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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1.  男はつらいよ お帰り 寅さん 《ネタバレ》 
 アタシにはこれ、ひたすらツラい映画だったわ。   元々寅さんってスクリーンでは一度も見た事がなくて、今回が初めて。父親がテレビで放送されるたびにチャンネルを合わせるのを仕方なく眺めてた程度。あとバス旅行の時にバスのテレビで見たとか、BSでなんとなく途中から見て途中でやめたりとか、特に思い入れは無くて。  でも、映画を見始めた頃からずっと近くに存在していて(松竹系の映画館に行けば予告編は見るワケだし、日テレ年末の恒例番組だった『お正月映画全部見せます』ではお目当ての洋画枠はごくごく短くて、多くを大手邦画会社の目玉映画の紹介に割いてて、そこで毎回寅さんの撮影現場が映し出されていたワケで)、だから寅さんと言えば昭和の映画の記憶、みたいな存在だったのね。   これは、そんな寅さんが久しぶりにスクリーンに帰ってくる映画、だったのかしらねぇ? むしろ本当のタイトルは『さよなら 寅さん』だったんじゃないかしら。寅さんが生きた時代、輝いた時代がかつてあって、満男はそんな過去を回想してゆくけれど、満男の現在、社会の現在、世の中の現実は、寅さんが生きた時代とは遠く離れてしまっていて、それが遠い記憶、思い出として描かれているようなカンジ。映画は、もう寅さんが居ない世界で、今のこのリアルを生きるしかないんだよ、みたいなことを言っているみたいに思えたのよね。  すっかり歳を重ねた人々、回想の中に登場するキラキラ輝いたヒロイン達の、でも多くの、もうこの世に居ない人々。過ぎ去って戻らない時間の、その残酷さ。   映画としては物語がほぼ流れてない(状況と回想ばかりが羅列される状態)のと、満男役の吉岡秀隆が何故かいちいち目をひんむくのでなんかびっくりしてるの?ってのが気になったわ。   泉の存在は今の現実世界を映す鏡のようで、その仕事は国連の難民支援、疎遠な父母は未来の無い状態。寅さんの居ない世界では、そこに奇跡は存在しなくて。まるで寅さんは今や記憶の中のファンタジーでしかないと言っているみたいで、寅さんと共に生きた人々はそろそろ思い出をまとめて、そうでない(もう少し若い)人々はこれから先の厳しい現実を生きてね、みたいに受け取ってしまって。   1974年の大晦日に映画好きになったアタシは45年後の大晦日にこの映画を見たのだけれど、45年前のその日をハッキリ思い出せるだけに(日比谷で映画を見たあと、今はもういないおばあちゃんの、今はもう無い目黒・三田の実家に行って出前ののびたラーメンを食べて)、その時間の重さ、残酷さをこの映画に思い知らされて、結構ショックが大きかったわ。
[映画館(邦画)] 6点(2020-01-04 15:02:01)
2.  オズランド 笑顔の魔法おしえます。 《ネタバレ》 
 昭和の頃に作られた映画です、って言われても納得しちゃうような古臭~いセンス、それはもちろん、舞台の遊園地に漂う昭和感だけが原因ではなくて。   仕事に向き合います、って映画なのだけど、信じられないくらいにインチキ、ハリボテな部分が多いのよね。実際にはそんなことあり得ないわ!ってツッコミ入れるしかないような、大きな引っかかりの数々。それが醒める要因になって、なんかとても空疎なものを見せられているようなカンジになって。  緊急車両を園内に入れないとするならば、園内でそれに十分に対応できる設備、体制が整っていなければならない訳だけれども、そんなの無し。もしお客さんに何かあったらどうするわけ? お客さんがどうこうって言っていながら、お客さんの方を全く向いてない映画なのね、これ。   ディズニーリゾートにもチラっとだけ触れつつ、それを表面的に豪華なモノとして扱い、こちらは人を、ナカミを描きますよ的な。でも実際にはディズニーリゾートの何も見てないし研究もしてない、ひたすら怠惰な映画なのよね。  年に5~6回ディズニーリゾートに行くのだけど、お客さんみんなが純粋に積極的に楽しんでる、その姿こそが魅力なんだと思うのね。そのためにあらゆる努力をしてる。だから遊園地を描く時に最も大切なのって、お客さんの表情じゃないかしら? ところがこの映画ときたら、お客さんはモブ、あくまで従業員ばかりが目立つような世界。もっとお客さんの「顔」を捉えようよ。   いい加減な部分は他にも色々。クライマックスだって、気球乗る事まで計算してた? 一人で気球を操る事も? 気球がアトラクションに衝突する危険性は考えなかった? そこにかかってる冒頭のエピソードも含めて、従業員だけで完結していてお客さんの方を全く向いてないじゃない。  アイドルのワガママを聞くのだって、あれじゃブラック労働推奨状態だし。  もうあらゆる事がインチキ臭くて、もっと真剣に題材に向き合ってくれないかな、って思ってしまったわ。ちっとも「仕事」に向き合えてないわよ、この映画。   西島秀俊のキャラってこの映画にとって最も重要な筈なんだけど、そういうキャラに至って、そしてそういうキャラであることの何が具体的に良いのか、それが見えてこないし。  「笑顔」っていう単純なキーワードだけで引っ張っちゃってるみたいで。その具体的な例を示す、魅力的な人に思わせるためのエピソードがまるで欠けてて。   熊本の復興にひと役買う映画、なのかもしれないけれど、だからって質はあまり重視しなくてもいいというものでもないわよねぇ。  今、この時代に作られることの意味、残念ながらそれを感じ取ることができない映画。
[映画館(邦画)] 4点(2018-10-28 19:09:05)
3.  音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!! 《ネタバレ》 
 三木聡監督の映画は、いつもインチキくさいというか、ニセモノって感じで、そこを楽しむのがポイントなんだろうけど、こうも大々的に公開されてしまうと、今回はちょっと違うのかいな?とか思っちゃって、でも実際に見てみたらやっぱり、みたいな。   映画は最初から一切ホンモノ感のない、あり得ない連中の作り物ワールドが暴走してて、酷いカメラワークと禍々しい色合いで描かれるカオスな世界。ワザと狙ってるつもりで、でも、そこが成功してるようには見えないの。ホンキでダメになっちゃってない?ダイジョーブ?って状態で。ハイパー空回り。   それでもそれなりに楽しかったり笑えたりもするんだけど、でも映画の本来の目的、根幹、芯の部分が楽しめてるのか?というととてもギモンで。  カメラワークはあくまで、ホンキでマジでそれダメでしょ、としか思えないくらいに酷いしねぇ。カメラワーク、まじクズ。   ふせえりと岩松了のコンビなんか、定番なわけよね。自分にとっては「あずきパンダちゃ~ん」のふたり。でも、この映画ではその定番っぷりもなんだか空回りの一要素みたいに思えてねぇ。   阿部サダヲと吉岡里帆のコンビは良いのだけど、でもそこまで高まらないままに終わってしまったような。ニセモノワールドな映画での後半からラストのマジメなシリアスなノリに違和感を抱いてしまって。感動よりもドン引き。何カッコつけてんだよタコ!くせーんだよ!!みたいな。   全体的に70~80年代のプログラムピクチャーみたいな雰囲気で、それなりに懐かしい感じもしたけど、それってつまり大作映画のオマケにでも付けとけよ!って程度の映画ってコト。   でも、この映画に対してアタシが抱いた印象の最も大きな問題、それは吉岡里帆の歌は最初の方が良かった、ってこと・・・マジ台無しな感想なー・・・   ちなみにアタシ的にささやき系女性シンガーはPoPoyans(デュオだけど)、絶叫系は橘いずみお薦め。
[映画館(邦画)] 5点(2018-10-14 19:12:31)
4.  オーシャンズ8 《ネタバレ》 
 ケイト・ブランシェット姐様が最高過ぎるので8点。以上。   だけだと、アレなんで(それだけで十分だと思うんだけどね)、あと蛇足。   『オーシャンズ11』があんまりだったんで、『12』も『13』もマトモに見てないって状態で(BSCSでやってるのを見たような見てないような)、なのでコレもあんまり期待はできないわ、ってカンジだったのだけど、一方でブランシェット姐様をはじめ、サンドラとかアンとかヘレナとか、もうイイ女優いっぱい出てるってのはどうしたって魅かれないワケにはいかなくって。   だけどソダーバーグだしねぇ・・・って何よ、今回ソダーバーグいいじゃん!って思ったらさ、エンドロール見て初めてコレ、ソダーバーグ監督作品じゃないって知ったわ。    中身ナシみたいな映画なんだけど、女優が魅力的で、なんかゴージャスな映像です、ってそれだけで十分だったりするワケじゃん。  スリルとかサスペンスとかがほとんど無くて、計画はサクサク進んで、アクシデントはほんの少しだけ。クライマックスで一応二転三転するんだけど、あくまでプラス方向にしか転がさないんで、なんていうか、呑気な映画。  でも、そのストレスフリーっぷりはなかなか得難いモノな気もして。あえてストレスを排除して、かつ面白さを作るって、意外と難しいんじゃない? それが出来てる映画なのね。   で、なんと言ってもケイト姐様ね。これまでのカッコいいケイト姐様ナンバーワンだった『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』のスパルコ大佐を超えて、この映画のルーはカッコいいケイト姐様更新。まるでヅカの男役トップみたい。サンドラとのコンビっぷりがハマってて、これなら『オーシャンズ9』を期待しちゃえるわ。早よ次。
[映画館(字幕)] 8点(2018-08-13 21:11:10)
5.  オンリー・ザ・ブレイブ 《ネタバレ》 
 あたしコレ予告編見て『タワーリング・インフェルノ』や『バック・ドラフト』みたいな大火災に立ち向かう男達のスリルとサスペンスに溢れたパニック大作だと思ったですヨ。ワクワクして見に行ったらさ、もう大ダメージ!みたいな。いやいや、実話ベースだったら、そりゃそうよね・・・   この映画を見る事で、森林火災に対する防火対策についての知識は身につきます。そして、それでは太刀打ちできない場合がある事も・・・。   いつ命を落としても不思議ではない危険な仕事に就く事と、相対する、家庭を守る事。そのジレンマに苦悩するドラマは正直よくある、ありがちなもので、それをまた延々と見せられてもねぇ、なんて思っちゃったり。  クライマックスで、19人が瞬く間に直面する危機、それがどうして、どのような理由で起こった、それに対して19人はどんな意識、どんな認識を持ったのか、そこはスッポリ抜けちゃってるカンジで。  そして、そんなコトを考えたりツッコんだりしてはいけませんよ、っていう「何しろコレは実話なのだから!」という大前提。このカンジはアレ、『バーニング・オーシャン』や『パトリオット・デイ』に近いわね・・・。   緊急シェルターの装着訓練を繰り返し見せる事で、なんかセリフとか見せ方とかで死亡フラグ立てまくりの19人だけれども、あの緊急シェルターがここ一番ってところで役に立つのね、きっとそうね、って思いながら見てたのですが・・・あー。   映画はドラマ中心で客観性には欠けていたので、この火災について色々と調べてみたのですが、高い気温と低い湿度の中で風速20mほどの強風によって急速に火災エリアが10倍に広がって退路を塞がれてしまったのですね。その過程を上手く描けてはいなかったかなぁ。気が付いたら、みたいな感じ。確かに当人達にとってはそういう感じだったのかもしれませんけど。   途中までずっとジョシュ・ブローリンをジェフ・ブリッジスだと思ってて、ジョシュまだー?なんて。おいおい、ジェフ20年くらい老けてないとでもいうの?って。だってジョシュ、昔のジェフに似てるんだもん。  ジェニファーは相変わらずキレイ。   マッチョイズムの映画っていうんでしょうか(いや、そういう言い方も「不謹慎!」って言われるんでしょうけどさ)、男臭さとか、男同士の下品な感じとか、そういうのニガテなんで、それもツラい映画でしたが、そういう男の熱いドラマがイイって人にはいい映画かと思います。はい。
[映画館(字幕)] 6点(2018-06-28 21:03:31)(良:1票)
6.  奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール 《ネタバレ》 
 この監督の作品の常で、薄っぺらいです。時代の上っ面をすくい取ってペラペラと軽薄に流れてく、でも、それはそれで1つの個性なんで、それを上手く活かせばいいと思うのですが、鈍重なんですよね。薄っぺらさを武器にできてない、マトモにあろうとする重力に足を引っ張られちゃってる?みたいな。   編集部が舞台で、リリー・フランキーが登場、もうこの監督はそれしかないんか?っていうか開き直り?みたいな状態で、そのマンネリっぷりのせいもあってか面白くないんですよね。妻夫木くんの自爆自虐妄想演技を見ても「またこのパターンかぁ」と。虎屋やYOKUMOKUとかの小ネタくらいしか笑えないっていう。  ハナシは『ジュエルに気をつけろ』なわけで、アレも大した映画じゃなかった気がするんですが、アレを超えてる訳でもなくて。水原希子嬢をシンボリックに描いて男のダメっぷり、ガキっぷりを笑うような話、でも希子嬢がひたすらエロティシズムメインの男目線(おっさん目線)でしか描かれていないので、そんな彼女が男を手玉に取る姿は結局ちっとも女性を尊重できてない似非フェミ映画になっちゃってる感じで。  クライマックスの3人の男の回想なんか、説明的でクドいばかりで、あー、さっさと先進んでくんないかなぁ、と。センチメンタリズムに走るラストもありきたりでクドく。   奥田民生に特に思い入れはありませんが、奥田民生は流れるものの、奥田民生というキーワードを映画の内容に上手く反映させている感じでもなくて。  相変わらず安藤サクラが良い、語るべきところはそのくらいだったかなぁ。   で、後は映画の内容とは関係ないハナシ。製作発表よりも前の事、スタッフの方がウチの店をこの映画のロケに使わせて、と依頼に来たのですが(舞台の地理的にも正しいですね)、店長(=私の叔父、そしてついでに義弟)が断っちゃいました。残念よねぇ。ウチの店なんてあと十何年も続きはしないでしょうけれど、映画は製作された時の時代感覚と共に何十年(あるいは何百年?)って残ってゆく、そこに記憶されてゆく訳で、そういうのってステキなのにね。
[映画館(邦画)] 4点(2017-09-20 19:36:18)
7.  オデッセイ(2015) 《ネタバレ》 
 よく言われる『ザ!鉄腕!DASH!!』よりも『いきなり!黄金伝説。』に近くない?とか思いましたが(ほら、あの番組は独りで生活するものが多いから)、それはともかく。   リドリー・スコット監督の抑えの利かない即物的表現はこういうポジティブな映画にこそ似合ってるんじゃない?と思いました。やっぱり死に向かう状況よりは生への執着を見せている状況の方を画として見たいですからねぇ。あくまで前向きに、ユーモアを交えて絶望的状況を乗り切ってゆくマット・デイモンの姿は大変にカッコイイのでした。   一方の地球側と彼を置いてきちゃった宇宙船側はあまり面白いところはなくて。宇宙船内の描写なんかは今から20年前くらいの映像技術程度じゃない?みたいなぎこちなさで。無重力空間での表現は『ゼログラビティ』まで行ってるのだから、ねぇ。   クライマックスの『ウォーリー』『ゼログラビティ』なんかでお馴染みのアレは(むしろ『アイアンマン』かな?)実際にはあさっての方向にすっ飛んで行っちゃうだろうなぁ、って思いましたが、そういうところも含めてあんまり細かいところは気にすんなって感じの映画で、程よい娯楽大作っぷりでございました。
[映画館(字幕)] 7点(2016-04-07 22:47:58)
8.  王妃の館 《ネタバレ》 
 基本はドタバタコメディの群像劇ですが、ツアー客やツアコンのキャラを作り過ぎていて、笑うというよりはヒクわ、って感じ。  キャラ一人一人に与えられた設定やファッションにあまり必然性が感じられないのですよね。平行するように描かれる小説世界と綿密にシンクロするようなキャラやエピソードがあるというのならば判りますが、それがあるのかどうか、と言われると殆どあるようには思えない状態で。  オーバーアクションが笑いに繋がる、みたいな単細胞的な演出で、ウソくさいキャラがドタバタと混乱しているばかり。  登場人物を整理して描くのがあまり上手くないなぁ、と。    それでも田中麗奈、吹石一恵、安達祐実と女優はみんな魅力的に撮れていて、一方男優の方は何やらいい加減なビジュアルって感じがして、なんか監督に意識の差があるのかいな、みたいな感じがしないでもなく。   映画としてのまとまりに欠いていて、何をとっかかりにして映画を見進めてゆけばいいのかを掴み兼ねる状態で、相当キビシい出来の作品。   と、ここまでは映画そのものの話。ここからは個人的な趣味の話で。  最近、宝塚が好きで、去年はフランス絡みの舞台だと星組の『太陽王』や宙組『ベルサイユのばら』を見まして。今年の雪組『ルパン三世』もマリー・アントワネットネタでしたし、来月には月組の『1789 バスティーユの恋人たち』もあって。  で、そんな私ですから、この映画に出てくるキーワード「太陽王」「ブルボン朝」「ベルサイユ宮殿」に反応しない訳もなく、右京と共にその世界に想いを馳せ、深く気持ちが入っていって。小説のエピソード自体はフィクションですが、ルイ14世の人物像を考えると、いかにもありそうな切ない話で。  小説部分でのフランス人を全員日本人が演じている事も宝塚を見慣れていれば、ねぇ。  更にシネスコ画面に広がるベルサイユ宮殿やパリの街並に心囚われ、デキの悪い映画なのに、随分と堪能してしまったっていうのが正直なところ。困った作品ではありました。
[映画館(邦画)] 5点(2015-05-05 19:43:58)
9.  オール・ユー・ニード・イズ・キル 《ネタバレ》 
 まさしく「ゲーム感覚」ってヤツで、100人マリオなんかメじゃないってくらいにリトライしまくりな覚えゲー状態な映画で。   戦争モノって事でFPS、TPSっぽい感じですが、体得したスキルを記憶しつつゼロからのリピートっていうのはむしろ『デッドライジング』に近いのかしら?みたいな事を映画を楽しみつつ考えていると、突如として「ここから残機無し、コンティニュー無し、一発死でゲームオーバーな」ってルール変更状態になって、そりゃエラいこっちゃ!って。ゲーマーなら判るその絶望感。「おいおい無茶すんな」って画面のトム・クルーズにハラハラドキドキ。  それはサスペンスを生む有効な手立てであると同時に「当たり前だけど命って1つしかないんだよ」って事をハッキリキッチリと認識させているわけで。ゲーム感覚を導入する事で逆説的に命についての映画になっているんだ、って感心。   「軍の広報担当者が陰謀だか嫌がらせだかで無理矢理最前線に送られて、戦闘に全く慣れていないがゆえに~」なんてややこしい設定は、主演のトム・クルーズがいいトシをしたオッサンであるがゆえなわけで、本当は若手スターがただ「新兵」を演じればそれで済むのですが、そこはそれ、スター映画ですし、彼であるがゆえの安定感や親しみやすさ、ユーモアなんかが生まれているわけですから、まあ、仕方ないでしょう。っていうか逆に、あのトシでよくもまあ頑張っております。   そのシーンは実は一体何度目なの?みたいな仕掛けも面白く、大々的な戦闘シーンもあって、見応えのあるSF映画でした。
[映画館(字幕)] 8点(2014-08-14 22:33:17)
10.  思い出のマーニー 《ネタバレ》 
 前半は全くノレなくて困りました。『アリエッティ』同様、またギスギスしたキャラが楽し気な姿を見せる事もなく鬱々とした物語を展開させてゆくのかと。記号的な性格の悪いキャラを登場させるあたりも含めて、作品に根の暗さを落としてしまうのはこの監督の性格なんでしょうかね。  杏奈がリアクションの薄い、表情の無いキャラであるとは言え、何らかの魅力は与えておかないと(この場合、絵ですかね。もっと彼女が描いた絵に杏奈という人格を映すとか)。どうも掴みが上手くないように思います。   中盤になって杏奈とマーニーのコミュニケーションの形が見えてくると映画への興味も膨らんできますが、それにしても構成はかなり雑だと思います。  マーニーはシンプルに杏奈のイマジナリーフレンドだと思わせつつミステリアスな要素がそれ以外の何かも想起させますが、そのミステリアスを生むためにとにかくエピソードのお尻を曖昧に切りまくるので破綻寸前。  サイロから発熱までをクライマックスに仕立て損なっている感じで、その後、真相話に至る部分があまりに唐突に感じられます。   それを救うのは細やかな作画や美術や音楽。  ジブリお得意のこれ見よがし系の丁寧ですよ作画からもうちょっと進んで、動画から質感や感触を表現する細やかさ。  匂いを感じさせる景色。  そしてキーとなる『アルハンブラの思い出』のメロディ。   物語ではなく、映画を構成する映像や音が杏奈とマーニーの世界を美しく彩り、魅了されてゆく感じ。作品空間の存在を感じさせる表現力。  終わってみれば、杏奈の内的成長を表現するに相応しい世界を共有し、心に沁みる時間を体験できたと思いました。
[映画館(邦画)] 7点(2014-07-22 06:19:21)(良:1票)
11.  オブリビオン(2013) 《ネタバレ》 
 物語はまあまあ面白かったと思います。でも、それを全部セリフで説明してくれるのね。別にラジオドラマでもいいってくらいにセリフで解説。SF映画なんだから映像で語って欲しいのですが・・・   ビジュアルの方はなんというか、余白の多い映像だわねー、って感じで。既視感の強いデザイン関係と、だらーっと情報量の少ない描写とで、ワリと退屈。もっと文明が破壊された、その大きな傷痕を見せてくれたりすると終末ものとしてインパクトがあると思うのですが、殆ど砂で覆われちゃって、チラリチラリと匂わす程度にしか見せてくれませんしねぇ。月が壊れてるってイメージだって『タイムマシン』で見たのと似たようなものですし。  この物語でこの視覚効果ならば、1時間40分程度が適正上映時間だと思いますわ。   あの地下に潜伏した人々、あそこの描写にもう少し力を入れていたならば、この映画の薄味な感じも緩和されたんじゃないかと思います。あまり見せない事によって隠された物語上の様々な秘密、それが結果的に映画の味を薄めてしまったんじゃないかなぁ。   オープニングのユニバーサルのタイトルがアレな事になっちゃってたのは楽しかったんですけど、そういうのは所詮ちょっとしたお遊びですしねぇ。   一応見られるものにはなっているけれど、この作品は特にここが、っていうところが見当たらないのが残念な映画でした。
[映画館(字幕)] 6点(2013-06-04 20:16:12)(良:1票)
12.  黄金を抱いて翔べ 《ネタバレ》 
 ずーっと気になった事。頭が切れた画ばかりで見苦しく、シネスコじゃなくてビスタで撮ればいいのに、って思いました。その見苦しさをこそ狙ったのかもしれませんけど。   犯罪へと走る動機の部分はすっ飛ばして、いきなりどんどんと物語が転がってゆく状態は無駄がなく、男達の生々しい存在感で力の漲る映画になっています。が、映画が進むに従ってどんどん雑になってゆく感じがしました。  中盤からエピソードが団子状態でまとまりが欠け始めるのですが、計画が実行に移されて以降はツッコミどころも多くなり。そもそも計画そのものがどういった流れになるのかが詳細はそれ以前に説明されないので、その計画とどう違いが生じ、その違いがどうサスペンスを生み出すのかは全く期待できない状態。  その上、実行されてゆく金塊強奪のシチュエーションが雑過ぎでまるで『殺したいほど愛されて』の夢想シーンなみのあり得ないような上手くいきっぷり。一発二発殴る事で必ず気絶する都合のいい警備員達とか、爆薬でどんどん開いてゆく扉とか、警官や消防士ののろのろっぷりとか、それは首謀者である浅野忠信のワリと行き当たりばったりな性格の反映だけでは済まない状態。終わってみれば随分と大味な映画だったなぁ、って印象でした。   それでも役者の醸す妙味は良かったです。決して人と目を合わせない妻夫木聡を始め、便宜上の「仲間」ではあってもそれぞれが孤立し孤独で繋がってはいなかったり、かと思うと感情の一部では共鳴していたりという複雑さを、それぞれが荒々しくかつ繊細に、巧みに演じていました。   骨太で熱くそして大味で、それは良くも悪くも男臭い映画という感じでした。
[映画館(邦画)] 6点(2012-11-11 22:15:42)
13.  踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 《ネタバレ》 
ドラマシリーズから見続けてきた身としては何だカンだ言ったってその軌跡には感慨深いものがありますし、タナボタながらも青島と室井について一応のケリを付けてくれていたりもして、なのでファンとしてこの点数。オープニングの各キャラの軌跡を辿る映像のコラージュに、会社の仲良しみんなで見に行ってぎゅうぎゅう詰め状態の日劇のロビーで過ごした時間を懐かしく切なく思い出してジーンとなって。ただし、じゃあ手放しで良かったって喜べるのかと言えば・・・。まず完結編なのだからとばかりにこれまでの細かい遊びネタを画面端まで詰め込んであってウザいです。ファンとネタを共有して楽しみまーす、っていうのはもう古いと思うんですよね。80年代のアニメか?っていう。毎回映画をグダグダにさせる原因になるどうでもいい脇エピソードを今回あまり目立たなくさせて物語の主軸を一本化して簡潔にした点は良かったですが、その過程には疑問いっぱい。事態が進行中の状態で何故幹部連中が幕引きを謀れると思っているのか意味不明ですし、クライマックスの青島と室井の連携は始めにシチュエーションありきで無理矢理な感じ。でも、最大の疑問は『踊る』って結局何だったんだろうなぁ?ってところで。前作は業界の事情やしがらみが脚本に反映されるという、警察機構の体質云々を問える資格の無い、「作品」と呼びたくないレベルのみっともない作品でした。それに比べれば今回は一部不自然ながらもそのハードルを越えて作品として成立させている分マシなのですが、このシリーズが一貫させてきた事、凶悪犯罪者に一切の人間性を与えず絶対悪として切り捨ててきた事が今回、破られているのですね。組織内部の犯罪だから、やむにやまれぬ事情を設定する必要があるから、それは作品を完結させるためには必要だったから? それって結局「身内に甘い脚本」となったんじゃ? 脚本が逃げに走った事でシリーズ全体がボヤける結果になったという。長く親しんできた登場人物の行く末に感動させられつつも、最後の花道を飾りきれなかったちょっと残念な面の残る作品でした。
[映画館(邦画)] 7点(2012-09-09 14:22:25)
14.  おおかみこどもの雨と雪 《ネタバレ》 
初日の六本木は老若男女で溢れていて、つくづく日本人は日常的にアニメに親しんでいる民族なんだなぁ、と。この映画はそんな日本人のアニメを見る能力「アニメ力」に安易に依存してしまっている気がしてなりません。茶色のトレスラインの花畑寝ころびによって一発で『魔女の宅急便』のオープニングに繋がるイメージ、『トトロ』のさつきとメイのように庭を駆けめぐり、みんなで大きな口を開けて笑う、それは監督のジブリコンプレックスと言うよりも観客の既視感、既に成立しているアニメというものに対するイメージに依存しながら映画を運ぼうとしているように思えるのです。そういう判りやすいアニメの文法をあえて無視して脚本や演出に目を向けると、この映画、隙間だらけという感じ。人の心の移ろいが悉く点で描かれていて、その流れは「観客に備わったアニメ力によって行間を埋めておいて下さい」という甘い作りになっている感じがします。母の子を育てる意志も、雪の人への心の目覚めも、雨の野性への目覚めも、村の人々が家族に向ける善意も、転校生の雪を信じる意志も、全部が隙間だらけで、それが善良なるアニメ文法の映像によって描かれる事で観客側で自動的に善良なる方向へ補完されてめでたしめでたし、みたいな。それでいいのか?と。誰かに褒めて貰いたいのかな。そもそも誰に見せたかったんでしょう? 先生に褒めて貰いたくて自分の言葉を失った作文みたいな映画だと思いました。
[映画館(邦画)] 3点(2012-07-22 00:24:03)(良:6票)
15.  ALWAYS 三丁目の夕日‘64 《ネタバレ》 
記憶に残る、路面電車とトロリーバスの架線が作る東京の低い低い空を再現してみせたオープニング、そして3Dで手が届きそうな東京タワーで、今回もまたやってくれると思いました。だけど、今回はあまり時代と人とが共存してるって感じがしないんですよね。新幹線開業や東京オリンピックなど懐かしネタを散りばめてはいるものの、その時代の生活の空気がドラマに深く根ざしてはおらず、これまでのシリーズで確立されたキャラクターのイメージに頼っているような感じ。で、そうなってしまうと茶川のキャラはひたすらウザく、そして語られる多くのエピソードはあまりのベタっぷりが浮彫りになって。昭和30年代を舞台にした物語ですよ、というのが大前提にあって、たとえ嘘クサくても昭和ノスタルジーの匂いが漂っていればこそ、そのドラマに酔う事もできたのですが、このギリギリの時代設定(もう少しだけ経過すると高度成長から公害の時代へ突入して鉛色をした現実の痛みの方が大きな記憶になります)を、今一つ上手に利用できていなかったな、って感じました。鈴木オート、いくらなんでもカラーテレビ購入が早過ぎです(笑) あんな庶民生活してて、何故そういう高価なモノに手を出すかなぁ。そういう、周囲よりも時代の先へ進んじゃおうとする人を描く事で、昭和レトロな雰囲気がぶち壊れちゃうとは思いませんでしたかねぇ? 当時の「未来を信じて前を向いてゆくキモチ」っていうのは、その記憶があればこそ有効な訳で、作家として成功しちゃうとかいう状態も含めて、庶民レベルでない状況を描いてしまうと、それは受け手に違和感を与えかねないのではないかなぁ。つーか、吉岡さんの演技はなんで他の作品も含めて毎度いつも同じですかね? 3Dも最初の東京タワー以外、特に意味は無し。でもまあ、寅さん的な、待ってました!ってノリ(鈴木オートの怒り大爆発!みたいな、ね)はやっぱり楽しませて貰いましたし、淳之介の旅立ちには感慨深いものもあって、シリーズを通して見ていれば十分に楽しめる作品ではありました。
[映画館(邦画)] 6点(2012-03-05 15:37:03)
16.  大鹿村騒動記 《ネタバレ》 
騒動記って言ったって、大した事が起こる訳ではありません。邦画の青春映画によくある、紆余曲折ありつつも、みんなで頑張って一つのカタチにしました、ってアレの思いっきり歳とってますバージョンみたいなモノで。そして、その「歳とってます」というところがこの映画のカナメ。時代が移ろいゆき、人も移ろいゆき、その一方で変わらぬ自然の風景と、継承されてゆく伝統とがあって。背景にリニア新幹線誘致や地デジ化など、とても今日的な変わりゆく時代を配し、駆け落ちで出て行った女房が認知症を患って帰ってきた、というエピソードを主軸に時を重ねる事で変わってゆく人の姿を描き、そして、時の重さの中で変化を繰り返す人々が、それでも長年継承されてきた伝統を守ろうとする姿が描かれ。変化するものであれ、守られるものであれ、そこに人々の様々な思いが存在しているのですよ、という事を判り易く描いている感じです。次世代へと受け継がれてゆく予感まで描いたこの映画、原田芳雄の遺作という形になってしまったのは残念ですが、「遺す」というのに相応しい内容を持った作品だったと思います。ちょっとひっかかってしまったのは、歌舞伎のシーンに話を盛り上げるためのやかましい音楽を付けてしまった事。かえって興を削いでしまってます。あそこはそんな事をせずに役者の力を信じないとねぇ・・・
[映画館(邦画)] 7点(2011-08-13 15:23:58)(良:1票)
17.  おまえうまそうだな 《ネタバレ》 
予想していた映画とはかなり違っていて(そもそも「おまえ、うまそうだな」って部分がそう大きな比重を占めていないです)、相当にシビアな物語。肉食竜と草食竜との決定付けられた運命に対して、じゃあ、その主流から外れてしまった者がいかなる生存の道を選択できるのか?っていう時に、この映画はやはりとても日本的な道を歩むのですよね。同じようなテーマを抱えたアメリカ産の『マダガスカル』の安直な解決法や『ヒックとドラゴン』の痛みを伴う変革の道とは違って、国産の『もののけ姫』や『あらしのよるに』に類似した、あくまで日本的な方向性。それがこの作品の魅力でも、そして限界でもあると思います。安易な共存の道を選択する事はありませんが、ラストシーンの二人の姿に、輝かしい未来など見出す事はできない訳で、それが子供向けの映画にとって相応しい落としどころなのかどうかに関しては、やや疑問が残ります。ですが、一方で「情」を軸とした物語は大変に感動的で、よくできています。徹底して描かれる他者との関係性の物語は恐竜という存在にはおよそ似つかわしくなさそうですが、『ダイナソー』に感じたリアルな恐竜が語るドラマの違和感に比べたら、そこは国産アニメのお家芸とも言えるキャラへの命の吹き込み方でまるで問題なし、という感じで。ウマソウの声が、どうにもこうにもこども店長まんまで終始現実に繋がるイメージがつきまとってしまうのが残念なものの、シンプルなデザインのキャラが語るドラマと、ふんだんに盛り込まれたアクションとサスペンスとスペクタクル(ここもワリと重要)、意外な程に娯楽映画としての満足度は高い作品なのでした。
[映画館(邦画)] 7点(2010-11-28 22:44:07)(良:1票)
18.  大奥(2010) 《ネタバレ》 
最後まで見終わって「よく耐えた、頑張ったよ、俺」って思いました。何度途中で見るのやめて外に出ようと思った事か。もう元が馬鹿馬鹿しいじゃないですか、大奥の男女逆転って。お笑いにしかならないネタをそれなりに地位のある役者達がマジメにやってる状態が、非常に居心地が悪いというか、キモチ悪いというか。基本があり得ないんですよ。男が少ない世界で、なんで将軍が女で大奥が男だらけになるのか?というのが説明されてはいても全く納得できるものではありませんし、女が男らしく、男が女らしくなってゆく理由も理解できません。なんで大奥の男共がオネエ状態であらねばならないのか、と。そういうおかし味を「おかしいね」って楽しませて貰いたいところなのに、一体何をトチ狂ったのか、阿部サダヲがあくまでシリアスだったりするのを始めとして、いちいちマジで(しかも演技も殺陣もCGもギクシャクと)展開してゆくワケで、すっげー居心地悪い映画。せめて、そのネタ世界を煌びやかに、ゴージャスに美しく飾ってみせるならば、まだ納得もゆくのですが、ここに登場する男達、あんまり美しくないし。最初の方で、主人公が唐突に大奥に行く!と決めるあたり(大奥と主人公の接点がその決意までに一切描かれてないの)で「この映画、ヤバい」と思ったのですが、大奥内部のドロドロさ加減とか、独自のしきたりとか、オチとか、何から何まで「ネーヨ」としか思えず、笑う事すらできず。「こんなの見にきちゃってどうしよう」って感じで。腐女子って男ヲタに比べたらなんだかんだ大っぴら状態で市民権得てるのが不思議だよねー、とか思いながら呆然と眺める以外になす術はなかったのでした。
[映画館(邦画)] 2点(2010-11-01 19:05:44)
19.  踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! 《ネタバレ》 
賞味期限切れ。あんなに好きだった『踊る』、映画版だってデキが良くないとは言え、毎回ワクワクして見てましたが、時の流れは『踊る』を最先端から時代遅れにまで押しやってしまった感じでした。何もかもがいい加減な作りの映画、今の時代には通用しなくなっていると思います。以前、巨大企業へのシステム導入の仕事をしていたのですが(だから当然運送業者の人々とも連携します)、ここまで杜撰な管理体制の中では仕事になる訳がありません。最初から非現実的な設定の中では、何が起ころうがサスペンスの生まれようがないのです。時代遅れの若者観、ネット観まで含めて、この脚本家にはもはや時代を語る能力が完全に失われているように思います。本広演出にしても相変わらずゴチャゴチャするばかり、ネタの仕込みには熱心だけれどドラマ演出メタクタ。まるでまとまりがなく、脚本家の悪意が潜んでいるこの映画、下手をすると『少林少女』よりヒドいです。映画開始1時間でやっとテーマ曲が流れ、コート姿の青島復活!ってそこまで引っ張る以前にもうグダグダ。面白くもなんともないエピソードがダラダラと連なっているばかり。ポストの変化だけで昔のまま通そうとするキャラ、事務所の事情、もう色んな無理を通して映画作るの、やめた方がいいと思います。少なくとも、この監督とこの脚本家では最早『踊る』の存続は無理。
[映画館(邦画)] 2点(2010-07-06 17:41:55)(良:3票)
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