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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1615
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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1.  トラヴィアータ/1985・椿姫 《ネタバレ》 
ことヴィオレッタに関しては、演者は絶対に痩せてる方が好いですよね(そもそも肺病病みなキャラなのだし、あとやっぱデブって無条件で不幸なよーに見えないですからね)。現代の著名なヴィオレッタ歌いでも例えばエルモネラ・ヤオなんかは常時可哀そうなぐらいに痩せ細ってますし、その意味では今作のテレサ・ストラータスはまずその点で最高のヴィオレッタたる資格十分です。また、この役に関して言えば巧「すぎる」のも少し考えモノかと思います。「巧い」とゆーのは「余裕」が在る、つまり例え超絶技巧であっても決してソレを100%ギリギリでやり切っているとゆーのでなくて、あくまで8割の力で流している様に「見せられる」コトかと思いますが、ことヴィオレッタに求められるのは最高レベルに巧みで余裕でありつつも、多少は「無理をしている」感を残していることかとも思うのですよね。正に命を削ってソレを燃やしているかの様な繊細さを含む輝き、コトに寄っては無理をするあまりにふと壊れてしまい兼ねないかの様な儚さ、が欲しいとでも言いますか。その点についても、今作ややテンポが速い箇所も散見されたりで(特に『そは彼の人か~花から花へ』あたり)ソコから来るストラータスの切羽詰まった感が好い様に作用し、そういった儚さ・少しの脆さも十分に醸せている様に思われますね。重ねて、実に素晴らしいヴィオレッタだと思います(雰囲気は前述のとおり、モチロン技巧面も演技面も含めて)。  全体的な演出の話をすると、特に第三幕は大幅にカットされていますが(第二幕第一場も若干か)そこまで違和感・省略した感はないですかね。あと、この演出は昨今は割とポピュラーかと思いますが、第一幕と第三幕をリンクさせて全体をヴィオレッタの回想として見せる方針を採用し、特に第三幕のアルフレードの帰還はヴィオレッタの幻覚であったことを明確とする演出になっており、尚更に結末を悲劇的に色付けしていると言えます。その他、第二幕第二場にはオペラでは難しいレベルの非常に大規模で絢爛豪華なバレエシーンを配置し、また第三幕でもオペラでは音だけで表現されるカーニバルのシーンを映像として挿入しており、これらは臨場感を高めると同時に大きな映像的見ドコロとなっているのも映画ならではのクオリティと言えるでしょう。私の中では今作は『椿姫』の中でも決定版だと思っています。オペラファンなら、是非。
[DVD(字幕)] 9点(2021-09-25 18:41:16)
2.  20センチュリー・ウーマン 《ネタバレ》 
時の移るままに、時代も、社会も、そして人も変わりゆく。煙草も、人種差別も、性別さえも、今や世界から消えゆく運命に在るのだ。まして、善き人間の在り方「目指すべき姿」など、不変で在りようが無い。そんな世界において、親は子供に何を示せるのか。そういった普遍的な親と子の関係性をテーマにとった本作が最後に描き出すメッセージは、親が子に示せる最大のものは「生き様」だという(親が「何を教えたか」ではなく、親が「どういう人間で在ったか」)、これも普遍的な教訓だと言える。  本作に登場する「僕を育てた人」3人は、いずれもかなり変わった性格と、劇中の時代(1970s末)における先進的な価値観を持った女性である。アメリカ社会は丁度この頃に、人生の在り方の爆発的な多様化と、目指すべき統一的な価値観の喪失を経験したのだろう(日本においては、これはもう少し後の時代に起ったことなのではないだろうか。40年前の日本人は、もっと単純で画一的な人生を生きていた様に思う)。  この変わった人達がなんとかかんとか生きていく(そして少年に啓蒙を与えようとその風変わりな価値観を炸裂させていく)様子は、それだけで実に味わい深いコミカルさとヒューマニズムを醸しているが、そんな中に一つ描かれる「絶対的な価値」、アネット・ベニング演じる母親の、男なんかに見向きもしない(女としては)枯れ果てた彼女の内に見えるものは、だからこそ際立つ息子への純粋でひたむきな母性的愛であり、そこに我々はある理想の母親を見出すのだ。  70年代末のレトロ・ポップな雰囲気と、少し知的でかつこれも風変わりでとても「粋」な台詞回しの質の高さも素晴らしいが、奥底に感じられる限りない優しさが実に心地良い静かな傑作。非常にオススメ。
[映画館(字幕)] 9点(2019-12-15 13:53:55)
3.  TALK TO ME トーク・トゥ・ミー 《ネタバレ》 
いや、シンプルだケド、コレは中々…滑り込みで2023年のベスト5が一個入れ替わったな…(私が観たのは年明け後だケド)  大筋としては比較的オーソドックスな憑依もののホラーで、かつ変に凝り過ぎるコトも無いコンパクトな尺+テンポも悪くないのがまずは観易くて好いですよね。ソコで多少、憑依ものとしてはその主体が(平時の悪魔ではなく)悪霊=怨霊であるコトとか、ごくネガティブなラストの感じとかも含めてややフツーの欧米ホラーとは趣きが違うっぽい箇所も見て取れはしますが(⇒今作ってよく見たらオーストラリア産なんですね)、どちらかとゆーとソッチよりも端的な映像の力強さに第一には引き込まれましたですね。中々、大胆だな~と言って好い様な構図で禍々しいモノを思い切りバーン!と+結構ネットリと映して来るって感覚が在ったのですが、それでいてキレも十二分に感じられるとゆーか、その辺には(逆に)かなりこだわって準備してた様に思えるのですよね(⇒私もちょっと近いうちにソコだけ再確認の為に観直そうかな…と思ってる位で)。あと、そーいうカメラワークで映してるトコロの若い役者さん達の(異形のモノとしての)演技自体が、コレまた皆(チャンと若いワリにも)頑張ってたかな~とも思いますね(意外なマデの高クオリティ)。  加えて、ココに関してはホラーファンとしての個人的な好みに類する観点かとは思いますが、中盤以降また中々に「ナニが起こってるか定かにならない」という、その不可解さが至極に個人的にドンピシャだったのですね。結局、ミアの母親の死が自死なのか事故なのかも完全に明らかにもならないですし(⇒ごく強力に自死であったコトが示唆されてはいるものの)、クライマックスを踏まえても主人公を除く主要人物達の生死もまた判然としないママ終わってゆくのですし、だからラストなんかだって未だ「コレはナニかの(覚めない)悪夢?」とだって思える様な⇒チャンと終わった様でまだ悪夢の続きが残ってる様な、も~極上の不穏さを湛えて居た…と思うのですよね⇒重ねてコレって、個人的には超々好み!てゆうヤツだったのです。なので、少しだけオマケしてこの点数としておきます⇒映画館でやってるうちに是非々々。     ※以下余談:もう一点、コレは(前述どおりの)オーソドックスな前半を、私がよりホラー的に観てゆくコトが出来たコトの(結構重大な)理由なのかも知れませんが、私にはこの「降霊ごっこ」がもたらした悲劇とゆーのが、ソレこそ「薬物ラリパッパパーティ」が引き起こしたソレ(のメタファー)にしか見えてなくって、結果としてより一層暗澹たる気持ちで痛ましく眺めていた…というコトなのかも知れませんです。件のコロナ禍+例のオピオイド危機を経て、今や米国内の薬物事故による死者は年間10万人のスケール…ってゆーんだからも~トンデモ無い!すよね。そう、薬物って、正に今作で描かれるコトと同じ様に、人に依って or タイミング・体調に依っても諸々の「効き目」が違うから、だから大丈夫そうに見えてても⇒一発で即死するコトだって全然あり得るのだと思ってるのですよね。やっぱ、どの種類だろうが絶対に手を出さないに越したコトはねーです(ソレがホントにそのクスリである保証すらねーのだから)。
[映画館(字幕)] 8点(2024-01-05 23:17:11)
4.  Tommy/トミー 《ネタバレ》 
わー私コレ好きですわ~シンプルに音楽の感じがだいぶ好みっすね!形式としても、そもそも私オペラ好きなんで嫌いなワケが無い。恥ずかしながら「ザ・フー」をチャンと聞いたコトすら無かったのですが、クラシカルなロックでノリが好くて実に心地好かったですわ。ゲストのティナ・ターナーとかエルトン・ジョンも存在感ありましたし、終わり方も個人的には超・爽快でしたね。また観ます。  話の内容自体が結構ブッ飛んでるので、監督ラッセルの(コレも必然的に)ブッ飛んでる映像表現とも(何とか喧嘩せずに)ウマく調和してましたよね。その上で、役者としてはお母ちゃん役の女優さんがメチャ頑張ってたのではねーでしょーか。随所でかなりハッチャケてましたし、と言ってシリアスなシーンも手を抜かず、しかも歌も自前なのですね(フツーにチャンとプロ歌手だし、その方面のステージ経験も豊富な方とのコトで)。納得&脱帽。
[DVD(字幕)] 8点(2023-08-31 08:51:51)
5.  透明人間(1933) 《ネタバレ》 
コ~レは凄い…シンプルなホラー・スリラーとしては、この出来はもはやオーパーツと言って好いレベルですね(超・面白かったです)。まずはとにかく映像(特撮)が実に見事なコト!個人的には1シーン、透明人間がパジャマ着てベッドで眠りに就くまでのちょっとしたヤツとか、モノ凄く凝ってて+ハイ・クオリティでモ~震えてしまいました。あと、主役のクロード・レインズの狂気を孕んだ演技(とゆーかアテレコ)も、コレも時代を考えれば驚愕…と言って好いホドの斬新さと、そして普遍的な怖さをも備えていたと思います。重ねて、超・面白い+ごくコンパクトで観易い+今ならアマプラでロハで観れる、ので皆様も是非。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-04-24 14:32:07)
6.  東海道四谷怪談 《ネタバレ》 
今回、同年同月公開の大映版を観た(観比べた)のですが、やっぱり今作はその「恐ろしさ」とゆーのがも~ケタ違いでしたよね。直助はひたすら単なる「悪魔」という様な(見事な)極悪人であって、んで伊右衛門だってソレに負けず劣らずな忌むべき大悪漢ではあるのですし。だからこそ、その一番肝心なお岩さんの怨念の凄まじさ・奥深さもシンプルにより引き立っているとゆーか、話の内容も恐怖描写もやっぱトンデモなく深遠で迫力の有るモノでした(特に戸板に打ち付けられて以降にトコロ構わず出て来まくるお岩さんはマジで夢にも見ちゃいそう…てなモンでして)。ただ、更により優れていると思うのは、伊右衛門を前述どおりに極めてヴィヴィッドに悪人として描くコトでその面での凄惨さ・凄みを決して損なわないながらも、多少の風味付けとして少しばかり未練や躊躇・完全に良心が欠如しているというワケではない「人間らしさ」的なモノも同時に描き込むコトを可能にし、結果としてソレが作品全体により複雑な味わいを与えているとゆーか人間ドラマとしての見応えをもキッチリ高めるコトに成功していたな…という点ですかね。結論、超レベルに強烈な(トラウマ級の)映画になっているとは思いますが、恐怖映画としてのクオリティは普遍的傑作の域(=金字塔)と言って好いモノかと思います。必見ですね。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-06-02 22:21:15)
7.  トップガン マーヴェリック 《ネタバレ》 
まァ言わずもがな、トム・クルーズとてやっぱ大概バケモノですからね。今作で改めて見てもフツーに40代にしか見えないし(否、30代でも通用するかも)、作中でも(実年齢からすれば「年甲斐も無い」てな感じの)前作と殆ど同じ様なコトをごく若々しくやってのけてるのですし。そしてそもそもお話的にも30年以上寝かす必要があった様な内容には決してなってもいないのですよね(続編の企画開始自体は10年以上前とゆーコトらしくて)。そーなのですよ、本作って内容的にもまるでナンにも「老け込んで」なくって、今どき唯ひたすらに乗り物万歳!スピード万歳!スポ根上等!アメリカ万歳!筋肉こそ正義!みたいな如何にも「80年代やね~」てな質感に満ち溢れていて(音楽だって当然の如く)、コレもね、そもそもやっぱキョウビの若者ってモ~車とかに乗れるダケで「楽しい」とはあんまし思わないんじゃねーかな…てコトに思ったりもね(モノより「思い出」な世代ですから)。重ねて、コレが成立するってのはやっぱトム・クルーズ凄えな…とは思ってしまいますよね。。  本作はそのトム・クルーズが主に体現する「若さ」「強さ」が絶大な第一コンテンツとして在りつつ、やはりどーしたって世代によってはソコに対する憧憬とノスタルジィが大いに醸されるコトの心地好さがまた大きな見ドコロになってゆく…という作品なのかとは思うのですよ。でも、とは言えそーじゃない世代にしたって全然フツーに楽しめる…とゆーか、とにかくコレだけアクション部分の映像が素晴らしいのだったらお話なんてシンプルで在れば在るほど好いに決まってる…とでも言いますかね。ソコはモ~ただ「腕力」で捩じ伏せる様な映画だったとも思うのです(その意味でもごく「マッチョ」な…とゆーか)。4DXで観ましたケド終盤の空戦シーンは確かに軽く「映画の域を超えている」感じではありました。結論、コレは必ず映画館で観ていただきたい…という作品ですかね(少なくとも)。
[映画館(吹替)] 8点(2022-05-29 17:36:08)
8.  ドライヴ(2011) 《ネタバレ》 
やりたいコト自体は比較的にもシンプルとゆーか、アクション・ジャンルとしては要は「緩急」或いは「静と動」を対置して双方を際立たせる…てのがコンセプトの主要部分かと思います。かつ(のちの『ネオン・デーモン』なんかを観る限りでも)中で監督が真にやりたいのはその「緩・静」の方だ(=その部分におけるどこかハイソな映像+音楽表現の方だ)ともやはり思われるのですよ。個人的には、実は「急・動」の方は(ごく大部分を占める緩やかなシーンとの対比に依って)非常に印象的には見えているものの、片やの「緩・静」のシーンのユニークさに比べればソコのクオリティ自体はごく一般的、かつ今作では若干の「やり過ぎ」感も無くはない…てのが正直なトコロで。一方で、今作が大いに一般ウケをも取れているコトの理由は、重ねてその緩・急のバランスの好さ(つまりは「急」なシーンの質的・量的な配分の適切さ)とあと単純に尺が長すぎないコト、がソレだとも思うのですね(逆に『ネオン・デーモン』はソコをやや失敗している、と)。結論、シンプルな様で実に完成度の高い、ごく高度に練られた作品だとはまず思ったりしますね(間違い無く作家性のごく高い方の映画だとも思いますが、一方でやりたいコトをやりたい儘に只やってるダケの作品では全然ないかな、と)。  他方、尺がコンパクトで緩いシーンも(当然)多い…ので、実はお話自体は極めてシンプルかつ軽い内容にはなっていますよね。だから同じアプローチでコレ以上の完成度の作品はあまり望めないとも思いますし、俳優なんかも今作はも~奇跡的と言って好いドンピシャな配役になってたな…とはまた思うのです。ライアン・ゴズリングにせよキャリー・マリガンにせよ(表向きは)実に柔和で、彼らのつくり出すナンともマロい空気が個人的にはまず絶品だったのです、が、でもそんな中にも仄かには彼らも確実に翳や憂いを忍ばせている…という「不穏さ」がそのマロやかなシーンの中に引っ掛かるコトで、次に何か(悪いコトが)起こるのではないか…というサスペンスの感覚・醍醐味をも(ワリと高度に)維持している…てのがまた逆にも~メチャ気持ち好かったのですよね。その意味でも、オーラスなんかも私スゴい好きですねココ。眼を見開いて微動だにしないゴズリングは、結局(数えたら)35秒も瞬きすらしなかったすよ!(軽く眼ェ痛かったでしょーね)
[DVD(字幕)] 8点(2022-05-06 02:03:24)(良:1票)
9.  ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス 《ネタバレ》 
アベンジャーズの中でもドクター・ストレンジは能力の「質」的な部分でいくぶん次元が違うので、コレと対等に喧嘩できそーなのを既存キャラからお手軽に(説得力込みで)引っ張って来るとなると確かにワンダくらいしか居ない…とゆーのにはまぁ納得もできるのですよね。しかし、ドラマの方でなんかどーかしちゃったらしく(ソッチは未見)今作のワンダは幾らナンでも強すぎるとゆーか、ちょっと桁違いにはなってもーてますのよね。片やのストレンジはコッチはちょっと弱すぎるとゆーか、今作では(ド初っ端含め)かなり苦戦に苦戦を重ねているコト自体は少なからずご都合主義にも思えますし、やはりそもそも今作のワンダはまた最初から最後までほぼ徹底して悪役の敵役で、かつラストもごく救いも無く終わってゆく、そのコト自体にもまま疑念の方をより強く抱くという人が決して少なくないとも思うのですね(私自身、可愛いし一途だしで結構好きなキャラだったので今作の顛末は確かに残念⇒それ以上に「可哀そう」だと思ったのが正直なトコロで)。  しかし、ソコも含めて全体の雰囲気はシリアスでキレ好く、かつ哀しみややるせなさといった(マーベルでは少し珍しい方の)質感も含ませて上手に纏め上げられており、中々「いつもの感じ」と違うヒーローものとしての新鮮味に近いモノも在ったと思いますし、また単純に筋も面白かったと思います(テンポその他もごく良好で)。そしてそれ以上に、監督に(ナンと)ライミを起用した最大の効果と言いますか、どれもごくホラー風に仕上がった個々の描写にもまたキレが在ってこちらもユニークさも感じながら非常に楽しんで観てゆけたのですね。結論、内容にせよ空気感にせよ多少好みは分かれる系統かとは思いますが、私自身はどちらもドンピシャに好みだったコトを加味して(少し甘めに)高めの評点としておきます。  ライミ御大、偶に仕事してると思ったらこのクオリティて、ファン泣かせも好いトコロですぜ旦那!大人しく次回作も監督して下さいね(別に他のホラーでもナンでもイイからも~なる早でお願いしやす)。
[映画館(字幕)] 8点(2022-05-05 14:28:25)
10.  ドクター・スリープ 《ネタバレ》 
「シャイニング」は、それを持つ者を決して幸福にはしない。むしろその人生を困難にし、悲劇をもたらすこともある。しかしそれでも、人知れず他者を救い、世界を変えていくことが出来る。能力を持つ者が正しい心を持ち、正義が継承されていくことこそ、「シャイニング」が存在する意味であり、希望でもあるのだ。  静かで重厚、かつ非常に陰鬱でハードな展開運びにより、異能の能力者の「悲哀」を的確かつ強力に表現しつつ(前半が相当に緩慢なテンポで、少し疲れるくらいに歯応え十分)、最後の最後で儚くもはっきりと前向きなテーマを描き切っている本作のシナリオは、ダーク・ファンタジーとして内容的にかなり高水準な上に見応えも抜群で、優れた仕事だと言ってよいと思う。  本作は完全なファンタジーであり、ホラーでは無いが、ホラーを期待されている(と思われる)作品なのにチープな恐怖描写に走らず、シリアスな物語を貫徹している点も好印象である。チープさを排すると言う意味では、極めて正統派で真っ当な美人であるレベッカ・ファーガソンを悪役に起用することで、ワンランク上のスタイリッシュな(ただし底冷えのする程に冷徹な)邪悪さを演出した点も効果的であったと感じる。前作との関係性の面でも、シナリオ的にも終盤の仕掛けに例のホテルを不自然さ無く繋げている点で巧みだし、(主展開を邪魔することなく節度を保って)前作の名場面をフラッシュバックさせるシーンも種々有り、続編としての楽しみも十分に備えていると言える。一点、野球少年の虐殺シーンはかなり惨たらしい上にさほど効果的とも思えず、もう少しマイルドにしても良かったかと思う(見応えは更に増しているとはいえ)。
[映画館(字幕)] 8点(2019-12-14 00:08:50)(良:1票)
11.  友だちのうちはどこ? 《ネタバレ》 
全然、何の捻りも無い子供映画ですが、正直言い方は悪いですがコレで全然(映画として)メチャクチャ面白いですからね。特にプロの俳優も使ってないのだそーで、やっぱこーいうのを観ると「映画って何なのか?」と少しまた考え込んでしまいますね(好い意味で)。モチロン、私の様な外国人の眼から見れば、当時のイランの社会の様子だとか、或いはその中で端的にごく抑圧的な大人たちの振舞いとかをより好奇の眼差しで見つめるコトも出来るのでしょーし、また或いは物理的な情景そのものを余計に面白く観れる…というコトも確かにあるのでしょう。ただ重ねて、そーいうコトじゃない…というコトにも思われるのですよね。恰好を付けて分った様な口を利いてしまうのなら、コレはもっともっと映画製作者としての根源の部分に在るモノの問題だ、と思ったり思わなかったりもしたりして…と。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-03-12 21:18:25)
12.  DOGMAN ドッグマン(2023) 《ネタバレ》 
リュック・ベッソン監督作ですし、冒頭の主人公の「見た感じ」なんかからも、観始めた時点では引き続き流行のヴィジランテものと、先般の『ジョーカー』のミックスアイデア的なヤツかな~と思ったのですよね。ただ、その主人公がいったん捕まる冒頭から精神科医との対話という形式で始まる彼の「自分語り」の内容としては、そこまでアクションに振れ切っているワケでもないドラマ要素強めの時間が結構続いてゆくコトもあって、観終わってみると、私がさっき言った様なカテゴライズし易い単なるジャンル映画ってワケではなくって、もうちょっとつくり込まれた作品かな…という感覚には、私の認識もチャンと変わって居たかとは思いますね。  ポイントはまず、その自分語りの中で語られるエピソードがごく奇抜かつ意外とヴァリエーションに富んでいるコト、加えて何より「犬たち」の存在のユニークさ、ではありましょーかね(⇒後者は、より物理的描写の面におけるユニークさとして作中に結実しているとも思われますが)。なので、まず特にその奇抜さの存在ゆえに、全編ごく物珍しさを持ち続けて全く退屈なぞせずに観てゆけた…という気はしておりまして、娯楽作としてはフツーにワリと満足感は高かったと思うのです。難点があるとしたら、その登場する「奇抜な要素」の幾つかは、ドラマ・キャラクター上の必然性よりは要素そのものの奇抜さを作中に持ち込むコトを重視している…的な感じではありまして、だからやや「流れに沿ってない」と言うか作品が総体として統合されているか、という点については少しダケ違和感には成っているかな…とも思いましたかね(⇒特に要は、主人公は「犬使い」としての異能を既に備えている一方で、ピアフやディートリッヒを生き写しに出来るなんて類稀なドラァグクイーンでもある、そのコト自体は流石に「ご都合主義だ」とも思えるってコトですよね)。  ただその上に、前述の作品としての「統合」という意味では、上で書いたコトよりも更に重要なのは正にキャラそのもの=演者の演技のクオリティ(説得力)にあるとも思うのですね。そしてその面では、今作の主演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズのその面の仕事とゆーのは、率直にコレは実に申し分ないモノだったと(また)思うのです⇒個人的には別に、あの『ジョーカー』のホアキン・フェニックスのソレにだってそこまで全然引けを取る様なモノではない…と。なので、心置きなく一点加点した上で、更にプラス、監督のファンで彼のアクションが好きって方には全力でオススメしておきたいと思います(正直、少なくとも『レオン』後の彼の作品の中でだったら、個人的には現時点で圧倒的に一押しでありますね)。
[映画館(字幕)] 7点(2024-03-10 09:05:39)
13.  ドミノ(2023) 《ネタバレ》 
うーん、コレはちょっと、モ~完全に全くナニも前提を入れずに観に行って+かつあまり深く考えずに本当に単なる娯楽として(気楽に)観る方が絶対に好いヤツだと思いますかね。だから正直、レビューで言えるコトはほぼ無いな…とも思います⇒ので内容については触れないコトにしよーかと。あくまで私個人としては、ワリと結構楽しめてしまいました…とダケは言っておきたく。。  ただね~、迷いに迷った挙句に一つダケ言ってしまうなら、ナニを措いてもまず今作は内容的には「B級映画」だ…ってゆうコトですよね(⇒監督とか主演とかの名前に騙されてはいけません!)。分かる人にしか分からない様な言い方でもう一つダケ付け加えるならば、冒頭から謎の敵として出てくるウィリアム・フィクナーが(私なんか途中からモ~完全に)嘗てのクリストファー・ウォーケンにしか見えなくなっていった…とでも言いましょーかね。重ねて、分かる人には分かると思うのですがそーいうヤツです。以上。
[映画館(字幕)] 7点(2023-10-29 20:52:53)
14.  特捜部Q カルテ番号64 《ネタバレ》 
今回の事件の背景部分って、世界的に見ても結構普遍的な人権問題で、日本でも少し前には話題になったかと思います。映画に落とし込まれてるのはワリと今作が初見だったので、その意味でもまず社会派作品としても意外と価値の在る作品かも知れませんね。映画全体としても、展開運びは(これまでのシリーズ作に倣って)まずはごく手堅く、かつ部分的に意外性を孕む真相・中盤~終盤のスリラー展開・そして特捜部のメンバの人間ドラマの面なんかも含めて、4作では一番諸々と質が高かったよーに思います。甘めのこの評価で。  一点、ゆーて私にはどーしてもカール(あと何ならアサドも)が優秀な刑事にはどーにも見えない…のですケド、逆にローセってメッチャ優秀じゃねーすか?(情報収集能力・分析能力が並大抵ではない)その意味からするとオーラス、カールがアサドに言う「残ってほしい→ローセには君が必要だ」ってのが、要は(ホントに抜けたら困るのはローセなんだケド、あのおねいちゃんと二人だと正直オレ間が持つ気がしないから、とりあえずアサド宜しく!)という意味だったのではないか…と何となく邪推してしまいました(スイマセン、私性格捻じ曲がってますね…)。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-02-12 22:04:13)(良:1票)
15.  ドライブ・マイ・カー 《ネタバレ》 
まず、かなり長尺な映画だが、一方で(根本的な)話の内容はそんなに大層なモンだったかな?と思ってしまう…てのがごく正直なトコロ。もちろん、主要キャストの演技&文学的な脚本とかの端的な質の高さは在る、でも、その西島秀俊と妻の霧島れいか、そしてこの2人の関係に纏わりついてくる岡田将生にしたってソコまで複雑というワケでもないごく分かり易いキャラにも思えるし、結局は西島秀俊が霧島れいかに終始振り回されっ放し(→そして何だかんだ最後には吹っ切れてゆく)というごくシンプルなお話だ、とも思う。ただ構成自体は、丁寧にタップリと夫妻の関係性を語り込む序盤+ある一つの「演劇」をつくり込んでゆく中盤+西島秀俊のお話の本チャンたる終盤、と3時間をある程度密度を高く維持するだけの要素の物量は備わっていたとも思うし、個人的にはその中盤なんかも後述どおり実はかなり面白く・興味深く観れたのは確かなのですよね(でもだからとゆーか、全然違う映画な筈なのに観終わった感じは監督の『親密さ』を観た時のソレにかなり似通ってた…と思ったりもしますケドね)。もうひとつ確かなのは、本作で一番「ユニーク」なのは間違い無く三浦透子のキャラ(と実際のその演技)だというコトですね。お話的にも特に終盤は非常に重要な役割を果たしていますし、全編通して(実は)彼女のアレコレにより注目して観てゆくべき映画だ、という様な気がしますですね。  中盤の演劇の話が面白かったという部分については、私が個人的に特に興味深かったのは、演出家の西島秀俊と俳優・スタッフとのやり取りとゆーのは、イベントそのものとゆーよりはそのイベントをつくり出す「チーム」をつくってゆく過程の方により近いモノに見えた、という点ですかね。演劇なんか取り分けそーなのかと思いますが、結局ソコが一番本質的な「クリエイト」なのではないかな、と言いますか(モノよりヒト、的な)。その意味では今回の演劇の建付け(メンバーの多国籍さ・ダイバーシティと、だからそれこそ表面的な「言葉」に頼らないという様な手法)も相まって、なんとゆーかむしろその過程からは博愛主義とか或いはコスモポリタニズムにも通じる様な価値観を感じ取れるとゆーか、その意味でもどこか爽やかなモノを感じました。ソコら辺を加味してもう一点足そうかとも思ったのですが、迷いに迷ってこの評点(据え置き)とします。
[映画館(邦画)] 7点(2022-01-08 19:20:16)
16.  友だちの恋人 《ネタバレ》 
性格は正反対と言える様な女の子2人ですが、友だちとしては別に(ウマいコト凸凹嚙み合って)楽しくやってけそうな感じではあるのですよね。ただ、ココに恋愛事象が絡んできたが故にそーもいかなくなっている…というお話かと。まあ、さほど深刻になり過ぎるコトもなく暢気に終わってゆく話ではあるのですケド。  私なんかは未だ、この恋愛という「男女どっちもどっち」な分野においても、今作のレアとブランシュ側の性格・人間性よりは、男どものチャランポランさの方をより見咎める様にして観ていってしまう…のですが(だから別に女の子2人には特に悪感情も無いのですが)、とは言え彼女らもまだまだ(人としては)少なくとも「発展途上」という様には見えましたかね(=コレは彼女らの年齢だから許されるよーなモノであって、あと10~15年してもこのままだとちょっと笑い話では済まなくなるぜ…的な)。ソコら辺も含めて諸々コメディとしては完成度はまた相当に高かった…とも思いますケドね(流石のロメール)。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-12-29 19:21:36)
17.  Daughters 《ネタバレ》 
今作のふたりは27,8くらいで、まァ~20代なら…と思わんでもないケドも、私なんかやっぱ20後半~30半ばくらいのイイ大人が嬉々としてルームシェアなんかしてるのを見てると(最近芸人さんでそーいうの多い)かなり強烈な違和感(とゆーか不安)を覚えたりもするのですよね。どーしたってある程度の期間(2年とか4年とか)は一緒に住む前提があるハズで、その期間キミの人生には「展開」は無い予定なの?という意味でです(私も人のコトは言えたもんではねーのですケドさ)。今作だって結局「ホレ見たことか!」なおはなしになってゆくワケで、でしかもソコにシガラミが在って相手の男には打ち明けられない(=打ち明けないことを選択する)とゆーのを含め、本質的にはまず決して今まで観たコトが無いって話ではないし、言っちゃあそれこそだいぶ無責任な話(=特に生まれてくる子どもに対して)にも思われる、個人的にはやはりその辺には第一にかなり強い違和感が在ったと言って好いのですよね。  ただ、今作を観てまず思うのは、そーいうワリとよくあるお話を描いてゆきつつも、肝心の主人公の女性ふたりのキャラ・或いはその振舞いには、非常に現代的とゆーか「新しさ」とでも言うモノがあったか、というコトなのですね。先ほど無責任とかゆーてはみたものの、それは男女のやんごとなき事情…と捉えれば、それ以外の部分での阿部純子のキャラクターとゆーのはごく常識的・理知的でかつ進歩的な女性であるのですし(年相応以上にも見える)、三吉彩花なんて尚更そーだとも思えますし。そして彼女らは職場でもバリバリ活躍してキャリアを重ね、だから自分の人生を自分の力でチャンと切り開いてゆけるという人間に確実に見えるのですよ。そーいう彼女らがこーいう判断をして少し変わった「家族」の形を紡いでゆく…という部分には、今までのこの手の話ともやや異なる新鮮さを感じた、というコトですね(重ねて、保守的な私なんかは彼女らのその決断の「中身」自体には、やはりどーしても違和感が残ると言って過言ではないのですケドも)。  テーマ的な部分について言うなら、ズバリ「子どもを育てるコト」の新しいカタチ・新様態を描く、というコトかと思います(社会・コミュニティ全体で子どもを育てよう、とか、少なくとも「親」だけが育児に責任を持つべき、とゆーのとは異なる価値観)。今の社会状況を思えばソコには個人的には非常に共感できましたし、そしてその方面からの社会的な意義もまた十二分に備える映画だ、とも率直に思うのですね(その部分は大手を振ってごくポジティブに捉えたい=捉えるべきだ、とも思います)。一方で、ひとつだけテーマ的な部分・映画としての建付けに不満があるとしたら、今作は徹底的に「女性の映画」になっている様に見える、つまりその「新様態」における男性の位置づけ(或いは解釈)とゆーのはほぼ描き込めていない、という点ですかね(まあ鶴見辰吾のお父ちゃんだけは出てきましたケド)。十分に奥行きの在る映画だと重々感じてもいるものの、いま一歩ソコに切り込めていれば(→更に深いトコロまで行けたカモ…)とだけは思いましたかね。  他、映像自体もかなりハイセンス&音楽も同様にセンス好かった、とも感じました。個々のシーンでゆーと、主人公ふたりがそれぞれひとりで旅行をする2つのシーンが好みでしたね。一見は何の変哲も無いただ緩やかな時間にも見えるのですが、ソコに旅のもたらす癒しがチャンと在ったとゆーか、ふたりの感情・思考がリフレッシュ・アップデートされる様子が的確に伝わってきてこちらもかなり心地好くなれたとゆーか。なんつーか、より望ましい「旅行の効能」が描かれていた、とゆーコトでしょーかね。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-11-01 21:27:05)
18.  トゥモロー・ウォー 《ネタバレ》 
過去と未来を繋ぐ、というSF的観点からは、当初から「過去から連れてった人が未来で死んだら歴史変わるやんけ」とか「未来の人口50万てもはや勝ち目ないやんけ」とか「『過去が未来に干渉する』より『未来が過去を変える』方が楽ちゃうん」とか、幾つか疑問があるワケだが、そこら辺は最後まで観るとある程度チャンと整合性は取られている。流石に大作映画らしく、凡百のチープなB級SFとはレベルが違う作品であるとは思ってよいかと。  ただ、侵略してくるエイリアンつーのは単なるモンスター系であり、基礎能力は高いものの(俊敏・少し飛べる/泳げる・飛び道具持ち)基本的には「数が多い・繁殖力が高い」という特性の一点張りで攻めてくる系統だし、かつアクションも連中との歩兵戦が大半を占めるというコトを含め、全体的には確かに『スターシップ・トゥルーパーズ』的な「脳筋」SF戦争映画だと言っても過言ではないかと思う(前述どおりの話の整合性、或いはシリアスな雰囲気自体等は少しこちらの方が上質な纏めではあると思うケド)。  アクションは前述どおりシンプルな歩兵戦ではあるが、エイリアンはよく動くし大群だし見た目もまずまずグッドで(気持ち悪い&結構強そう)、だから恐怖・スリルとゆーのも中々良好でアクション映画としてはまずまず見応えあるかと。それ以外の点では、SFとして(これも前述どおり)そこそこ整合性は取れてるケド突っ込みドコロは無くはない、人間ドラマの部分も手堅いは手堅いケドあくまでそこそこの域、というのを総合的に勘案して、良作は良作だがあとは好み、というトコロでしょーか。個人的にはクリス・プラットが諸々(父親として・戦士として・科学者として)割とハマってたと思うので、この評価とします。  ただし一点、結論的にはそこまで大した話でもないのになんか長尺なのはちょっと無駄に思います(特に前置きが妙に長い)。あとアマプラの字幕もなんか質が低くて(邪魔くさい)吹替で観ざるを得ませんでした。特に字幕はナントカしてちょ。
[インターネット(吹替)] 7点(2021-08-22 18:41:33)
19.  ドリンキング・バディーズ 飲み友以上、恋人未満の甘い方程式 《ネタバレ》 
友達としては好くても恋人としては微妙、というのはままあることだろうが、この映画のそれは実に分かり易く、それでいてとても自然なのだよね。テーマがそういう普遍的なものである分、その面白さもある種普遍的だ、とも思うが、これもやはりマンブルコア、通常の映画に比べれば格段に緩くて大したオチも無いという点で、典型的なこのジャンルの少し取っつきにくい映画だと感じる人も多々居るであろう。  しかし、即興劇らしいワリには主演4人の繊細な心情表現の巧みさはどれもかなり見事だった。オリヴィア・ワイルドの奔放なキャラにはエリック・ロメール(私最近よく観てたのだけど)の描く女性の薫りを少しだけ感じた様な気がする(フランス人とアメリカ人という大きな違いは明白にあるものとして)。お淑やかなアナケン嬢も地味に結構好かった(やっぱ美形だし)。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-07-18 16:40:34)
20.  トロイ(2004) 《ネタバレ》 
大昔に一回は観ていたのですケド、その頃は(お恥かしながら)トロイア戦争の顛末なんてそんなに大して知らないって無教養なザマだったのですよね。今回、訳在ってその辺が頭に入ってる状態+且つ使ったのはオリジナルより33分も長いディレクターズ・カット版の方だったのですケド、結論的には全然フツーに面白く観切るコトは出来たと思います。とにかく、史劇系戦争映画としてスペクタクルな合戦シーンについては(今なお)史上最高峰と言って好いのではないでしょーか⇒物量・力感・血腥さ…正に「血沸き肉躍る」といった感じで。CGも、コレも今なお私自身としてはそんなに気にはならない程度の出来だったとは思いますし、そもそも結構な部分がアナログにカネ掛けて撮ってるな~と思っちゃったのですケド実際はどーだったのですかね?  ただ、まず今作が大いに批判もされているコトの根本的な理由は「史実・伝承との差異」という部分だとは思うのですね。叙事詩『イーリアス』の成立は三千年近く前なので、今今にそのまま使っても現代の映画としてはまるで成立しない(⇒神が出て来まくるのもそーだし+人間キャラの行動原理も到底感情移入できるモノじゃなくなるとも思うし…)てコトには別に納得も出来るのです。がそれでも、今作だとラストにアガメムノンが討死しちゃう(序でにメネラオスも)のは二回目視聴の今回ですらド級に予想外でしたし(+だったらパリスもチャンと殺しとけよ!と思ったりも)で個人的には、アキレスの死ぬタイミングが変わってるのはコレはも~致し方無いかな…とは思ってしまうのですケド(⇒だってこの映画、ヘクトルもアキレスも死んじゃったら私なら正直観続ける気なくなっちゃう…)コレとて元ネタに親しみ・こだわりの在る方々にはやっぱ相当なる違和感だろーな…とは思うのですし。  でも再び、ゆーてじゃあアキレスを最後まで生き残しておけば諸々と大丈夫だったかっつーと、率直にソレも(つーかソレが一番)微妙だったかなって気もしてしまうのですよね。コイツだって、真っ当な現代人の視点からすれば(それでも)中々高度に感情移入の難しいキャラだったな~とは思わずには居られないのでして(⇒それはまず原作準拠として+今作では随所でその辺の戦争キ○ガイエピソードをマイルドにして貰ってる…上でのブラピの役づくりとして)だから結局、神話ではなく人間ドラマとして描く…という今作の最大のコンセプト自体が(終盤は確実に)イマイチ機能しなかった、という結論に近づいてゆかざるを得ないと思うのですね。それってまたそもそも、どだいが「無理筋」だったんじゃないか?とも思えてしまっては居るのでして、要は結局ヘクトル以外にマトモな人間がほぼ出て来ないって話だからしょーがないジャン!と…⇒オデュッセウスは多少マシかも知れませんが(ショーン・ビーンが演ってるワリにも)異様なマデに影が薄いですし・一国の王とも思えない「下衆の極み」アガメムノンも・もはや「暗愚」とまで言いたくなる様なプリアモスも・言わずもがなパリス&ヘレネのバカップルとて、等々…  やっぱまた根本的には、激烈長いワリにどーにも「一貫性」が見当たらない…て映画には見えますかね。主人公も途中まで2人居る様な・でメインのアキレスの方はキャラも定まってない様な・それで居て「戦争の悲惨さ」だとか「歴史に名を遺す」みたいなヒューマンなテーマもさえ添加物みたいな感じで軽~く放り込まれてるコト、とか。これなら=こ~んな感じなのにこ~んなに予算を注ぎ込んで超・本格的に撮れるんだったら、も~誰しもが可能な限り納得ゆく様なカタチで「なるたけ原典どおりに」映像化しちゃえば好かったのでは…なんて思ったりもしちゃいますかね。最終結論、1点足そうとも⇔或いは引こうとも、結構に悩みつつこの位の評価としておきます。以上。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2024-04-14 10:54:48)
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