Menu
 > レビュワー
 > 鱗歌 さんの口コミ一覧。2ページ目
鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3872
性別 男性
年齢 53歳

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順12345
投稿日付順12345
変更日付順12345
>> カレンダー表示
>> 通常表示
21.  小さな恋のメロディ 《ネタバレ》 
男の子ってのはいつも、カワユイ女の子の方をチラチラ見ているものであって、その視線の先にいるカワユイ女の子ってのは得てして、その男の子以外の「何か」、とてもツマラナイ「何か」を見ているもの、なんです。これは絶対の真実。 なのでこの映画、主人公とメロディちゃんが仲良くなる後半、メロディちゃんが妙に可愛くなくなっちゃうように、見えちゃうんですけどね(※あくまで個人の感想です)。 とは言え、もう私も親の世代ですから、ちょっとハラハラしつつも微笑ましく見守るような、そんな気分にもなりますが。 実際、そんな気分にさせてくれるのに大きく貢献しているのが、周りの少年少女たちのナチュラルさ。その姿をスナップショット的に捉えたカメラの魅力。 大人をギャフンと言わせて自由に羽ばたいて見せるラスト、どうせトロッコをギコギコしながら終わるんだったら、後ろから貨物列車に追われて必死に漕ぎながら終われば、ちょっとは社会の厳しさも思い知って良かったんじゃないの、と(※あくまで個人の妄想です)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-03-31 21:08:35)(笑:1票) (良:1票)
22.  超能力だよ全員集合!!
ユリ・ゲラーの「超能力(笑)」が流行ったら、早速ドリフ映画のネタに取り入れる、という、このフットワークの軽さ、節操の無さ。もっとも、「超能力」というよりは「占い」ですけれども、とにかく、記憶喪失になったカトちゃんが、例によって例のごとくいかりや長さんにイジメられコキ使われる、という展開。カトちゃんがいつ記憶を取り戻すかというサスペンスに加え、アヤシイ新興宗教の暗躍なども絡んできて、結構楽しませてくれはするのですが、肝心のカトちゃんの正体が明らかになるくだりが、本来なら最大の見せ場だろうに、たいした工夫もなくってあまり面白くないのが残念(この辺りでは、長さんの存在感も薄れて、スカスカな感じ)。 本作から志村けんさんがドリフ正式メンバーとして登場し、控えめながらも精一杯体を張って見せるかと思えば、すわしんじさん(クレジットでは諏訪園親治となってましたね)がブルースリーネタを披露してみせたり、ってな辺りは、なかなか貴重。 それにしても、ドリフ映画はやはりドリフ色にすっかり染め抜かれてしまってて、夏八木勲と長山藍子が普通に会話する普通のシーンが一番アブノーマルに見えてしまうのはどうしたことか・・・
[CS・衛星(邦画)] 6点(2019-02-25 21:18:31)
23.  忠臣蔵 花の巻・雪の巻(1962)
八代目松本幸四郎が松竹から東宝に移って、また忠臣蔵映画の主演をやっている訳ですが。会社が変われば映画も変わる。ような、大差ないような。 まあ、どっちかっていうと淡泊な印象です。歌舞伎役者をズラリと並べて歌舞伎調の部分を少し感じさせつつも、基本はあまり時代がかっていない現代的な感じは東宝風(?)。そういや先日、同日同時刻に、大映版とこの東宝版をBS朝日とBS-TBSが放送してて、ザッピングで楽しめる状態になっておりましたが、さて日本国民の何人に一人がそれを楽しんだことやら。というのはさておくとしても、まず一見してこの東宝版、画面が明るいですね。色彩も毒々しくならない程度に豊か。いかにもスタジオ撮影で、見通しがいい。屋外シーンも背景はCG、というワケにはいかないので書き割りが多用されていて(手がかかる割には安っぽくなりがちですが・・・)。 浅野内匠頭が加山雄三、ってのも何だか現代風。上野介の理不尽なイジメを耐えに耐えた挙句、というよりは単に青年らしい無鉄砲さが爆発したような刃傷事件、切腹の場面も上野介の夢の中でサラリと描かれるだけなので、ドロドロした印象はありません。それよりは何しろオールスターキャスト、いろんな役者にいろんな役を回していかないといけないので、ドロドロしているヒマなどありません。お城の明け渡しまでに結構、時間使っちゃったし(花の巻)、後半にエピソードを詰め込んでいかなくちゃいけない。 というワケで、フランキー堺はそんな役でそんなに目立ってていいのだろうか、とか、池部良もチョイ役なのに貫録出しまくってるよなあ、とか、やっぱり三船敏郎はオイシイところ持っていくよなあ、とか、数々のエピソードを贅沢なキャスティングで楽しませてくれるんですけど、その分、浪士の存在がイマイチ目立たなくなっちゃってる、ってのはありますね。みんな押し並べてマジメそうな顔を並べて、あまり個性が出ていない。で、唯一の例外として、このマジメ顔の中に佐藤允が混じってるもんだから、一人だけ目立ってしょうがないんですけどね。 討ち入りシーンも、もう一つ派手さはありませんが、ゴジラテーマ(ただし音型が反行)が流れたら、そりゃ盛り上がらざるを得ない。それでも上野介がなかなか見つからないとなったときには、徒労感のような、あきらめムードみたいな感じが漂ったりして、スペクタクルよりもドラマに力点が置かれているようです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-01-13 14:58:42)(良:1票)
24.  血文字屋敷
いじめにいじめ抜かれた大友柳太朗、ついに逆上し、猟奇殺人に手を染めてしまう。と言っても、この場面では殺人の場面も描かれなければ、大友柳太朗の顔も映らないので、いやこれはもしかすると冤罪、彼とは別に誰か意外な真犯人がいるのでは・・・とか期待してしまうのはヘンなミステリの読み過ぎで、そんな凝ったオハナシではありません。殺人に手を染めたのはもちろん彼、しかも一人殺めただけでは飽き足らず、自分をイジメた連中全員の殲滅を狙ってる、ってんだから、穏やかじゃない。 いやしかし。 ここで意外過ぎる展開が待ってるんですが、大友柳太朗の一人二役で、主人公のソックリさんが唐突に登場。あまりに唐突過ぎて、何かこの瞬間、時空の歪みでも生じたのではないか、と。 なぜここで、主人公のソックリさんが登場する必要があるのかわからず、しかし、これはきっと、ディケンズの「二都物語」みたいなシステムなんだろう、と思って観ていると、半分当たったような、ハズれたような。 ついでに、やけに陽気な大岡越前として、大川橋蔵も登場して。 いや~わけわからん。わかるけど。でもわからん。 素晴らしい。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-01-19 20:04:27)
25.  超高層プロフェッショナル
高層ビル建設工事の、残り9階分の鉄骨組み立て作業を、残された3週間の間に完成させることができるか。美人社長(?)のもと、集まった荒くれ男たちが、さまざまな妨害を乗り越え、不可能ともいうべきプロジェクトに挑む。うわ~、地味な内容。 なーんか、トラック野郎とかを思い出させますね。トラック野郎とアルマゲドンを足して2で割ったような。いやホントに足して2で割ってもこんな映画には到底なりませんけれども。 しかし面白い。いや私だけ言ってるんじゃなく、一緒に観てた小学生の息子も大喜び。地味な内容だなんてとんでもない、実際の高所での撮影はあるし、重機やトレーラーは続々登場するし、そういうものを、こうやって実際に見せてこそのオモシロサ。ラストの痛快さも、まあバカバカしいんですが、こうやってちゃんと見せてくれりゃ、こちらだって興奮するんです。 暴風が吹き荒れる場面の、アホみたいに物が飛んでくる描写。飛びすぎです。でも面白い。 ウチの息子は、「続編が見たい」って言ってるぞ。どうしてくれる。(←まだ骨組みしかできてないのが気になるらしい)
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-04-15 13:15:43)
26.  超高速!参勤交代
超高速!と言うほどスピード感が無いのが残念で、例えば、追っ手から逃げて隠れている最中に何やら身の上話を始めちゃったりするのでは、「敵に見つかるのではないか」というドキドキ感などあったもんじゃありません。 藩の面々は愚直でよいのですが、そこに加わる謎の助っ人・雲隠段蔵は、もっと謎めいていてほしい、クセのある人物でいて欲しい。「結局は、いい人」というヤツですが、その「結局」さ加減が、あまりにスケール小さくって、まるで想定内の人間像に収まってしまっていて。 あと、殺陣も、確かに派手ではあるのですが、これもスピード感という点ではもうひとつ。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2016-11-06 15:31:16)
27.  小さな巨人
「小さな巨人」と言えば、そりゃオロナミンCだろうとか、いやいやミクロマンだろうとか、はたまたグラン浜田だろうとか、色々あるワケですが、忘れちゃいけない、ダスティン・ホフマン。 その彼が、歴史の生き証人として、自分の波乱の人生を語るのですがその内容たるや、なんとも都合よくさまざまな事件や人物に遭遇し、いささか荒唐無稽なのですが、まさにそこに虚構の持つ面白さがあります。そもそも西部劇なんていうのが、すでにこの世に存在しなくなった過去の世界を描く、虚構そのものなんだし、そういう虚構の世界に、真実が宿っていたりもする訳です。 で、この作品の主人公。先住民の仲間になったり、ガンマンになったり、兵士になったり、さまざまな立場に身をおきながら、アメリカの歴史のあちこちにチャッカリ登場する。さらには、出会いがあり、別れがあれば、これまた容易に再会がある。そんな偶然あるかよ、というような再会を当たり前のように繰り返すのは、まさに「虚構」ならではのご都合主義、しかしこの主人公の男にかかってしまうと要するに、アメリカの歴史も広大な土地も、自分の庭みたいなもんなんでしょうな。 で、この超越的な、しかし小さな男は、さまざまな立場に身を置くが故にはっきりした居場所をもたず、いやアメリカそのものが自分の居場所である、というのが彼の立場なんでしょう、だからこそ、大地に根差した生活を送る先住民の立場に比較的近く、また彼の目を通して描かれるこの作品は、白人社会へ批判的な視点を持つことになりますが、それでも何とも言えないおおらかさが作品を貫いていて、大きな魅力となっています。 もし現在の視点で本作を観るならば、(作中でわずかなセリフでしか語られなかった)黒人の歴史ももうちょっと織り込んでほしい、ということになっちゃうのかも知れませんが・・・。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-04-03 11:25:56)
28.  父/パードレ・パドローネ
スパルタ親父のオハナシ。とは言ってもあんまり迫力の無いオヤジさんですが。それに、オヤジさんの出番も必ずしも多くは無いし。あくまで主人公の人生をたどりつつ、でもそこに、オヤジさんの存在というものが、全編にわたって何がしか“引っかかり”になっている。実際、男性なら誰しも、自分が大人になってみると、「あの頃の父親」ってものを、ある種の基準として捉えるというのも変だけど、独特の感慨を持って思い返すもんでしょうし。 過去、自分を束縛してきた父親、父親に束縛されてきた自分の姿を描いた物語ですが、色々と人を食ったユーモラスな描写が楽しく、あまり暗い印象は受けません。まず冒頭、本作の原作者である主人公ご本人が登場し、木の枝から葉を削ぎ落して棒のようなものを作っている。何のためにそんなことをしているのかと思ったら、「父親」役の俳優が現れ、彼にその棒を渡す。原作者が退場し「父親」がその棒を手にドアを開けると、そこは原作者の幼少時の、学校の教室。父が主人公の少年を学校から連れ出し、労働に追い立てるところから、物語は始まります。大人になった主人公が自分の過去を思い返しそれを物語る、という体裁でもあるんでしょうが、同時に、ラストで再び原作者が登場して物語の輪が閉じる印象を出すための準備でもあるだろうし、はたまた、自分を追い立てるための棒を原作者が作り、受け取った父親が「ありがとう」なんて言うのは、父親との「融和」をも少し醸し出しています。 ユーモラスな描写と言えば他にも、映画の中で繰り返されるモチーフみたいなものがあって、羊の乳しぼりとか、音楽へのあこがれだとかが、ひょんな場面、ひょんな形で再登場します。それこそ、かつて近所で発生した撲殺事件までもが、自分と父親とのケンカの場面で引用され、あくまでユーモアで包んで見せる。音楽へのあこがれは、アコーディオンやラジオといった小道具とも繋がってエピソード間をさまざまに関連づけますが、劇中で流れる音楽が(これも小道具のひとつとして)断片的に用いられる印象が強いのに対して、物語が終わりラストのクレジットでは誰にも邪魔されることなくモーツァルトの音楽がよどみなく切々と流れていく(クラリネット協奏曲第2楽章)。映画を締める最高の雰囲気に包まれます。 ・・・それにしても、田舎の子供ってのは、イロイロと、スゴイですな。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-02-07 08:04:44)
29.  チャッピー
そもそも、ロボットにセリフと過剰な身振りで多くを語らせてしまった点で、作品に限界が生じてしまい、本当ならもっと、エピソードやシチュエーションにこそ語らせるべき、なんでしょう。 しかし、こういうノリ、少し懐かしくもあります。何やら、日本版では、元々あった残酷シーンをカットしてレーティングを下げたとかいう話ですが、これも併せて、結果的に、親子で楽しめる作品にはなっております。このチャッピーというロボット、その雄弁さが映画の面白さを損なってしまうのだけど、愛嬌があってわかりやすいっちゃあ、わかりやすい。貧乏な家庭に引き取られて育てられ、最後は鬼退治(?)、現代を舞台にした「昔ばなし」みたいなところもあるではないですか。まあ、何かと犯罪のニオイが漂うキケンな感じは、これは昔話とは異なりますが。 でも、そのキタナいポンコツ感の蔓延もいいし、そこにちょっとファンタジックで哀愁漂う描写を入れるのも悪くない。政治的メッセージなんぞどうでもよくって、コレやっぱし、親子で楽しむ映画、でしょう。
[ブルーレイ(吹替)] 6点(2016-01-04 09:16:25)
30.  沈黙の要塞 《ネタバレ》 
当時、淀川さん(だったかな?)に、今回なぜ自分で監督をしたのか訊かれたセガール、「他の人に任せたら、ドナイサレルカワカランから」と答えておりましたが、ご本人は一体、本作をドナイシタカッタのでしょうか。まず冒頭の石油火災の場面で、タバコをくゆらせ、しかもその吸殻をポイ捨てする我らがセガール。大胆というか無神経というか、要するに「この段階ではこの主人公はまだ環境問題に目覚めてません」ということなのか。いずれにしても、敵の攻撃により瀕死のところを、イニュイットに命を救われたセガール、変なクスリでもやったのか怪しい幻覚を見た末に、環境テロリストとして生まれ変わる(いや大して変わってないけれど)。環境のためなら、破壊、殺戮をいとわぬ主人公。彼のスゴサを知る敵も、ほとんどワケのわからない喩え話で彼を絶賛しまくり、その割には単に脇が甘いからセガールに施設に侵入され、破壊の限りを尽くされているだけのような気もするのですが。で、ここまでやった主人公は二度と日の目を見ることはできないだろう、などという心配はもちろんご無用で、涼しい顔で環境を守ろうと訴えるセガールの姿がそこにある(そういや、やっぱり似たような時期だったと思うが、、アントニオ猪木議員が大学の学園祭に呼ばれて行った講演のタイトルが「プロレスと環境問題について」だったなあ、と関係ないことを思い出す)。まさにこれぞセガール。セガールがやらねば誰がやる、まさに彼の真骨頂ですな。・・・って、セガールさん、やっぱり本作をコナイシタカッタ、ということで、本当によろしいのでしょうか?
[CS・衛星(吹替)] 3点(2015-06-14 10:22:01)(笑:2票) (良:1票)
31.  血と怒りの河
マカロニ風に、盗賊団の残忍な襲撃シーンから始まる本作。その後も基本的にマカロニ風味です。盗賊団のひとりでありながら、襲撃の際に襲われそうになった女性を助けるために仲間に銃を向けたアズール。彼も銃で撃たれるが、女性とその父によって命を救われる。彼らに対し徐々に心を開くアズール。しかし彼にとって盗賊団の首領は育ての親であり、さらには彼を疑う村人の冷たい視線も。この容易には心を開かず、どちらに転ぶかわからない危うさを秘めたアズールを、テレンス・スタンプが見事に演じてますが、彼のセリフが少ない分、父娘が彼の気持ちを代弁するかのように語りまくるのが、まあわかりやすくするためのサービスかも知れませんが、いささか余計。あと、「アズールはメキシコ人の首領の実の息子じゃなくってホントはアメリカ人だから正義の心を隠し持ってるんだ」ってのも、差別的だ何だと騒ぎたくはないですが、ちと感じ悪いですな。しかしわかりやすい線引きではありますが(笑)。ラストも「そりゃそうだそうこなくては」という、期待を裏切らない展開。こういうのを、懐かしいオモシロさ、と言うのでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-05-31 09:37:22)
32.  地平線から来た男
とある炭鉱の町へふらりとやってきた、超いいかげんな男。その町にいる連中もみんなひと癖もふた癖もある妙な連中、だもんで、以下、バカバカしい騒動へと事態はひたすら迷走していく……いえいえ、「迷走」だなんてとんでもない、このデタラメな設定と多彩でデタラメな登場人物たちとを、よこぞここまでアホらしくも見事にまとめあげました。本作の脚本、まさに天才的だと思います。楽しさ満載、これは傑作。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-08-09 11:54:30)
33.  チャップリンの失恋 《ネタバレ》 
代表作の一本に数えられる作品なんでしょうけれど、その理由はともかくとして、実際、観てて楽しい作品です。まずは当然ながら、パントマイム。主人公は例の、ボロっちくもシャレた格好の放浪者。道を歩けば車にハネられそうになる、哀れで滑稽なその姿、しかし妙に身なりに気をつかう彼の仕草がまた、滑稽であると同時に、何だか彼のアイデンティティを強く主張しているようでもあります。で、次に、チャップリンの表情。これがまた、ただのドタバタだけではない味わいを作品にもたらしています。弁当を盗まれ、腹立ち紛れにその辺の雑草を食べる時の表情。美人に助けを求められ、ガゼン活き活きと張り切る時の表情。第3には、ストーリーの無茶苦茶さ。やっぱりコレ、あくまでドタバタなんです。泥棒に狙われた美人を助け、家に誘われ、で、なぜかそこで働かされちゃう主人公、脈絡なくどこまでも転がっていくストーリーが新しいシチュエーションをもたらし、ギャグを呼ぶ。まあ、冒頭の泥棒が再登場したりもするのですが、基本的にムチャクチャです。で、ムチャクチャながらも物語は主人公と美人チャンとの恋愛へと移行し、ナルホドこれなら美人はゲットするし定職はゲットするし万々歳、と言う訳ですが、アッサリ、あまりにアッサリ、彼女のフィアンセが登場して、主人公は去っていく。チャップリンは表情豊かにこの映画の物語を引っ張ってきましたが、ラストシーンは、例の「立ち去っていく後姿」で締めくくられます。でも、ションボリしているばかりじゃない、途中で歩みを速め、颯爽とした姿に切り替わったところで映画が終わる、その印象的なことといったら。
[CS・衛星(吹替)] 9点(2014-06-30 23:58:56)
34.  直撃!地獄拳
千葉真一、佐藤允、郷鍈治という、DNA的にはヒトよりサルに近いと言われている3匹、じゃなかった3人が、国際麻薬組織に戦いを挑むオハナシ。3人を指揮する池部良の真面目な表情と、3人のデタラメ過ぎるやり取りの落差が、たまりません。しかし、先立って公開されている「“○○!○○拳”シリーズ」シリーズである『激突!殺人拳』が、ストーリーそっちのけでひたすらアクション路線であったのに比べると、本作の方が、よりデタラメそうに見えて、実は結構、しっかりした冒険映画スピリットがあるようにも思えるのですが、どうでしょうか。なにしろ敵は国際的な組織ですから、いかにも腕力自慢といった大男の外国人が勢ぞろい(そこには何故か安岡力也の姿も)。そこに、現代に生きるジャパニーズ忍者たる千葉チャンが殴り込み、逆に敵にとっつかまって危機一髪。この辺りでは、敵の首領である津川雅彦が変態ぶりを存分に発揮します(このシーンに限らず、無意味にガイジン女性のハダカが登場する映画です)。千葉チャンの空手アクション映画、ではありますが、もっとスピーディでもっと本格的なアクションも観たいという皆さまのご要望にお応えしまして、倉田保昭兄さんも登場。千葉チャンが少し気の毒になるくらい(笑)見事なアクションを見せてくれます。少年時代の千葉チャンを演じる真田サンも素晴らしい身のこなし。と、見どころの多いバカ映画ですが、中でも、クライマックスの崖での死闘。崖の上のシーンは明らかにどこか山の中で撮影しているのに、崖の下は荒波渦巻く海、という、強引極まりない編集マジック。いやアッパレ。
[DVD(邦画)] 8点(2014-06-08 08:39:44)
35.  忠臣蔵外伝 四谷怪談
はいスミマセン、タイトル見ただけで、この作品避けてました。「一粒で2度美味しい」というか、それとも「一粒で2度不味い」というべきか、片や夏の定番、片や冬の定番、まさに2大定番ともいうべき企画を強引に混ぜ合わせて複雑極まりない化学反応を起こさせる。「盆と正月が同時にやってきた」という表現がこれ以上マッチする作品って、無いんですけどね。何かしっくりこない(笑)----「ヌードも厭いません、必然性があれば」ってな事を言ってる新進女優の皆さんに訊いてみたいのは、「この『忠臣蔵外伝 四谷怪談』で脱ぐのって、アリ?」。観たところ、高岡早紀のデカパイを「こんなにデカイんです」と見せたかっただけのような気もするのですが。騙されて変な薬飲まされちゃう高岡お岩さん、堕胎したり顔がただれたりするだけじゃなくって、いっそ自慢のボインがドカン!と爆発したら、さぞかし迫力があったのではないかと。----蟹江敬三が美剣士に(笑)。素晴しいキャスティング、驚くべき発想力。深作映画における蟹江敬三と言えば、何と言っても『蒲田行進曲』の監督さんですよね。あの監督さんを思い浮かべつつ、本作の蟹江敬三を見てると、「さらに」笑いがこみ上げてしまう。----冒頭、松竹映画の富士山に、何故かあのお馴染みの「♪(ダァン)O Fortuna~」という合唱が流れてきて、さらにまさかの「松竹創業百年記念作品」の文字が。そういうこと、なんだそうです。これはもう、松竹を象徴する作品、と呼んでもよい(んですよね?)。いや、どっちかというとノリは角川映画なんですけどね。春樹氏は前年に逮捕されていたのであった。----どうもこの作品の伊右衛門を見てると、昔話の「うらしまたろう」をちょっと思い出してしまうのですが、それはともかく、本作、悪趣味なまでの奇抜な作風の中に、忠臣蔵というお祭りからドロップアウトした異端者の哀しみのようなものがにじみ出ていて、でもあくまで感傷的にならずにオドロオドロしたまま突っ走る。ユニークで(意外に)芯の通った作品でした。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-09-21 02:08:20)(良:1票)
36.  チャップリンのニューヨークの王様
批判精神を備えつつ、理屈っぽくならずにちゃんとギャグ映画に仕上げてくれている。というか、批判がそのまんまナンセンスギャグとなっているのは、批判するチャップリンの手腕が凄いのか、批判されるアメリカ社会の歪みっぷりが凄いのか。革命により祖国を追われアメリカにやってきた某国の王様がチャップリンの役どころ、という訳だから、チャップリンの立場としてはまず、「ワタシは別に共産主義者じゃないですよ」って事ですわな。で、映画は「浮世離れした王様のトンチンカンな行動でチャップリン自ら笑いをとる」という路線に来るのではなく、それを上回るトンチンカンさに満ちたアメリカ社会を、徹底的におちょくる。もちろん、ここまで戯画化してフザケてしまうと、批判としての力はむしろ損なわれてしまうかも知れないけれど、楽しければいいじゃないの。批判のための映画じゃなく、まず笑う映画。今の目から見てどのくらい笑えるかはともかく、本作で再び、しっかり「笑い」に取り組んでくれたのが、何よりうれしいところ。「自由」の素晴らしさを声高に叫ぶのではなく、映画を自由に作ることによって自由の勝利を示してみせた、それが本作。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-08-31 12:53:29)
37.  チャップリンの殺人狂時代 《ネタバレ》 
ラストのチャップリンのセリフをもって、何やら教訓めいた映画として捉える向きもあるかも知れないけれど、いやいやいや。もっと得体の知れぬ、ぶっ飛んだ映画じゃないでしょうか、これは。だって、この主人公、殺人鬼ではありますが、要領が良いのやら悪いのやら、気がつきゃ結果オーライだけど、テキトーなことこの上なし。殺人鬼らしい凄みもなく、登場早々、毛虫を助けてあげたり、それこそサイレント喜劇俳優みたいに(!)ドタバタを繰り広げて見せたり。そんでもって、最後も悔い改める訳でもなく、澄ました顔で言う事にゃ「ワタシも人殺しですが、映画みてるアナタたちには敵いませんよ」って訳ですよね。誰がこんな「教訓」を素直に受け止めるもんですか。要するに、我々に喧嘩売ってますよね。そう、この映画の凄さは、この主人公の「規格外ぶり」にあるし、またその特殊さが、我々を悩ます点でもあると思うのです。こんな変な主人公、他ではなかなか見られません。またそもそもこの映画には、好感の持てる人物が(ひとりを除き)登場しない。困った登場人物たちが映画の中に散りばめられ、なかなかに入り組んだ構成(このため、一見、散漫な印象を受ける人もいるかも知れない)。例えば映画の最後の方での主人公逮捕のきっかけとなる一家、彼らの様子は映画冒頭で実にイヤらしく描かれるし、主人公を追う刑事の姿も映画早々に触れられ期待させておきながら、途中で実にアッサリと主人公に殺されちゃう。その他の登場人物たちのキャラクターもその多くはデフォルメされ、映画の中にゴチャゴチャと配置されているその中を、このヘンテコな主人公は、要領が良過ぎるのか悪すぎるのか、ただただ無感動に突っ走る。悪意も無ければ恐怖心もない。唯一、一度は殺そうとした女性に心を開き、財産を失った後に彼女に再会し、自首(?)を決意するあたりは、「ちょっとイイ話」に聞こえそうだけど、トンデモナイ、別に悔い改めた訳でもなんでもなく、むしろ、生きがいを失った彼が「自分が処刑される」ということに生きがいを見出し、処刑前には「映画を観ている我々に」イヤミのひとつでも言ってやる、ということに生きがいを見出したに過ぎない。うむ、これぞまさに規格外の男。規格外の映画。驚きの作品。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-07-24 22:48:37)
38.  チャイニーズ・ゴースト・ストーリー3
第2作があんまりにもあんまりだったんで、第3作は若干の軌道修正、舞台は第1作の100年後で、物語は直接は繋がらないけれど、幽霊の美女と人間の男の悲恋が描かれるし、ロウロウ様は復活するし(もはやオカマさんどころか完全にオッサン状態ですが)、路線としては第1作に回帰しております。何より、第2作と違って、ちゃんと怪談らしくなっているのが、いいんじゃないですかあ(と、私のモノ言いもやや他人事のようになっておりますが)。登場するハチャメチャかつデタラメな魑魅魍魎の数々を観ておりますと、本作の路線が第1作のそれなのか第2作のそれなのかはもうどうでもよくって、「こりゃもはやエンパイア・ピクチャーズ路線やね」としか表現しようが無いです、はい。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-05-01 15:11:02)
39.  チャイニーズ・ゴースト・ストーリー2
主人公が人違いで逮捕される冒頭部を始めとして、何かにつけ「人違いネタ」で引っ張っていく。では「人違い」がこの作品のテーマなんだろう(「レスリー・チャンと間違えてハリボテモンスターに話しかける」シーンなんかも「人違い」に含めてよいでしょう)、と思って観てると、必ずしもそうではない気もしてくる。前作に続いてジョイ・ウォンを再登場させる都合、ってのもあるけれど、単にネタに詰まった挙句の「人違い」連発、という気がしてきます(それ以外に、「動けない」ネタでも結構引っ張る)。ネタ切れは勢いでごまかせ。何しろパワーだけは凄まじい。ネタ切れなので何がやりたいのかはよくワカランけれど、とにかく信じられないくらいのハイテンションである事は間違いなく、不本意ではありますがとりあえず圧倒されてしまいます。ハリボテモンスターに加え、大魔神ならぬ大魔仏(?)が登場するに至っては唖然愕然。よくもまあこんなデタラメを。この活力にあやかりたいような、こうはなりたくないような。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2013-04-30 12:55:37)
40.  痴漢ドワーフ
とあるオバチャンとその息子が、女性を誘拐してきてヤク漬けにし、売春宿を営んでいましたとさ、というオハナシ。と、まあそれだけなら、何と言うこともないんですが(?)、この作品がカルト化しているのはヒトエに、息子役を演じているのが、ミゼットな俳優さんだから、でして。身体的なハンディキャップを見世物にする、それもグロテスクなものとして描く。「うわーこれって、“何とかコード”に、モロにひっかかっているよね」と、白々しく驚いてみせながらついつい盛り上がっちゃう悲しさよ。言ってみりゃコレ、差別用語を思い切って叫んでみるときの罪悪感と快感に通じるものがあるのですな。しかし某レンタル店のDVDには、ジャンルが“モンスター”と書かれていて、うわー、ツ○ヤもなかなかのチャレンジャーだなあ、と(ちなみに結構な確率で貸し出し中、なかなか借りられませんでした)。正確なジャンルは“洋ピン”です。ほとんどリアリティの無い投げやりな作品ですが、エロシーンだけは妙にリアルです(そういう作品ですから)。『悪魔のしたたり』とセットでどうぞ。
[DVD(字幕)] 4点(2012-02-29 22:52:38)(良:1票)
030.08%
1190.49%
2411.06%
3731.89%
41614.16%
53619.32%
663116.30%
7122231.56%
888622.88%
93749.66%
101012.61%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS