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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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201.  スーパーマン リターンズ
約20年ぶりに復活したシリーズ最新作は、続編でありながら、原点回帰のリメイク的な内容にもなっている面白い造りだ。今まで観た事がない人でも十分楽しめる内容にはなっているが、「Ⅰ」とリンク(マーロンブランドの重要なセリフ等)する部分もあるので、事前に「Ⅰ」だけでも観ておくとより一層楽しめるだろう。 【評価とテーマ】なかなか評価は難しい。「なぜスーパーマンが必要なのか」というテーマを相当ねちっこく、かつ丁寧に創りこんだため、完成度は高く、スーパーマンに対する深い愛情も感じられる良作というジャッジもできるが、2時間30分という長尺と派手なバトルがあるわけでもないストーリーとのバランスを踏まえると「長い・飽きる・くどい」といった評価も聞こえてきそうだ。「初代」に思い入れのある人には高評価で迎えられると思うが、最終的にはあまり高い平均点は期待できないかもしれない。 【ブランドンラウスが演じるスーパーマンについて】見た目や雰囲気はクリストファーリーブを彷彿とさせる見事なチョイスかもしれない。しかし、肝心の演技ができるかどうかは別だ。彼のスーパーマンは「表情」が語っていない。鉄火面のような無表情、CGのような無機質さを感じる。「人類に対する慈悲深い無償の愛」が根底にあるのは分かるが、「表情が豊かではない」→「感情が伝わらない」→「行動に対して共感できない」→「さっきから同じことの繰り返しじゃないか」という思考が延々とループしてしまった。もっと人間くささを出してもよかったように思える。 【ケヴィンスペイシーが演じるレックスルーサーについて】「セブン」のようなゾクゾクするような悪役を期待していたが、やや魅力を欠いている。好意的な評価をしても初代のジーンハックマンと同レベルかなという印象。もっとはじけてもいいと感じたが、本作のテーマを踏まえて、キャラクターとしての存在感を抑えたようにもみえる。本シリーズは、悪役が目玉となる「バットマン」とは根本的に異なり、あくまでも主役はスーパーマンという方針なのかもしれない。 【その他】幼年期のジャンプシーンは「スパイダーマン」や「ハルク」、着地時には「ミッションインポッシブルⅠ」を思い出した。ルーサーの出獄理由は「ダーティハリーⅠ」と似ているし、「タイタニック」のようなシーンもある。パクリではなくサービス的な意味合いでなかなかユニークと感じた。
[試写会(字幕)] 7点(2006-08-02 21:01:38)(良:2票)
202.  スタンドアップ 《ネタバレ》 
「女性」として、そして「母親」として、あるいは「娘」としてのジョージー・エイムズという人間をシャーリーズセロンが見事に演じきった。自分の力だけで子供たちを育てていきたいという芯の強さ。弁護士、父、母、同僚、友人多くの人々に支えられながら、決して泣き寝入りすることなく常に戦い続けたいという激しさ。不当に罵られた際に親友や子ども、周囲にあたってしまう弱さ。父や周囲に蔑まれても「過去」を一人で抱えてしまう「苦しみ」。セクハラや恐怖に対する怯え、苦しみ、怒り、やるせなさ。これらの複雑な感情が観客にもダイレクトに伝わる迫真の演技だったと思う。 しかし、全般的に優れた作品で穴がなく、かなり「リアル」なストーリーなのだけれども、どこか「押し」の強さや盛り上がりが足りない感じもした。最初8点くらいの作品かなと感じていたけど、そこまで高得点を与えてよいのかと悩んでしまう映画だった。 そして、個人的に残念だったのは法廷シーンが少なかったこと。本作で日本にはないクラスアクション制度(集団訴訟)について少し勉強できるかなと思っていただけに残念。不勉強ながらちょっとかじったことがあるのでクラスアクションについて知っていることを書くと、普通の一般の訴訟では、被害を受けた被告と原告が、自分の権利を巡って争うものであるが、クラスアクションは、クラス(本作ではセクハラで被害を受けた女性のすべて)を代表して、クラス全体の権利を個人が争うものである。勝手に他人の権利を処分することになるので、クラスにいる者には通知する必要があるが、クラスにいる者は積極的に「除外(オプトアウト)」の手続きを取らなければ、判決の効力はクラス全体に及ぶという制度である。いろいろと弊害も多い制度(自己の権利が勝手に他人に処分されるおそれ、高額な賠償額による企業経営の切迫、弁護士の金儲けの手段)であるので、EU諸国でも導入されておらず、おそらくアメリカ特有の制度である。アメリカでも、今ではクラスアクションをなんとか押さえ込もうとしている始末であるため、日本で導入されることはまずないでしょう。日本にも選定当事者制度(あまり利用されていない)という類似の制度があるけど、こちらは被害を受けた複数の者が、自己の権利を被害を受けた者に委任して、一人ないし複数が代表して訴訟を争うものである。似ているけど、本質は大きく異なる。
[DVD(字幕)] 7点(2006-07-21 23:33:20)(良:1票)
203.  マシニスト 《ネタバレ》 
役者と監督のやる気が伝わる、いい映画だったと思う。 ただ、妄想ならばなんでもありというわけにはいかないのではないか。 デイビッドリンチの世界とかなり近い感じがするけど、リンチの描く世界は、混乱しているようにみえて実はきちんと調和が取れているのに対して、本作は辻褄を合わせるために綺麗にまとまりすぎている感じがする。 だからオチが分かるとちょっとガッカリという気がする。 でも、消したい記憶と消えない記憶という都合のいい人間の記憶のプラグラムに対して、「良心」という計り知れないものを掛け合せた世界を描いたという点は評価できる。この監督には注目したい。
[DVD(字幕)] 7点(2006-07-09 17:18:52)
204.  M:I-2 《ネタバレ》 
ハトが出てきたあたりから、唖然としながら画面を見つめていた。 そのあとも嘘みたいな展開が快調に繰り広げられていく。 「ミッションインポッシブルってこんな映画だったっけ??」という疑問符が脳裏をかすめながら、戸惑いながら映像を凝視し続けると、次第に嘘みたいな展開が心地よい爽快感に変わっていった。そして観終わった感想は「トムクルーズにハト意外に合うなあ。」というものだった。 この映画をみて感じたことは、トムクルーズのプロデューサー能力は相当に高いなと思われる。 ブライアンデパルマ監督のサスペンスタッチの前作が成功を収めたにも関わらず、前作の「型」にハメることなく、前作とは全く異なるテイストで攻めるというのは、なかなか出来ることではない。コケたら当然ボロクソに言われるということが目に見えているはずであり、大金が動くこの世界では比較的冒険はしないのがセオリーである。それにも関わらず、あえて新たな一面に挑戦し、その可能性に賭けた結果、大成功を収めたわけである。プロデューサーとしては一流と言わざるを得ない。 そしてジョンウー監督の起用も流石と唸らざるを得ない。その分野に秀でた監督をきちんと起用し、監督の好き勝手にやらせたであろう結果が画面からにじみ出ている。予算の関係から監督に好きにやらせない風潮が多い中で、監督の悪ノリに近いノリをそのまま映像化し、監督の長所を引き出している点からもプロデューサーとしては優秀と言わざるを得ない。 ただ、脚本は意外と筋がいいのに、その良さを上手く演出することなく放棄してしまっている点がもったいない。二人の変装の名人がいて、本物なのか、偽物なのかというスリルが残念ながら味わえない。当然ラストのトリックもあれが本物のイーサンハントだと思う人はまず、いないであろう。最初から最後まで全ての変装が完全に「ああ、変装しているな」というのが分かってしまってはもったいないところだ。
[DVD(字幕)] 7点(2006-06-21 23:55:07)(良:1票)
205.  パーフェクト ストーム 《ネタバレ》 
こんなろくに筋もストーリーもない映画をよくここまで演出できるものかと監督の手腕を誉めたい。本当に大海原にいるかのごとく迫力あるシーンと俳優陣の迫真の演技も素晴らしいと思う。 また、前半に繊細に、漁からの無事の帰還を描いている点が後半へと上手く繋がっていく。これがかなりボディーブローのようにじんわりと効いてくる。 そのために、海にいる者、陸にいる者、彼らが何を考えているのか手に取るように痛いほど感じられるようになっている。
[DVD(字幕)] 7点(2006-06-14 00:58:00)
206.  ランド・オブ・ザ・デッド
ゾンビ映画には深い思い入れはなく、この監督さんのオリジナルも観ていないけど、それでも本家はその辺の類似品とはレベルが全然違うなと感じられた。 映像からゾンビに対する深い思いと愛情が伝わる良作。
[DVD(字幕)] 7点(2006-06-14 00:54:03)
207.  RENT/レント 《ネタバレ》 
クリスコロンバス監督の作品は見たことないけど、子供向けの作品ばかりで特に見なくてもよいような映画ばかり撮っている人だなという印象しかなく、この人に関しては全く良い印象がなかった。 また、アメリカで大コケしたミュージカル作品ということで、全く期待はしていなかったのだが、予告編でみせたキレのある歌声の迫力に押されて、ミュージカル映画は映画館でしか見る価値がないだろうと思い映画館に赴いてみた。 結論からいえば、これはなかなか素晴らしい作品ではないだろうか。正直映画館で観れて良かったと言わざるを得ない貴重な作品。 ミュージカルについては詳しくはないけれども、この映画はミュージカルというよりもアメリカのミュージックビデオのノリに近いような印象を受けた。というのも、あまりにも場面や流れとはかけ離れた歌い続けるため、違和感を覚える人もいるだろう。 自分は子どもの頃からミュージックビデオに慣れ親しんでいたので、特に違和感なく入りこむことができたけれども、あまりミュージカルやアメリカの音楽に慣れ親しんでいない人や、ストーリー重視の人だと受け入れにくいのかもしれない。 音楽の洪水に酔いしれるだけではなく、意外と重苦しいテーマも良かったと思う。 大半がエイズ患者である本作の登場人物が、見い出せない未来を嘆くのではなく、その日その日、まさに「今日」という日の1分1分という「時」という炎を通常の人達よりも激しく燃やしている「熱さ」を感じる。その「熱さ」を分かち合える友情と愛情も見応えが十分だ。特にコリンズとえんじぇるの二人の表情を「エイズ患者」なんだという設定で注意深くみると泣けてくる位、明るい表情がとても印象的だった。 しかし、この映画は二点問題があると指摘したい。 1点目は100%私的なことだが「モーリーン」役の人の「声」が生理的に受け付けなかった。「声」が受けつけないものだから、キャラクター自体に嫌悪感を覚えてしまった。彼女の役が別の誰かだったらともっといい作品になったであろうと思う。 2点目はラストの「ミミ」の取り扱い。これをやられると、冒頭に触れた通りやはりクリスコロンバスは子供だましの映画しか撮れないのだなと思ってしまう。 以上のような問題もあり大コケした理由が分からなくもないが、このような作品は是非映画館で堪能して欲しいと思う。
[映画館(字幕)] 7点(2006-05-06 03:00:57)
208.  ムーラン・ルージュ(2001) 《ネタバレ》 
音楽のチカラは偉大だと感じた。 あまり馴染みのない古典的な音楽を用いることよりも、時代感を無視して馴染みのある音楽を用いた「挑戦」も大きなプラスに出たと考えてよいだろう。 さらにバズラーマン監督の独創性に溢れた映像美も素晴らしかった。 しかし、なぜかこの映画に対して緊張感が感じられなかった気がする。 本来ならば、①映画の中の劇中において、サティーンは公爵に指示されたようにラストでマハラジャを選ぶのか。それとも公爵を無視して貧乏なシダール弾き(実際のクリスチャン)を選ぶのか。 ②サティーンを巡るクリスチャンと公爵の激しいやり取り、嫉妬、憎しみ。 といった緊迫感を得られても良かったはずだ。 なぜ、このような緊迫感が得られなかったかというと、冒頭でほとんどが種明かしされているからではないだろうか。 冒頭においてクリスチャンは生きており、サティーンは死んでいるということが明かされてしまっては、あとはただ単に確認するだけのことになってしまう。 よく映画では、冒頭とラストがくっつくような手法が取れられているが、この映画においては、あのような冒頭は不要というか、蛇足に過ぎない。むしろ映画の良い部分を壊してしまってはいないか。 また、サティーンの「病」というのも、何らかの古典がベースになっているのかどうかは分からないが、あまりよろしくない要素の一つだ。「もう病が進行しており助かりようがない」と観客が分かっていれば、当然サティーンが死んでも観客は驚きはしない。あれでは悲しみも半減だろう。 この映画が「愛」について描きたいのならば、むしろサティーンはクリスチャンを公爵からかばって死んだとした方がよいのではないか。究極の「愛」とは自己を犠牲にしてでも相手を守ることではないか。 だからこそ、冒頭でクリスチャンが生きていることが分かっていれば、ラスト間際にクリスチャンに公爵の魔の手が差し向けられたとしても緊迫感がなく、また、サティーンの病死に対しても「愛」のために殉死したと思えないのではないか。病死では、貧しくても幸せという「愛」を選んだ二人に訪れた悲劇という共感を覚えない。
[DVD(字幕)] 7点(2006-04-09 20:01:51)(良:1票)
209.  セルラー 《ネタバレ》 
テンポは良く、確かに良作だとは思うけど、それほどはハマれなかったかなというのが正直な感想。(テンポがよく見えるのは、ただ単に主人公の要領が悪いだけなのかもしれない…。) この映画はDVDでチマチマ見るよりも大画面の劇場で見た方がいいかもしれない。 一点、個人的にもったいないかなと思うのが、ラストのオチ。 犯人が捕まった後に「(ビデオを壊しているために)証拠がないだろ」と主張しているのに対して、主人公が「携帯で既に録画済みだ」という反論をしていたと思うが、キムベイシンガー家族三人が生き証人としていたり、メイシー刑事もいるわけだし、動脈を切られて死んだり、メイシー刑事に捕まった悪徳警官がいる中では、携帯録画はあまり有効なオチとしては機能していない気がする。 むしろ、このネタは、ラスト間際で主人公が悪徳警官にギリギリまで追いつめられたときに用いると効果的なネタであって、全て事件が落着してから明かすネタではないと思う。 ビデオを壊され証拠もなくなり、あとは邪魔で目障りな主人公を殺すだけというときになり、無防備の主人公に銃口を向けた際に、実はもう一つ奥の手があったという流れの方がより効果的だろう。 なおかつ、データを既に複数の者に送信済みで、実は世間にはもう知れ渡っているという方がネット社会の便利さ・怖さに対してもさらりと触れることもできるのではないか。 後は逆上した犯人と乱入してきたメイシー刑事とが撃ち合いに入ってもらえればよい。 最後の着信音で相手の居場所を特定させるのはベタだけど、この題材を扱っていることを考えればよい結末だろう。あれには素直に好感を得た。
[DVD(字幕)] 7点(2006-04-09 19:45:44)
210.  ブロークバック・マウンテン 《ネタバレ》 
正直言って面白い映画ではない。また、テーマがテーマなだけに自分の心にぴたっとくるまでには相当時間がかかる気がした。 しかし、なんというか無形のものを類まれな演出力(セリフや演技でカバーできない空気や雰囲気)によって映像化された凄さに驚かされたという気がする。そういう意味において、この映画に作品賞ではなく監督賞が与えられたことは正当なジャッジなのかもしれない。 思ったことは、この映画はゲイの映画というよりも、障害ゆえに愛を成就できない狂おしい気持ち、行き場のない想いといった普遍的な感情が痛々しいほどに描かれていると思う。 少ないセリフ、うつろな表情、耳に残る音楽、全体的な雰囲気で二人の長年に及ぶ関係や気持ちを伺い知ることができる。 そして、唯一、お互いの気持ちを確認でき、何の障害もない場があの澄み切ったブロークバックマウンテンとあのシャツだけだったのではないか。 気に入ったシーンの一つに、イニスが釣具入れを忘れそうになり奥さんが忘れ物をしているよと言うシーンがある。なんてこともないやり取りなんだけど、イニスは釣りに対しては全く興味のないことを表していると同時に、奥さんにとっては、これが釣りであって欲しいという想いと釣具入れに込めた奥さんの大切な気持ちが感じられる。お互いの気持ちのズレが感じれる短いながらもいいシーンだと思う。イニスの奥さんはイニスを愛しているがゆえにイニスと別れるしかなく、ジャックの奥さんはジャックを心から愛していない(父親への反抗ゆえに結婚したような)から、別れることもなく、彼の死の原因や理由も分からなかったのかもしれない。
[映画館(字幕)] 7点(2006-03-14 01:15:13)(良:2票)
211.  ジャーヘッド 《ネタバレ》 
「オマエはケニーGか」一人で爆笑していた。 冒頭とラストのオムツがどうのこうのとか、まだ砂漠にいるとかどうのこうのとかはよく分からなかったけど、それ以外はなかなか良かった。手にした銃の感触は消えないとかそんなことも言っていたが、果たしてこの映画はそんな映画だっただろうか、ちょっと疑問。 イラクとの戦闘シーン(切れた電池を取りに銃弾の中を走るシーンなど)はあったけど、アメリカ兵が死亡または負傷する目立ったシーンが、訓練と誤射というのがこの映画のすべてを物語っていると思う。それなりにサムメンデスのアイロニカルで斜に構えた感じと空虚さが交じり合った空気は悪くはないと思う。
[映画館(字幕)] 7点(2006-02-13 01:35:44)(良:1票)
212.  Mr.&Mrs. スミス 《ネタバレ》 
クルマで逃げているときに、突然のピットの告白にブチギれるジョリーは最高だった。 映画自体は途中まではなかなか丁寧に創ってあって面白いとは思う。 前半はなかなかいいと思った。日常生活において二人の性格・関係が余すところなく描かれている(特にカーテンについてのやり取り、朝クルマでの道の奪い合い、夜眠る際にランプを消す消さない)上に、ありのままの姿を晒せずに二人のモヤモヤ感、二人の関係に見えない壁、微妙な距離感が上手く描かれていた。また、家に居るときは必ず指輪を付けようとするのも二人のそれなりの愛情が見え隠れする。 前半に二人の性格とその違いを上手く描いているのが、中盤以降なかなかボディブローのように効いている。欲をいえば、一度和解をした後の再度の夫婦ゲンカはもうちょっと丁寧に描くべきだったか。夫婦といってもやはり二人の性格は全く異なるものであり、小さいことで絶えず言い争いにはなるが、やはり二人の関係には愛があるからなんでも乗りきれるという流れなのだから。 それにしても、ラストのオチをもう少し何とかしろといいたい。 ヴィンスヴォーンを黒幕にするとか、二人で名前を忘れたどっかの島で暮らしているとか、くだらないオチでもなんでもいいからとりあえず形だけでもオチをつけて欲しかった。どう考えてもあれでは映画は終わっていないだろう。とって付けたような「10点」というオチでは納得はできない。 そもそも、メインイベントであるピットとジョリーのバトルを中盤にもってきているため、やや後半は盛り上がりに欠いている。 後半は、ボニーとクライドのような破滅への道をひたすら進む逃避行、絶体絶命的なストーリーにでも持っていって良かったかもしれない。絶体絶命の中、先とは矛盾するが最後はヴィンスとかジョリーの仲間が助けるとかの方でもいいかな。 エアサプライとかなかなか小技も効果的でよかっただけにラストだけが惜しまれる。
[映画館(字幕)] 7点(2005-12-04 22:54:35)
213.  復讐者に憐れみを 《ネタバレ》 
観終わった瞬間はラストはちょっと余計かなと思った。 苦し紛れに言った言葉が実は真実だったという手法はありがちであり、せっかくいい映画なのにこれでは蛇足ではないかと思ったりもしたが、よくよく考えるうちに、この映画の主題は「復讐の連鎖」であり、復讐を遂げることで映画が終わっては主題とずれるのではないかと監督は考えたのではないか思った。 自分に非がないのに巻きこまれた被害者であったはずのガンホであるが、復讐そのものが正当化されるはずはない。逆に、全く面識もない者たちに復讐され得る加害者でもあったという復讐の論理を訴えたかったのではないか。 あの四人組にも、自分たちの同士を殺されたことに対する彼らの復讐に隠れた大きなストーリーがあると思させたが、もうちょっと何かしらの説明なり、セリフがあった方がよりテーマが深まるかなと感じた。 映像に関しては、リアリズムを追求した荒荒しい映像はテーマに非常にマッチしている。人形と共に手が黒焦げになっていく過程などは、こんなふうに撮る人は今までちょっといなかったなと感じさせたが、「こう撮ったら面白そう。こうすればいい画が撮れるのではないか」というような技巧に頼ったり、本質ではない部分にこだわったりしているようところも見受けられた点は多少引っかかる。 映像のリアリズムを追求するのはよいが、あの状況下においてエレベーターの中で手を握る姿は日本人の感覚ではリアルではない。二人の関係やドゥナに対する想いの深さ、愛するものを奪ったものが愛するものを奪われたという姿を描きたいというのはよく分かるのだが。
[DVD(字幕)] 7点(2005-11-13 02:58:56)
214.  シンデレラマン 《ネタバレ》 
各試合白熱し、手に汗握りブラドックを応援し、彼の戦う姿にはそれなりに感動したので、悪くはないと断定できるけど、なんというかやっぱりロンハワードらしいなという感じ。 こんな例えを出してもここでは理解できる人は恐らく1割もいない気がするけど、柴田ヨシトミジョッキーみたいな気がする(分かる人だけ分かって欲しい)。 とにかく教科書的というか、公務員的というか、真面目なんだけど、思い切りのよさや冒険や攻めがなく、観ている者に面白みや驚き、サプライズを感じさせない。おっと思ったのが、試合が終わったのと同時に次の試合が始まっているという流れくらいか。あとはほとんど既視感を感じるシーンばかりだ(確かにサプライズで勝負する映画ではないのは分かるけど)。 演出に関して一点、自分で整理が付いていない問題がある。確かラスキー戦だったと思うけど、肋骨を怪我して、立っているのもしんどいという状態のときに、家族のことを思い出して相手に向かっていったようなシーンがあったと思う。まさにミルクのため、息子との約束のために戦うブラドックらしさを感じる演出ではないだろうか。 しかし、対ベア戦の際には、ブラドックが息子や娘、妻を想うシーンがなかったのをどう受けとめればよいのか自分では整理が付かない。 対ラスキー戦ではなく、対ベア戦の際に、家族のことを思い出すシーンがあれば、彼が戦う意味や彼が倒れることなく必死に戦う原動力を観客は再認識しながら応援することができるような気もする。他方、そんなシーンを入れなくてもブラドックが戦う意味は、母親に反抗して立て篭もってラジオにかぶりつきながら応援してくれる子どもたちや教会に集まった人々を映すことによって、観客は感じることができるので、改めてそんなシーンを入れるのは野暮ったいような感じにもなる。むしろ、ベア戦ではそんなシーンを入れるのは蛇足であり、ブラドックががむしゃらになる姿を映すことにより、ロンハワードは観客が自然とブラドックが戦う意味を感じ取るせるという流れに導くことにしたのだろうか。 しかしながら、試合のシーンが迫力がありすぎて途切れることなく続くので、かえって親子愛や夫婦愛、友情といったテーマがやや影を薄くしていないかという気がする。試合の途中でどっかでぶった切って、観客の試合への集中力を落とすというのも、考えられなくはない演出ではないだろうか。
[映画館(字幕)] 7点(2005-09-19 23:07:40)(良:1票)
215.  チーム★アメリカ ワールドポリス 《ネタバレ》 
「魁!クロマティ高校」があわや公開差止を食らうところだったのに、本作がアメリカで普通に公開されるというのは、やはりアメリカ人の懐の深さというか、表現の自由ということなんでしょうか。クロマティ自身はアメリカ人なんだけど。 しかし、パラマウントはよく公開したなあと思う。今回登場した人物プラスマイケルベイとベンアフレックは、パラマウントとの関係はおかしくならないのだろうかと心配してしまう。 この映画のなかで一番大爆笑できたのは、ゲロシーン。周りはちょっとヒキ気味だったけど。その他にも、手をバタバタさせるSOSシーンとパールハーバーのテーマにはなかなか笑いのセンスを見出せるが、個人的には「スターウォーズ」などヒネリを効かせた笑いや、ゲロや下ネタとは異なるもう少しハジケた感じの抜けた笑いももうちょい欲しかったというところ。 しかし、本作は人形劇にしたために映像の幅が広がったという利点を感じる。あの二人のベッドシーンは実写では到底無理だし、アニメでも無理だろう。人形だからこそできる微妙なリアル感がでた面白いシーンだと思う。俳優たちが吹っ飛ぶシーンや黒猫のシーンも人形劇だからこそというのはあった。憂いに満ちた表情など人形であることのギャップを利用することによって、なかなか良い効果が生じさせたのではと感じる。 【深いネタばれ】本作は、ぱっと見では①テロ撲滅を名に世界の警察を名乗るアメリカへの批判、②政治的な発言が目立つ俳優への揶揄、③テロ国家への非難を感じられる。 しかし、①については、実は最後には0.01秒差で世界を救うのはアメリカであるし、②についても、主人公自身が実は俳優であり、俳優が世界を救うというストーリーになっている。 非難する点と映画の結末が矛盾する形となっていることを考えると、制作者は案外、真意を悟られないように実は計算して創っているのではないかという気がする。③に関しては、どれも似たようなものだがチ〇〇がアメリカであり、マ〇〇がアメリカが内政干渉する国であり、ケツの穴がテロ国家という図式であり、世界がクソだらけにならないよう、ケツの穴を取り締まることは大事であり、チ〇〇のような世界の警察は必要悪なのかもしれないではないかというメッセージは一応込めていたような気がする。
[映画館(字幕)] 7点(2005-08-07 23:54:49)(笑:1票) (良:2票)
216.  宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 
序盤の凄まじく圧倒的な迫力は鳥肌モノであり、傑作の予感さえ漂わせていたが、どんどんとあらぬ方向にストーリーが進む。しまいには、あまりのご都合主義に「理屈じゃない。頭で考えるな。感じろ。感じるんや。」と自分に言い聞かせていたが、最後のラストでやってはいけないこと(微生物のことではない)をやってしまい一気に興ざめをした。 ストーリーとしては①真の勇気とは何か②ティムロビンスの存在③地球人の宇宙人への攻撃の描き方についてやや疑問を感じる。 ①については、宇宙人に対して無鉄砲に戦うことが勇気ではない。戦わずに家族を守るということも本当の勇気といえるのではないかというメッセージが込められていたと思う。その対立軸としてロビーという存在が必要だった。したがってトムには最後までロビーを説得させる必要があったのではないか。仮に説得できなかった場合にはロビーを死なせる必要があったと思う。ロビーを生かすということはロビーの行動を肯定してしまっていることになる。ロビーに限らず、自分が期待した「家族愛」という視点がかなり欠けてしまっている気がして残念だ。ラストは「済まない。ロビーを死なせてしまった」というトムのセリフを期待したのに…。それにしても人間ドラマに関しては感動させられる部分は微塵もなかった。 ②については、彼が本当に死ぬべき存在だったのかが理解できない。殺されるほどのpanicとcrazyっぷりが足りないのではないか。彼の存在に価値をつけるとすれば宇宙人侵略という危機にかこつけて、火事場泥棒的に自己の欲望を満たそうとする者という扱いにすれば良かったのではないか。この関連としては、人々のパニックぶりと暴徒化という視点は描かれているもののオリジナルに比し扱いが薄くモノ足りない。この視点は非常に重要だと思うのでもっと厚めに扱って欲しかった。 ③確かに本作はトムの目線で終始ストーリーが進むため、軍による宇宙人との戦いを描く必要はないと意見もあるが、そうだとすれば手榴弾や「鳥がいるぞ」等は蛇足のような気がする。「観客が何を期待するか」と「ラストのオチ」を重視すれば、オリジナルのように核兵器を使うというのは論争があろうかと思うが、地球側の攻撃力の強さを示した方がよかったのではないか。破壊力のある攻撃が全く効かない相手が微生物という微小なものによって滅ぶという落差こそが観客の驚きとなるのではないだろうか。
[映画館(字幕)] 7点(2005-07-03 00:51:31)
217.  メリンダとメリンダ 《ネタバレ》 
アレンらしい映画で確かに面白いと感じた部分はあった。ウィル・フェレルはアレン好きの人なら特に賛否両論あろうかと思うが、往年のアレンの演技やセリフが思い出される。その点だけでも良かった。サル真似かもしれないけど別に悪くは無いだろう。コアなアレン映画ファン以外ならば、充分笑いは取れる演技だ。 人物の描写という点についても各々のキャラクターには「性格」が設定されており、それぞれある程度の悩みを抱えているために深みが増しており、好感を持てた。 そして何よりも、この映画のセリフが非常に良い。美しいセリフには酔いしれた。 本作は、悲劇編と喜劇編の二つのストーリーから成り立っている。 この手法は「スライディングドア」を思い出される。グウィネスの髪形などに気を配り、二つのストーリーが混同しないように細心の配慮がされている点に好感が持てた。 一方、本作でもメリンダの表情や髪型などで分けていたし、そもそも出ている役者が違うので混同しようはないかもしれないが、観客に対する見せ方としては、あまり上手くはないような気がする工夫が足りない。バーで飲んでいる4人(「ブロードウェイのダニーローズ」が思い出される手法)の会話をもう少し論点を分かりやすくした方が観客には良いだろう。 この映画に賛辞を送れないのは、結局この映画で何がやりたかったのかが自分には伝わらなかったということ。確かに「人生は短い」というメッセージは伝わるが、人生は果たして悲劇なのか、喜劇なのかという答えがない。この問題に対する答え自体がないことは知っているが、考えるためのイントロダクションにもなっていないと思う。昔のアレンだったら「人生が悲劇的であってもいいのではないか」という皮肉的な答えを出したかもしれない。 さらに、二つのストーリーの対比が上手く描けていないために、何のために二つのストーリーがあるのかという根本的な部分がクリアにならない。「重罪と軽罪」のような明確な対立軸が必要だったかもしれない。 また、どちらのストーリーのオチもあまりよろしくない。特に喜劇編に対してはいくらなんでも強引かな。「スコルピオンの恋まじない」くらいに描くのならまだしも、メリンダには恋人もいるし。病院に連れて行ったときに前フリをいれて、さらにメリンダがローブの切れ端を拾いあげて少し悩むくらいのカットがあれば多少の前フリにはなったかなと思われる。
[映画館(字幕)] 7点(2005-06-25 19:46:36)
218.  炎のメモリアル 《ネタバレ》 
この映画には基本的にドラマ性という視点が欠如している。 同僚の死、各人命救助、結婚に至るまで、そしてあの大きな火災での救援活動など、いづれもありのままの姿を平坦に描いている。 はじめ、仲間の死をなぜドラマティックに描こうとしないのか勿体無いなと感じていたが、見続けていて気がついた。この映画の趣旨が非現実な偽物の世界を描こうというつもりがないからである。 現実の消防士の世界をありのままに描くという視点がこの映画の主題なのではないか。 ビルの上からの人命救助や、黒人の女の子を救うための人命救助にも特別なドラマは要らない。 普通の映画とは違い、ガラスもなかなか割れない。女の子を見つけたとしても、一人ではどうしようもなく、ただ助けを求め続けることしかできない。そういう泥臭い仕事が消防士の仕事なのである。 同僚の死でさえも、一時でも注意を怠れば、死ととなり合わせ、死と直結する世界であることを伝えていることに過ぎない。 なぜ彼らが危険を犯してまで、この仕事に携われるかというと、それはこの映画のもう一つの主題である「人の命を救う仕事の尊さ」だろう。 確かに人間である以上、その信念は揺らぐことはある。「この仕事は好きか」と質問されても即答できなくなるかもしれない。 しかし、ホアキンは死の間際であっても、この仕事に誇りをもちつつ死を迎えたのではないかと感じさせた。ホアキンやトラボルタ、大火傷を負った同僚他、コアな信念は揺らぐことはなかったという気がする。 たぶん自分が脚本家やプロデュサーであれば、絶対にこのような映画を創ることはできないと思う。恐らくバックドラフトのようなものを創ろうとするだろう。 この映画のように主人公を助けようという気持ちは痛いほど伝わるものの、救援活動らしいことはまるで描かずに(カッターで鉄筋一つ切るのも一苦労)、最後は置き去りにせざるを得ないという脚本は、ある意味で非常に新鮮だった。この世界にはミラクルなど何もないのである。 トラボルタも目立たないながら、なかなか良い仕事をしていた気がする。ホアキンを支え、成長させ、見守り続けていた。ホアキンの表彰式の際には、人一倍喜んでいた姿が印象的だった。 また、この映画にはアメリカ人らしいバカ騒ぎがいくつも描かれており、文化の違いというか、気質の違いをまざまざと感じさせてくれるという面も面白い。
[映画館(字幕)] 7点(2005-06-05 14:17:24)
219.  ミリオンダラー・ベイビー 《ネタバレ》 
とても繊細で複雑な映画である。こんな映画を撮ることができるのかいうくらい、繊細さを感じた。光と影によるコントラストが、さらに本作を繊細にしている。また、セリフのない数秒のカットでさえ、数分間を物語るくらいの効果があるものがいくつも垣間見られた。この点に関しても、流石と感心せざるを得ない。 ストーリーにおいて、一番気になったのは、彼女が「悔いのない人生」を送ることができたかどうかということだ。 あのような反則による事故によってあのような結末に至り、また「彼女が何のために戦い続けていたか」ということと家族の酷い仕打ちを見ると、果たして悔いのない人生と言えるのだろうか疑問に感じる。むしろ失意のうちに、また無念の想いを抱いていたのではないか。 家族については、家は買えても、心は買うことは出来ないので仕方がないとしても、ボクシングの試合に関しては、自分が脚本家ならば、チャンピオンの反則により、大きな怪我を負う。怪我を負っても戦うことを止めようとしないマギー。何度もタオルを投げ込もうとするも、戦う彼女の姿を見て、どうしてもタオルを投げ込めないフランキー。勝つか負けるかどちらでも良いが、最後までリングで戦った代償として全身不随の怪我を負うという流れにした方が良いのではないか。最後までリングで戦うことができれば、彼女は「悔いのない人生」を送ったと思うし、スクラップが失明した試合をカットマン故、止めれなかったけど実際はどうだったのか…という話ともリンクする。 フランキーはトレーナーとしては、マギーの試合にタオルを投げ込むことができなかったけど、トレーナーを超えた存在として、マギーの人生にタオルを投げ込む業をフランキーに背負わせるというのが、すっきりする流れと思われる。彼女の人生に自己責任を負わせることが出来ないと、後味の悪い、救いのなさだけが残ることになるのではないか。 他方、彼女を死なせないという流れの方が整合的なストーリーのような気もする。スクラップの語る「誰でも一度は負ける」というセリフには、裏を返せば「負けたとしも、どんなに傷ついても、人間は再び立ち上がれる」ということを言いたいのではないか。ラストで彼女が大学で車椅子の姿でもゲール語を学ぶ姿が見られたら、アカデミー賞受賞作品に相応しい映画になったのではないかと思う。
[映画館(字幕)] 7点(2005-05-30 23:40:05)(良:2票)
220.  ギャング・オブ・ニューヨーク
あまり自分は好きではないスコセッシ作品の中で意外と好きな作品。 どう感じていいか難しいラスト以外は面白いと思うし、モノ凄い情熱を込めた映画だと感じる。ビルとアムステルダムの関係が様々な想いが重なり面白いと感じる。 アムステルダムにとって、ビルは父の仇であるのと同時に、父の理解者であり、尊敬や畏敬の念を抱くに値する男である。ビルの下で働くのを楽しんでいるかのようであった。ビルの暗殺を食い止めたのは、自分の手で殺したかったのではなく、やはり尊敬から自然とああいう行動に出てしまったのだろう。 一方、ビルにとって、アムステルダムはある意味「息子」のような存在だったのではないかと思う。ビルは息子を望んでいたし、知恵も勇気もあるアムステルダムのことを買っていたのは間違い無い。 アムステルダムによるビル暗殺が失敗に終わってもアムステルダムのことを殺さずに焼印を押しただけにとどめたのも納得ができる。 以前、ビルはヴァロン神父に殺されそうになった時に、恐怖で目をそむけたことがあり、「恥を背負って生きろ」とヴァロンに殺されなかったエピソードが思い出される。それによりビルは目をくり貫いて一回り成長してヴァロンを殺すことができた。自分がされたことを全く同様のことをしたのである。ここでもビルのヴァロンに対する尊敬の気持ちが感じられる。 これにより、アムステルダムは一層、一皮剥けたと思う。父と同様に信念を持ち、同胞をまとめあげるリーダーシップを得れたような気がする。始めてビルと対等の立場にたつことができたのではないか。 恋愛を交えるのは別に悪いとは思わないが、もう少しちゃんとジョニーとの友情なり、ジェニーに対する想いをきっちりと描いておけば効果的なものとなったであろう。ダンスシーンだけで充分とは思えない。 ジェニーは突然ではないがカルフォルニアに行きたいとかトンチンカンなことを言い出すのが不明だ。アムステルダムを止めたいのか何なのか、ボコられて戻ってくるのも中途半端だ。 ラストは軍隊という大きなチカラについて自分なりに感じたものはあったが、スコセッシはどのような意味を込めたんだろうか。
[DVD(字幕)] 7点(2005-04-10 02:22:43)(良:1票)
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