ち上がるという設定だけでユニークなエンターテイメント性に溢れている。そのご老体軍団を演じるのが熟年豪華スター揃いなのだからビジュアル的にも完璧である。映画自体も非常に楽しめたが、クライマックスがいささか盛り上がりに欠けた感が残った。 [映画館(邦画)] 7点(2009-06-20 17:38:28) |
72. スフィア
スフィアという未知物に対して精神的なアプローチは、非常に興味深く、映画的な面白さに溢れていたと思う。ただ細部がいまひとつ徹底されていないことが、テーマのわりに地味な印象の映画になってしまった要因ではないかと思う。3人のスター俳優のキャラクターや全体的なストーリーは独創的で良かっただけに、ディティールのきめ細かさの無さが惜しいところだ。 [映画館(字幕)] 6点(2009-06-20 17:20:43) |
73. スーパーマンII/冒険篇
宇宙で追放された極悪トリオが地球にやってきてしまうなどアメリカン・コミックらしい展開が楽しめた。そのほかにも娯楽的要素が高い展開が多く、エンターテイメントの名にふさわしい映画に仕上がっていた。 [地上波(吹替)] 6点(2009-06-20 17:11:37) |
74. スパイダー パニック!
大作映画監督であると同時にB級映画監督でもあるローランド・エミリッヒならではのB級テイストへのこだわりが存分に味わえるモンスター映画だった。半端のない巨大グモの大量発生&強襲はB級モンスター映画ファンにはたまらないものだったに違いない。 [ビデオ(字幕)] 6点(2009-06-20 17:05:56) |
75. スーパーの女
今や日本に何千件とあるスーパーの日常に目をつけ、それを1本の映画に仕上げてしまう伊丹監督の力量は流石である。「マルサの女」や「ミンボーの女」などと比べると、舞台が舞台だけに目に見えるほどの毒々しさはないが、身近なものだからこそ迫るブラックユーモアは秀逸だった。ラストには爽快感もあり、面白い映画に仕上がっている。 [地上波(邦画)] 6点(2009-06-20 16:57:04) |
76. スコルピオンの恋まじない
ウッディ・アレンの映画の性質上、女優の役割はとても大きいと思う。この映画もまさにそうで、ウッディに対するヘレン・ハントの女優としてのセクシーさは絶大だ。端役でモロにセクシーっぷりをアピールするシャーリーズ・セロンももちろんセクシーなんだけど、ヘレン・ハントのそれは、何と言うかハリウッド女優として卓越した大人の色気があったと思う。そういう面も含めて、この映画は、とても大人のお洒落感に溢れた作品だ。 もうすっかり“小さなおじいちゃん”のウッディ・アレンだが、それでも自らをもって“男の色気”を表現し続ける様は、もはや見事だ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-06-18 15:23:35) |
77. 砂の器
最後の演奏が終わった後に主人公和賀英良が得た心情はいったい何だったろうか。自分の宿命に対する恨めしさか、悔しさか、恩人である元巡査を殺してしまった後悔か、それとも自分の想いを音楽によりまっとうした達成感か…。おそらくは、それ以上に様々な想いがラストの演奏中に渦巻いていたのだろう。そして、最終的に彼の脳裏を支配したものは、やはり唯一無二の存在である父親の姿であったに違いない。その想いの性質は陽であり陰である。しかし、丹波哲郎の台詞にあるように「音楽の中でしか父親に会えない」彼にとって、その瞬間はきっと幸福だったのだと思う。最近放映されたテレビドラマは観ていないが、主演アイドルのチープな演技、そして物語の核であるハンセン氏病をとりあげなかったことで、絶対的な失敗は容易に想像できる。 [DVD(字幕)] 7点(2009-06-18 15:12:02) |
78. スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
《ネタバレ》 歴史的なスペースオペラの頂なる映画が今完結した。 個人的には、SW自体の面白さに気が付くのが遅く、最近になってまとめてシリーズを見直し感嘆しこの最終作を迎えたのだけれど、それでもこの長き年月に渡って世界中を風靡してきた大作の壮大さと崇高さを感じて余りあった。 公開に際して多くの人々が「泣ける」ということを口にするので、さすがにそれはないんじゃないかと疑問を感じていた。 しかし、すでに分かりきったことであるはずなのに、アナキンがベイダーへと転じジェダイの騎士たちを葬りさっていくシーンでは胸が詰まった。 暗黒面のままに“成すべきことを成し”ひとり涙を流す様には、これまでのシリーズ作すべてを制する感慨深さが滲んでいた。 この映画を観たすべての人が「ほんとうに馬鹿な男だねえ……」という、まるで古い日本映画のよう普遍的な感想を持つはずだ。 普遍的ではあるが、観客が受ける心の揺れは計り知れない。 そうジョージ・ルーカスがその映画人生のすべてをかけて生み出したこの果てしない映画世界は、アナキン・スカイウォーカーという男の人生における愛情と苦悩が幾重にも折り重なった哀しく愛しい“不器用さ”を描くためにあったのだ。 結局、最愛の妻までも亡くしてしまった黒ずくめの彼の最後の叫びは、その後20年余り暗く乾いた闇の中で、静かに静かに響き続ける。 “新たな希望”に出会うその時まで。 [映画館(字幕)] 10点(2009-03-01 23:54:36) |
79. スルース(2007)
《ネタバレ》 尊大な作家と作家の妻の愛人、奇妙な大邸宅内で繰り広げられる男と男の“淫靡”な闘い。 この奇抜な会話劇を織りなす上で、ジュード・ロウ×マイケル・ケインという二人の英国俳優は、それぞれに妖しさと美しさを秘めていてこれ以上ないほど適役だったと思う。 ケネス・ブラナー監督らしい「文体」を意識した映像世界の演出も冴え渡り、会話が頭に流れ込むように展開され、登場人物らの攻防を同じ部屋で目の当たりにしているような感覚を覚えた。 二人の男が発するそれぞれの言動に対し、何が真意なのか、何が虚偽なのか、というまとわりつく“靄”のような雰囲気に終始やきもきしながら、たっぷりに余韻を残すその映画世界を存分に楽しめた。 久しぶりに、ジュード・ロウの変質的な演技を見れたことも満足。 [DVD(字幕)] 8点(2008-10-26 00:49:52) |
80. スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師
暗黒のロンドンで暗躍する理髪師の殺人鬼“スウィーニー・トッド”を、ティム・バートン+ジョニー・デップの盟友コンビで、「ミュージカル」というスパイスをドギツク加えて相変わらずの“特異世界”の中に息づかせた。 鑑賞後まで“スウィーニー・トッド”というキャラクターを知らず、今作はティム・バートンの完全オリジナル作品かと思っていた。 実は創作の殺人鬼キャラクターとしてかなり有名で幾度も舞台化、映画化されていることを知り、ティム・バートンらしからぬ最後まで深い闇を秘めたラストにも頷けた。 全編通して悪趣味かつクオリティの高いビジュアルは、ティム・バートン監督ならではで、そこで惜しげもなく歌声を披露しながら、またもやアクの強いキャラクターを体現してみせたジョニー・デップと合わせて、作品から醸し出される雰囲気に反して安心して観られた。 ティム・バートン監督のパートナーでもあるヘレナ・ボナム・カーターも内にまがまがしい狂気を秘めたパイ屋の女主人を、妖しい魅力で表現してみせたと思う。 狂気に溢れた殺人鬼の物語をミュージカル調で映像化してみせたティム・バートンの力量にはもはや隙はなく、ジョニー・デップの魅力も合わせて概ね満足度は高い映画であると言える。 ただ、今作で6作目の監督&主演コンビとなる彼らの化学反応に、安心感を覚えつつもそろそろ新たな“爆発”を見せてほしいというのも映画ファンとしては正直な心情だったりする。 そういう意味では、題材の強烈さに反して今ひとつ“驚き”はない映画だったかもしれない。 [映画館(字幕)] 7点(2008-01-19 21:25:42)(良:1票) |