241. 柳生一族の陰謀
《ネタバレ》 娯楽時代劇を極限にまで高めた映画。最も尊敬する深作欣二が監督で、一番好きな役者、志穂美悦子・成田三樹夫が競演しており、個人的にはそれだけで満足する。更に子供の頃見ていたテレビ番組「子連れ狼」の萬屋錦之介、「影の軍団」の千葉真一、「Gメン75」の丹波哲郎、最後はこれでもかと三船敏郎まで出演するのである、それぞれの思い入れを思い出すだけでも楽しい。その奇跡とも言える豪華メンバーも脚本が駄目ならそれで終わりなのだが、深作欣二は絶対に荒唐無稽や説明不足にならない。今の邦画にはアニメも含めて見習って貰いたいものである。また深作の特徴として、鬼気迫る演出が挙げられる、将軍の絶対的な権威は勿論、玄信斉やその弟子など脇役の使い方一つとっても細かいドラマがあり光らせる。最も弱いであろう公家のイメージを逆手にとった成田三樹夫の公家キャラはやはり最強。萬屋錦之介の歌舞伎口調も最初は見慣れた私ですら”やり過ぎ”と感じたが、最後のシーンで最大限生かされる事になる。一族皆殺しのシーンは後に、深作が監督したテレビ時代劇にも何度か使われている。多分戦争体験から来ているのであろう。 [ビデオ(字幕)] 10点(2006-08-05 02:32:03)(良:3票) |
242. デンジャラス・ビューティー2
くどいほど前作を引きずっている。優秀なコメディーが2作も続く程甘くはないのは承知していたが、前回が面白かっただけに残念。傍若無人の黒人女を見ていて気分が良いわけが無い。サンドラ・ブロックはやはり続編で彼氏と別れる運命にあるようだ。 [DVD(字幕)] 3点(2006-08-05 02:11:03)(良:1票) |
243. ロード・オブ・ウォー
社会派の映画であるが、ニコラス・ケイジが主役ということもあり重くなり過ぎず、娯楽映画としても最後まで楽しめる。銃問題を鋭く突いた内容であるが、結局犠牲になるのは一番貧しい人達で、その悲壮な様がブラックな描写で描かれている。流石に個人で武器商売というのは無理があるように見えるが。売るのは仕方が無いとしても、原住民にタダで配るのはゾッとする。子供もいるのだから誤って起こる大事故ぐらいは配慮して欲しい。 [DVD(字幕)] 7点(2006-07-29 07:01:30) |
244. バタフライ・エフェクト/劇場公開版
《ネタバレ》 題材は興味深いし、「もし別の人生を1度でいいからやり直せるとしたら・・」と考えさせられたり、後に引くような話であった。幾らやり直しが出来ても、結局何らかの犠牲が発生する所などは感慨深い。それでもコレ以上点数を付ける事が出来ないのは、前半これでもかと残虐シーンが続きその時点でウンザリしてしまったのと、あそこまでの狂人がああも都合よく変わるか?という点。自分の子供に手を出すようなロリコンや動物を虐殺出来る人間は、その時点で生まれ付いての病気と判断する。最後、妹を突き放せば離婚せずまともな家庭になるというのも強引この上ない。今回のように妹を助けるのであれば、対決して代償を払うという2回目の選択が妥当ではないのか。そして一番引っかかるのが、爆発事件が余りに軽く描かれている点である。デブの子が救急車で運ばれるのだから普通捕まるだろう、例え捕まらなくとも平気で生活している神経が分からない。普通何を先においてもこの親子を救うのが先ではないのか。最初は頭に負担が掛かるということで、回数制限があると思っていたし・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2006-07-29 06:52:29) |
245. レディ・ジョーカー
《ネタバレ》 原作クラッシャーと言えば「模倣犯」の森田芳光であるが、この平山秀幸という男も大概酷く、「OUT」「魔界転生」と魅力的な原作をことごとく消化不良にしてきた、無能という言葉がぴったりの監督である。タイプで言うと”見殺しタイプ”とでも言おうか。こういう無能な監督をのさばらせているから、いつまで経っても邦画は駄作ばかりなのだ。原作は面白いであろう「日本沈没」「デスノート」も監督の経歴を見るだけで観る気も起こらない。今回で言うと、観客に対する説明責任を果たしていない。最後、俳優・製作者が皆無気力になって投げっぱなしにするのである。題名の「レディ・ジョーカー」という不憫な子がキーワードでは無かったのか、最後何故見捨てる?口の軽い奴はヤクザの脅しに屈する筈なので金がそのままということは無いだろう。汚職警官から犯人が漏れるなど、一番つまらない展開である。ああいうスリーパーは最後のドンデンとして取っておくもの。過去の差別の経緯も、時間が経ちすぎて何が脅しになるのかさっぱり分からない。相変わらず説教臭い長塚京三、人質として大人しくしているのかと思えばアレである。唯一、なるほどと関心したのがすぐ人質を解放した点であるが。もう少し、起承転結という基本を大事に出来ないものか。 [DVD(字幕)] 2点(2006-07-22 05:29:57)(良:1票) |
246. いま、会いにゆきます
《ネタバレ》 今回初めてである、主題歌のために観るのを避けていた映画は。人間生理的に受け付けないものがあって、誰が何と言おうがこのグループの曲はすべて拒絶する。映画が良かっただけに最後余韻に浸れないのは残念。途中綺麗な曲がずっと流れているのに何故、最後だけああいう突飛なモノになるのか。内容は落ち着いた雰囲気で、終始ダレルことなく最後も感動出来た。正直、オチまでしっかり描かれていたとは思わなかった。最近の邦画は幽霊モノが多く、これも”幽霊が蘇って何が悪い!”と言わんばかりに強引に突き進むものだと決め付けていたせいもあるが。実は竹内結子の演技を見るのは初めてなのだが、ただ綺麗なだけでなく感情豊かに演じきっていた。ただ、若い頃の容姿が違い過ぎて戸惑いはした。 [DVD(字幕)] 8点(2006-07-22 04:33:32) |
247. ブラザーズ・グリム
《ネタバレ》 グリム童話の名を汚しただけの映画。主役に魅力が無い、ストーリーが破綻している等文句を言ったらきりが無い。子供の頃見たグリム童話はどれも夢があり、子供にもはっきり伝わる”教え”があったものだ。コレを観ると今のハリウッドが如何に興味本位だけに重点を置き、小手先(CG)で中身が空っぽなのかが良く分かる。 [DVD(字幕)] 3点(2006-07-21 07:23:15) |
248. チャーリーとチョコレート工場
《ネタバレ》 悪趣味な所が多々あるが、嫌いではない。ジョニー・デップ&ティム・バートンという黄金ファンタジーコンビだけあって映像美・キャラとすべて見所といった感じで、子供だけではなく大人でも十分楽しめる。チャーリー以外ろくでもない性格の子供ばかりで、ただ勝手に余計なチョッカイを出しては消えていくというなんとも訳の分からないストーリー。そのチャーリーも拾ったお金を届けないのだが・・。最後はハリウットらしい綺麗なオチで、いい気分で終わるのは良い。最後に言いたいのは「結局、当選者は皆白人なのね」ということ。 [DVD(字幕)] 7点(2006-07-21 07:20:46) |
249. ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ
《ネタバレ》 何度も見たパターンですな。最近なら「シークレット・ウインドウ」、恐怖の演出に動物虐殺がある映画は、サスペンスの出来以前に嫌悪感が先に立つ。ロバート・デ・ニーロはどんな役でも演じきるのだから、最後のアレも到底意外性を狙える筈もなく、迫力だけなら「シャイニング」という横綱が既にいる。ダコタ嬢も他の映画と比べると存在感が薄かった。 [DVD(字幕)] 4点(2006-07-20 04:53:15) |
250. ホステージ
《ネタバレ》 コテージの親戚か?というぐらい観ている途中も内容が伝わってこない。ガキが空き巣に入って仲間割れしました!というどうしようも無いシーンを散々見せられても、シラ~とするだけで、ブルース・ウィリスを脅す程のプロなら直接乗り込んだ方が早い気がする。あと人質の子供が「ダイハード」しているは緊張感ゼロ。 [DVD(字幕)] 3点(2006-07-20 04:46:56) |
251. ザ・インタープリター
ニコール・キッドマンは名前からして冷たい印象が強いのだが、今回もしっかりストイックな役を淡々と演じていた。競演が渋いショーン・ペン、地味なストーリー展開と実に私好みで、国連という真新しさもあって途中までは本当に面白かった。不満はやはりクライマックス、特に驚く様な仕掛けも無くすんなりと終わってしまった。アレでは、そもそも他国の白人美人が反政府運動というのがとてつもなく嘘臭く感じるし、何処かの独裁国家の話と他人事の様に描かれているだけにしか見えない。 [DVD(字幕)] 6点(2006-07-17 04:49:30) |
252. シンデレラマン
20何年ぶりに「ロッキー」を彷彿とさせる映画に出会え、同じ様に感動出来たことがすべて。世界恐慌というどん底のアメリカが舞台で、家族・親友と共に必死に生きる様が描かれている。ラッセル・クロウの演技がまた良い、強さと弱さが表裏一体の様な難しい役を自然に演じきっている。そして名作に名脇役有り、裏で支えるマネージャーの存在が光っていた。 [DVD(字幕)] 8点(2006-07-17 04:30:28)(良:1票) |
253. フライトプラン
《ネタバレ》 予告を見れば、話に無理があるのは十分推測出きる訳であって、それでも何か一つでいいからアッと言わす展開を見せてくれると期待したのである。それがどうだ、許容範囲を遥かに超える偶然に頼っただけのストーリー、終始余裕が無く全く魅力を感じないジョディ・フォスター、最後の暴走&後味の悪さと近年稀に見る拍子抜け映画である。そもそも飛行機で席を勝手に移るという神経が分からない。搭乗時、幾ら空いているといえ子供は目立つもの、誰も見ていないなど絶対にあり得ない。ましてや乗客名簿に無いなどという馬鹿げた話、それによって犯人は自分の首を絞めるだけで、この時点でサスペンスとしては終わった。一番許せないのは、主役は飛行機の構造のプロかもしれないが、爆弾のプロではないだろう。プラスチック爆弾を嘗めていないか? もうこの手の行き当たりばったりで、主役さえ助かれば周りがどうなってもかまわないという自己主義にはウンザリである。 [DVD(字幕)] 2点(2006-07-16 05:17:34) |
254. 悪魔の棲む家(2005)
リメイクとはいえ昔の作品ということで期待したのだが、映像が綺麗過ぎて昔のおどろおどろしさが全く無くなってしまっている。幽霊というのは見える様で見えないから怖いもの、それを悪ふざけであそこまでハッキリ現れるともう製作者側の意図ばかりが見えてしまう。良かったのは、子供を含めた役者が皆私好みだったこと。主役の女優は昔のシャロン・ストーンを思わせる綺麗さで、今後の活躍を期待したい。男の裸がやたら多いのは気になったが。 [DVD(字幕)] 5点(2006-07-16 04:32:36) |
255. ハリー・ポッターと炎のゴブレット
前回が面白かったし、ハリーらの成長と共に大人でも楽しめる映画になっているかと期待したが駄目だった。なんかねえ、もうハリーを特別扱いするのは飽きたというか、ヒーローし過ぎなんですわ。最後のネタばらしも何度も見たパターンだし。ハリーら3人の関係や心情も中途半端、普通に学園生活だけを描いてくれればいいのに。1からの意地悪な役の子、ますます存在が薄くなっていくねえ。 [DVD(字幕)] 4点(2006-05-22 03:15:57) |
256. クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち
意味不明・馬鹿馬鹿しい。何より「ダ・ヴィンチ・コード」にかこつけてコレを放送したテレ朝の浅はかさに呆れる。カルトの部分だけ強調した、極めて悪質な作品。 [地上波(吹替)] 1点(2006-05-22 02:54:45) |
257. 炎のメモリアル
《ネタバレ》 このくさい題名からして嫌な予感はしていたが、やはり私のもっとも嫌いな”感動の押し売り” タイプであった。しかもこのストーリーの捻りの無さは「海猿」を思い出す。隊員に襲いかかる 災難が如何にも”出来過ぎ”なのだ。そして炎が綺麗過ぎる。あれでは現実みは感じられないと いうもの。それだけならまだしも、あの高さから墜ちてピンピンしているのはもう「勝手にして くれ!」という感じ。主役が未だに皇帝に見えるのも辛かった。 [DVD(字幕)] 3点(2006-04-13 05:53:55) |
258. ローレライ
《ネタバレ》 少女が出た瞬間「まさか嘘だろ・・」と一瞬時間が止まった。センスの無い潜水艦が出た時点で嫌な予感はしていたが、まさか”エヴァもどき”だったとは。太平洋戦争という日本人なら誰しも神経を使う題材で、よく此処まで漫画チックに軽薄に描ききったものである。福井晴敏という原作者、調べると歳は私と殆ど変わりない。何だろうか、この歴史に対する認識の違い・軽さは? そういえば「戦国自衛隊」でも歴史を冒涜したカスみたいな脚本を書いていた。多分歴史音痴なのだろう、そうでなければ軽々しく当時の日本軍が裏切るなどと考える訳がない。次に脚本と同じぐらい酷いと感じたのがCG。東宝といえば「ゴジラ」等の特撮モノで一番得意の筈なのに、未だにこのレベルである。今回でいうと、CMに出た冒頭の水中爆発だけは良かったが、それ以外はもう神経を疑うものが殆どであった。アニメやゲームは世界一なのに、何故CGだけは何時まで経ってもハリウッドに遠く及ばないのか何時も不思議に思う。そんな外注のCG会社はもう見捨てるべきである。結局役所以下、役者の演技で持っているような作品であるが、そう考えるとどうしても気になるのが髪型。いつもの役所ヘアーでは戦時中の緊張感も半減するというもの。せめて若い役者だけでもすべて丸坊主にさせるぐらいの役作りというか気構えがなかったものか。 [DVD(字幕)] 2点(2006-03-26 11:30:02) |
259. ソウ2
《ネタバレ》 終盤のオチだけは流石と感心したが、期待していた”密室の恐怖”に関しては不満が残るものであった。オチ9点、それ以外4点といったところ。「1」の時の圧倒的な切迫感・緊張感が無いのだ。毒ガスというのが嘘臭く、部屋数が多いのがまず原因であろう。そして、自分の常識と異なる行動ばかりする犠牲者達に共感出来る訳がなく、のめり込めない。もう少し用心するなり、協力し合えと。先ず、あのヒントなら最初に身体なり服に数字がないか確かめるのが普通ではないのか?気付くの遅すぎ。しかも例え数字が揃ったとして何通りの組み合わせがあるというのか、それとも作者共々金庫を嘗めているのか? 結局、金庫に関しては投げっぱなしだし、殆ど謎解きになっていない。一番ど肝を抜かれたのは、注射器の池に放り込むシーン。どう考えてもメチャクチャである。 [DVD(字幕)] 6点(2006-03-26 10:11:12)(笑:1票) (良:1票) |
260. 乱気流/タービュランス
私は馬鹿とヒステリーが嫌いだ。中盤から2人のみの戦いになるが、どちらも魅力が無く、これだけダラダラB級ホラーやられると辛い。とどめを刺さない結果、また境地に陥るなどもう見飽きたし、それだけで駄作と見なす。自動操縦の凄さだけは分かった。 [地上波(吹替)] 3点(2006-03-26 09:09:14) |