1. ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像
《ネタバレ》 オークションで見つけた肖像画が実は名画だった、というう夢のある話のようでいて、華香現実を見せてくれる作品。初めは肖像画の正体を追っていく過程がミステリーのような心地よさがあり、後半の、歪な家族関係の修復や商売敵の妨害諸々などはまた違った方面の盛り上がりを見せてくれ、個人的にはとても楽しめました。 落ち着いた音楽や画廊の雰囲気、主人公が死ぬ演出やラストのくだりなどなかなか見せ方もよく、いい余韻が味わえました。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-04-14 02:04:40) |
2. らせん階段(1945)
《ネタバレ》 一応サスペンスの部類になっていますがその演出は紛れもなくホラー。 冒頭の殺人鬼の眼球のアップ映像から、雷鳴轟く屋敷、印象的な螺旋階段、風にゆらめく蝋燭、終盤の暗闇で繰り広げられる殺人描写。 障害を持つものを殺していくというある種タブーのような内容と、その狂気に取り憑かれた犯人心理などは現代のサイコホラーのそれ。 直接的な描写はなくとも十分恐怖を感じられる演出。 題名んあるほどらせん階段がキーになるかといえばそうでもないのですが、穿った見方をすれば、螺旋構造(遺伝子)とかけているのかな、というのは原題的な解釈なのでしょうか。 ともあれ、今見ても十分趣のある、面白い作品でした。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-02-04 20:18:28) |
3. ラストナイト・イン・ソーホー
《ネタバレ》 すごーく雑にいうと、「プロミシング・ヤング・ウーマン」などと同じ題材を扱っているのですが、正直こちらの方が面白かったです。 原色バリバリの照明と気を衒ったアングルとオールディーズ(アレンジ込み)などの音と映像で見せる手法はアルジェントのそれ、というか現代版ジャーロというべき手法。特にいきなり挿入される印象的な殺人シーンはゴア度という意味ではそれほどですがインパクトは抜群。 一見すると、60年代(というか前世紀)の女性の立場の弱さやジェンダーなどのもろもろ、夢半ばで諦めxざるをえなかった悲しい女性の物語などを主軸にしているようでいて、その実そんなのはどうでもよくて、とにかく綺麗な女の子がひたすら酷い目にあって画になるシーンと印象的な殺人シーンがあれば良いわけなので、そういう意味で非常に良くできていると思います。 意外に思える犯人も、序盤の「8時以降の男性来客禁止」「喫煙禁止」というのをうまいこと「夜の洗濯禁止」という禁止事項でカモフラージュしつつ、「愛着があるから売らない」という意味深なセリフでしっかりと明示している点も細かいなと思いました。 そして、はじめてエリーがサンディの姿を鏡で見るシーンがそのまま立場を変えてラストへ持ってくるあたり(そして同じ行動でしめるあたり)イカしているな、と思いました。本来なら7点くらいかな、と思っていたのですがこのシーンで一気に好きになりました。 昨今は変なお気持ち配慮が映画界にも迫ってきていて変にメッセージ性を求めたり、平等だの配慮だのという風潮がありますが、個人的に映画なんてもっと俗っぽいもので良いと思っているので、もっともらしいテーマで煙を巻いていその実ただのグロテスク映画だった、という本作は非常に気に入りました。 [映画館(字幕)] 8点(2021-12-11 02:57:51) |
4. ライフ(2017)
《ネタバレ》 このストーリーなら「隔離」とかっていうタイトルでもよかったのではないか?と思いました。 軌道ステーション上でのお話、火星にいた生命体を研究していくうちにとんでもない事態が起こる、という展開。よくあるものですが、まず研究や被害の舞台であるステーション内が無重力で、しっかりそのことを意識している情景描写にリアリティが感じられました。 そしてタコ型?よくわからないエイリアンも、小さな細胞から徐々に進化?成長?していくとい過程も、いきなりででーんとエイリアンが登場するよりも緊張感がありました。 ラストのオチもとっても好きです。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-10-02 12:52:02) |
5. ラッシュアワー3
《ネタバレ》 国際線の機内にて鑑賞。 年齢を考えれば仕方ないですけど、やはりジャッキーアクションの少なさにがっかりと云ったところでしょうか。 今回はフランスということでしたが、まあ大体の展開はいつもの通りなので、それナ入りに見られるもそれ以上は期待できない、という感じでした。 まあ、あのシスターは、なかなか良かったと思いますが。 [DVD(字幕)] 5点(2008-03-14 03:11:10) |
6. ラストデイズ(2005)
《ネタバレ》 あくまでインスパイア作品なので事実ではありませんが、まあ、実際もこんな感じだったんでしょうね。 にしても、本当に静かなで(良い意味でも悪い意味でも)退屈な作品ですね。 特にニルヴァーナに思い入れはありませんが、別にソロが下手でも、ノイズ全開でも、小汚い格好でも立派にロックスターになれるんだと証明したニルヴァーナはやっぱり伝説のバンドだったんでしょうね。 まあ、その反面、有名になりすぎて、こんなはずじゃなかったってな感じで、バンド名のとおり死に対する悟りを開いちゃったわけですが。 あと、ここでVUを流すセンスはなかなか良いと思います(笑) [DVD(字幕)] 6点(2007-04-15 08:36:36) |
7. ランド・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 どんな感じなのかは薄々感づいてはいました。2作目(ゾンビ)がオールタイム・ベストである僕にとっては続きがどのようになっていようがもうどうでもよかったのですが、やはり、“続く”というと見てしまうものなので…。で、正直なところ、これはアヌビスの新作というより“ドーン・オブ・ザ・デッドの続編”つまりリメイク版「死霊のえじき」という印象を受けました。冒頭より「俺たちゃ~ゾンビだぜぇ~」な、いかにもな動きを見せてくれるゾンビと、「こいつらの対応なんざぁ朝飯前だぜぇ~」な主人公たちの描写。そしてひとまずの楽園を作って暮らしている人間たちと最後にはそこにゾンビがやってきて崩壊…という流れで、エンターテイメントとしては面白いけれどもストーリーは前3部作と比べると随分薄味になったような気がします。しかし、最後の方でいかにも「俺だよ俺!サヴィーニ様だよ!!」と言わんばかりにサヴィーニゾンビが“78年に死んだ”時のまんまの格好でスクリーン上にで~んと登場したときは思わず嬉しくなってしまったので、ここへきて1点プラスしときます。 [映画館(字幕)] 7点(2005-09-12 19:21:52) |
8. ラスト・ヒーロー・イン・チャイナ/烈火風雲
《ネタバレ》 正規のシリーズとしては繋がりは全くありませんが、元々ワンチャイというシリーズ自体が一話完結みたいなものなんで、黄飛鴻系列ということで楽しむのがいいでしょう。相変わらずリンチェイの動きは惚れ惚れするほど素晴らしいですし、ところどころのギャグも見ていて面白い。特に後半、鶏が百足を捕えるところにインスピレーションを受けるのはいいとして百足軍団に鶏拳、しかも鶏の格好するってのは見てて大爆笑でした(笑)なんかリンチェイ演じる黄先生がすんごく楽しそうで楽しそうで。またマンダムさんの仰るとおり元祖少林寺俳優のリュー・チャーフィとの闘いもなかなかのもの。また「少林寺」以来だと思われる酔拳を使うリンチェイもいいですね。あとはエンドロールのNGシーンでしょうか。これ見ると本当に皆さん楽しんで作ってるってことが判ります。残念なのはツイ・ハーク版の時のメンバーがいないってことなんですが、実はこっちの方がツイ・ハーク版より好きだったりします(笑)。 8点(2004-09-06 16:36:21) |
9. 羅生門(1950)
やはり、後のヒットメーカーと呼ばれる監督たちに多大なる影響を与えた黒沢監督だけあって映像、ストーリー共に最高水準ですね。冒頭の土砂降りの中不気味に佇む「羅生門」そして、「死体なんざ、この上にあがってみればいつも5,6体は転がってらぁ」の台詞が異常なほどに不気味。そして、自分さえよければあとはどうでも良いといわんばかりの登場人物たちの意見の食い違い。結局、真実は誰にも判らない。それが人というもの。平安時代だろうが現代だろうが、いつの時代になっても、それは変わらないものなんですね。しかし、だからこそ、理想主義の僧侶のように、人を信じるという事がより大切なんですよね。 8点(2004-08-20 03:19:59) |
10. ラブ・アクチュアリー
大体のラブ・ストーリーってのは主人公が自分の趣味に合わなかったり、話の筋や展開が好みじゃなかったりして意見が凄まじく分かれるものだけど、その問題をこの作品は、誰も主役ではなく、また誰もが主役で在れる群像劇というスタイルをとる事によって見事に解決している。そのためヒュー・グラントやコリン・ファーズ等の大物役者があまりでしゃばらずに“オレ様映画”にならなかったこともポイント高し。それに個々のストーリーも、どこにでもあるありふれたものなためそれぞれに自分を置き換えたりと感情移入もしやすく、2時間少々充実した時間を過ごせる。ただ難を言えば、とりわけ最近の群像劇はやたらに登場人物が多すぎるので、誰が誰だかわからなくなったり、群像劇に慣れていない人が見るとてんでサッパリ意味が判らなくなってしまうという欠点はあるにしろ、僕が今まで見てきた恋愛映画の中では最上位に位置するものだし、なによりも世界には愛が満ちているという事を実感できたので、点数は文句なく8点。これはお薦めですよ。 8点(2004-08-11 19:14:35)(良:2票) |
11. ライフ・イズ・ビューティフル
評価できるのは前半のコメディ部分まで。ここはまあまだ見るに耐える代物ではあるけど、問題は親子共々強制収容所へと送られるところからガラガラガラと崩れ去っていく。「極限の状況下でも希望を持つ事はこれほど大事だ」「親とはこういう状況でも愛する子供を守るものだ」って言いたい事は判らんでもないけども、かといってこれほどにも重大な惨事をこんなコメディに使うってのは、やっちゃあいけない事だよ。『そう云うことを考えるのはナンセンス」「映画はフィクションなんだから、その中でくらい現実味がなくても良いじゃないか」という意見が出そうだが、それじゃあ自分が体験した悲惨な事をこんな形で描かれたら、果たしてどうだろう。残念ながらそこら辺の思慮があんたにゃ欠けているようだよ、ベニーニさんよ!Arrivederci!(さよならだ!) 5点(2004-04-23 02:54:56)(良:2票) |
12. ラッシュアワー2
前回同様、ジャッキーとクリスのコンビは良いんですがやはりどこか消化不良気味な点がある。やはりジャッキー=カンフー、前回よりも確かに増えてるといえば増えてるけどどうもイマイチ。それに共演者のチャン・ツィイーも【グリーン・デスティニー】のような華麗なる体術を見せてくれるかと思いきやそうでもない。やはりジャッキーvsチャンが見たかったなぁと思う今日この頃 5点(2004-04-16 19:17:58) |
13. ラッシュアワー
この映画に求めるものが違うッ!といってしまえばそれお終いなんですけど、ジャッキー=カンフーな僕としてはどうにもイマイチとしか言いようが無い。クリス・タッカーとジャッキー・チェンの破天荒刑事(デカ)2人組みの問答は見ていてとてもテンポがよく楽しめるんですが、どうにも一味足りない。ジャッキーが出てるのにカンフーがなかなかお目にかかれないってのが痛かった。まさに可もなく不可もなくな映画。 5点(2004-04-03 16:25:59) |
14. ラスト サムライ
《ネタバレ》 和ですね。さすがに主役なためトム・クルーズが凄く存在感をアピールしてます(トム・クルーズはそれほど好きじゃないんですけど)けど、インディアンのエピソードの時「彼らは野蛮人だ」といういかにも西洋人の観点からの発言に対し「彼らは真に勇敢だった」と認めるところが忠義を重んじていることを物語ってると思います。日本人がカウボーイになれないのと同様にアメリカ人も真のサムライにはなれないながら、それでも武士道に生きようとする姿は彼がまことの戦士という証なんでしょう。決起した侍達が「行くぞ!」の掛け声とともに村から馬に乗って駆けて行くシーンには大和魂を感じました。少し冗長だなと思うシーンもほんの少しありましたがそれでも充分に見ごたえのある映画でした。 7点(2004-03-01 03:02:46)(良:1票) |
15. ライアー ライアー
相変わらずなジム・キャリー。意志とは無関係に口が動いてしまうところで、必死にそれを押さえようとして右往左往する時の仕草がとてつもなく可笑しい。特に自分の手(に持ったペン)と格闘しているシーンなんかは【死霊のはらわたⅡ】のアッシュを思い出してしまいました。いや、しかしこの人って本当にブルース・キャンベルにクリソツですな~。 8点(2004-02-15 20:24:08) |
16. ラストエンペラー
広大な紫禁城や途方もない数の臣下など、中国ってのはやはりでかい。さすが華の中の華=中華思想のもつ国ですな。かつては世界を統括するほどの強大な力を持った大帝国だけに、その衰退もどことなく物悲しいもので、その大帝国の最後の皇帝、宣統帝・溥儀ってのは運命に弄ばれたなんと哀れな人物でしょう。その溥儀を演じるジョン・ローンも、彼の家庭教師を演じるピーター・オトゥールも、皆が皆役にはまった深みのある演技をしているし、ぐいぐいと引き込まれるストーリー展開など、長さを感じさせない演出などはすばらしいです。 7点(2004-01-10 03:12:00) |
17. ランボー3/怒りのアフガン
冷戦終結の直前のためか、何でもかんでもソ連ネタに走るのはいかがなものかと思いますが、それ抜きに考えて、この作品は3作目にしては結構良い作品だと思います。少人数で敵の要塞に侵入するシーンや、その後の銃撃戦、ヘリでの脱出劇など、アクションとしてのツボを充分に押さえてると思います。 7点(2003-12-14 02:46:23) |
18. ランボー/怒りの脱出
前作のような“帰還兵の苦しみ”というのは減ったと思います。アクション自体は前作を上回ってますが、個人的には1作目のほうが好きです。 6点(2003-12-14 02:32:36) |
19. ランボー
ストーリーはB級といった感じですが、僕はB級=駄作とは思ってないんで、凄く楽しかったです。国のために闘いながら、いざ帰国してみると非難の的になり、虐げられ、戦争後遺症で日夜苦しむベトナム帰還兵の様子が良く描けていると思います。 7点(2003-12-14 02:29:41) |
20. ラブ・オブ・ザ・ゲーム
野球人生最後になるかもしれないという試合の中、愛した女性との出会ってからの思い出や自分の考え方などの微妙な変化、そして、相手選手とのやり取りなどが凄くいい感じで映像化されてると思う。バッターボックスに入った敵選手との心理戦、ライバルとの決戦、そして味方とのやり取りが、野球があまり好きではない俺でも面白いと感じたし、完全試合達成の瞬間は、そうなるだろうとはわかっていてもハラハラした。フィールド・オブ・ドリームスとはまた違ったよさがこの作品にはある。ただ、やはり野球はあまり好きではないので、手放しに良いとは言えない… 6点(2003-06-30 01:22:59) |