1. 太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-
保守派を自認する人間としてある程度ほめたいとは思うんですが、いかんせん「どこが奇跡なのか」と「なぜフォックスと呼ばれたのか」がいまひとつわかんない。竹野内くんがあまりすごく見えないのよね。要するにタイトルミスなんだと思う。それに尽きる。なんとも残念。 [映画館(邦画)] 5点(2011-05-25 16:49:23) |
2. アンストッパブル(2010)
最後は大団円とわかっていても素直にドキドキ感を楽しめた。パニック映画として手堅いつくり。一本のタイムラインがしっかりつながっているので見ていて混乱することもありません。ただ、役者がデンゼル・ワシントン以外地味なんだよなぁ。だから虚構というより再現ドラマみたいに見えちゃう。それが臨場感になってるのかもしれないけどちょっと仕上がりが安っぽい印象はぬぐえません。今となっては日本の政治の現状とダブって見えたりして… [映画館(字幕)] 6点(2011-05-25 16:41:31)(良:1票) |
3. ザ・タウン
《ネタバレ》 アクションあり、カーチェイスあり、サスペンスあり、ラブストーリーありと、なんつうか全部入りな感じ。特盛牛丼に紅ショウガと卵と七味と味噌汁までつけちゃった。お得だけれど、ぼくはお腹いっぱいだな。とはいいつつも、テンポもよく、2時間飽きさせません。見て損はなし。ひとつ気になるのはこんだけチャールズタウンが犯罪の元凶みたいなことを言っておきながら最後には「この街の善良な人々にこの映画をささげる」というエクスキューズを入れることね。散々下げといて最後にごまかし上げってのはいかがなもんかと。ちょっと興ざめ。ジェレミー・レナーのチンピラっぷりは一見の価値あり。目の光に悪が宿ってます。 [映画館(字幕)] 6点(2011-02-07 16:34:27) |
4. RED/レッド(2010)
《ネタバレ》 最近スパイもの多いねえ…ちょっと食傷気味ですが、ヘレン・ミレンのマシンガンはちょっと笑った。ストーリーが甘っちょろいぶん、役者の軽妙な芸が楽しめる映画。役者5人とマシンガンに1点ずつ献上します。 [映画館(字幕)] 6点(2011-02-07 16:26:21) |
5. ソーシャル・ネットワーク
なんとも不愉快な映画。その不愉快の根源は、人間関係の問題を顕在化させるときに金を使ってやり、形而下に収めるときも金でやり、登場人物の心の動きなんかどうでもよくて、話の中心にあるのは金、金、金であるということ。でもこれは原作というか、事実のせいなので、映画のせいにするつもりはありません。テンポがよく、演出も小気味よい。見ごたえもある。だけど、こんな映画を大好き!というつもりは未来永劫ありません。くだらないッ! [映画館(字幕)] 3点(2011-01-24 18:07:15)(笑:1票) (良:1票) |
6. バーレスク
《ネタバレ》 ミュージカル映画としちゃ、楽曲がいかんせん弱いので(映画館出た後、一曲も憶えてないし口ずさめない)、あまりデキがよろしくない…と言いたいところだけど、シェールとアギレラの芸がそんな問題を吹っ飛ばすほどイイの。全力でショーチューンを歌い踊る彼女たちのプロ根性にシビれた。スタンリー・トゥッチやエリック・デインに歌わせないのは主役2人をより強力に印象付けるためだろうけど、ちょっともったいない。ミュージカルナンバーを見せるのがほぼ2人だけなので、ミュージカル的重層感に欠ける。まあそれでも物足りないとは思わないほど、シェールとアギレラが秀逸。点数は8点ですがぜひ見に行くべきだと思う。映画館でね。 [映画館(字幕)] 8点(2011-01-18 16:19:10) |
7. トロン:レガシー
人間vsコンピュータ、青vs赤、みたいな対立構造はちょっと陳腐かなあ…もう共産主義国家ってほとんど残ってないのに揶揄したところで何の意味もないように思えました。映像はすごいけど思想の根っこがド古。 [映画館(字幕)] 5点(2011-01-18 16:13:17) |
8. ノルウェイの森
原作のストーリーにあちこち穴があるように、映画の中にも穴は補修されずにたくさん残っている。けれど、ここは菊地凛子と松山ケンイチの芝居を、カメラワークと映像の色にものすごくがんばった監督を、素直に賞賛すべきだろうなあ、というのが第一印象。役者たちはことさらにうまいわけではないのに、うそを感じさせない裏づけのある芝居で、ぼくはストレートに胸を打たれましたよ。ただ、原作のもったいぶった、妙にペダンチックなセリフがやっぱり鼻につく。それで時々鼻白むこともありました。テレビでやってたらもう一回見ちゃうかな。その程度に気に入った一本です。 [映画館(邦画)] 6点(2011-01-18 16:09:44) |
9. ナイト&デイ
《ネタバレ》 これはアメリカの伝統芸能といえる「ラブ・コメディ」のひとつ。見ていて飽きさせない伝統の力が一瞬一瞬に生きています。薬飲ませて意識不明にして強引に場面転換ってのはちょっと強引すぎるかもしれませんが、まあそれも、この映画のテンポを守っているし、笑いのひとつになっているのでよしとしましょう。主役の二人もラブ・コメディとしては最良の芝居をしています。さすがに寄る年波には勝てずセクシーさは薄れてますが…で、マイナス3点の理由は、「なんだか全体的に安い」感じ。ビッグネームが出てるのにどうもB級の香りがするのよね。演出が軽すぎるのかな。そこが少々残念。あと200円ぐらい高くていいと思う。 [映画館(字幕)] 7点(2010-10-27 11:18:49) |
10. 十三人の刺客(2010)
《ネタバレ》 しょっぱなからイヤーな予感はしてました。「広島・長崎の100年前」ってなんでわざわざ原爆だしてくんのよ?と訝ってたら案の定ですよ。狂人とも呼べる“権力者”それに従う“官僚的な”老中、立ち向かう“一介の”武士たち…極悪の権力者vs善良な市民という対立構造をあっという間につくりあげちゃった。さすがプロデューサーにテレビ朝日が入ってることはありますな。まあこれは原作によるところが大きいので、左翼思想誘導映画だとバッサリ切ることはできないんだけれども、台詞の細かいところにテレビ朝日の指示がちょこまか入ってるように見受けられました。しかしながら、東映の原作で東映のスタジオを使い、東宝が制作にかかわり、松竹の映画館(ピカデリー)で上映ということは、日本映画がこれまで培ってきたチャンバラ映画のノウハウを惜しみなくつぎ込んだ、ということでもありましょう。チャンバラ映画は世界で日本しかつくれないオリジナルなものなので、これをしっかりと継承していくことは映画界にとってプラスにこそなれ、マイナスにはならないことだと思います。チャンバラの存在意義と、役所広司・市村正親の芝居に6点献上。(高岡蒼甫は死ぬ直前まで出てることに気づかなかったぞ) [映画館(邦画)] 6点(2010-10-04 12:31:37) |
11. カラフル(2010)
もともとのストーリーがちょっと底が浅いので、まあしょうがない気はするんだけれども。ちょっと退屈に思える時間が長いです。テンポがあまりよろしくないのかな。中学生らしい「閉塞された世界観」はしっかり描けているので昔を思い出して共感できましたが、やはりダラダラと話を続けられると大人にはつらい。途中で何度も時計を見てしまいました。 [映画館(邦画)] 6点(2010-09-21 14:01:16) |
12. 魔法使いの弟子
《ネタバレ》 ディズニー、久々の快作。ちとテンポがよろしくない部分があるのと、主役の男の子の性的魅力が圧倒的に足りないのはアレですが、シンプルなストーリーとわかりやすい映像表現は肩の力を抜いて見られます。ニコラス・ケイジとアレフレッド・モリーナがまたまたわっかりやすい芝居をしてくれていてちょっと笑っちゃうほどイイ。それと、ニューヨークという街を上手に使って話が進んでいくのも面白い。避暑にはもってこいの一本です。(エンドロール終わってからもなんかあるらしいです。ぼくは知らずに映画館出てきちゃいました…) [映画館(字幕)] 7点(2010-08-16 12:03:01)(良:1票) |
13. ファニー・ガール
《ネタバレ》 バーブラの歌は素晴らしい。もうそれだけで10点あげたくなるし、「Don't Rain On My Parade」と「Funny Girl」は名曲だと思う。でも、それだけ。ジュディほど歌いまくるわけでもなし、アステアやケリーほど踊りまくるわけでもなし、ミュージカル映画としての密度は決して高くありません。バーブラ以外はほとんど目立たないワンマン映画としての限界がこの一本にあらわれています。人ひとりで2時間半ひっぱるのは無理、ということ。バーブラには悪いがこの点数しかつけられません。まことに残念な映画。 [DVD(字幕)] 4点(2010-08-11 14:16:28) |
14. ソルト
《ネタバレ》 もしかしてこの映画は女スパイの活躍を表現するというより、観客を騙すことが主目的になっているのではないか。そんな気にもさせるどんでん返しが満載の一本。観客を騙す、という点においては工夫がいっぱい凝らしてあって、何度も何度も、おやびっくり!があります。強靭な肉体を持つ女スパイをアンジェリーナは実にタフに演じていますが、ドラマ「エイリアス」を観てたぼくには別に驚きはないかなあ。ジェニファー・ガーナーのほうが知恵があったし強かった(笑)。特別新しいことをしている映画ではありません。ラストは“後はご想像にお任せします”なのか、“続きがあるよ?”なのかはわからない。なんとも尻切れトンボな結末。そこに賛否両論があらわれるでしょう。予言しておくけれど、たぶん「ソルト」っていうPS3のソフトが年内に出るな。間違いない。 [映画館(字幕)] 6点(2010-08-02 18:32:39)(笑:1票) |
15. インセプション
こりゃまた観念的な映画。話としても映画のつくりとしても面白いし、飽きさせないんだけど、「勝手にルールをつくってルール縛りのなかで展開されるSF」ってのは、もういらん。ラストも想像の範疇内。根っこにある思想というか考え方がちょっと陳腐なのも気になります。もうひと味、底のしれない恐ろしさや、不可思議な味わいが強ければいいんだろうけど…予告編より面白いとは言えないデキです。ディカプリオは「妻を失ってウジウジする役」2連続。渡辺謙も予想の域を脱していない芝居っぷり。いろんな意味でビックリはありません。 [映画館(字幕)] 6点(2010-07-29 16:40:56)(笑:1票) |
16. バウンティー・ハンター(2010)
なんとまあ他愛のない…シェイクスピアから連綿と続いている恋の行き違い・さや当てものですが、連綿と続いているからこそ悪くないと思えるわけで。逆に言うと目新しさは一切ありません。でも、これはアメリカ人の伝統芸能とも呼べる「ラブ・コメディ」ですので、ちゃんと面白くできてます。ジェニファー・アニストンは40過ぎとは思えないほどの若々しいボディが立派。個人的にはジェラルド・バトラーに難あり。セクシーすぎるのですよ。存在があり得ないほどセクシー。立ち居振る舞いすべてにセックスのニオイがするの。それがかなり気持ち悪い。頭の中に「肉は腐りかけがうまい」という言葉がぐるぐる回るほど。過剰なセクシーがストーリーの邪魔をしてるような気がします。まあスターだからいいんだろうけどさ。 [映画館(字幕)] 5点(2010-07-29 16:31:51) |
17. セックス・アンド・ザ・シティ2
「ドラマのSATCだいすき~」なバカ女子は見ないほうがいいです。ものすごくあなたたちに対して裏切ってますからね?とクギを刺しつつ感想を述べると、1はある程度ドラマを見てないとピンとこないつくりだったのに対して、2は知識がなくても楽しんで見られる(逆に言うとドラマファンに媚びてない)つくり。全体にまぶされるゲイネタがかなり笑えますが、これはアメリカのゲイの知識がないと笑えない。つまり、映画として1よりもかなり普遍的なものにシフトしているのです。とはいいつつも、このシリーズの当初からある「女性として保守と革新の狭間に生きるためにはどうしたらいいか」というテーマには揺るぎがない。だから、どんな人が見ても、ドラマに対する知識がない人にも、楽しめるものになっています。カメオ出演する人々も豪華。ぼくはかなり好感もったけどな。いいと思いますよ。ちなみにぼくはWOWOWで99年の初日から見てるドラマファンです。 [映画館(字幕)] 8点(2010-07-05 13:08:01) |
18. ザ・ウォーカー
《ネタバレ》 信仰は「本」という物理にあるのでなく「心」にある…という趣旨はぶっちゃけありがちだし驚きはしない。が、保守思想から攻撃的になりがちな現代アメリカ人にとっては心で信仰することのリマインドにはなったのじゃないかしら。ストーリーに起伏は少ないけれど、ドラマの道筋が一本道で、集中を途切れさせる要素がない分、素直に見られるのがマル。この映画、なんとなく「座頭市」をリスペクトしているような気がするのはぼくだけかな? [映画館(字幕)] 7点(2010-06-21 15:28:34)(良:1票) |
19. 告白(2010)
《ネタバレ》 迷わず10点。人物の描き方、冷たい映像の色、テンポ、最後に向かうカタルシス、何をとっても一級品。中島監督最高作だとおもう。満席の映画館で最後のタイトルの時に席を立ったのはほんの数人だったほど。俳優陣のがんばりもすごい。特に松たか子の「抑えた演技」と「爆発する演技」、その落差に心をつかんで揺さぶられました。彼女の天才っぷりを楽しむだけでも1800円に値します。これを見ずして今年の日本映画はきっと語れないでしょう。 [映画館(邦画)] 10点(2010-06-07 18:11:40) |
20. シャッター アイランド
《ネタバレ》 このラストに関して同行者と意見が分かれました。ぼくは「ディカプリオはただ狂っていた人だった」で、彼は「ディカプリオは正気を保っていながら狂気のふりをしてまだ虎視眈々と島から逃げ出すことを狙っている」でした。最後のセリフ、エンドクレジット(アンドリュー・レディスではなくテディ・ダニエルズになっていた)から考えると同行者が正しいような気がするし、子供が死んだ長い回想シーンから考えるとぼくが正しいような気がするし……ってところまで考えたけど、議論するほど大した映画じゃありません。何も得るものなし、怖がらせ方もいまひとつ、ディカプリオは暑苦しいの三重苦。すべて精神病のせいにしてしまうのもいただけません。 [映画館(字幕)] 4点(2010-05-10 15:59:25) |