2061. 誓い
戦争を題材とした映画の中ではかなり印象深い1本です。死ぬ必要のない若者たちがあまりに無残に、そしてそれぞれの人格を無視してあまりに簡単に散らせてしまう戦争の無情さがひしひしと伝わる。大作ではないがいい作品です。 8点(2003-09-02 11:26:16) |
2062. ファントム・オブ・パラダイス
展開が雑でストーリー自体も幼稚。デパルマならではのカメラワークもかえって陳腐に見える。ところがこのB級の臭いが妙に魅力的でもある。エンディングの軽快な音楽にのってのキャスト紹介がこれまたB級の臭いプンプンなのだが結構気に入ってる。10点連発には驚いたが解かる気もする。 7点(2003-09-02 10:11:58) |
2063. ギルバート・グレイプ
《ネタバレ》 家族の絆の描き方がリアルでいい。主要キャスト3人の演技はもちろんだが、お姉さんと妹もなかなか良かった。ギルバートに完全感情移入してしまい、弟の誕生パーティーのとき(ギルバートになりきってる自分が)母親に対して罵声を浴びせそうになったが、母のどうすることもできない葛藤と子供達に対する申し訳ないという気持ちが解かり、言わなくてよかったぁと思ってしまった。弟を殴ったあとはかなり自己嫌悪に陥るし、お母さん死んじゃった時、母親を笑い者にしない方法を真剣に考えた。ここまで感情移入出来たのも、それぞれの思っている事と、している事の微妙なズレをうまく表現しているからだと思う。 7点(2003-09-01 18:49:45) |
2064. トゥルー・ロマンス
作品自体はなんてことないのだろうが大好きな映画のひとつです。それは何故かというと、作品の評価の理由としたら非常に不謹慎なのですがアラバマに惚れました。他の役者もいい味出しててうまくはまってるし、なんだか楽しげな音楽もいいし、所々見られるタランティーノ風味もいいがこの映画の大好きの理由の大半はアラバマです。 9点(2003-09-01 12:02:34) |
2065. ザ・ファン
主人公の葛藤とストーカーへと変貌していく過程がよく描かれていると思ったが、よくよく考えてみると、そう思わせたのはデニ-ロの演技。怖いし悲しい、これまたそう思わせるのはデニ-ロの演技。デニ-ロにおんぶにだっこの作品だが、デニ-ロを最大限に活かした映画とも言える。 6点(2003-08-27 18:11:07) |
2066. 15ミニッツ
メッセージ色の濃い映画かと思ったら、単にマスメディアの悪しき現状をストーリーに盛り込ませただけの娯楽アクションだった。中身は薄いが普通に楽しめた。 5点(2003-08-27 17:48:37) |
2067. ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ
国家スキャンダルを題材にした映画のほとんどが、あり得そうと見せる事に力を入れたサスペンスなのに対して、この作品は多かれ少なかれ疑念を持っていることに対しあえてあり得なさそうに描いている。これぞブラックユーモアと感じました。作りかたによってはいくらでも盛り上がるシーンは出来ただろうに、それもあえてせず、無茶苦茶な作戦を普通に淡々と進めていくのが面白い。本当はもっと緊迫感のある映画が好きなんですが、こういうのもありかなと思いました。 7点(2003-08-27 12:56:05) |
2068. ブラック・レイン
この映画の大阪は確かにかっこいいし美しい。でもそれは、これまで日本を舞台にしたもので映像美にこだわった映画を見たことがないことの裏返しでもある。とはいえ、全編に染みるリドリー・スコットカラーの映像はやっぱりいい。そして皆さんが絶賛されているように、松田優作がすごい!せめてあと一人、彼とがっぷり四つの役者がいてくれればもっといい評価ができたのに。この映画の後、オファーが次々とあり、なかにはデニ-ロと共演させたいという話もあったとか。「野獣死すべし」(だったかな?)で原作の主人公と身長が違うというだけで、足の骨を削ろうとするくらいの役者バカとデニ-ロの共演、見たかったなぁ。 5点(2003-08-26 18:26:31) |
2069. スネーク・アイズ(1998)
《ネタバレ》 犯人グループの本当の親玉が捕まらなかったということでスネークアイズ(親の総取り)なのか?いずれ捕まるということを灯台の話で暗示させているのか?どっちにしても伏線を張るためだけに言わせたような台詞に不自然さを感じる。冒頭の長回しはスタジアムの雑然とした雰囲気がよく伝わり、個人的には好きです。他にも各部屋を上から順番に撮っていったり、たくさんの防犯カメラを通しての映像など、カメラワークには結構楽しませてもらいました。 5点(2003-08-26 12:57:02) |
2070. ニック・オブ・タイム
「デッドマン」を見てジョニ-・デップに興味が湧いた。同年この作品を見て一気に冷めた。出演の打診をしてもなかなかOKを出さないと聞いていたので、よほど作品を吟味しているのだろうと思ったがそうでもないみたい。皆さんおっしゃるように、ストーリー自体に無理がある。期待して見ただけにがっかり度は大きかった。 3点(2003-08-21 12:43:35) |
2071. デッドマン(1995)
《ネタバレ》 ずいぶん前に見ましたが、結構印象に残っている作品のひとつです。冒頭から映像で引き付けられます。主人公は東部から西部に来た時点で自身の狭い既成概念が壊れる準備ができ、インディアンの宗教感に触れ完全に崩壊する。その伝道師的役割を担うインディアンが妙に人間臭くてまたいい。最後は、その世界感に身を委ねるように海に流される。ある意味人間離れしていく主人公をジョニ-・デップが好演している。 8点(2003-08-21 12:29:34) |
2072. タクシードライバー(1976)
《ネタバレ》 トラヴィスは決して異常ではなく普通の人間である。むしろ真面目で純粋な人間である。戦争中は皆がそうであるように彼もまた、国のために誇りを持って従事していたに違いない。しかし帰ってみると社会は帰還兵を受け入れてはくれなかった。そしてその社会は犯罪と差別がはびこり生かされるだけの退廃とした社会。その象徴がニューヨーク。それでも彼なりにそんな社会に溶け込もうとする。何かしなければと。彼の使命感は病んだ社会と相俟っておかしな方向へずれていく。結果、最悪の事態は回避されるが、今度は病んだ社会によって皮肉にも英雄となる。これでやっと病んだ社会の一員だ。と感じとったのですが、ちょっと違うか?次見たら、また違う感じ方をするのだろう。 8点(2003-08-19 18:43:30)(良:1票) |
2073. ベティ・ブルー/愛と激情の日々
この映画を見て、男と女は違う生き物なんだとつくづく思い知らされたような気がした。ベティは普段は可愛く笑顔いっぱいなのに、たまにどうしてそんなことで?ってことでヒステリックになり自分で感情を制御出来なくなる。うちの嫁さんにもこういう一面がある(これ見たら怒るやろなぁ)。もちろんベティほど凄くはないですが。こんなベティを女の象徴と言ってしまうと、女性からお叱りを受けそうだけど、そんなふうに感じました。そして自分をコントロール出来ない状態の女を、男が理解するのは当然無理なんだが、ゾルグは理解せずともすべてを受け入れる。そこに男と女の愛し方のの違いも垣間見えるような気もする。ゾルグは愛するがゆえ、すべてを受け入れざるおえなかったのかもしれないが、あの結末を見ると受け入れてはいけなかったのかも..。原作を読んでないので解かりませんが、ベティが壊れていくきっかけといい、原題といい、「女とは」というのがテーマのような気がしました。 6点(2003-08-18 19:43:08)(良:1票) |
2074. マルホランド・ドライブ
前半、普通に「どうなるのかな~」たまに「??」ブルーボックスを開けたあと「なんじゃこれ」→「えっ?」→「もしかして」→「そういうことか!」→「なるほど!」→「でもなぁ」→「また今度もう一度見よう」となりました。奥が深いです。 8点(2003-08-17 15:05:57) |
2075. メメント
《ネタバレ》 そういうオチですか。主人公がこの先も生きる糧として、あのイニシャルの人を殺し続けていくのかもと思うと悲しくもあり怖い。 6点(2003-08-17 14:35:19) |
2076. 惑星ソラリス
哲学的と評される映画のほとんどは、深層心理の部分に多く時間を取るため退屈なものになりがちだが、この映画は観客を無視していない。ストーリーに人を引き付ける力がある。冒頭の風景に代表される映像も素晴らしい。演技もいい。特にハリー役の人。 10点(2003-08-17 14:17:23) |
2077. レイダース/失われたアーク《聖櫃》
中学生の時、クラスメイト数人で何を見に行くかを決めるとき、当時映画雑誌を購読していた自分が強引にこの映画に決め、見終わった後のみんなの「面白かった~!」と言うのを聞いて満足(安心)したのを思い出す。たしか他のみんなが見たがったのは『キャノンボール』だった気がする。全編クライマックスと言ってもいいくらい最初から最後までハラハラしっぱなし。本当に楽しい映画です。 [映画館(字幕)] 9点(2003-08-12 17:34:19) |
2078. プライベート・ライアン
戦争シーンは凄いの一言!映像もさる事ながら、恐怖の演出は、さすがスピルバーグ!と思わせる。それだけでも高得点を与えたい気持ちは解かるが、テーマが戦争なだけに中身も重視したい。最初、2人兄弟だったら死んでもいいのか?一人っ子だったら母親の悲しみは軽いのか?などと思って見ていたが、スマイル・ぺコさんの言うようにこの作戦自体が愚かな戦争の象徴だと思う。アメリカ万歳というよりむしろ当時のアメリカと戦争をこき下ろした映画だと思う。ただアメリカ至上主義だとかアメリカ万歳と捉える人がいる以上、その意図は伝わりきれていない。その一番の原因はラストの現代のシーンのような気がする。今を生きることが一番大切であることは間違いないし感謝する気持ちも大切なのは解かるが、戦争の無情さがラストで伝わってこなければ、あの作戦を美談ととられてもしょうがないような気がする。 6点(2003-08-06 13:04:52)(良:1票) |
2079. マルコヴィッチの穴
《ネタバレ》 いきなりシリアス路線で始まり、コメディじゃなかったの?と思っていたが7・1/2階あたりからやっぱりコメディか?と思い、15分間マルコビッチになれることをみんなが普通に受け止めているところでコメディだと確信した。それにしてはあまり笑えないなぁと不満気味に見ていたらシリアス路線に。このあたりからストーリーが面白くなってきた。もともとあり得ないのは解かっているが、コメディタッチ(7・1/2階と穴のことに必要以上に驚かない2人の女)にすることはない。シリアスの中に笑いがあればいい。マルコビッチというだけでも笑えるんだから。マルコビッチに初めて入った後の子供のように、もう一回もう一回とはしゃぐキャメロンも笑えた。 6点(2003-08-01 13:27:14) |
2080. アメリ
素朴な話を凝りに凝った映像で見せてくれる。途中だらだらと感じる部分も映像がカバーしている。アメリ役の人、よくこんなぴったりな人を見つけたもんだ。一番笑ったのは、小さい頃のアメリの復讐劇。 7点(2003-07-29 13:24:21) |