281. ソフィーの選択
《ネタバレ》 人生は選択の連続だが、その究極は自殺だろう。主人公は壮絶な人生の末にその選択をするわけだが、それは本意なのか不本意なのか。自殺に至るさまざまな選択が謎に包まれるが、TV放映版で50分程度カットされているせいか、諸々の選択の理由についてはよくわからない部分が多かった。そもそも、その人の人生の選択なんて他人にとっては理解し難いのかもしれないし、本人ですらわからないものなのかもしれないが。小説家志望の若者の「自分探し系」を通じた語りはあまり上手いやり方とも思えず、存在が少々曖昧というかボヤケタ印象を受けた。 [地上波(吹替)] 5点(2022-06-23 15:31:42) |
282. ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
余命僅かと宣告された時に自分はどうするだろうかと考えてみると、快楽解放を求めて犯罪行為を繰り返すことはしないだろうなとは思う。実際にそうなってみないと分からないけど。ただし、いつそうなってもいいように、今からやりたい事をやっておく必要はあるんだろうな。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-06-23 11:33:51) |
283. 力道山
戦後日本のある意味「象徴」でもある力道山。所謂「TVの申し子」であり、あらたなメディアを活用しナショナリズムを高揚させた功績は大きい。しかも出身は朝鮮という複雑な事情もある。よって、時代を反映した社会派ドラマとして描けば、面白い作品になったのではないかと思うのだが、TV版で30程度カットされているせいか結構駆け足で人物伝をなぞるだけの内容(しかもフィクション多し?)になってしまっている、また、韓国製なせいかかなり偏向的であり、主役が韓国人というのもセリフに難があり違和感もある。とはいえ、昨今ではあまり取り上げられることもなく、力道山を全く知らない人も多いだろうから、題材にしたというだけでもそれなりの意義と価値はある。もう一度、日本人の手でしっかりと描いた作品のリメイクに期待したいところではある。 [映画館(邦画)] 5点(2022-06-22 13:26:42) |
284. ステップ
原作未読だが、映画化でかなり端折っているのか重松清にしてはストーリーが平坦で盛り上がりに欠ける。また、登場人物が皆優等生すぎてリアリティーにも欠けるし、話がキレイ過ぎてファンタジー化してしまっている。山田孝之もミスキャストだし、國村準が存在感ありすぎてアンバランス。尚、橋田寿賀子のドラマ『夫婦』を見たばかりなので、その影響で物足りなさを感じ、辛口になってしまったのかもしれないとも思う。 [DVD(邦画)] 4点(2022-06-20 01:26:44) |
285. 陽炎(1991)
やっぱ五社英雄は女をカッコよく撮るのが上手いな。でも殴り込みのシーンはもっとカッコよく撮れたんじゃないのかと。この頃の樋口可南子は大人の女の色気の中に可愛らしさも残っていて、この絶妙なバランスがすごくいい。で、驚いたのが原作が天童荒太。まさか任侠モノを書いていたとは。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-06-16 15:14:35) |
286. 22年目の告白 -私が殺人犯です-
社会派サスペンスという噂だったのでもうちょっと深みのある話かと期待したのだが、単なるどんでん返し系サスペンスだったし、途中で犯人わかっちゃって終盤にかけて尻つぼみしていくという残念な展開。ラスト時効オチも、とってつけたようでちょっと無理がある。仲村トオルは大根なので、こういうシリアスな役は向いてない。題材としは悪くはないので、もうちょっとマジメに作れば面白い作品になったと思う。 [地上波(邦画)] 5点(2022-06-15 12:22:17) |
287. カイジ ファイナルゲーム
日本を救う的な良くも悪くも話がデカくなってしまって、ちょっと説教臭くなってしまったような。ある種の反資本主義的革命思想であり、訴えたいことはわかるんだが、カイジに政治絡みのネタは相応しくないね。藤原・吉田の仰々しい演技は笑えるんだけど。 [地上波(邦画)] 5点(2022-06-15 12:13:08) |
288. ちょっと今から仕事やめてくる
《ネタバレ》 ブラック企業の描写はかなり重くて、役者の演技も素晴らしく良くも悪くも見応えがあった。結果的にはハッピーエンドでよかったようにも思えるが、ストーリーとしてはありきたりで作品として面白いかと言われると微妙。どうせなら弁護士雇ってブラック企業と戦う方が物語としては面白いし、スカッとするように思えるのだが。逃げ出しただけでは職場は変わらないし、同僚はこれからも追い詰められるわけだし。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-06-13 23:12:22) |
289. ダークナイト ライジング
前作が道徳倫理をテーマにしていたのに比べると多少政治色が強くなった印象。国家権力や警察組織が正当性を持てるのは民衆の支持があるからであって、それがなくなれば「革命」が起きる。その意味では「正義」は常に相対的である。中国の警察が「正義」なのか否かを考えてみればわかりやすい。本作ではある種の「正義」の行き過ぎから生じた過渡的状況が描かれてはいるものの、どうも市民軍よりは警察隊の方が「正義」として描かれている印象がある。これは革命やクーデターはあってはならないという制作サイドの意思の表れなのだろうか。結局は、カオス的な状況は力業でエイヤとキレイに片付けられてしまって、メデタシメデタシになってしまい、ちょっと拍子抜けな部分はあるが、前作よりはマシな終わり方だったし、娯楽作品としては悪くはない。尚、TV版で40~50分程度はカットされたものを視聴したので冗長さは感じなかった。 [地上波(吹替)] 6点(2022-06-10 15:23:54) |
290. ダークナイト(2008)
「善と悪」「法と正義」といった決着のつけようのないテーマで話が展開していき、オチはどうなるのだろうと思いながら見ていたが、最後の船での決着つけ方で萎えた。さんざん鑑賞者に「問い」を与え続けおいて、オチがあまりにも説教クサくてバカにしている。これではジョーカーはまさに「ピエロ」でしかない。あとは極悪人が位置情報で居場所がバレちゃうってのもちょっとね。TV版で30分以上はカットされているせいかテンポの悪さは感じなかったし、道徳・倫理的はことは無視して、単なる娯楽作品として見れば悪くはないのだろうが。 [地上波(吹替)] 5点(2022-06-10 14:53:06) |
291. ふくろう
満洲引揚者が福島の浪江の地を与えられたのは有名な話。本作では原発をダムに置き換えているのは明らかでしょう。さすがにその後の爆発事故までは想定していなかったのだろうが、現代的にわかりやすく言えば、避難せずに残った母娘が原発作業員を相手にしていたと考えればよりイメージしやすいのかも。という意味では、かなり政治色の強い作品ではあるが、単なる棄民というだけではなく性を武器に復讐を図るという形に仕上げたのは、少々やりすぎというか2重の差別構造が内在しているようにも思え、どちらを主張したいのかメッセージとしてわかりにくくなってしまったような。ただし、舞台風のオーバーな演技もあって作品そのものとしては訴えるものがあり印象には残る。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-06-08 14:42:32) |
292. ヴェニスの商人
原作未読。法か正義(慈悲)かという裁判シーンは中々見ごたえがあったが、恋愛要素が加わったせいでなんだか中途半端な作品に終わってしまった印象。とはいえ、話としてはよくできている。ユダヤ人への差別等々現代的な価値観で見れば受け付けないところもあるだろうが、古典に過度なツッコミ入れても仕方ないのでそういうものとして見るしかないでしょう。アルパチーノはさすがの存在感だがちょっと貫禄あり過ぎて悲壮感がやや欠けてたような。リン・コリンズの2役?も中々頑張っていたように思う。ちなみに吹替で見たのだが、声優の声色の使い分けもよかった(それで演技がよく見えたのかも?)。尚、TVの2時間枠で見たので賞味100分程度であり40分程度カットされたものを視聴。編集が上手かったのか特に問題なく見られたが、完全版をみたら印象は変わるのかどうか。 [地上波(吹替)] 6点(2022-06-08 14:28:07) |
293. 旅立ちの島唄 ~十五の春~
《ネタバレ》 父を残して旅立っていくという設定は「北の国から」に似てるなと思ったが、こちらは激しい親子・兄弟の衝突等がないので、ちょっとアッサリした印象を受ける。が、静かな中にも少女の葛藤は感じられて全体的には悪くはない。主役の子は15歳にしてはかなり大人っぽいが魅力があるし、父親役の小林薫も感情を抑えた演技でいい味を出している。特にラストの娘を見つめる表情はとてもよかった。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-06-08 00:49:32) |
294. アゲイン 28年目の甲子園
泣く子も黙る重松清原作で安定感はある。人生は中々決着をつけることができずに曖昧なまま過ぎていく。それが、心残りになったり後悔となって段々と心の澱として蓄積してくる。それは青春時代の思い出のみならず、その後の仕事や家庭問題等々様々なものがある。そういったものがマスターズ甲子園をキッカケに、解消されていくカタルシスみたいなものが感じられたのはよかった。難点は登場人物が多くて群像劇のようになってしまい、アレコレ盛り込み過ぎた結果、個々のエピソードが深堀出来ずに浅いものになってしまったこと。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-06-07 14:45:16) |
295. スーパー・チューズデー ~正義を売った日~
予備選挙の仕組みが各州毎に違うということを理解していないとちょっとわかりにくい作品ではあるが、選挙戦でどんな陰謀があるんだろうと思ったら、ちっぽけでしょうもないスタッフの権力闘争とスキャンダルの話。でも、所詮政治活動なんてこういうものだと思えば、これはこれでリアリティーが感じられる。後味は悪いが、それなりに見ごたえはある。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2022-06-06 12:21:19) |
296. フライ,ダディ,フライ
実際に高校生を殴り倒すことは不可能なんだけど、法的には復讐すべきなんだろうな。権力に屈してそれをしなかった(できなかった)のは大人の対応なのか、それとも弱さなのか。といった、中年男の不甲斐なさとかある種の矛盾みたいなものがもっと丁寧に描かれているとよい作品になったように思えるが、復讐モノとしてわかりやすさを重視してしまったせいか物足りなさを感じた。「灰とダイヤモンド」はいつか見てみようかと。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-06-06 01:21:09) |
297. NINE(2009)
ミュージカルに中身は期待してなかったが、それ以上だった。雰囲気は悪くはないんだろうが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-06-05 00:50:26) |
298. とらわれて夏
「遥かなる山の呼び声」のアメリカ版というか出来損ないという印象。双方の時制が交錯しているのがわかりにくい。ケイト・ウィンスレットのオバサン臭さは悪くはない。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2022-06-02 11:37:33) |
299. LION/ライオン 〜25年目のただいま〜
日本では不妊治療が流行っているようだが、「子供を産んで育てるよりも、孤児を養子にする方が世の中のためになる」という考え方は新鮮だった。裕福層ならではの考えなのかもしれないが、世界にはこういう人もいるのかと。それにしても放映当時で毎年8万人の子供が行方不明になるってインドはスゴイところだな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-05-30 22:57:22) |
300. 続・深夜食堂
前作で雰囲気になれたのか、よい意味でマンネリ感があって安心して見られる。ストーリーはありきたりではあるが、かと言ってクドイ感じはなく、全体的なデキは悪くはない。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-05-30 00:43:30) |