1. バイオハザード(2001)
《ネタバレ》 観客=プレイヤーという視点が使えない以上、ゲームを移植する感覚では映画化できない。そこで、少しでも主人公=観客と近づけるために記憶喪失サスペンスとして再構築した点は高く評価したい。P・T・Aと区別するため、「冴えない方の」などと揶揄されていたP・アンダーソンとしては会心の出来といってよいSFアクションには仕上がっている。それにしても、ミラを撮る視点がイヤらしすぎないか、アンダーソンくん? 7点(2004-05-09 19:15:31) |
2. π(パイ)
ここで取り上げられている題材が理系受験生レベルかどうかも判断つかない文転組の俺。しかし、映画だから必ずしも本当に最高難度の数学である必要はないとフォローしつつも、やはり展開にはのめり込めなかったのは事実。主人公の苦悩の本質が今ひとつはっきりしてこないんだよね。とはいえ、独特の映像感覚には引き込まれたので、点数としてはこんなものかな。 5点(2004-05-09 19:08:36) |
3. PERFECT BLUE
アイドルのストーカーを巡るサスペンスに引き込まれながらも、どうしてアニメでやる必要があるのかと中盤まで解せなかった。しかし、クライマックスに至り、アニメだからこそできる仕掛けが明らかになり、思わず納得。テーマも実写を観る者よりもむしろアニメおたくにこそ合っている。アニメおたく達のニーズがあるかはわからないが。ともあれ、自分のジャンルの特性を考えないクリエーターが多く見受けられる昨今、本作のスタッフの真摯な姿勢を是非とも見習ってもらいたい。 8点(2004-05-09 19:01:05) |
4. パーフェクト ストーム
w・ペーターゼンのダイナミックな演出のおかげで、決して飽きはしない。しかし、見終わって人間ドラマとしての余韻が何も残らないのも事実。一つだけ出発前の酔っぱらいのセリフに共感できるものがあったが、もう忘れてしまったので引用できず。そのため見返してみようかと思ったが、やはりそこまでするほどでもないな。M・ギブソンが断ったのも納得がいく薄いプロットが致命的。 4点(2004-05-09 18:51:27) |
5. パーフェクト・カップル
どうもM・ニコルズとは相性の悪いおいら。史上最低の主人公を描いた『卒業』にだけ妙に共感できたのだが、それはまた別の話。(興味を持たれる方が万が一いたら、『卒業』のレビューを参照のこと)この人の欠点は、人間の弱さを描く際に妙にシリアスになってしまうことではないか? それもかなり中途半端な。もっと軽いノリでこの大統領予備選を描いていたら、きっともっと楽しめるものになっていたに違いない。役者陣は概ね好演していたので、甘めに採点。 6点(2004-05-06 17:09:49) |
6. バーニーズ/あぶない!?ウィークエンド
アイデアは面白いが、今ひとつプロットが膨らんでいかなかったのが残念。もっともっと仕掛けられる題材だったとは思うのだが。あわてふためくA・マッカーシーはなかなか魅力的。 5点(2004-05-06 16:56:13) |
7. バートン・フィンク
《ネタバレ》 コーエン兄弟の作品は、一見不条理に見えて意外に理に落ちてしまうことが多い。本作はその典型例である。しかし、脚本家が避けることのできない創造の苦悩を、夢という媒体を用いて観客にも追体験させていく仕掛けはうまい。これから観る人は理屈を考えずに、コーエン兄弟が生み出すヴィジュアルイメージに身も心も、そして脳もゆだねるのがいいだろう。とはいえ、そこかしこに「論理」が現れてくるので、クローネンバーグの『裸のランチ』ほど世界に酔うことはできないのが難点だが。 というわけで、作家追体験ソフトとして皆さんには、『バートン・フィンク』→『裸のランチ』→『アダプテーション』の3点セットをおすすめしたい。 体験談:今まで凡人だと思ってた私もこれですっかり脚本家になった気分に浸っております。でも、やっぱり脚本家になったらなったで苦しみっぱなしでもう死にたいです……。 恭人さん(仮名) 32歳 7点(2004-05-06 16:52:30) |
8. ハードネス
みなさん言う通り、女版『ダイ・ハード』……まんまです。そして、本家でベトナム戦争自慢をしていたあのR・ダヴィも出ています。まぁ、それも大したウリにはならないのだが^^;。 3点(2004-05-06 16:35:19) |
9. ハートブルー
囮捜査で知り合った男二人の友情物語。もっといくらでも面白くなりそうな題材だが、丁寧に心情を描こうとしたため、結果中途半端になってしまった。やはり、アクション映画としてもっとプロットもダイナミックに動かしてほしかったものだ。それはさておき、当時「この世でもっとも美しい男」としてキアヌーを売り出していたのに違和感を覚えたのは俺だけか?! どう見てもA・ドロンの足元にも及ばない。まぁ、俺よりかっこいいのは間違いないんだが……(あたりまえ)。 3点(2004-05-06 16:31:33) |
10. バードケージ
まぁ、R・ウィリアムズとN・レインを見ているだけで充分楽しめる。特にN・レインは『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』でもこの役を意識した感じでカメオ出演していた位、ハマリ役といってよい。しかし、何かしっくりこない。と思ったら、これ、M・ニコルズなのか。やはりコメディとしてのはじけ方が今ひとつこなれていず、硬いのが難点のようだ。もっとドライな味付けであれば、もっともっと面白くなったはず。惜しいっ! 6点(2004-05-06 16:24:53) |
11. バード・オン・ワイヤー
今思うと、『張り込み』の大ヒットを契機にこの辺りからJ・バダムが職人化しだした。そして、M・ギブソンとG・ホーンというあんまりな組み合わせでも文句を言わず、それなりに仕上げていく手腕はさすが。定石通りのゆるい脚本に資質が全く違うキャスト2人なので、バダムでなければ大惨事になっていたのではないか?とはいえ、やっぱり何も記憶に残らないアクション・ラブ・コメディであることに違いはない。 5点(2004-05-06 16:17:45) |
12. ハード・ウェイ(1991)
当時はJ・ウッズを『ヴィデオドローム』でしか知らなかったおいら。ぐちょぐちょ銃を持った刑事とさわやかBOYマイケルってどういう組み合わせだ、と驚いた記憶がある。しかし、さすがは職人監督J・バダム!程良いさじ加減で軽妙なバディムービーとして仕上げていて心地よい。「大人の役が欲しい!!」とバタバタと動くマイケルは必見。早く完治して完全復帰してくれ!がんばれ、マイケル! 8点(2004-05-06 16:09:29) |
13. バード(1988)
C・パーカーを題材に孤高の天才の苦悩を扱った作品。実在の人物を描くと主人公を美化し、どうしても描写に偏りが起きてしまうので、あまりこういった作品は好みではない。しかし、本作では普遍的なテーマを中心に据えているため、『アマデウス』同様そのような違和感は覚えなかった。(もちろん、実際のパーカーと作中のパーカーには差異が大きいのだろうが)物を極めれば極める程高くなっていく天井。やはり俺は彼らのような天才の気持ちが痛いほどよくわかってしまうんだよなぁ……すみません、わたくし嘘をついております(反省)。 8点(2004-05-06 16:03:36)(笑:1票) |
14. バーチャル・ウォーズ
5代目J・ボンド、P・ブロスナン主演のヴァーチャル・リアリティ版『アルジャーノンに花束を』。当時、近未来の代名詞として「ヴァーチャル」という言葉が流行していたなぁ、などと今観ると妙にノスタルジックになれるかもしれない。が、所詮はB級映画で人間の感情のうねりなどは全く持って浅い。やはり、SF映画においても人間ドラマとしての深さが重要であると痛感する今日このごろであった……。 4点(2004-05-06 15:48:48) |
15. バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲
シュワに気を遣ったのか、ラストでいい人にしてしまうのはいかがなものか。哀愁漂う悪役を登場させた『リターンズ』というお手本がありながらもったいない。ロビンやA・シルヴァーストーンの新キャラも邪魔なだけで、これ以上バットマンの存在感を薄くしてどうするのだろうか。クルーニーも雰囲気は悪くはないのだが、パッとはしなかった。シューマッカーの資質はこういったヒーローものには向いていないのだろう。 2点(2003-11-30 23:03:22) |
16. バットマン・フォーエヴァー
《ネタバレ》 R・ウィリアムズの代役J・キャリーの熱演は面白いが、ジョーカー同様やはりやりすぎの感は否めず。一方のT・L・ジョーンズはあまり印象がない。そして、バル・キルマーは悪くはなかった。特にヒロインからもっと好きな人がいると振られた際の、バットマスクから見える口がゆるむ表情などは秀逸だったのだが。シューマッカーは原色を活かした演出を披露しているが、アクションシーンが整理できていないのが難点。 5点(2003-11-30 22:56:40) |
17. バットマン リターンズ
《ネタバレ》 バットマン・キャットウーマン・ペンギン・・・3人のトラウマを抱えた怪人達の織りなす哀愁漂う物語に切なくなってくる。前作と違い、3人を対等に描いているのがよい。また、前作で秀逸だったゴッサムシティも相変わらず素晴らしく、T・バートンの脳内世界を堪能できた。ファイファーの死後、たくさんのネコが寄ってくる映像も不気味さ・狂気が感じられ印象的。 8点(2003-11-30 22:50:36) |
18. バットマン(1989)
ティム・バートンの作り出す世界の魅力に驚かされる一作。M・キートンは表と裏の顔を上手く使い分け好演しているが、如何せん野放し状態のニコルソンのせいで興ざめ。しかも、「『バットマン』を楽しむ会」のような有志団体が劇場に現れ、バットマークが出るたびに拍手をしていたのが痛々しい。アメリカの真似をしたいのだろうが、気に入ったところで騒げばいいのであって、無理矢理盛り上がろうとするのは他の客にとって只の迷惑である。 4点(2003-11-30 22:44:44) |
19. バトルランナー
《ネタバレ》 S・キングが別名で書いた作品が原作となっているが、映画は設定だけを借りた全くの別物になってしまっている。原作にあった主人公の怒り、そして自己犠牲は案外胸を打つものであり、当時ならばスタローンにこそふさわしい役であった。いくら感情を演じられないシュワを主役に据えるからといってここまで変えてしまうのはいかがなものか? 原作未読の方、よかったら原作にも目を通してみてください。 4点(2003-11-23 09:20:57) |
20. バック・トゥ・ザ・フューチャー
本当は満点をつけたい位よくできた作品。しかし、大きく減点したのは二つの理由から。1.何よりも後味がよくない。どうしてビフが卑屈になっているのか。ビフは不良だが、他人の介入によって人生を狂わせられるほどの悪人ではない。もっとあたたかい視点がほしい。2.やはりエリック・ストルツのことを思うと切なくなる。彼のスチールは公開すべきではなかった。 7点(2003-11-20 05:46:17) |