221. パニック・トレイン
《ネタバレ》 7年前の映画なんですが、70年代後半から80年代前半のパニックものみたいなんです。 列車内の雰囲気も登場人物も映像の質感もなんだかローテクな感じで、携帯電話に違和感さえ感じるような。 ところで子供が遊んでるだけで走行中にドアが開いちゃう列車ってなによ?暴走云々の前にそれこそ大問題、危険過ぎなんですけど。 そんな古い映画の雰囲気ではあるし、あんまり医者には見えない主人公ではあるんですが、 誰が何のために暴走させているのかは語らず、大半の乗客は降りてしまって最小人数での暴走する列車内での密室劇。緊張感も徐々に高まっていく。 登場人物も世代や事情、性別も凝縮されている感じで人間ドラマもちゃんと成立してる。低予算の中でこれがやりたい、見せたいというものが詰まっていて、熱意を感じる映画。熱い映画を観るのは久しぶりでした、面白かった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-25 13:38:49) |
222. あなたの旅立ち、綴ります
《ネタバレ》 シャーリー・マクレーンは期待通りで、内容もたぶんこんな感じかなという予想に近いものでした。 オープニングあたりのアマンダ・セイフライドがちょっとぎこちないというかトゲトゲしいのが気になったんですが 中盤からは表情も雰囲気もナチュラルで印象よくなりました。3世代の女性を絡ませるっていうのがいいですね。 シャーリー・マクレーンはチャーミングです。アンのスピーチにはじわっときてしまった。 ところでアマンダ・セイフライドって検索すると表記がいろいろあって、どれが正しいのかいくつか翻訳で発音してもらったら 「セイフリード」「サイフリィド」「サイフリッド」と聞こえたように思うのよ、「セイフライド」は違うみたいですね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-23 21:23:52)(良:1票) |
223. イーグル・アイ
《ネタバレ》 凄い皮肉な映画。 電話の話しっぷりが機械っぽいので黒幕は誰?なんて思ってたんですがそういうことなのね。どうして子どものトランペットなんだろ?どうしてその母親が?疑問はラスト近くになるまではっきりしないので自分の「どうして?」でラストまで目が離せず観てしまいました。 テロ対策のためだったのが最強、最悪のテロリストになっちゃって、それに対してはどう思ってたんですかねアリアは。 ちょっと破壊し過ぎに感じたし、あの二人を利用するためとはいえ手が込みすぎで派手なシーンを撮りたいがためにこじつけたように感じて、そこまですることだったのか?と無駄に人死に過ぎなところに少々憤慨し、カメラワークが忙しすぎてちょっと疲れました。空港での逃走はなかなか面白かったけど。 んーていうか、気圧変化に耐えるようにするくらいのことで手段がそれ?ていうね、アリアには臨機応変も柔軟性もない実は欠陥品ということが言いたかったのかな?男じゃなくて女にしてあるのも意味がありそう、ヒステリックだから?台風に付けるのも女の名前だし(笑) 真相が見え始めて「ウォー・ゲーム」を思い出したり。あっちはゲーム感覚で世界戦争を始めて世界が終わった時点で戦争ゲームよりチェスの方が面白いと学ぶ。アリアにも学んでほしかったですね、ただ破壊して終わるっていうことで観終わって感じ入るものがないのが残念。そういえば最近どっかのチャンネルで「ウォー・ゲーム」を放送してたっけ、それだけ今となっては現実的になってきたってことなのかな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-06-21 12:46:28) |
224. エージェント・マロリー
《ネタバレ》 次々出て来るそのキャストの豪華さね。映画としてはソダーバーグがお遊び感覚で撮ってるような、そんなお気軽、お手軽感があるのですけれども主演のジーナ・カラーノのアクションは楽しめました。マイケル・ファスベンダーがボコボコにされちゃうとこがいちばん興奮してしまったわね。 彼女の走る姿がかっこよかったですねぇ。だけどなぜ彼女が狙われなければいけないのかっていうとこがあんまり面白くないのが残念です。いっちばんの悪党は誰?やっぱりマイケル・ダグラスかしらね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-06-18 15:57:39) |
225. ラン・オールナイト
《ネタバレ》 アクションするおっさん俳優というのはもう珍しくもないし、リーアム・ニーソン主演のアクション映画も新鮮味がなくなって積極的に観ようとは思わない方なんですが、たまたま放送が始まったのでそのまま観てみました。 いや~これはなかなか良いのではないでしょうか。敵役となるマフィアのボスがエド・ハリスなんですが、スペシャルな俳優のもつ雰囲気、佇まいって凄いわね。語らずとも心情が理解できてしまう、いるだけで映画の格が上がるっていう。その上兄役でニック・ノルティが出てくるし。 渋すぎるキャストにまずやられました。 本作はやはり人物造形や背景が巧みだと思うのね、そうなるとやはりのめり込んで観ることになるんですよ、殺し屋と警察両方に追われるんですが、地下鉄の駅で文句言ってくる通りがかりの男とか、銃撃戦だけじゃなく火を出させたり、湖畔での霧のかかり具合、死んだと思ってた殺し屋とその赤外線、サンタクロース・・・その他細部にわたってよく考えてるなと思えるとこが多くて、映画職人の技みたいなものを感じます。オープニングもよかったです。一夜の出来事としているのも緊迫感がより強くなってよかったと思います、クリスマスシーズンのニューヨークの夜景も良かった。リーアム・ニーソン主演のアクション映画の中ではかなりいいんじゃないかな。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-06-14 15:08:12) |
226. ゲットバック
《ネタバレ》 「犯罪・アクション映画 ニコラス・ケイジもの」 こういうジャンルがあってもいいんじゃないかと最近思うようになりました。出演作全て観ているわけじゃないんですけど似たような作品があって、もはやどれがどれだったか区別がつかないです。なので全部ひっくるめてニコラス・ケイジものでいいんじゃないかと。 あのFBI捜査官はウィルを追い続け、捜査に没頭し過ぎたのか奥さんにも去られているのね。犯人の行動パターンを分析していくうちに犯罪者に対して奇妙な共感、親近感がわくっていうのはわりとありますね。 しかし、逮捕されるキッカケや復讐される理由がなんともお粗末でして、ヴィンセントの風貌も義足もなんか海賊って感じでして、観終わってみればギャグ映画のようだと思ったのでした。 「ほのぼのハートフルコメディ ニコラス・ケイジもの」で新作が観たいです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-06-13 19:41:25) |
227. マジック・イン・ムーンライト
《ネタバレ》 スタンリーのキャラね、ウディ・アレン自身を強く反映しているんだなと思います。演じたコリン・ファースが見事にハマっていますが、見た目がアレンと違う。もう違い過ぎちゃってるのがアレンの開き直りみたいに感じられて笑えた。そして中国人に扮したマジシャンていうのもなかなか洒落ていると思いました。 びしょ濡れの天文台、あそこでラブシーンとなるのがラブコメのルールでしょ、でもそうはならなかったのでどういう結末になるんだろうとは思ったんですが、どうということのないラブコメで終わってしまいました。 南フランスの風景は素晴らしく、ノスタルジックな映像でかなり好みなんですが、それが余計に甘ったるい押したり引いたりの恋愛モノという印象になったように感じます。 いくら見た目が良くてもスタンリーのような人はまわりが敬遠しちゃうと思うんですが、なぜかずっと年下の若くて魅力的な女性に選ばれる、ロケーションから何から何までアレンの願望という映画のようですね。当時80歳になるかという年齢でまだこんなこと思ってるんだとちょっと微笑ましくもあります。 コリン・ファースの性格に問題ありのジェントルマン振りにプラス1です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-09 14:51:34)(良:1票) |
228. ウィッカーマン(2006)
《ネタバレ》 やはりニコラス・ケイジが全力で演じている、それを観るのが面白いのです。 なんちゅう理不尽、酷過ぎるはなしですね。 最初のあの事故のことがよくわからないんですよね、カルトな集団なのはわかるけどシスターサマーズアイルはエスパーなの? 生贄は自分かもってわかってもいいんじゃないかと思ったんですけどね、エドワードがあまりにも「思い込んだら命がけ」っていう感じで面白味がないっていうか。・・・だからあんな手紙1通であんな所まで出掛けちゃうのか。 これくらい人が良くないと生贄に適さないってことですかね。親切が仇になってしまう話でした。リーリー・ソビエスキーの相手ジェームズ・フランコはどうなったんだろ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-06-06 13:17:33) |
229. ロケットマン
《ネタバレ》 エルトン・ジョンは正直あんまり聴いたことはないです、ロックスターという印象もあんまりないです。ずんぐりした体形に意味不明のド派手な衣装にピアノ、エルトン・ジョンといえばこのイメージ、 そして「ユア・ソング」この曲だけはいつどんな時でも聴き入ってしまう、ただ無駄な邦題をつけているのが気に入らない。日本は海外のような圧倒的な人気ってどうなのかな? 〇〇依存症で・・・とか過激な発言はなんとなく知っていましたが、今回映画になってその生い立ちと、とんでもない天才ということを知ることに。 療養所でのセラピー中の回想で語られるというのがちょっと意外で、彼の闇の部分に焦点をあてているようなんですが、ミュージカル仕立ての部分があることで陰鬱に偏らないようにバランスとってる感じかな。でも私はミュージカルが苦手なので、のめり込んで鑑賞ってことにはならなかったです。歌とダンスが始まるとそれまでの感情がぷつんと途切れてしまうのよね。 結局、エルトンを演じたタロン・エガートンの熱演が見所ってことかな。 「ボヘミアン・ラプソディ」と本作で登場したジョン・リード、音楽マネジャーとしては凄腕みたいですけど実像はどうなんだと興味が湧いてきてしまった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-05 12:59:21) |
230. シンプル・フェイバー
《ネタバレ》 内容は昔TV放送してた2時間サスペンスドラマによくあったような感じです、 ちょっとコミカルでわちゃわちゃしていて、主人公が素人探偵になって事件を解決するという。 なのでハラハラドキドキもドロドロ愛憎劇もなくあっさり風味。 アナ・ケンドリックがステファニー役にぴったりハマっているし、ステファニーのキャラが映画のスーパーヒロインならではのスキのない完璧さが無いのがいい。 NYの有名アパレルの本社に乗り込む時にしっかりメイクに緩く髪をまとめて、叔母から貰った秘蔵のビンテージもののエルメスのスカーフをリボンに結んでキャリアウーマンに見えるように気合入れましたみたいなの。 確かにあの結び方は今は流行らないし、メイクもヘアスタイルもひと昔前って感じなんです、結婚する前はそれが流行ってたけど、結婚して子育てして外に出る機会が減ると今流行っているものに疎くなったり抵抗を感じるようになったりするもんです。 こういう演出が良いですね。なかなか面白い映画でした。 音楽が特にいいんです、フレンチポップスが全体を軽快でファッショナブルな雰囲気にしてたし、普段のステファニーの衣装もファッショナブルでかわいいです。オープニング、エンディングの映像もレトロ感満載。 特にエンディングのフランス・ギャルの曲に感激しました。アナ・ケンドリックもタイプでいったらフランス・ギャルと同系列ですね、だた彼女を見てたらなぜか川島なお美さんを思い出した次第です。 ラストのその後を語るテロップがまるで実話であるかのようなんですけどアメリカならあっても不思議じゃないですよね。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-06-02 12:39:25)(良:2票) |
231. LBJ ケネディの意思を継いだ男
《ネタバレ》 この手の映画って上映時間2時間以上あるものなのに、なぜかコメディ映画並みの97分。 その短さでちょっと観てみようかなと思ったのは確かだけど。監督がロブ・ライナーなのでやたら小難しいこと言ったりやったりもないだろう、なんていうのもありました。 ウディ・ハレルソンより奥さん役のジェニファー・ジェイソン・リーが意外でした、二人ともメイクでしっかり化けてます。 華やかなケネディ兄弟に押されっぱなしだったジョンソン元大統領、なかなか忍耐の人だったんですねぇ。 それに比べてロバート・ケネディの態度、ここではいちばん嫌な奴って感じてしまいました。 題材のわりには内容は浅いんですが、ウディ・ハレルソンの演技はよかったと思います。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-06-01 16:46:26) |
232. バリー・シール/アメリカをはめた男
《ネタバレ》 鑑賞後「アメリカをはめた男」という邦題のサブタイトルって全く的を得てないじゃないのっていうのが最初の感想です。 なんでこんなのつけるの? そしてトム・クルーズ、マーベリックとは系統は違ってもやっぱり無鉄砲なパイロット役っていうのがなんか可笑しいです。あのトム・クルーズがモサっとしたおっさんになってる。長年ハリウッドの大スターとして衰えないトムなんですが、こういうタイプを演じるのって初めてなんじゃないかと、そういう点で一見の価値ありですかね。 「ロック・オブ・エイジズ」とか時々気分転換しましたみたいな映画に出るのね。「トロピック・サンダー」では本人とはわからないくらいのメイクで出てるし、こういうとこが好感持てます。 監督はダグ・リーマンなんですね、「ボーン・アイデンティティ」の時のような情感は皆無で、70年代の古い映画のような映像で不潔感と下品な雰囲気が漂い、ちまちました犯罪ってわけじゃないのにお気楽な映画になってる。そんなとこもあの時代の映画を反映させたんでしょうか。ホワイトハウスでのシチュエーションが唯一洒落てたと思う。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-01 15:41:09) |
233. インスタント・ファミリー
《ネタバレ》 一時期、ハリウッドスターたちが里子を受け入れ養子縁組したという話題をよく目にしたものです。その多くは有色人種の子どもたちということで意地悪なことを言うマスコミ関係者もいたなあ。 私は自分で産んだ子だからこそ育てられたわけで、そして二人の子育てでもう手一杯。三人なんて考えたこともありません。 映画の中の夫婦は育児経験は無く、親になるための段階も踏まずいきなり3人。しかも長女は思春期ときた。 なんかもう主導権は完全に子どもにアリで、里親夫婦は振り回され親になるための修行という感じの映画でした。 ラストは絶対ハッピーエンドになるってわかってるし、ユーモアもふんだんで観やすかったです。 ただ奥さんのエリーがわめくとこ、声質なのかなんなのか、耳障りでイライラしちゃいました。 リジー役の子は魅力的ですね、「ボーダーライン ソルジャーズ・デイ」のあの子でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-05-27 17:19:54)(良:1票) |
234. グレタ GRETA
《ネタバレ》 もう最初から最後まですっかり読めちゃう、予想できちゃうという陳腐さなんです。 ニール・ジョーダンの監督作品てちょっと落差があるように思うのね、中年女性と若い女の子を中心で最初から最後まで女ばっかりなんですけど、この監督さんは女を描くのがあんまり得意じゃないのかもね。だからこんなにありきたりになっちゃったのかも。 イザベル・ユペールもクロエちゃんの演技もいいと思うんです、ただクロエちゃん演じるフランシスのキャラがよくない。フランシスのキャラが話の進行に合わせて都合よく臨機応変に設定されてるような気がした。守られキャラとして描いているのかな?それにしては肝心なとこで人の忠告や意見は聞き入れないし、か弱いというよりドンくさいと感じてしまいました、最後のツメも甘いし。あれじゃ振動で簡単に開いちゃうわよ、グレタは逃走してほとぼりが冷めた頃にまた現れるんだろうな。 タイトルロールにもなってますし、やはり大女優イザベル・ユペールに花を持たせたって事かな。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2020-05-27 15:30:45) |
235. 顔のないスパイ
《ネタバレ》 あらすじを読むとそれなりにそそられるんですが、リチャード・ギアっていうところに不安のようなものを感じて「あ、観たい!!」とならなかったんです。 ・・・やっぱりアカ抜けない。CIAの分析官にしてはシャープさが無いし、なんかドンくさい。 ギアは隠された過去とか危うさを抱えた家族モノのお父さんなんていう方がいいんじゃないかと思う。 「カシウス」の正体が早々に明かされる時点で本題はコレじゃはかったのか?と少々戸惑う。 監督は「3時10分決断の時」の脚本を手掛けている人、確かに脚本はかなりいいと感じます。ただ映画として完成品になったものはどことなく不器用で洗練されたものがないんですよね。やはり監督としてはこれからということですかね。 ラスト近く、ハイランドのベンを見る目や「間」が何かを悟ってるようにも感じられる、ハイランドは何を企んでいるのか、CIAには私も幾度も騙されているし絶対信用できない、映画の中でのことですが。 ベンの今後はどうなるのか・・・続編ができてもいいかなとは思います。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-05-24 15:28:23) |
236. 恋のロンドン狂騒曲
《ネタバレ》 インチキ占い師にハマるお母さんに始終イライラさせられてしまいました。 サリーとロイ+母親の言い合いはあんまり面白くない。 婚約破棄、結婚式とりやめとなり両家揃って修羅場と化す、ここはもっと観たかったです。 退屈はしないんですが、ファンタジックな部分も粋な笑いも無く、意外性とか予想外の展開も乏しくてあんまり盛り上がらなかったのが正直な感想です。 昏睡状態は実は・・・ていうのが分かった時にこれはもしかしたら。。。と思ったんですがそれはなくナオミ・ワッツのブチ切れシーンで終わってしまいました。 ここからがみんな人生の次のステージの始まりで、笑い話じゃすまなくなっていくんじゃなかろうか、などと想像はできます。 本作は序章のような感じでこの先が観たい、知りたいと思ってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-05-21 14:47:52) |
237. ボルベール/帰郷
《ネタバレ》 ペネロペ・クルスは特に好きなわけでもないんですが、スペインやヨーロッパの映画に出ている彼女はハリウッド物とはまるで別人のようにエネルギッシュで、全身から生活臭も出ているし少々下品でもあるんですよね。当然ハリウッド映画より魅力的だし存在感は半端ないですね。年齢とともに確実に大迫力のスペイン女優の中心となった感じです。 母娘3代、重い過去やら罪を背負って生きている、生きていくわけですがこれ見よがしな悲壮感がないのが良いです。 強烈な色彩とユーモアで「女はかくも強し、男なんて全く叶わないよ」というものを語っていて、それはそれでわかるんですが、なんか罪の意識が無さすぎなのがちょっと気になる。特に10代の娘、パウラ。10代でそれってかなり先行きが不安だと現実的に考えてしまいました。もう少し苦悩があってもいいんじゃないか?ラテン系ではアリなんですかね。 でも何かに悩んでいる時、生き辛さを感じてる時などに観ると力が湧く女性はいると思います。 アルモドバル監督の作品は得意とは言えないんですがこの作品は面白く観られました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-16 14:50:07) |
238. パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間
《ネタバレ》 JFKモノですが実録フィルム、ドキュメンタリーのような感じ。ずっと緊張感があって派手さはないけど印象に残る映画でした。様々な立場であの日、あの時事件に関わった人々が時間の経過に従って同時進行していく。 今までの映画では語られなかった人々や事柄が描かれていて興味深いです。 ザプルーダーフィルムの銃撃の瞬間は眼鏡に映った映像で、しっかり見せないところに事件の謎や陰謀説を言いたいわけじゃないというのが伝わったように感じました。大統領の棺を飛行機に運び、その際ついてしまった棺の汚れを上着の袖でこすって、きれいにしようとしてるとこにウルっとしてしまった。 12人?16人?事件の重要証人が次々と亡くなってたり、「魔法の銃弾」とかいろいろ言われていて、 今も「ケネディ・真実」なんていうのを見るとソワソワする。 今となっては「誰がやったのか」より「なぜ、暗殺されたのか」これが知りたいですねぇ。50年以上経っても、アメリカ人じゃなくても気になる。 トム・ハンクスとビル・パクストンが制作なんですね、パクストンは故人となってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-13 15:01:21) |
239. トランス(2013)
《ネタバレ》 ジェームズ・マカヴォイは主役が犯罪者とか汚れ役でも基本誠実でヒーロー的っていうのはないのかな?メンタルに問題アリで破滅するっていうのを立て続けに観たんでそんなふうに思いました。 でもそれがよく似合ってるし、どことなく哀愁を感じるし涙目になる表情も魅力的です。 催眠術でそこまでできるんですかね、赤い車の女の子が可哀想過ぎです。 スピーディで映像も良く、こっちも徐々に絵画の行方とサイモンの正体が知りたくてしょうがなくなってきてしまった。 ノセられたって感じです。「ストロベリー」にふっと「アフガニスタン・バナナスタン」を思い出したり。 ジェームズ・マカヴォイも良かったですけど、普段はまったく感じないのになぜかヴァンサン・カッセルが色っぽくてかっこよかったです。「ストロベリー」にはわかる人にはわかるネタがあるのかしら? ちょっとゴチャゴチャしてるとこはあるけど退屈はしないしラストはホワンと収まるし面白い映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-11 13:46:50) |
240. グリーンブック
《ネタバレ》 監督がピーター・ファレリーだからなのか、所々笑えるところが皮肉っぽかったりする。 自分とは正反対といえる二人が旅をすることで信頼、友情が芽生えるという正統派ロードムービー。 とても観やすくほのぼの感も、チクリとくるとこもいい塩梅です。オープニングからしっかり掴まれました。 ヴィゴ・モーテンセンの太りっぷり、食べっぷりがいいですね。役のために体重を増やしたんだろうな。 ドクとトニーの人物がしっかり描かれていて、しかも白人トニーと黒人ドクの立場とかキャラが通常の人種差別を扱った映画とは違っていて、ここが面白いネタになってると思います。 トニーはイタリア系の家族と仲間に囲まれている、しかしドクは黒人の中にも入っていけない黒人、白人から天才と称えられても一線はしっかりひかれてるのでどこにも属せない。労働している黒人たちは部外者を見る目でドクを見つめる。 人種差別の映画は数あれどこういう立場の黒人を描くというのは記憶にないです。 「オレンジバード」でバンドと一緒に即興演奏するドクのイキイキして楽しそうな姿が好きだなあ、ウルっときいてしまいました。 そしてトニーの息子ニックが成長し、映画製作の道へ進み父親の体験を映画にし、作品賞に脚本賞、マハーシャラ・アリに二度目の助演男優賞をもたらした。何コレ、ドラマチック過ぎじゃないですか。 でも本作で3度目のアカデミー主演男優ノミネートのモーテンセンだったんですが、エジプト系のラミ・マレックに。これにはちょっと意外に感じたんですが、アカデミー賞ってご時世、情勢にかなり影響されるんですねぇ。 「刑事ジョン・ブック」でアーミッシュのちょい役でもそのカッコ良さが目立ってたヴィゴ・モーテンセン。 本作の彼は最高に良かったと思います。 1年ぶりに再見しました、シーンの全てが良いです。こんな映画はなかなか無いので評価もプラス。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2020-05-06 15:15:47)(良:2票) |