161. ブリキの太鼓
肝心のオスカルがあまりにも我儘で自分勝手でしつけができてなさすぎで、全然ついていけませんでした。にもかかわらず、進行には最後まで興味を持って追って行けたので、表現としてはよくできているのでしょう。マリアの自然な可愛さが印象的でした。 [DVD(字幕)] 5点(2008-08-25 02:44:00) |
162. フォロー・ミー
《ネタバレ》 元は舞台用の脚本ということで、やはり、その場でのやりとりをカメラを通じて延々と見せられているだけという印象は否めない(ポイントを絞れば、半分以下の時間でまとめられるはず)。ただし、男女関係・夫婦関係において、いろいろ訊いたり問い質したりしたくなるのを抑えて、じっと相手と呼吸を合わせ、相手を理解することの重要性を正面から単純明快にずばりと提示しているのは、今見てもインパクトが大きい。この観念は現在でも通用する普遍性を有していると思う。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-08-21 04:29:49) |
163. ブロンコ・ビリー
イーストウッドがロマコメなんて!と、見る前は変な期待をしてしまったのですが、やはり、妙なところに妙な力が入っていたりして、こういう軽い作品には合いませんね。終盤などはつぎはぎでつないでいるような感じで、リズム感やスピード感にも欠けています。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-08-12 02:01:05) |
164. フォーチュン・クッキー
《ネタバレ》 導入部からは普通のドタバタコメディの予感がしてくるのですが、豊富に仕込まれた笑い所の数々と、カーティスとローハンの息の合ったやりとりによって、予想以上の作品となりました。特に、カーティスが実に楽しそうに演技をしていて、こっちまで楽しくなってきます。ただし、母→娘の理解のベクトルは描写されているのに比べ、その逆の方向の描写が弱いのが少し残念。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-07-12 03:15:50) |
165. フロント・ページ(1974)
やたらと会話が長い割に「オチ」も「間」もなく、しかもみんな妙な力を込めて演技をしているため、見ていて疲れる。若かりし日のスーザン・サランドンも、何かしてくれるのではないかと期待していたが、さしたる見せ場もなく終わってしまった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-07-10 20:29:00) |
166. フェーム
もっと、青春の溢れるパワーが音楽や演劇を通じて大爆発!みたいな感じになるのかと思っていたのですが・・・。ステージに上がるということをちょっとでも真剣に考える人が見れば、そもそもオーディションの時点で全員落選でしょうし、その後も誰が何をしたいのかが全然はっきりしない。みんなで歌ったり踊ったりする場面は多少盛り上がりますが、楽曲の良さに頼ってその前提となる人格表現を抜きにしているのは、映画としては不合格です。点数はもちろん、'80sサウンド丸出しの主題歌に対して。 [DVD(字幕)] 4点(2008-06-15 23:01:43) |
167. フィクサー(2007)
《ネタバレ》 この邦題で主演がジョージ・クルーニーであれば、弁護士でも手に負えない難事件を次々に解決する「フィクサー」が、それでもたじろぐほどの大事件が起こり、それでも数々の人たちの思惑を抑え込んで事態を乗り切る・・・みたいな内容を期待するところですが、全然そんなことはない、というかむしろ対極でした。冒頭の事件処理からして何となくぱっとしないのですが、おまけに私生活では借金まみれだし、起こってくる状況に対しても何か無力で受身的だし、そのくせラストはえらく都合良くて、そもそも何のためにこの主人公の設定にしたのかよく分かりませんでした。普通の展開にしていたら素直に面白くなったと思うのに、奇をてらって価値半減になった感じ。 [映画館(字幕)] 5点(2008-04-21 02:38:29)(良:2票) |
168. フライトプラン
《ネタバレ》 魅力的な設定に対するオチはかなり粗っぽくて、そこを期待すると腰砕けになりますが、例えば、問題が起こったときの機内のうんざりした雰囲気とかぞわっとした空気感など、優れた描写もそれなりにあったりして、案外捨て切れないのです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-04-08 23:42:23) |
169. プレステージ(2006)
ノーランのオタク魂全開の作品。中身やディテールがどうのこうのというより、この窒息しそうなほど濃厚に凝縮された空気感が、オタク。 [DVD(字幕)] 7点(2008-04-01 04:49:16) |
170. 復活の日
《ネタバレ》 もっともらしく登場する渡瀬恒彦も千葉真一も緒形拳もあっという間にいなくなるし、映画で見るのは貴重かもしれない多岐川裕美も丘みつ子もほとんど出番ないし、途中からは画面を占めるのは(草刈を除けば)外国人ばかりだしで、見ているときは不満タラタラであり、しかもいきなり地震がどうのこうのという根拠薄弱な理由でワシントンを目指し始めたときはこれはギャグかと思ったのですが、そこからさらに強引に決めまくったラストまでで完全に黙らされました。恐るべし角川。よく見ると、大統領も無力なまま死に至ったりとか、ぎりぎりのところでスイッチを安全側に切れなかったりとか、パニック系の王道パターンをさりげなく外しているんですね。その辺が裏から作品に強力な印象を与えています。オリビア・ハッセーの演技にやる気が感じられないのが難点。 [DVD(邦画)] 7点(2008-03-23 01:50:04) |
171. 復讐するは我にあり
《ネタバレ》 前半の緊張感は文句なし。特に、最初の2人の殺害で、1回ではすぐに殺害に至らずに抵抗され、必死になってもみ合う描写が、生々しい現実感を与えている。緒形拳の演技は、殺人者と詐欺師の両方の性質を持ち合わせている主人公を全力で表現していて、彼のキャリアの中でも出色だと思う。なんだけど、途中から延々と浜松のシークエンスが続き、緊張が薄れてしまいました。実際の事件では、浜松の後にもいろいろと起きているし、何よりもこの事件で劇的なのは、熊本で11歳の少女に正体を見破られて逮捕される部分でしょうに。そこを改変してどうするの。それが一番残念です。 [DVD(邦画)] 6点(2008-03-20 05:24:48)(良:1票) |
172. フェイク
設定が設定なんだから、もっとギャップに悩む場面とか、ばれそうになって焦る場面とかがいろいろあるかと思ったのに、意外と最後まですーっと流れてしまいました。それと、奥さんの描き方がステレオタイプで、しかもぎゃーぎゃーうるさいだけなのが気になりました。あれはリアリティがないです。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2008-01-07 04:18:48) |
173. 初恋(ファースト・ラブ)(1970)
ツルゲーネフの名作文学の映画化作品です。細切れな各シーンを淡々と積み重ねていく展開には、もう少しいろんな部分を強調できたのではないかという不満も残るが、終わってみればすべてが切ない青春の想い出として結実している。ジナイーダのやってることは、一歩誤ったら淫乱とも評価されかねない行動なのであるが、そんな雰囲気は排除した上で、あくまでも少年の視点から憧れの女性として追い続けているのがよい。こういう話に小細工はいらないのです。なので、点数も甘め。 [DVD(字幕)] 7点(2007-12-08 00:14:19) |
174. ブラッド・ワーク
いちいち関係者ごとに状況や推理の過程を説明してくれる懇切丁寧な脚本に脱力。もっと黙って地道に捜査できないのでしょうか。観客はそれでもきちんと分かります。私的な部分でのヒロインや周辺人物とのやりとりも平凡極まりない。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2007-11-22 05:03:09) |
175. ブラックホーク・ダウン
背景の説明とか、兵士個々人のストーリーなどをばっさり切った潔さは、映画としては正解だと思う。そういうのをやり出すと、それだけで作品が終わってしまい、戦闘描写などおざなりの、かつフィクショナルなものにしかならないから(幾多の先例のように)。ソマリア人は確かにほとんど人間扱いされていませんが、現実にも彼らの目にはそのようにしか見えていないということです。多分、作戦の失敗も、根本的なところでソマリア人をなめていたところに原因があったのでしょう。 [DVD(字幕)] 5点(2007-11-12 04:04:25)(良:1票) |
176. ブロードウェイと銃弾
他のアレン作品に比べて、特段出来がいいとは思わない。どんなシーンでも、構成上明らかに不要な人物までがやがやと画面に映り込んでくるのが最初から最後まで気になった(したがって、当然、目障りで無駄な動きも増えてくる)。美術関係に+1点。 [DVD(字幕)] 4点(2007-11-09 04:13:15) |
177. フル・モンティ
《ネタバレ》 いかにもイギリスなダメ人間奮起一番ドラマなのですが、他の同種ものに比べると、生活描写力も弱く、キャラクターも弱く、テンポも悪く、登場人物の「突き抜け度」も弱い。全体的に中途半端です。それに、ストリップって1回脱いじゃったら終わりなんだから、再生の手段としても弱いんじゃないのかな・・・。ラストの後、主人公たちがどうなっていくのかが、あまりイメージできません。 [DVD(字幕)] 5点(2007-11-03 14:55:04) |
178. フラガール
《ネタバレ》 炭坑町にハワイアンリゾート計画という通常ありえないような取り合わせであれば、そもそも、誰が、どのような想いからそんな無謀な計画を推し進めたのかというのが当然気になるのだが、そんなことは一顧だにしていない、いきなりフラダンスありきで始まるオープニングに唖然。その後も、講師が泥酔して登場するとか、最初に集まったのが意図的なほどイモくさい人たちであるとか、講師が実は借金取りに追われているとか、設定なり演出のやることなすことがいちいち陳腐なのです。友人との別れとか、講師を駅で引き止めるシーンとか、そんな二流テレビドラマのような部分に時間を割くのであれば、なぜもっと練習や技術向上やチームワーク形成の部分、もしくは会場建設の準備の部分を描写しないのでしょうか。勢揃いのダンスシーンが見られる後半は多少マシになりますが、それはフラダンスの力であって、映画の力ではありません。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2007-10-14 23:08:27)(良:4票) |
179. フィールド・オブ・ドリームス
ファンタジーの部分が勝ちすぎて、のめり込んで見るまでには至らないが、それでも、僅かな可能性を信じてそれにすべてを投入していくことの尊さを正面から讃美したという点において印象に残る佳作。演技面では、男優陣をしっかり後ろからコントロールしているかのようなエイミー・マディガンの巧演が特筆されるべきだろう。 [DVD(字幕)] 6点(2007-10-08 03:45:08) |
180. 普通の人々
淡々とした平坦な会話が延々と続いているだけなのに、なぜか最後まで筋が追えてしまう不思議な作品。各登場人物は、同じことを繰り返しているように見えて、ラストに至るまで僅かずつではあるが確実に変化している。その過程の一つ一つを、陳腐な盛り上げを入れずに素直に映像に収めた誠実な姿勢が、作品を心に残るものにしている。 [DVD(字幕)] 7点(2007-09-23 01:37:26) |