2501. 刑事コロンボ/5時30分の目撃者<TVM>
犯人にワナを仕掛けて観念させる。シリーズの魅力の一つですが、本作は「ああ、引っ掛かる」と観てる者にまる分かりのあからさまなワナに、冷静沈着な犯人がコロッと引っ掛かっており、がっくりしました。 [DVD(字幕)] 5点(2009-07-14 02:20:51) |
2502. M(1931)
実話を元にしている事、監督のトーキー初作品という事を本サイトにて知り、リアルタイムで鑑賞された方のインパクトは並みではなかったと想像されます。78年前の私設裁判の模様は現在に通ずるものがあり監督の先見性に驚きました。また、「国家は精神に異常をきたした者の犯罪を裁けるのか?」ナチス台頭に対する監督の不安を表していたのかと考えると不気味さが一層増しました。冷酒と親の意見はではありませんが、あとから効いてきた作品でした。 [映画館(字幕)] 7点(2009-07-12 00:53:14) |
2503. 新幹線大爆破(1975)
《ネタバレ》 初鑑賞。予備知識は「主演が高倉健である」のみ。主犯の理詰めな行動、警察が犯人を特定していく過程、国鉄が爆弾解除を行う過程。結末に向かって片時も目が離せず、山本圭を筆頭に各々の俳優としての個性が役柄に反映されている豪華出演陣の演技も見応えがありました。三者の中で分が悪かった警察ですが、高飛びへの最後の一歩を阻止した手際は忘れられないものとなるでしょう。あの子の姿には衝撃でギョッとしました。惜しむらくは、乗客が事態の好転にも悪化にも絡む事無く、ただうろたえている存在でしか描かれていない点です。あと、どうでも良い事なのですが、一心に太鼓を叩く一団は謎でした。あれも形を変えたヒステリー状態ということなのでしょうか? [DVD(邦画)] 9点(2009-07-10 04:11:16) |
2504. 民衆の敵(1931)
《ネタバレ》 不良少年からチンピラとなり因果応報の最期を遂げたトムの物語。実直な両親と兄がいる平均的な家庭があった事が目を惹いたものの、ギャング映画お決まりの展開はひねりがなく彼の心情も掘り下げられることもなく淡々としています。トムの悪党ぶりが見所となってきますが、瞬間湯沸し器型の凶暴さはあるものの、狡賢さやふてぶてしさに欠けていて物足りないものでした。 [DVD(字幕)] 5点(2009-07-08 15:01:19) |
2505. 刑事コロンボ/殺人処方箋<TVM>
《ネタバレ》 若さ故か、とげとげしさばかりが感じられる警部に違和感がありました。見事な犯人ですが同じ気質を持っていない共犯者はさっさと始末しなければいけません。案の定、そこを責められてお縄になってしまったのが物足りませんでした。シリーズの魅力である警部の反則ワザ、これにもとげとげしさを感じました。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-06 04:53:58) |
2506. 刑事コロンボ/死者の身代金<TVM>
《ネタバレ》 本作の犯人の極悪さ、知的さ、ふてぶてしさは、シリーズの女性の犯人の中で飛びぬけており大いに満足しました。際どい反則ワザを駆使してボロを出させ、彼女の気質を指摘していた警部。言うまでも無い事を長々と語ったのは、飛行機で散々いたぶられた意趣返しだったのでしょうか。娘を始末しなかった事に-2点、取引成立でオチが分かってしまった事に-1点です。 [DVD(字幕)] 7点(2009-07-06 04:30:13) |
2507. 炎のランナー
《ネタバレ》 印象深かったのがリンゼイ卿です。何かの為に誰かの為にという意志は見えないのですが、シャンパングラスを乗せたハードルを越える姿、リデルに出場を譲った姿に、単に何不自由ないボンボンではない、貴族という地位に見合う立ち居振る舞い、心根を見ました。エイブラハムはユダヤに対する偏見を見返す為に、リデルはキリスト教伝道の為に、一途な思いを貫きそれなりに好感が持てましたが五輪での直接対決がなく盛り上がりに欠けました。エイブラハムに「君のやり方は下賎だ」と言った学長が現在の五輪を見れば卒倒してしまうのでしょう。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-05 05:01:46) |
2508. チップス先生さようなら(1939)
《ネタバレ》 チップス先生の赴任から学校の生き字引となっての大往生までの生涯。キャサリンという伴侶を得て生真面目な堅物にユーモア精神、教師である誇りが加味されて歳を重ねる先生は生徒にとっては一生の師であるようです。妻子との別離、教え子の戦死。先生の胸中が声高に描かれていない演出にかえって悲しみが染み入ります。代々途切れる事無くチップス先生が現れる事が国家の存続の重要事項なのではと思わされた、名作と呼ばれるに相応しい作品でした。 [DVD(字幕)] 9点(2009-07-04 04:29:28) |
2509. 刑事コロンボ/ルーサン警部の犯罪<TVM>
ルーサン警部は、シリーズの雄弁な犯人達の中にあって、とりわけ雄弁で役者という設定であったとしても芝居がかりすぎて辟易し、動かぬ証拠となる過ちのショボさとその後の語りに白けてしまいました。こういう人物を見ると「男は黙って」が良いと感じます。もっとも、コロンボ警部が黙ってしまうと魅力が薄れるのですが。 [DVD(字幕)] 5点(2009-07-03 04:01:20)(良:1票) |
2510. 刑事コロンボ/さらば提督<TVM>
《ネタバレ》 犯行の模様、同僚とのやりとり、真犯人の存在とその動機、解決後のエンディング。毛色の変わった作品で、本サイトにて事情を知り大いに納得しました。真犯人判明の決め手がお粗末に過ぎ、期待が大きかった分ガックリ度が激しかったです。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-03 03:40:41) |
2511. オリバー・ツイスト(2005)
人々が生きてゆく舞台の生々しさが伝わってくる目を見張るセットはポランスキーならではのもの。冒頭の病的な程に肥え太った大人達が、オリバーの「御代わりを・・」の申し出に激怒する姿。この如何ともし難い現実に僅か9歳のオリバーが翻弄され続けるのは当たり前で、母を思うこと、7日間歩いてロンドンに向かったこと、恩人に感謝し裏切るまいとする意志を見せる事だけで充分だと思います。小悪党フェイギンは彼なりに子供たちに愛情を注いでいましたが、ラストの命乞いする姿に子供たちの将来が重なり、やるせなさが募ります。作品のインパクト部分であろうビルの描かれ方が効果を果たしていない点が惜しまれます。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-01 16:59:26) |
2512. ナイロビの蜂
《ネタバレ》 夫が真相究明に乗り出した所から一気に面白くなり、そこに至るまでの前半の退屈さに観るのを投げ出してしまいそうなのを堪えた甲斐があったというものです。金儲けの為に人の命を屁とも思わぬ企業もさることながら、正義を装いつつ私利私欲で立ち回る政治家、役人というのはまともな神経では務まらない薄汚い生き物です。夫婦はあの世で再会する結末となりました。もし共に命があったとしてこの先添い遂げる事ができるのかと考えさせられました。 [DVD(字幕)] 6点(2009-06-29 02:38:43) |
2513. 刑事コロンボ/ホリスター将軍のコレクション<TVM>
あっさり手なずけられる目撃者にあんぐりさせられ、あきらかに無理のある決め手には興ざめです。シリーズの魅力がほとんどない作品です。 [DVD(字幕)] 3点(2009-06-28 19:01:21) |
2514. 刑事コロンボ/二枚のドガの絵<TVM>
《ネタバレ》 シリーズの数多くの魅力の中で、意表を衝く決め手の部分において特筆すべき作品です。ラストの警部の手袋姿。小学生の時地団駄を踏んで悔しがり、今に至るまで何をやっても詰めが甘い私は、詰めのきっちりなされた仕事振りに敬意を表します。 [DVD(字幕)] 7点(2009-06-28 18:48:44) |
2515. 怒りの葡萄
《ネタバレ》 過酷な行程を経て到着した先での過酷な暮らし。支配する者とされる者の現実にぐったりさせられます。そんな中にあっても、キャンディを売った店員、釣りを受け取らなかった運転手、国営のキャンプ場の責任者に人情や誠実さは存在することが意義深く、一家の働こうとする意志に励まされる思いです。それ故に、仮出所中の身で殺人を犯したトムは罪を償うまでは、その決意もご都合主義に感じてしまいました。また、補助、援助、保護、投資を過剰に「施す」事よりも、正直に働く価値を子供に教え、働く場を「整える」事が政治の役目で、過剰に国に甘えずに働いて納税をする事が庶民の役目だと感じさせられました。 [DVD(字幕)] 7点(2009-06-25 02:52:42) |
2516. 刑事コロンボ/魔術師の幻想<TVM>
犯人を心底応援し、観念に心底悲しみ、警部に心底毒づいたことをはじめ、小学生時分の記憶が最も多く残っている作品です。年数を経て、警部に対する考えは変わりました。しかしジャック・キャシディがシリーズ中最上の犯人役である考えは変わらないものでした。 [DVD(字幕)] 8点(2009-06-23 04:31:01) |
2517. 刑事コロンボ/闘牛士の栄光<TVM>
「はぁ?」「え~?」犯行動機が観る者にも分からぬ稀有な作品に楽しみが大きかった分だけ反動が大きい結末で、すぐに忘れ去りそうです。ただ、被害者夫婦の言動、あんたら何人乗ってるの?ぞろぞろ出てきた子供に大笑いさせられた、斬新な?警部の登場シーンは忘れないでしょう。 [DVD(字幕)] 5点(2009-06-23 03:52:37) |
2518. ジャンヌ・ダルク(1999)
名前しか知らず、歴史的背景を抜きにした鑑賞です。私怨を神の名の下にという大儀にすり替えている、無学で浅はかで幼いジャンヌ。姉を殺された彼女を諭す神父さんの言葉への応えがこれかと思うと虫唾が走りました。やたらと惨い戦闘シーンは辟易するばかり。どうして皆は彼女に付き従ったのか不思議でなりません。人殺しを行うのに神の名を引っ張り出す事は間違っているのです。 [DVD(字幕)] 3点(2009-06-18 19:34:37)(良:1票) |
2519. レベッカ(1940)
《ネタバレ》 飼い犬の名は口にしても、妻の名はただの一度も口にせず、自分の辛い感情のみを振りかざすマキシムは、自身の告白を肯定してもらって初めて妻の愛情を実感するという、全編を通して癇に障る男性です。健気な彼女ならずとも、ダンバース夫人を介して現されるレベッカの愛憎は恐ろしいものでした。演出がヒッチコックによるものだと知り、巧みさに納得です。 [DVD(字幕)] 7点(2009-06-18 02:39:52) |
2520. 刑事コロンボ/偶像のレクイエム<TVM>
《ネタバレ》 最後に彼女の真意が現れるに至るストーリーはよく練られており、見応えがありました。今回の警部は「罪を憎んで人を憎まず」の思いを強くされたのではないでしょうか。 [DVD(字幕)] 7点(2009-06-15 01:44:41) |