281. ダークナイト(2008)
「善と悪」「法と正義」といった決着のつけようのないテーマで話が展開していき、オチはどうなるのだろうと思いながら見ていたが、最後の船での決着つけ方で萎えた。さんざん鑑賞者に「問い」を与え続けおいて、オチがあまりにも説教クサくてバカにしている。これではジョーカーはまさに「ピエロ」でしかない。あとは極悪人が位置情報で居場所がバレちゃうってのもちょっとね。TV版で30分以上はカットされているせいかテンポの悪さは感じなかったし、道徳・倫理的はことは無視して、単なる娯楽作品として見れば悪くはないのだろうが。 [地上波(吹替)] 5点(2022-06-10 14:53:06) |
282. ふくろう
満洲引揚者が福島の浪江の地を与えられたのは有名な話。本作では原発をダムに置き換えているのは明らかでしょう。さすがにその後の爆発事故までは想定していなかったのだろうが、現代的にわかりやすく言えば、避難せずに残った母娘が原発作業員を相手にしていたと考えればよりイメージしやすいのかも。という意味では、かなり政治色の強い作品ではあるが、単なる棄民というだけではなく性を武器に復讐を図るという形に仕上げたのは、少々やりすぎというか2重の差別構造が内在しているようにも思え、どちらを主張したいのかメッセージとしてわかりにくくなってしまったような。ただし、舞台風のオーバーな演技もあって作品そのものとしては訴えるものがあり印象には残る。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-06-08 14:42:32) |
283. ヴェニスの商人
原作未読。法か正義(慈悲)かという裁判シーンは中々見ごたえがあったが、恋愛要素が加わったせいでなんだか中途半端な作品に終わってしまった印象。とはいえ、話としてはよくできている。ユダヤ人への差別等々現代的な価値観で見れば受け付けないところもあるだろうが、古典に過度なツッコミ入れても仕方ないのでそういうものとして見るしかないでしょう。アルパチーノはさすがの存在感だがちょっと貫禄あり過ぎて悲壮感がやや欠けてたような。リン・コリンズの2役?も中々頑張っていたように思う。ちなみに吹替で見たのだが、声優の声色の使い分けもよかった(それで演技がよく見えたのかも?)。尚、TVの2時間枠で見たので賞味100分程度であり40分程度カットされたものを視聴。編集が上手かったのか特に問題なく見られたが、完全版をみたら印象は変わるのかどうか。 [地上波(吹替)] 6点(2022-06-08 14:28:07) |
284. 旅立ちの島唄 ~十五の春~
《ネタバレ》 父を残して旅立っていくという設定は「北の国から」に似てるなと思ったが、こちらは激しい親子・兄弟の衝突等がないので、ちょっとアッサリした印象を受ける。が、静かな中にも少女の葛藤は感じられて全体的には悪くはない。主役の子は15歳にしてはかなり大人っぽいが魅力があるし、父親役の小林薫も感情を抑えた演技でいい味を出している。特にラストの娘を見つめる表情はとてもよかった。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-06-08 00:49:32) |
285. アゲイン 28年目の甲子園
泣く子も黙る重松清原作で安定感はある。人生は中々決着をつけることができずに曖昧なまま過ぎていく。それが、心残りになったり後悔となって段々と心の澱として蓄積してくる。それは青春時代の思い出のみならず、その後の仕事や家庭問題等々様々なものがある。そういったものがマスターズ甲子園をキッカケに、解消されていくカタルシスみたいなものが感じられたのはよかった。難点は登場人物が多くて群像劇のようになってしまい、アレコレ盛り込み過ぎた結果、個々のエピソードが深堀出来ずに浅いものになってしまったこと。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-06-07 14:45:16) |
286. スーパー・チューズデー ~正義を売った日~
予備選挙の仕組みが各州毎に違うということを理解していないとちょっとわかりにくい作品ではあるが、選挙戦でどんな陰謀があるんだろうと思ったら、ちっぽけでしょうもないスタッフの権力闘争とスキャンダルの話。でも、所詮政治活動なんてこういうものだと思えば、これはこれでリアリティーが感じられる。後味は悪いが、それなりに見ごたえはある。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2022-06-06 12:21:19) |
287. フライ,ダディ,フライ
実際に高校生を殴り倒すことは不可能なんだけど、法的には復讐すべきなんだろうな。権力に屈してそれをしなかった(できなかった)のは大人の対応なのか、それとも弱さなのか。といった、中年男の不甲斐なさとかある種の矛盾みたいなものがもっと丁寧に描かれているとよい作品になったように思えるが、復讐モノとしてわかりやすさを重視してしまったせいか物足りなさを感じた。「灰とダイヤモンド」はいつか見てみようかと。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-06-06 01:21:09) |
288. NINE(2009)
ミュージカルに中身は期待してなかったが、それ以上だった。雰囲気は悪くはないんだろうが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-06-05 00:50:26) |
289. とらわれて夏
「遥かなる山の呼び声」のアメリカ版というか出来損ないという印象。双方の時制が交錯しているのがわかりにくい。ケイト・ウィンスレットのオバサン臭さは悪くはない。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2022-06-02 11:37:33) |
290. LION/ライオン 〜25年目のただいま〜
日本では不妊治療が流行っているようだが、「子供を産んで育てるよりも、孤児を養子にする方が世の中のためになる」という考え方は新鮮だった。裕福層ならではの考えなのかもしれないが、世界にはこういう人もいるのかと。それにしても放映当時で毎年8万人の子供が行方不明になるってインドはスゴイところだな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-05-30 22:57:22) |
291. 続・深夜食堂
前作で雰囲気になれたのか、よい意味でマンネリ感があって安心して見られる。ストーリーはありきたりではあるが、かと言ってクドイ感じはなく、全体的なデキは悪くはない。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-05-30 00:43:30) |
292. 映画 深夜食堂
漫画未読、ドラマ未視聴。「居酒屋兆治」みたいなもんかなと思ったが、それを薄く・軽くした感じだった。「深夜」にノンビリ見る分にはちょうどよいのかも。 [DVD(邦画)] 5点(2022-05-29 01:28:38) |
293. ペリカン文書
《ネタバレ》 昔結構話題なった作品で20年ぐらい前に見た記憶があるのだが殆ど覚えていなくてこの度再見。でもこれって法廷ものだっけ?と思いつつ、冒頭からリベラル系の判事が暗殺されて、これは保守系の敵対勢力の仕業だろうなという構図がそのまま展開されるという大筋としてはなんのヒネリもないわかりやすい話。その中ではホワイトハウスとFBIとCIAの微妙な関係が描かれるものの、基本的には女子大生が図書館で調べて1週間で書いたレポートが政府中枢に出回り関係者が翻弄されて殺人が繰り返されるというそんなバカなという話で、この程度だったらマスコミが簡単に暴くだろ?とツッコミたくはなる。とはいえ、暗殺者に狙われる女子大生が政府と対決して新聞記者がそれをサポートするという展開はサンスペンスとしては見ていて飽きない。でも、これって法廷ものじゃないよね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-05-28 22:35:07) |
294. 恋のためらい/フランキー&ジョニー
いい年してずいぶん子供っぽいなあと思っていたのだが、設定は30代と40そこそこか。30年前の作品だが、昔の映画ってついつい時間がスライドしちゃっていつまでも役者と自分の年齢差が変わらないように思えてしまうんだが、当たり前だけど作品内の役者の年齢は永遠に固定されていて、いつのまにか自分が追い越しちゃうってことにあらためて気が付かされた。それにしても、もうちょっと成熟していてもいいようにも思えるが、吹替だと軽くなってしまうのかも。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2022-05-27 12:26:27) |
295. 秋津温泉
所詮は単なる不倫モノ。岡田茉莉子には魅力を感じるが役にあってない。津山の昔の街並みが見られたのは貴重かな。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2022-05-26 15:28:22) |
296. 君の名は 第三部
《ネタバレ》 和解の過程がちょっと唐突ではあったが、この作品の陰の主役は浜口親子なんだろうな。もしリメイクするならこっちをメインにして描いた方が作品としては面白くなりそう。それだけ本シリーズでは主演男女に存在感と魅力が欠けていた。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2022-05-25 12:27:56) |
297. 君の名は 第二部
「戦後の混乱期における過去」という点では松本清張的なところもあり様々な人間模様が繰り広げられるが、基本はメロドラマなので物語に深みがない。野性的な北原三枝が印象的ではあるが、主人公の出番も少なく話はあまり進まない。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2022-05-24 12:17:02) |
298. 君の名は(1953)
感動モノだと思っていたら、まさかこういう展開だったとは。夫のヒネクレ具合は面白いので「お笑い映画」としてみればいいのかもしれないが。ただしそれも現代的な感覚であり、同時代的には違った見方(感動モノ?)がされたんだろう。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2022-05-23 11:57:24) |
299. 智恵子抄(1967)
2人の事は知ってはいたが細かい所まで知らないし、原作も未読なので実際はどうだったのだろうかという疑問を持ちつつ見た。岩下志麻はさすがの演技力で「狂気」が感じられたものの、丹波哲郎の方はちょっとアッサリとしていて、夫婦愛とか夫婦の苦悩みたいなものがあまり感じられなかった。作品的にはもうちょっと芸術家夫婦なりの衝突とか激しさがあってもよかったように思えるのだが、史実がどうかもわからないので仕方のないところではあるのだが。で、ちょっと調べてみるとこの2人は同居してから20年ぐらいは籍を入れずに死ぬ数年前に籍を入れているようで、現代的な感覚からするとこの辺もどうなんだろうという印象もある。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-05-19 01:50:12) |
300. 霧の旗(1965)
ストーリーはたいしたことはないんだが、やはり何と言っても倍賞千恵子のクールさの中に垣間見える小悪魔のような可愛らしい表情と演技が素晴らしい。リメイクドラマは何作か見た事があるが、初回作品がこの出来だと中々勝てないだろう。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-05-17 22:43:37) |