181. デンジャラス・ビューティー
私自身も最初、「ミスコン」には偏見を持っていた。でも見方が変わった。そこで、なぜ男性の「ミスター・アメリカ」とか「ミスター・ユニバース」がないんだろうと疑問に思った。知性と教養ある男性のコンテストがあればおもしろいじゃないかと・・。まあ、それはさておき・・。こういう変身物は、20世紀だったら”女性性への目覚め”で片づけられたに違いない。21世紀は、自分らしさへの目覚めかもしれない。性別にこだわらず、自分らしさを発揮できる時代だ。こういう作品が、実はハリウッドでありそうでなかなかなかったりする。メッセージ性の高い作品だけに一歩間違えると、おしつけがましくなりがちだけに、コメディーにしたのは正解。個人的には、暴漢に襲われたときの防御法は参考になった。(笑) 7点(2001-06-28 10:15:18) |
182. アルマゲドン(1998)
M:I2と肩を並べるほどのつっこみがいのある作品。さすが、ジェリー・ブラッカイマー。(笑)「金かけて、あの程度か~。ジェリー君、あいかわらずだなー」って感じ。CGお披露目作品として、CGを学ぶ人にとっては参考になる作品。 2点(2001-06-12 17:03:20)(良:1票) |
183. トラフィック(2000)
不自然にぶつぶつ映像を切る手法は、ドキュメンタリーでもない限りただムカツクだけだが、あまりに自然に感じる。上手い。ソダーバーグは、堅くなりそうなネタをサラっとクールにまとめるあたりの上手さを感じる。ハリウッドが麻薬を扱う時、お説教パターンか、かっこよく、しかも正当化するかのパターンが多い。その点、この作品はどちらにもぞくさない。ある意味、めずらしく、だからこそ余計に感じるものがある。一個所からの視点だけでなく、麻薬に絡む全ての視点からそれぞれに描いていたところが良かった。特に、エリカ・クリステンセンの演技は良かった。ベニチオ・デル・トロより良かったんでないだろうか?麻薬問題は、需要がある限り、それが高値で売れつづける限り、半永久的になくならないだろう。だかと言って手をこまねいているわけにはいかない。もっと深い部分で見るなら、麻薬が怖いものだと分かっていながら手をつける理由だろう。分かっていないとなると、それもそれでおそろしいが・・。ある意味極端な展開がないのと、半端なラストが麻薬問題になかなか解決策を見出せない世の中を意味していると感じる。 8点(2001-06-12 16:44:59)(良:1票) |
184. ハイ・フィデリティ
原作本が面白すぎたので、映画はあんまり期待しないで行ってみたらこれまたびっくり。なかなか面白い仕上がりになっていた。なかでもジョン・キューザックがハマリ役!ロブの役は彼以外に考えられない。それぐらい上手かった。ストーリーも99.9%共感できる部分があるし、かなりユーモアのオンパレードで2時間あっという間だった。原作の舞台はロンドンで、映画の中ではシカゴになっていてたけどあまり違和感を感じなかった。パンフレットもレコードみたいになっていて、これがなかなか凝ってるなあと感心しました。中身がたいしてつまってないのに、やたら高いパンフがある中で、なかなか気分がよかったです。こういう上質なコメディが世にたくさん出るといい。もちろん邦画でも・・。 7点(2001-05-18 17:22:35) |
185. ハンニバル(2001)
あれは子供には見せられないでしょう。(笑)かなりどきつく、違う意味で心に残る。3・4日影響されてしまった。でもこれが不思議な事に、レクター博士が魅力的に見えてしまう。それはアンソニー・ホプキンスの演技によるものだろう・・。前回は、レクター博士とクラリスの駆け引きが怖い中にも引き寄せられるものがあったが、今回はほとんどなし。「なんだよ」って感じ。ふと思うのが、史上最悪の連続殺人犯に対してあそこまで敬意が払えるだろうか?それは何日も見終わった今でも考えてしまう。自分だったら捕らわれの羊みたいに脅えるだろうし・・。クラリスみたいに、敬意をはらいつつ気丈に凛と出来るんなんてある意味天才だよ。(笑)だから博士もそんなクラリスが好きなのかも。内容は別にして、映像とか確かにスタイリッシュでピシッとひきしまっててかっこいいんだよね。銃の持ち方から、コートがなびくシーンまで・・。しかも博士ってめちゃくちゃおしゃれ。多芸。(笑)銃をもった大男にナイフ1本で殺してしまうんなんて、そんなこと出来るのなかなかいないでしょう。 5点(2001-05-18 09:51:31) |
186. ショコラ(2000)
フランスが舞台なのにフランス語じゃないあたりに何かを感じるが、でもそれも忘れてしまうほどの魅力に溢れる作品だった。一歩間違えると単調でメロドラマになりかねない作品を丁寧にじっくりと仕上げるハレストレム監督には相変わらず脱帽!観てる最中も観終わったあとも何とも心地よい気分になったのは久しぶり。何がよいかと聞かれると、全体がよい。(笑)とにかく観てもらわないと語れない。(笑)ところでこの作品のテーマというものが見えてきそうで見えてこなかったのだが、最後の教会のシーンで「何を拒絶するかではなく何を受け入れるか、それが問題ではないでしょうか?」と語りかけるシーンが全てを物語っていたような気がします。ビアンヌは決して天使でも神様でもない1人の人間であるが、決して諦めずだけれど慈悲深く人を見守る。そういう姿勢は現代でも通じる部分がありそうです・・・。 8点(2001-05-02 10:32:52) |
187. ダンサー・イン・ザ・ダーク
幸せに対する価値観の違いと言ってしまえばそうだが、私自信には幸せに思えてこない。首をかしげたくなるシーンのオンパレード。これは映画だと分かっているが、どうしてもドキュメンタリーっぽく感じる。ドキュメンタリー?と思っていると、いきなりミュージカルになる。ズルッとなる。でもビョークの演技と歌声が唯一の救い。全体を通して、何が言いたいのかよく分からない。子を思う母の気持ちだろうか?それなら「オール・アバウト・マイ・マザー」の方がいい。 5点(2001-04-25 15:56:46) |
188. スナッチ
おもしろいい、センスいいのは分かっているけど、「ロック・ストック・トゥー・スモーキング・バレルス」とかぶるところがある。次回は全然違った内容の作品を作って彼の才能を見たい!イギリスをあそこまでおちょくって許されるのは、彼だけかも。(笑) 7点(2001-04-25 15:46:56) |
189. ペイ・フォワード/可能の王国
ケヴィン・スペーシーの演技がむなしく空回り。うまいのに、演出と上手くからみあってない。オスメント君も普通の少年役は、まだまだ力不足だったんだ・・。アイデアはいいのに、なぜにあんな演出になってしまったのか?キャラクター重視すぎる。 4点(2001-04-19 15:24:49) |
190. プルーフ・オブ・ライフ
メグ・ライアン以外の全てがまあまあよかった。何だろう、メグのキャラはいまいち中途半端。というより、頭をかしげたくなるようなシーンがあまりにたくさんありすぎる。夫を誘拐されてとまどうというより、ラッセル・クロウそのものに対しての困惑しか感じられない。あの2人の恋愛はストーリーに必要だったのか?せっかくストーリー・素材等がよかったのに、最後の最後で疑問を感じずにいられない。ハックフォード監督がこの作品がヒットしなかったのは、ゴシップのせいなどとやじっていたが、あれはいただけない。そりゃ、ラッセル・クロウもキレるよ。自分の力量不足を認める勇気もないと・・。 6点(2001-04-19 15:17:35) |
191. キッド(2000)
表面的で善人しか出てこないあたり、ディズニーらしいが、何という爽快感。今じゃそんなものはふっとんでしまった。子役で生きる俳優・ブルース・ウィリス。この作品で、それが定着しつつある。何より子役のスペンサー君が上手い。ブルース・ウィリスを引き立たせる演技力に脱帽!自分の気持ちに正直であること。自分の生き方に正直であること。自分を偽る事なく、自分らしく生きるにはどうしたらいいのだろう。本当は分かっているのに、分からないふりをしてないだろうか?気づきたくない理由は何か?それに気づける事は奇跡なのだろうか?もしも目の前に奇跡が訪れたら、あなたはどうするのだろう。誰しもが考えること、思うこと、それら全てに気がついた時、本当の人生が始まるのかもしれない。 7点(2000-10-16 23:22:37) |
192. 英雄の条件
アメリカやアメリカ人にとって「ベトナム」とは、何だったのか?答えは今もって分からない。いや、そんな簡単に答えなど出せない。答えを出すことの出来る人間は、戦場へと向かった人間のみだろう。それゆえに、戦友同士は互いに暗黙の了解がある。それは決して他人が理解出来ず、入り込めない。「英雄」の条件とは何か?自らの危険を顧みず、勇気ある行動をとる事がそうなのだろうか・・・。もし、その行動が仲間を傷つけるような事になっても「英雄」なのだろうか?戦闘における「英雄」の定義は、まさにあいまいである。この映画において、それを問うあまりにいくつか矛盾したことが起きる。軍の責任問題がいつもあいまいになるのは、いつものことだが、それがあまりにも単純すぎやしないだろうか?トミー・リー・ジョーンズのキャラクターが弱すぎる。せっかくの演技力がキャラの弱さで、台無しである。ガイ・ピアーズの方がよっぽど目立っていた。何十年にも及ぶ思いが、たった2時間で解決など出来ないであろう。 7点(2000-09-04 01:26:06) |
193. M:I-2
「スター・ウオーズ」がマニアの為のお祭り映画なら、「ミッション・インポッシブル」はただ単純に楽しむためのお約束的エンターテイメント映画。こういうのが1つぐらいないとハリウッドもある意味駄目になるんだろう。(笑)「ん?」「あれ?」「なぜに?」という感情はこの際深く追求してはならない。なぜならこれは映画であって映画でない。エンターテイメントなのだ。エンターテイメントは万人が楽しむ事のできるものだからだ。ただはっきりこれだけは言わせて欲しい。ジョン・ウーの無駄使い。演出のつめすぎ。あの場面においていくらなんでも鳩はないでしょう。(笑)ウーの才能に作品の質がおいついてないです。 5点(2000-08-05 23:48:02) |
194. サイダーハウス・ルール
ジョン・アーヴィングのストーリーは奥が深い。そして複雑でもある。彼がこれまでに出版した作品は数多くあれど映像化されている作品は少ない。それは彼のテーマを映像化するというのは、複雑極まりないからだろう。ただのヒューマン・ストーリーではないから。ただ静かに単々と流れるストーリーに、次々に変わる場面。一歩間違えると退屈この上ない。が、丁寧な演出とメイン州の美しい風景がそれを違うものにしてゆく。ただ一つ言うなら、メイン州の厳しい冬をもっと表現しても良かったと思う。キャストも申し分ない。マイケル・ケインの演技ももちろんだが、ホーマーを演じたトビー・マグワイアも将来に期待を持てる役者である。ところでこの作品のテーマは何だろうか?ある人にとって感じた事が私には感じられないかもしれない。またその逆もありえる。私が出した答えは1つで出すことは出来ない。何通りもあって、また明らかな答えを出すことも出来ない。違う角度から幾通りもの答えやテーマが出てくるのだ。実に奥が深い作品である。 8点(2000-07-20 23:21:23) |
195. グラディエーター
期待しすぎたとうゆうのが、率直な感想。確かにCGもすごく、迫力ある戦闘シーンである。でもだからと言って、CGの為の映画ではない。ラッセル・クロウの演技もまあまあ。あの、内に秘めたパワーを持った雰囲気を作るだけでも相当の演技力を必要としたはず・・。ただ『戦争に正当性など存在しない』と思う者にとって、残酷な殺し合いは、観ていて気持ちいいものではない。ある意味全編が見せ場になっており、最大のテーマが見えてこない。そんな中でホアキン・フェニックスの演技には少し驚いた。単なる悪人だけでなく心の奥にある複雑な心情を上手く現していたと思う。(もちろんコモデゥスは人間的に許せる部分など全くないが) 6点(2000-07-10 23:07:34) |
196. インサイダー
実名で流す事を決心した全てのものに拍手を贈りたい。これだけ政治的・社会的メッセージの高い作品を長時間飽きさせずに作ったマイケル・マンの手法にもかなり驚かされる。マイク・ウオレスや「60ミニッツ」の静かだけれど、確実な報道の陰にこういう事実が隠されていた事がびっくりした。それにしてもクリストファー・プラマーの似せかたにびっくり。最初は本人かと思ったほどだった。それから何よりもラッセル・クロウの老けぶりが見事!! 8点(2000-06-04 00:05:46) |
197. スリーピー・ホロウ
これぞ人が何と言おうとバートンの世界。絶対的な世界観に笑える。ジョニー・デップのイギリス訛り?に笑ってしまった。 7点(2000-05-31 22:39:12)(良:1票) |
198. ザ・ビーチ(2000)
まあ、この世の中には楽園は存在しないって事で・・・。 5点(2000-05-31 22:37:13) |
199. エニイ・ギブン・サンデー
5点(2000-05-02 23:10:02) |
200. アメリカン・ビューティー
この作品を観て「不快」と思うか、「傑作」と思うか。実は「不快」と感じる人が異常であって、「傑作」と思う人の方が正常なのだろうかとふと考える。今果たして世界中で「自分は幸せな家族だ」と思う人間がどれだけいるのか?探す方が困難ではないだろうか?自分が目指す美意識は、他人にとってはただ不快なだけかもしれない。完璧な物を目指す人間が異常なのかもしれない。家族形成に完璧や美意識を求めるべきか?それが他人の目からみたら異常と取られても目指すべきか?自分の家族は完璧か?自分はどうか?あなたの感じる美とは何だろうか?それは異常か?正常か?何かを得るために何かを失うという覚悟の元において追求に値する美なのか?誰かを指さし「異常だ!」と言ってるあなたが異常かもしれない。満点を付けた批評家は、自分の異常さに気づいて満点を付けたのかもしれない。不快に感じる人は、まだ異常さに気づかないか、認めたがらないのかもしれない。作品の深さに改めて考えさせられる。この作品の傑作だと思う部分は、言わなくても良いこと、言ってはいけないことをあくまでも真面目にそして、堂々と言っていることだろう。それは誰でも1度は考えた事があるかもしれない心の底という名の重箱の隅をつつくような脚本とストーリーだ。エセ・ヒューマニズムと商業主義的作品が横行するハリウッドでこのような作品がオスカーを獲得することは、個人的に喜ばしいことである。そして主人公レスターを徹底的に演じたケヴィン・スペーシーの演技には驚異さえ感じた。この役をハリウッドで演技派と呼ばれているアクター達誰が演じる事が出来るだろうか?考えた時誰もあてはまらない事に気づいた時オスカー受賞も納得したのだった・・・。 9点(2000-05-02 23:08:08)(良:1票) |