1. ダントン
ワイダ映画の中で必ずしも最高作とは位置づけられていないようですが、政治の論理を描いた映画としてはこれに勝るものは見たことがありません。ダントンとロベスピエールの対話の緊張感! 10点(2002-12-31 00:07:07) |
2. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
私のオール・タイム・ベストの一つ。『ゴッドファーザー』よりもよいと思うんですが、なかなか支持は得られませんね。20世紀初頭の新移民によって荒々しくなり、同時に活力を得たアメリカ。その30年後には、移民の一部はエスタブリッシュメントに手が届きかけていた。FDRからケネディ、ジョンソンと続く民主党政権と移民層のつながりもそこはかとなく示唆されていますね。それらを伏線に友情、恋愛、裏切り、挫折という普遍的なテーマを優雅な音楽で彩る、最高の逸品です。 10点(2002-05-01 23:20:57) |
3. ブルース・ブラザース
いやーいいですねぇ。テンポがよいし、ユーモアがある。音楽もいい。真剣に見る映画じゃないけれど、独特のカタルシスがありますね。 10点(2002-04-19 19:22:23) |
4. 未来世紀ブラジル
学生時代に衝撃を受けた映画。オーウェルの『1984』へのオマージュなんだろうか。ハイテクを使わず、タイプライターやダクトを使ったのも一種の風刺でしょう。パソコンとインターネットで便利になったと思っているけれど、一皮むけばすぐクラッシュするOSやハードディスク、よく分からない配線の嵐に結局使われているだけじゃないかな。ギリアムの『バロン』も好きだけれども(あれは啓蒙主義に対する皮肉)、今ではこういう社会風刺すら使いつくされてしまった。 10点(2002-04-19 15:45:30) |
5. ヒポクラテスたち
いい映画ですよ、これ。ほぼ同時期に学生していたので、感じがよく分かります。でも今から考えてもよくできた青春映画だったと思います。古尾谷さんに合掌。 9点(2003-04-30 00:28:19) |
6. タンポポ
80年代の日本を代表する1本と思います。出演者も脚本も演出も明るく、テンポがよい。伊丹監督、輝いてましたね。この後、少しずつ彼の才気が暗い方向へ向かうのと、日本の方向も重なってしまった。バブルとその後の日本社会に真摯に取り組もうとした伊丹監督を思うと、笑った後にしんみりする作品になってしまいました。 9点(2002-08-19 01:57:42) |
7. ある日どこかで
昔、読売テレビ(関西)の深夜にやっていたカルト映画紹介番組で初めて見て、忘れられない映画になりました。アメリカでも根強いファンがいるようで、DVDも2000年版が出ていますね。日本でもDVDで出て欲しい映画です。恋人同士で見るのにおすすめ! 9点(2002-06-09 19:51:34) |
8. 麻雀放浪記
時代の雰囲気をよく出した作品だと思います。繰り返し見ても楽しめる。荒々しさのもつエネルギー、懐かしい。 8点(2002-11-10 17:32:05) |
9. お葬式
厳粛な死をめぐる話を使って日常を切り取る伊丹監督のよさの出た作品だと思います。堅苦しくなく、(葬式を経験した人は)少し笑えて、余韻が残る。 8点(2002-10-06 00:41:02) |
10. アンタッチャブル
デ・パルマらしい映像の見事さと無意味な残酷さの取り合わせ。でも何度も見てしまう。主人公4人とデ・ニーロのキャラクターの作り方が平凡だけれども的確だということでしょうか。ポチョムキンのパロディも分かっていてもよく撮れてると思います。 8点(2002-06-09 20:11:01) |
11. アマデウス
世の中には天才がいる。僕にとってはバスケのマイケル・ジョーダンで思い知らされました。そんな人と同時代に同じ土俵で競争することになるのは大変だ。サリエリの視点から天才を描いたこの作品は共感を呼びますね。衣装、音楽、ゴージャスに作ってある大作としておすすめ。 8点(2002-06-09 20:00:15) |
12. バロン
私はこの映画の評価高いです。たぶん『未来世紀ブラジル』よりもテーマは抽象度が高いと思う。だから寓話にしたんですね。『ブラジル』のデニーロ、管理社会を切り裂くトリックスターの役をもっと一般化したのが『バロン』でしょう。ただ、映像化がアニメチックになってしまって観客層をしぼれなくなってしまった気がします。 8点(2002-04-19 15:49:47) |
13. マネー・ピット
快作だと思います。ストーリーは予想通りに進行するけれど、せりふと演技が良いので楽しめます。ちょっとした気分転換によいのでは。 7点(2002-11-10 17:26:53) |
14. 追いつめられて(1987)
スリル感の盛り上げ方はいいんだけれど、最後のオチはやっぱり無理でしょう。 7点(2002-09-21 00:34:09) |
15. ヴィデオドローム
クローネンバーグもウッズも好きなので、この映画も好きですね。ビデオに人間の精神が支配されていく様は、メディア社会風刺でしょうか。でも気持ち悪い。 7点(2002-08-19 02:07:42) |
16. ターミネーター
発想は平凡だけれども、ストーリーがよく出来ている。しかし脇役だったシュワルツネッガーが主役になってしまったのは、ハリウッド映画の趨勢を示しているようで、悲しい。 7点(2002-07-21 17:58:46) |
17. ペット・セメタリー(1989)
中身がないと思って見れば、中身がない。けれども、死者を弔う気持ち、死者への責任感は今日の世界では結構人を動かしている。日本で死刑を求める感情も、海外での血みどろの民族紛争も、死者への哀惜の気持ちがそれをさせているのかもしれない。そのやみがたい気持ちをどうやって止めるのか。それは死者は決して帰ってこないと理解することだろう。そう考えるとこの映画のメッセージは深いのかも。けれど多分深読みのしすぎ。 7点(2002-06-22 17:46:50) |
18. 白と黒のナイフ
推理サスペンスものとしてよくできていた気がします。ラストもよくできてますね。ただ、家に帰ってよく考えてみると、辻褄の合わないところもあったような。傑作じゃないけれど、佳作と言えると思います。 7点(2002-05-01 23:13:05) |
19. スキャナーズ
うーん、グロですね。ストーリーは緊張感があっていいと思います。でもクローネンバーグ・ワールドとしか言えないですよね。彼の『ビデオドローム』の方が好きですが、この映画の映像が衝撃的だった時代の方がよかったでしょうね。 7点(2002-04-19 16:05:36) |
20. ザ・フライ
ゴールドブラムの変身演技が一番の見所でしょうか。ストーリーも演出も悪くないけれども平凡。自分が蠅男となったことの衝撃、変化する自分の受け入れ、生への意欲と死の選択、もっとドラマにできた気がします。 6点(2003-08-03 19:18:14)(良:1票) |