1. PLAN 75
《ネタバレ》 角谷ミチが生き延びたのは、物分かりが良すぎる自分に対する抵抗ではなかったか。 [インターネット(邦画)] 10点(2023-02-20 06:39:24)(良:1票) |
2. 風雲児たち 蘭学革命(れぼりゅうし)篇<TVM>
《ネタバレ》 これは、相当好きだな。主役の二人の年齢はアラフォー(杉田玄白)、アラフィフ(前野良沢)だけれど、青春群像劇ですよ。前野良沢は、「舟を編む」の馬締をさらにナイーブにした感じ。臆病すぎる。プロデューサー杉田玄白の打ち手にムダがないのもすごい。二人だったから、解体新書を世に出せた。ぶつかり合い、ねじり合い、紆余曲折はあるのですが、ただ二人の信頼の物語だったんだと思いますよ。原作未読です。読んでみたい。 [DVD(邦画)] 9点(2020-08-11 18:46:29) |
3. ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ
《ネタバレ》 「俺はコンセプトを作った」と言われたときに、胸をつかれた気がしました。ああ、この創造性のないおっさんがのし上がっていく物語り、気に食わんわあ、と辟易していましたが、そういうことなんですね。彼は彼なりに、新しい価値を作り出しているつもりだったのですね。そうなのかもしれない。彼にとっては、マクドナルド兄弟のシステムは、単にビジネスのリソース。自由に使っていいもの。弱肉強食なんて、思ってなかったんじゃないでしょうか。単に自分の執念に基づいて、合理的に行動しただけ。「紳士協定」って言葉が出たときも、ハッとしました。レイはそのときは、可能であれば守るつもりだったのだと、ワタシは思っています。ま、ワタシ、マクドナルド嫌いですけどね。「コンセプト」って言葉を使う人、うさんくさいと思っていますけど。【追記】すきやを、吉野家はどう思っているんだろう。 [インターネット(字幕)] 9点(2019-12-07 00:48:31) |
4. 富士ファミリー〈TVM〉
いいです。だから、今回は非ネタバレ的に書きたい。木皿泉的な真面目で直裁で青臭いメッセージ。おそらく好き嫌いがあるんだろう。けどオレは好きだけどね。このゴージャスな俳優陣は通常のドラマでならオゴりすぎって言いたいところですけど、正月ドラマだったことを思えばよしとしよう。基本的に弱いもの視点だから、そんなんだからマズいんじゃないかと言いたいところもあるんだけれど、でもこれでいいんだよ。みんな、ホントは弱いんだから。良作。 [インターネット(邦画)] 9点(2018-07-03 21:54:23) |
5. フライト・ゲーム
《ネタバレ》 これは奥行きの深い作品でした。犯人グループのビル(リーアム・ニーソン)への信頼感が半端無い。彼が最善の策を採るであろうことを前提として、犯人は計画を進めていきます。だから、身を持ち崩した中年男ビルのことが、物語半ばを過ぎても本当は悪の手先かも知れない疑惑を払拭できません。こんなに不安定なまま、話が進んで良いのか。ホントは、別タイトル・同一主人公の「一作目」があって、他のみなさんはもっと心安らかに観てたのかも、他の方のレビュー見てからここを書き始めました。ないようですね。いや、こんな鑑賞後の気持ちは初めて。満足。 [DVD(字幕)] 9点(2015-02-21 08:44:45) |
6. 冬構え<TVM>
《ネタバレ》 山田太一による「東京物語」の換骨奪胎。永遠のおじいさんであるところの笠智衆。彼の名優が決して演じなかったおじいさんの物語。もっとたくさんの人に観て欲しい! [DVD(邦画)] 9点(2014-01-02 15:13:43) |
7. [Focus]/フォーカス(1996)
《ネタバレ》 「クルマ」が引き金になるのですね。部屋は見せられないが、むしろ取材して欲しかったんでしょう、彼の自慢のシルビア。さんざん、いい調子のレポーターに火薬詰め込みまくられたところで、宝物、足蹴にされたら発砲しますね。その後の取り乱す姿にピークを迎える浅野忠信は、そこに至るまで蓄積されていた分が解き放たれ、確かにすごかった。それに加えて、荒削りでかつ繊細なこの話を紡ぎ出した、当時若い脚本家であった新和男氏に+2点献上したい。 [DVD(邦画)] 9点(2010-04-11 08:35:19)(良:1票) |
8. BLUE GIANT
《ネタバレ》 切実だなあ、息苦しい。何度も、涙ぐむ。なんかこう、形のないものを信じている人がいて、その気持ちが分かるというか。よかったです。どう理解したら良いのかと考えたあげく、「俺節(@土田世紀)」みたいだ、と思いました。やっぱりジャズと演歌は特別なのか。原作未読。 [DVD(邦画)] 8点(2024-01-21 14:27:57) |
9. 福田村事件
《ネタバレ》 いつかこんな映画だか小説を観た(読んだ)ことがあるような気がするんですよ。恐怖と猜疑心に駆られた善良な小心者(松浦祐也)の過剰反応から転がり出すドタバタコメディ。ドリフのいかりや長助さんが薬売りの団長(永山瑛太)の役だったり、福田村の村長(豊原功補)役がハナ肇さんだったり。ただ、本作は、ガッツリ二枚目や美人の女優さんが、史実にインスパイアされたドラマとして、ドキュメンタリーを主戦場にした監督が作ったものなワケです。もうこういう映画をコメディとして消費できるような余裕が世の中になくなってきたということではないかと危惧しています。荒唐無稽、ありえないこととして、笑い飛ばせない。最期のシーン。ふるさとに戻ってきたところで、もう以前の場所には戻れないことが分かった少年の表情。差別とか偏見とかも大きなモチーフの映画ですが、これで業の深さというか、普遍的な人間のドラマに仕上がってたような気がしています。■残念なのは、道具の使い方がイマイチのところ。鍬だったり、船の櫓だったり、軍剣だったり。 [映画館(邦画)] 8点(2023-09-11 16:50:37)(良:1票) |
10. 文学賞殺人事件 大いなる助走
《ネタバレ》 本作のタイトルをどうするかで、ひと悶着あったのではないでしょうか?あくまで原作通りの「大いなる助走」にしたい鈴木監督と、それじゃお客をとれないから、クソダサいけど理解されやすい「文学賞殺人事件」とする配給会社の間で。作品中オープニングタイトル(大きい赤い文字で「大いなる助走」、小さく「文学賞殺人事件」)はもちろん、エンディングに何故かでるタイトルまで「大いなる助走」(のみ)推しなのに、DVDのパッケージ、映画のポスターやパンフレットは「文学賞殺人事件~」になってます。このなんかギクシャクした感じに原作者ツツイも絡んでいたら、なおさら趣深いと思うのですが、あなた、どう思われますか? そんなことは別として、本作について。ただただ面白いです。 [インターネット(邦画)] 8点(2021-02-07 08:11:56)(良:1票) |
11. ファニーゲーム
《ネタバレ》 不愉快なのは、本作の乾いたバイオレンスでも神経に触るような会話の応酬ではなく。救いがないってことで有名なあの「ファニーゲーム」とかいう映画を、近所のレンタル店ではないからって、わざわざオンラインの店から取り寄せて。どうせあんたの見たかったのはこういうのなんだろうって。20年前から監督に見透かされているような、それで後ろめたいような不快感。監督が観客に仕掛けたFunny Games。観ちゃったら、被害者。 [DVD(字幕)] 8点(2018-02-24 16:18:59) |
12. 淵に立つ
《ネタバレ》 予定調和をことごとく外してくる。少女を殺めようとしても捕まらない。その少女も死なない。殺人の際に足を押さえていても捕まらない。他の男に気持ちを奪われるのだが、一線は越えない。そして、ラストシーンも。居心地の悪さは最後まで続く。若い彼はもしかして、いろんなこと知ってて鈴岡の加工工場に来たんじゃないか。無垢な大賀が一番怖い。 [DVD(邦画)] 8点(2017-07-16 09:39:06)(良:2票) |
13. FAKE
《ネタバレ》 ラスト近く、極めて重要な選択を佐村河内氏に迫るワケです。そうであるなら、あの難聴メンタルコーチに会いに行ったのやら、外国人ジャーナリストの取材を受けたのも、監督による誘導であったのではないかと妄想してしまいます。あ、いえワタシはそれをドキュメンタリーらしからぬ演出とか言うつもりは全くありませんよ。ありもしない事実を作り出したのではなく、このままでは知られず埋没しそうな事実を掘り起こすためのモノだったのですから。「ドキュメンタリーは嘘をつく」と言い続けている監督一流のものだったと思いますので。いや、マジで、まったく正解だったと思います。あくまで妄想ですけど。 [映画館(邦画)] 8点(2016-08-06 21:08:23) |
14. ブラック・レイン
《ネタバレ》 勝手に「刑事である高倉健と松田優作がアメリカで事件に巻き込まれる」話だと思っていましたが、まるで違うんですね。そういうのって、我が同胞もがんばっているな、なんて生暖かい眼で見たりしちゃうじゃないですか。うれしい誤算。不思議な国ニッポンだったのですね。たぶんアメリカでは、有名監督リドリー・スコットの撮ったB級映画として、好事家にもてはやされているのではないでしょうか。とはいえ日本のワタシとしては、男が惚れる2大俳優のコラボを実現してくれた、とてもありがたい作品だと思っています。邦画で2人をブッキングすると、いろいろと過剰になってしまいそう。マイケル・ダグラスがいい毒消しになっています。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-09-27 15:16:40)(良:1票) |
15. 舟を編む
《ネタバレ》 真面目でトンチンカンなヤツといえば、現実ではともかく物語世界ではかなり勝率の高いキャラクターだと思います。数々のほほえましい失敗をやらかしつつも、必ず最後にはうまくいくタイプ。三浦しをんの原作においても、そのフォーマットが活かされていたし、もっとコメディ色も強かったと思います。しかし、松田龍平の(石井監督の)馬締はそうではなかった。オダギリジョーや宮崎あおいの光を浴びて月のように光る馬締。ごく当たり前に真面目な馬締。抑えた演出。そこが妙に気持ちのいい映画です。加藤剛、ベストキャスト。 [DVD(邦画)] 8点(2014-05-04 23:09:24) |
16. フライド・グリーン・トマト
《ネタバレ》 第一感は、古い少女漫画。いや、褒めているんだ。変わり者で勝ち気なイジーとほわんとしたルースの成長譚。大島弓子あたりでしょうか(あまりものを知らずにいってます)。朝の連続テレビ小説然ともしていたな。また、美しく強いイジーは宮崎アニメの主人公のようでもありました。つまり、黄金のフォーマットを幾重にも重ねて作られた本作が、面白くないわけがなく、ただパッとしないエドではあるが、エヴリンのことを静かに愛しているのだと援護したい一作でもあった(ダメ?)。【追記】これは「同性愛もの」ではないだろう。新しく観る人に言ってあげたいけど、ネタバレなのでいかんともしがたい。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-04-12 07:13:09) |
17. ブラック・サンデー
《ネタバレ》 公開中止はこの映画にとって、むしろ勲章でしょう。かつてはこれだけ屈託のあるストーリーの映画を米国も作っていたのですね。ワタシも、ブルース・ダーンに一票いれたい。最後は、飛行船をスタジアムの真ん中に着地させてやりたかった。そのためには、あの百円ライターでは、導火線に火をつけさせてやれませんけど。 [DVD(字幕)] 8点(2010-09-17 15:34:39) |
18. ファイナル・デスティネーション
《ネタバレ》 不慮の死はなく、小さな必然の積み重ねってのは、小さいトラウマになりました。実際、死にまで至らなくとも、様々なトラブルは、そんなつもりじゃなかった小さいことの積み重ね。ワタシ、寝床についてから聞こえる妙な物音に、ちょっと過敏になったフシあり。 [DVD(字幕)] 8点(2010-08-27 23:18:31) |
19. プール(2009)
《ネタバレ》 小林聡美ファンとしては、突然ギター抱えて歌い出されたときには、少しビクッとしてしまいました(スター隠し芸大会風?)。でも、あらためて聞き返すと、「君の好きな花」は、これから地味に歌い継がれそうないい曲なんですよね。なんか、ふっとしたときにリフレインしてしまいそう。そして本作は、いつか、またきっと見たくなる良品。 [DVD(邦画)] 8点(2010-06-26 08:54:45) |
20. プロジェクトA
《ネタバレ》 ブルースリーや少林寺に流れを汲むカンフーアクションは、何となく食わず嫌いなモノです。でも、ジャッキーチェンだけ、特別。身近なものを武器にしたり、危機一髪の状況を味方にしたり。ジャッキーは、バスター・キートンの大ファンとのこと。腑に落ちました。 [DVD(字幕)] 8点(2010-05-05 07:46:16) |