1. ブリキの太鼓
わざわざ見せなくてもいいような不快でえげつない映像がこれでもかと押し寄せてくる。しかし根底に流れる感情は決して悪意ではなく、むしろユーモラスな温かささえ感じさせる。そういう意味ではこの映画そのものが子供の心をそのまま映した極めて純粋なものであると言えるのかもしれない。一生忘れないであろう強烈な印象を残す作品でした。 10点(2005-01-31 08:05:20) |
2. ブレア・ウィッチ・プロジェクト
まず、発見された映像は誰がどういう目的で編集したのか、という根本的な疑問がある以上さほどのめり込む気にもなれないのですが、偽ドキュメンタリーとしてまあまあの出来だとは思いました。作った人たちは、当時「次はコメディを作りたい」と言っていたけど、多分つまらないと思う。映画で一山当てるには宣伝がいかに大事か、という事実を教えてくれるとともに、宣伝さえうまければ中身がスカスカでもいいのか、という映画そのものに対する疑問さえ考えさせてくれる、ある意味貴重な作品ではありました。 3点(2004-06-05 00:23:10) |
3. フレンチ・コネクション
《ネタバレ》 題材から言えばもっと緊迫しそうなもんですが、なぜか退屈で仕方が無かった。一番白熱するのはカーチェイスでも電車内のおっかけっこでもなく、車の解体シーンだと思う。でもその後結局銃撃戦になり釈然としないラスト。有体に言って失敗作では。 3点(2004-05-23 00:28:56) |
4. プライベート・ライアン
想像以上に大人の映画だった。偉いさんの偽善のための妙な任務に命をかけざるをえない下っぱ達。それでも下っぱたちは腐ることなく自分なりの存在意義を考えつつ真面目に任務を遂行する。そんな男たちの揺れたり揺れなかったりする様がとても良かった。 8点(2004-05-13 00:49:22) |
5. ファーゴ
コーエン兄弟初体験。率直な感想は、何て悪趣味な兄弟だ、と。袋の中のミミズやさらわれる奥さんの大股開きなど、いちいち見せなくていいよ、と言いたくなるシーンが多い。しかし主題として力を入れるべき犯罪や殺人シーンへの執着を手放し、淡々と突き放して撮り続ける妙なセンスは他の作品も見たいと思わせるのに十分な魅力があった。 8点(2004-04-14 01:31:13)(良:1票) |
6. ブレイブハート
とても悲しくて鬱な映画。最大の敵が英国王ではなく、味方の欲や自己保身であるところが何ともやり切れない。憎むべき老人たちが寿命で死のうとしてるところもやり切れない。何から何までやり切れない。見事。 9点(2004-04-14 01:00:04)(良:1票) |
7. プラン9・フロム・アウター・スペース
これも怪物の花嫁同様、敵側の正体を早い段階でばらしてしまってる(目的はかなり引っ張ってるけど)。じれったくて仕方ない。セットのしょぼさ、昼→夜への唐突な変化等、金銭面や技術面のネタが多いのですが、エド・ウッドが最低と言われる真髄は前述の盛り上げ方のヘタクソさ、会話シーンの単調さ等、監督としての核となる部分であり、むしろ言い訳ができる分金が無くて良かったんじゃないかと。とんでもなくイカレた映画をとる才能はあったのに、その隠れた才能に気づかずまともな映画をとろうとしてしまった事が最大の悲劇なのだろう。 3点(2004-04-07 17:14:57)(笑:1票) (良:2票) |
8. ブリジット・ジョーンズの日記
《ネタバレ》 ブリジットの描かれ方が女の悪い面までさらけ出していてリアルに見えますが、作品はいたってノーマルなファンタジー。いい男に巡り合えなかった理由はほとんど内面的なものなのに、そこを何も努力しないまま2人の男前に惚れられる。全然リアルじゃない。傷つきやすいがゆえにひねくれてしまった人は大抵悪循環に陥るので、現実には何の参考にもならない話だけど、最後自力で追いかけて行ったところは素晴らしかった。 7点(2004-04-07 16:42:07) |
9. フォレスト・ガンプ/一期一会
狭い視野を保って一直線に進んで、知らないうちに成功してたというよくできたおとぎ話。世渡りがヘタだとか空気が読めないとかいうことを気にしないのが最強だと学んだ。 8点(2004-04-07 16:23:50) |
10. プラトーン
悪くないとしか言いようが無い、ほどほどの映画。想像を裏切るような展開も特に無く、いかにも常識に溢れたビジネスマン的な性格の監督だな、という感じ。「このシーンを見せたい」という気持ちが強すぎて、ややあざとく感じられるのが難。戦争の皮をかぶった社会人一年生物語。 6点(2004-03-21 20:33:01) |
11. フェリーニのアマルコルド
じわっと良さがよみがえって来るような不思議な映画。笑えるシーンや見惚れる程の美しいシーンも満載。でも確たる主人公を宣言してない感じなので、他人の想い出アルバムを見せられているような変な感覚にも陥る。多分自分のために撮った映画ではあると思う。 9点(2004-03-17 01:25:06) |
12. ブルーベルベット
日常の中に突如顔を出す非日常。そこに発生する不安と緊張。吉田戦車の漫画はそれを笑いにしてますが、これはサスペンス。でもサスペンスにしては空気が緩慢。疲れる。監督のイメージからもっと破綻した物語を想像してましたが、意外と綺麗にまとまってました。 6点(2004-03-11 18:31:05) |
13. ブラス!
最底辺の人々が見る小さな夢。イギリス映画でこの手のものをいくつか見ましたが、何か好き。映像に凝り過ぎず自然に見せてくれるというか。内容で一つ気になったのは、結局男の理屈で女をねじ伏せて生活とか大事な問題をうやむやにしてしまっている印象を受けたところ。 7点(2004-02-27 21:44:27) |
14. フルメタル・ジャケット
戦場の真の恐ろしさは、死への恐怖でも人を殺すことへの恐怖でもなく、人を殺すことに慣れてしまうことなのだ、と理解した。 10点(2004-01-22 01:03:38) |