321. エアフォース・ワン
《ネタバレ》 馬鹿映画。馬鹿だがとことん馬鹿でありながらアメリカの政治体制と米露対立の中にしっかり完結させるのは逆に凄いと思う。いや、あの対立自体これほどだったとでも言わんかのような風刺も効いた良質アクションムービー。リバティ24のコールサインがエアフォース・ワンに変更されたシーンの奥の深さ。素晴らしい [地上波(吹替)] 8点(2006-10-17 00:45:01) |
322. ポセイドン・アドベンチャー<TVM>(2005)
元々はパニック映画の歴史にその名を刻む傑作。ストーリーの出来の良さは約束されているのだから、リメイクとなると期待されるのはテクノロジーの発達を生かした映像的発展なはずだが、まさかのストーリーを含めた改悪。一体何のためにリメイクされたのか。ポセイドン~史上最悪のリメイク。 [地上波(吹替)] 4点(2006-10-16 00:12:29) |
323. ネゴシエーター
邦題も無茶だがそれ以前に一般人と比べても短気な性格、格闘派、隙さえあれば発砲、凶悪犯は殺害な主人公がネゴシエーターであるという設定にしたこと自体よくわからない。その変な設定のせいで馬鹿映画になってるじゃんコレ。アクションの出来自体は非常に良く、タイトルがダイハード4だったら納得して高得点つけてたかもしれんだけに残念だ。 [DVD(字幕)] 5点(2006-08-31 08:28:36) |
324. 欲望という名の電車(1951)
マーロン・ブランド、映画を食う演技とは正にこのことで、彼の出演作はほとんど彼の色に染まってしまうため評価やコメントに戸惑うことが多い。本作はヴィヴィアン・リー、カール・マルデン、キム・ハンターらも揃って名演を見せ、演劇学校の授業のような雰囲気で物語というより演技の観察に集中してしまった。 [インターネット(字幕)] 7点(2006-08-25 21:07:01) |
325. ソウ2
バイオレンスサスペンスの傑作。前作のレビューにも書いたが犯人が単なるサイコで、犯罪行為に何の意味も無い単なるバイオレンスな点が減点材料。セブンもそうであったがゲームで犯罪をやらせそれを思想的に捉えさせようとする映画は高得点は付け辛い。CUBE1作目が優れているのはその点を曖昧にして、犯罪ではなく単なるゲームに終わらせている点にある。 [DVD(字幕)] 6点(2006-08-21 18:04:07) |
326. プリティ・プリンセス
別に娼婦でもなく、衛生的に汚いわけでも生活が破綻しているわけでも何でもないただの女子高生なのに、王女だからと言って外見を今風に変身させる必要があるのだろうか。その点がプリティ・ウーマンやマイ・フェア・レディなどとは大きく異なりむしろ女性を外見で差別する映画になってしまっている。プロット自体は面白いが全体的におとなしく「ありえなさ」の演出が薄いためコメディとしては弱い。少し期待ハズレ。 [DVD(字幕)] 4点(2006-08-21 17:50:08) |
327. 波止場(1954)
権力を崩すためには司法取引も良しとし、証人保護プログラムなどというものが整備されているギャング社会アメリカを象徴するかのように1人反発する人間を英雄的に描いている。傘の下の集団秩序と団結が最重要視され、牛肉偽装を内部告発した冷蔵会社が倒産に追い込まれた事件に象徴されるように、告発者は英雄ではなく裏切り者と捉えられる日本社会とは相容れないため、日本人にはいかにも臭いヒーロー映画と映ってしまう。ギャング映画や社会派映画が好きな自分にとっては良い出来の映画であったと思うが、単なる英雄映画に終わってる辺り、まだアメリカン・ニューシネマの時代へは遠い。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-08-19 18:14:25) |
328. マトリックス レボリューションズ
単に間延びした感じでストーリーに魅力が無い。これはSFマニアじゃないとついていけないのでは。 [DVD(字幕)] 3点(2006-08-19 05:22:43) |
329. マトリックス リローデッド
単に間延びした感じでストーリーに魅力が無い。これはSFマニアじゃないとついていけないのでは。 [DVD(字幕)] 3点(2006-08-19 05:22:25) |
330. マトリックス
後のアクション映画に多大なる影響を与えた名作アクション。この映画で使われた手法はのちの映画にことごとく利用されている。第一作はストーリーも単純な陰謀論で素直にアクションを楽しめる。 [DVD(字幕)] 8点(2006-08-19 05:21:52) |
331. ドラえもん のび太の大魔境
風刺的な内容はなりを潜めているが実に教訓じみた内容。今ならジェンダーがどうのこうのとPTAから説教を食らいそうな描写だが、このジャイアンの男気としずちゃんのお淑やかさこそ我々の世代には理想とされたものであった。事実、大抵ドラえもんは映画しか見ないような我々の世代の母親はみんなジャイアンが好きである(漫画での悪党ぶりを見れば考えを変えるだろうが)。衛星からも観察できない雲に覆われた神秘の魔境「ヘビースモーカーズフォレスト」で独自の進化やらという、らしいSF設定。特にラストのオチなど見事な独創性である。海外での試写会では観客が理解するまで反応が遅かったというバックトゥザフューチャーが無条件で日本人に受け入れられたのはアトムやこのアニメによる下地があったからではないかとさえ思わせられる。子供向けアニメがインディジョーンズをやってくれるんだから日本の子供は幸せだ。 [ビデオ(邦画)] 7点(2006-08-18 20:54:19)(良:1票) |
332. ドラえもん のび太の太陽王伝説
これがディズニーやドラゴンボールなら「これはひどい」の1点で片付けているがドラえもんだからあえて0点をつけて言う。かつてのドラえもんなら、例えば魔術師は歴史を変えようとする未来人であるなどの筋を通すためのSF的な設定というものが少なくとも存在した。しかしこの作品はそんな筋はおろか、魔術師の目的すら説明しない。SFアニメドラえもんはいつから恋愛格闘アニメになってしまったのだろう。30周年を迎えて何故今更『王子と乞食』の『白雪姫』になってしまうのだろうか。作者が長年積み上げた物は何だったのか。受け継ぐ者が居なかったことが嘆かわしい。奇しくも同時上映された作者脚本が原案である「おばあちゃんの思いで」が屈指の傑作であったことがその哀しさを増幅させる。かつての大長編はあわよくば大人も楽しませてやる、泣かせてやるという気概があった。それがこれはなんだ。もはや子供だましすら目指していないやる気の無さに唖然とさせられる。死後に迎えた30周年にこの作品では作者があまりに気の毒である。 [ビデオ(邦画)] 0点(2006-08-17 08:15:03)(良:2票) |
333. ドラえもん のび太の海底鬼岩城
何に惹かれたのかは覚えてないがごく幼少の頃一番好きだったドラえもんの映画。実に良くできた脚本で、バミューダトライアングルと海底都市などの一般的な伝説を盛り込み、普段触れることは到底出来ない海底を分かりやすくナビゲートしてくれるそこらのハリウッド映画など軽く超越する神秘に満ちた一大アドベンチャー。本筋など自動報復システムなどという冷戦への風刺であり、ウケ狙いのしょうもない子供だましギャグの連発のみがかろうじて子供向けアニメであることを思い出させてくれる。遺骸の崩壊やジャイアンとスネオの「死」など子供なら本気で泣き出すに違いないシーンが多々あり、今でも評価は高く実際見た子供も面白いと言っているにも関わらず興行的にシリーズワーストクラスであったのは子供には見せたくない映画と捉えられたのが原因であるのではと思うほど本気で大人までハラハラさせようという話の組み方。バギーの漢っぷりなど母親をマジに泣かせにかかっており何故ターゲットを大人にまで向けるほど真剣なのか。「あなたのためなら壊れてもいい」「バギーであることが悲しい」なんてセリフに感銘を受ける子供が居たらそれは早く目覚めすぎだろう(笑)。子供向けアニメということを忘れた大暴走、そして大長編屈指の名作。 [DVD(邦画)] 9点(2006-08-15 12:30:39)(良:2票) |
334. 許されざる者(1992)
よくこれまでのヒロイズムに頼らないイーストウッドによる西部劇の総括と評される作品だが、これまでの西部劇と大して変わる物でもない。そう捉えられるのはやっていることが全く変わらないからこそ。変わったのは世間のヒロイズムである。イーストウッドはそれをわかっていながら敢えてこれまでと同じ映画にしたのだ。そして世間はこれまでのように迎合するのではなく考える。答えは出ない。そしてそこで幕を引いた。そしてかつての偉人にそれを捧げた。実に巧みな総括である。 [DVD(字幕)] 7点(2006-08-13 08:33:45) |
335. モンスター(2003)
ある猟奇殺人犯をモデルとした映画という物は多数存在するが、ここまで伝記に近いものというのは画期的であった。それも題材はあのアイリーン・ウォーノスである。人間が連続殺人という猟奇的な行為に走ってしまう背景、それも女性のケースであるこの事件ほど個人的に興味深い題材というものは無い。ハードボイルド小説でもホラー小説でもない。アメリカンニューシネマでもない、実話であるからこそ漂う虚無感。理解や同情など関係ないしする必要も無い。これはこの社会の中で起きた実話なのだからもうどうしようもないのだ。彼女はモンスターではなく、社会の構成員であったがある時から構成員でいることが出来なくなった1人の女性である。自己の欲求であったりすることが多い男性の連続殺人犯のケースとは重ならないことが見て取れる。信じがたい狂演を見せたシャーリーズ・セロンはもちろんだが、クリスティーナ・リッチの相変わらずの怪演ぶりにも完敗。 [インターネット(字幕)] 9点(2006-08-12 18:50:28)(良:1票) |
336. クイズ・ショウ
いわゆる一つのヤラセだが、元々番組が圧倒的な支持を受けたのは、それこそが視聴者の求めるものであったからであってこの事件のケースは視聴者が何らかの不利益を被っているとも思えず、一種のエンターテイメントであるという見方をすればそれほど問題とも思えない。まだテレビが全面的に信じられる時代であったからこその騒動であろう。それよりも大きなテーマは、テレビにとって数字は魔力であるということ。日本テレビのプロデューサーが数字を金で買っていたなどという事件が日本でもありましたがテレビの人間にとってはそれが全てであり、そのためにはどんな真面目一徹の人間ですら悪魔に魂を売ってしまうこともあるのだ、という様子がよく描けています。 [DVD(字幕)] 7点(2006-08-09 15:42:31) |
337. アマデウス ディレクターズカット
確かに彼は堕落した人間であるようだが、音楽という現在でも直に触れられる作品が残っている以上、その天才ぶりは疑い様が無い。本当に彼の残した作品は凄い。モーツァルトの有名作品の見せ場を繋ぎながら、彼の華やかでありつつ闇にも満ちた波乱万丈の人生を描いた映画は、さながらそれ自体が一つのオペラのよう。 [DVD(字幕)] 8点(2006-08-09 15:24:40) |
338. アメリカン・スクール・トリップ
かつて一世を風靡した青春エロ映画アメリカン・パイの系譜を踏む作品のようだが、どうもこの映画はただ下品なだけでC級の壁を越えられていない。下品でも笑えればよいのだが、下品で寒い映画ほど酷いモノは無い。 [DVD(字幕)] 3点(2006-08-09 12:03:35)(笑:1票) |
339. リーマン・ジョー!
ごく普通で何の工夫も無いそこそこに面白い程度のオフィスコメディ。こういう映画を見るたびに、いつもこういう映画に一つスパイスを与えているジム・キャリーの凄さを思い知る。 [DVD(字幕)] 5点(2006-08-07 19:58:02) |
340. 推定無罪
《ネタバレ》 皆まで語って深さを無くす典型的な例。ラストのハンマーを洗うシーンで終わらせておけば彼がやったとも取れるし、妻がやったとも取れる。そこに映画のタイトルも相まって疑おうにも疑えないという深い終わり方になったと思うのだが。小説では確定させずに終わっていたはずだがなぜこのような愚かな変更を加えたのだろうか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-08-07 19:53:23)(良:1票) |