1981. グランド・ブダペスト・ホテル
ホテルの外観、内装の幻想的な美しさに「こんな所でゆったりとした時間を過ごしている」自分を妄想しました。苦手なレイフ・ファインズが登場した時に「しまった」と後悔したものの、グスタヴはドンピシャのはまり役で初めて魅力的だと感じました。びっくりするほど多数の名優達と織りなす物語を飽きることなく楽しめた絵本のような作品でした。ハーヴェイ・カイテルに気づかず観直して確認したのは不覚でありました。 [DVD(字幕)] 8点(2017-03-23 01:55:17) |
1982. 大いなる陰謀
《ネタバレ》 ここまであからさまな共和党批判作が大物俳優の出演を得て作られた事に面食らう。議員と新聞記者、教授と学生がピーチクパーチク喋っている間に愛国心ある黒人とメキシコ人の志願兵がアフガンの2400mの雪山で戦死する。「正義」と「善」の違いを考えさせられた作品。 [DVD(字幕)] 6点(2017-03-20 00:03:56) |
1983. ミッション:8ミニッツ
アフガンの戦場で肉塊となったスティーヴンスを道具として使用する事しか頭にない博士と人格を尊重するグッドウィンの対比が見応え十分でした。存在する魂の世界観の描かれ方が見事な作品。 [DVD(字幕)] 7点(2017-03-19 23:29:33)(良:1票) |
1984. ラ・ラ・ランド
ミュージカル苦手な私でも冒頭のシーンは魅入り期待が膨らみましたが。すぐにしぼんでしまいました。歌もダンスも以降はパッとせず、物語はありがちな青春モノ。過大評価の感が否めません。 [映画館(字幕)] 4点(2017-03-06 13:51:36) |
1985. レザボア・ドッグス
犬は誰かのハラハラ感がな~んにも無い。下郎どもがキャンキャン吠えてるだけ。薄汚い作風は監督の持ち味なのか? [DVD(字幕)] 2点(2017-03-04 15:16:23)(良:1票) |
1986. あなたに降る夢
実話をもとにしたお伽噺の物語。人を愛する男女とカネを愛する男女がはっきりと色分けされて、それぞれの結末も想定通り。好演の4人のなかで登場した時から胡散臭さ漂うシーモア・カッセルが絶品。なかなかの良作。 [DVD(字幕)] 7点(2017-02-28 16:39:07) |
1987. 本日休診
三雲先生の利他の精神はまさに神対応。ほのぼのとした雰囲気の中に垣間見る世相、価値観がほろ苦い。 [DVD(邦画)] 7点(2017-02-27 00:48:57) |
1988. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
《ネタバレ》 犯行の手口、騙される側、追う側、親子の間柄。何処までが実話なのか釈然としなくて、ご本人の都合の良いように脚色されている気もします。天才児の素地は何でも金でカタをつけようとする母とハッタリで世の中を渡ってきたかのような父の血なのか。不道徳で得た大金があっても得られなかった親友・ブレンダ・親子三人の再会と、最愛の父の死に目に会えなかったのは天が下した罰でしょう。「電車で来たから電車で帰る」レストランでのシーンはクリストファー・ウォーケン屈指の名場面。 [DVD(字幕)] 7点(2017-02-26 13:11:42) |
1989. 抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より
《ネタバレ》 「死刑囚は逃げた あるいは風は自ら望むところに吹く」原題を忠実に映像化しています。望みを叶える為に出来る事を独りコツコツとやり抜く。些細な気の緩み失敗が即処刑に繋がるので細部にまで気を配る丹念な作業の緊張感が物凄い。これ程の準備をしても一人では成功できなかった事実に風が吹いたのを見ました。脱獄ものの最高作。 [DVD(字幕)] 10点(2017-02-19 23:55:49) |
1990. 西部の人
《ネタバレ》 異色の西部劇というふれこみですが他愛のない話だった。私的にクライマックスだった銀行襲撃が、街自体がゴーストタウンと化しているのには呆れて脱力。ゲイリー・クーパーの渋さだけの作品。 [DVD(字幕)] 5点(2017-02-19 23:30:44) |
1991. キャプテン・フィリップス
マースクのコンテナ船がいとも容易く占拠されるのが信じられない。大した護衛策を持たずに危険個所を航行するのは時間とコストが優先される為なのか。たらい舟のような救命艇と大層な艦船、顔は骸骨体は洗濯板の海賊と大胸筋ムキムキの隊員。天と地ほどの差がありながら制圧まで時間がかかり過ぎで、ひたすらに喚き散らす救命艇の模様がいたたまれない。「もう、限界だ!」と泣きわめく船長に同情する。返り血を浴びたままの船長に対する女医の診察には心情の欠片も察するものがなく、豊かな漁場を壊滅させられて働く場所がない海賊への対応と共通していた。トム・ハンクスお疲れ様の作品。 [DVD(字幕)] 7点(2017-02-19 23:18:01) |
1992. スリ(1959)
《ネタバレ》 あの手この手のスリの手口の滑らかな美しさにウッカリ見惚れてしまう。金儲けしても青年は侘しいアパートで覇気のない暮らしをしている。悪運尽きて捕まった事で幸せを掴む結末だが、驕り高ぶった性根を入れ替えて働くことは出来るのか疑問が残る。 [DVD(字幕)] 7点(2017-02-14 15:26:48) |
1993. ボーダー(2008)
オープニングからずっとパチーノ・デニーロの2ショットが拝めただけの作品。「法で裁けぬなら俺が裁く」お話しにずっこけてデニーロのメタボのハッスルぶりにもズッコケた。 [DVD(字幕)] 4点(2017-02-14 15:17:11) |
1994. 正義のゆくえ/I.C.E.特別捜査官
アメリカで幸せになりたい。不法であっても。ご都合主義の正義に白けるばかりでした。 [DVD(字幕)] 4点(2017-02-14 14:51:33) |
1995. クーパー家の晩餐会
《ネタバレ》 なかなか豪華な顔ぶれによるこなれた感じでハッピーエンドへと向かって行く4世代ホームドラマ。気楽に鑑賞した中この人たちの生甲斐は何なのだろうかと度々考えさせられました。 [DVD(字幕)] 5点(2017-02-02 16:48:06)(良:1票) |
1996. ジャッカー
犯人二人が少年を組織に送り届ける以外事件の背景には一切触れられずストレスが募る。少年が大人二人を観察し仲間割れして共倒れになるように仕向けているのが薄気味悪い。ロイ・シャイダーの魅力が点数の全て。 [DVD(字幕)] 5点(2017-02-01 16:14:07) |
1997. 独裁者と小さな孫
《ネタバレ》 舞台である国を特定せず寓話を装っているが、これまでも今もこれからも地球上で起きている話。独裁者と孫の逃亡劇。無垢な孫が最後に「こんなゲームはもうしたくない」と涙する姿に、力だけが正しい統治の虚しさを観る。独裁者を擁護する者の台詞は蛇足だった。 [DVD(字幕)] 6点(2017-01-31 23:59:16) |
1998. 天国に行けないパパ
《ネタバレ》 定年間近の安全第一・安定志向のバート・シンプソン刑事が余命2週間の宣告を受けて殉職を目指す。「死にたいのに死ねない」コメディとしての大小取り混ぜた笑いどころ満載の中に、ほっこりさせられる後輩アーニーとの絆や、涙が滲んだ別れた妻子との絆や、目を見張った「ブリット」「フレンチコネクション」を凌ぐ壮絶なカーチェイスが盛り込まれた傑作。 [DVD(字幕)] 10点(2017-01-29 15:41:43)(良:1票) |
1999. ゼロ・ダーク・サーティ
《ネタバレ》 無辜の人をテロで闇討ちにする輩に対する拷問(新大統領が復活させたがっている水責めもありました)は仕方ないと思います。マヤが同僚を爆殺された後私怨に走ったのも仕方ないと思います。ラストで独り涙する彼女が将来、両親を目の前で殺された子供達の報復に怯えて生きてゆかなければならないのも仕方ないと思います。力だけが正しい憎悪の連鎖が終わらないのも仕方ないと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2017-01-29 15:10:22)(良:1票) |
2000. ハドソン川の奇跡
《ネタバレ》 国家運輸安全委員会による厳しい追及があった事を初めて知った見応え十分の作品。誠実なプロの仕事師を演じさせたら右に出る者はいないトム・ハンクスは今作も貫録を魅せる。常に冷静沈着な彼が「生存者は155名」の報に感無量な姿にもらい泣きしてしまった。「奇跡」は皆が自分の職責を果たし一致協力した賜物で、公聴会のボイスレコーダーに客室乗務員の「頭を下げて、姿勢を低く」の連呼が聞こえた時にまた涙が出た。主人公が目を覆いたくなるぐらいに追い詰められるイーストウッドテイストはまろやかで拍子抜けするやらホッとするやら。副操縦士の〆の台詞が後味の良さを際立たせる。 [DVD(字幕)] 8点(2017-01-29 14:56:57) |