341. 007/ユア・アイズ・オンリー
いろんな国に舞台を移して、その都度アクションシーンに時間を割いていて、でもストーリーとしては大して面白くないので長く感じました。 積雪地方でウィンタースポーツ総大会を見せられたかと思うと、ギリシャの陽光のもとダイビングで潜り、その次は高山で崖登りもしているムーア・ボンド。体力必要イベントが総花的に繰り広げられるのを観てるうち、ボンドが何を任務としているのか忘れそうになります。 スキーやボブスレーの現場にバイクを持ち込んでの撮影はそれは大変だったことでしょう。スタントさんの苦労は偲ばれますが、今戦っている相手は誰だっけ、と思うこと数回で集中が途切れます。ロジャー・ムーアも10代の女の子が憧れるにしてはオジサンすぎませんか。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-02-17 23:56:33) |
342. ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー
《ネタバレ》 自意識ばかり強いのが高校時代。クラスカーストの中をなんとか生き抜いて、さて卒業となった2日間のお話。 自我を打ち出そうとがんばったり、トイレで陰口を聞いちゃったり10代てのはほんと面倒くさいよなあ、と懐かしく思い出されます。 友情と片思いと意地悪と思いやり。青春あるあるを21世紀の今風に綴っています。ヒロインが湿っぽく悩まずむしろガッツに溢れているのでカラリ、と楽しく観られました。 呼ばれてもいないパーティに思い切って飛び込んで相棒とケンカになったりもするけど、そりの合わない子の見えてなかった部分に触れることもできたり。ちょっとずつ人生の経験値を上げてゆくティーンエイジャーを見守るオリヴィア・ワイルドの目線に暖かさがあって、心地よかったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-02-13 23:48:44) |
343. 女王陛下の007
《ネタバレ》 ボンド俳優にジョージ・レーゼンビーという名前があるのを初めて知りました。他の5名は耳にしていましたが。 本作のみのボンド役、レーゼンビーはまずまず及第点とは思います。スタイルは良いしアクションも動けてるし。しかしいかんせんアクの強いコネリーの後任ではハードルが高過ぎました。獅子奮迅の働きをしてもレーゼンビーではせいぜい総務課長が頑張っている、という印象になってしまうのです。冒頭海から女を助け上げて「やあジェームズ・ボンドだよ」と自己紹介したとき、おそらく世界中が激しく違和感を抱いただろうと推測します。 お話の方は、終盤のコネリー版の能天気な馬鹿っぽさが払拭されてきりっと引き締まりました。吊るされた同僚の姿とか、ラストの非情さは007シリーズの中でも異彩を放つエッジの切れっぷりだと思います。 スキーでの追走劇は素晴らしい撮影技術で、画のブレも無くスピード感も堪能できますし、おそらく007の名を冠していなければレーゼンビーのアクション代表作として彼ももっと評価されたのではないでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-02-13 17:14:28) |
344. 猟奇的な彼女
《ネタバレ》 ちょっと時代が進んだせいでしょうか。猟奇的というより‶乱暴で突拍子もない”彼女の無茶ぶりはあまり笑えませんでした。むしろ引きました。韓国のコメディはそもそもアクが強いですしね。 単なる暴力コメディで進んでいたのが、終盤になってすれ違い悲恋物語へと舵を切った力技には驚きました。相当な無理矢理脚本にも感じますが、伏線回収につなげるとは巧いことやるもんです。 でもさあ、‶会えない”と言ってて悲恋ぽい雰囲気だけど、彼女の家知ってるよね? [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-02-11 23:25:27) |
345. ワイルドライフ
《ネタバレ》 家族といえど元は他人同士。信頼していたのに、こんなはずではなかったのに、との思いと裏腹にポロポロと崩れてゆくある家庭。14歳の目から描写される母親の、母親業の決壊というべき姿がちょっと毒々しいほどに痛ましいです。 演技派J・ギレンホールの仕事に期待して観始めたのですが、このお話は妻であるジャネットがメインでした。山火事消火の応援に行ったきりのギレンホールの出番は三割ほど。戻ってからの裏切られた夫としての動揺、驚愕演技は流石でしたが。 ジャネットの心が移ろってゆく原因については詳しい描写がされていないので、見る側でいろいろ解釈できそうです。 夫にしてみれば青天の霹靂であったでしょうけど、萌芽はずっと前からあったのではないかな、と想像します。夫の転職で余儀なくされる何度もの引っ越しと、その度に途切れる自分の生活。代用教員の仕事だったり、人間関係だったり。常に良き妻、良き母でいようと無意識に自分に課していたけれど、夫がいなくなってまず良き妻のペルソナから剥がれていったのだろうな。 突然看板が崩壊したようにみえても、内部の支えは長いことかけて脆くなっていた。人間関係ってそんなものですよね。 エド・オクセンボールドの気遣わし気な表情が繊細な14歳をうまく表現していました。演技巧者三人によるビターでリアルな家庭劇です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-02-06 22:08:19)(良:1票) |
346. ナイト・オン・ザ・プラネット
人間てのは日々他愛のない時を過ごしているもので、誰にでも覚えのある‶さして意味のない”でも”確かに生きてた”瞬間を刻むのがジャームッシュ。ツボるかツボらないかはほんと人によりけり。そんな彼の映画がこんなに高得点とはちょっと驚きです。 わたしが好きなのはロスとニューヨークかな。ドライバーさんたちの中では一番ウィノナがキュートでよかったな。 [DVD(字幕)] 6点(2022-02-02 16:58:05) |
347. 007は二度死ぬ
《ネタバレ》 うわー、これは一体。ショーン・コネリーのキャリアに燦然と傷跡を残すすっとこどっこいな怪作ですね。あーあ日本が絡んでるなんて(泣) 冒頭からアヤシイもんな。エド・ウッドに毛が生えたレベルの宇宙船があろうことか敵艦(?)をぱくっと食べちゃう。自分でも何を言ってるんだか。 あとはもう、ボンドを女とイチャつかせるために話が展開していくみたい。太ったコネリーは数少ないアクションシーンもキレが無く老け込んだ感が強くて魅力的じゃありませんでした。誰ですかボンドの首に手ぬぐい巻くよう指示したのは。 日本の描写についてはもう何をかいわんや。「日本の女は胸毛が好きだ」って丹波さん何言ってるんすか。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2022-01-31 22:48:37) |
348. 鉄道員(1956)
《ネタバレ》 頑固おやじに振り回される家族の情景。モノクロのしっとりとした質感とイタリアン美女に天使のような子どもの画でちょっと敷居が高くも感じますが、往年のテクニカラーを施して昭和感を出せば向田邦子脚本のドラマのような親しみやすさが一気に出ますねきっと。本質同じだもん。 親父はガンコで、でもそんなに強いわけではなくて。家庭を支えているのはしっかりした優しい母親の方で。そして幼い末っ子はいつも大人たちの秘密を知る立場で、「黙っていてね」と守秘義務を課せられる笑。結局筒抜けになっちゃうんですけども。 イタリア映画の人間ドラマによく見る「俯瞰した姿勢」が本作にも顕著で、人物らは状況を切り開こうと必死に動いたりしないです。なるようになるからね人生は、というスタンスが昔の日本映画の淡々とした味わいにも似ているなと感じます。 ガンコ親父を取り巻く環境は浮いたり沈んだり、ささやかな友人の思いやりが大きく周囲を感化して、ほっとする終幕に落ち着きます。優しい脚本に心なごみます。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-01-26 18:22:24)(良:1票) |
349. キングスマン: ファースト・エージェント
《ネタバレ》 1,2作目でブリティッシュなスパイ活劇に悪趣味センスを小気味よく盛り込んだマシュー・ヴォーン、今度は歴史の中に自前の諜報活動をぶち込んでくるという離れ業を披露してくれました。 歴史に名高い人物らが次々とヴォーン監督の掌で踊り、戦い、謀略をめぐらして(きっと)ご本人より生き生きと楽しそうです。怪僧ラスプーチンやレーニンなどは見た目もそっくりですし。 そして実在の歴史人物の圧に負けない存在感を発揮しているのがレイフ・ファインズ。アクションものはどこまでイケるのかな、とノーブルな彼の顔立ちからいささか疑問でしたが杞憂に終わりました。吹き替えはあろうけど、剣術さばきも身のこなしも華麗です。この映画はどのアクションシーンも演出やキレに申し分なし、と思います。 キングスマンの1作目はまあ別格で、あのぱかっと人が二つ割になっちゃう悪センスがワタシは大好きなのですが、オジサン2人とオバサンとでスタートした渋めのバージョンもなかなか良かったです。 [映画館(字幕)] 7点(2022-01-23 14:33:31) |
350. ゾンビランド:ダブルタップ
《ネタバレ》 前作からなんと10年ぶりなのに、人物4人中3人の(笑)変わりの無さには驚きです。再会できて嬉しいな。 ゾンビがはびこる世界のサバイバルなのに、ちっとも深刻にならず悪ふざけなノリは前作どおり。タラハシーのこだわりがトゥインキーからイケてる車へと変わったり、能天気なおバカキャラのニューカマーが加わったりと工夫が感じられます。 惜しいのは10年経ってパワーアップしたゾンビの真骨頂が生かし切れなかったこと。変異して手強くなったぞ、というのは続編のセオリーですけども、話にあまり刺さっていなかった。 むしろ‶家族の絆”がメインテーマっぽくなっちゃって、‶対ゾンビ”のはっちゃけぶりを期待していた向きには物足りないですよね。タラハシーはファミリー向けミニバンをずっと嫌っていたけどね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-01-19 23:06:04) |
351. 007/ゴールドフィンガー
《ネタバレ》 ジェームズ・ボンドの伊達男っぷりとQのアイデア小道具が堪能できます・・が、なんだかマンガみたいな出来ですね。 今回ボンドって潜入しただけで何もしてなくない?結果ガスが無毒なものと替えられたっていうのも、女が都合よく変節しただけだし。なされるがまま爆弾に繋がれちゃってるんだもんなーボンド氏。少なく見積もっても本作中3回は死んでるもんなあ。 仕事ほっぽって女とみればくどきにかかる。ボンドの売りではあるけどここまでくると病気なんじゃないかという気がしてきた笑。 空中散布のガスでばたっと人が倒れるさまは吉本新喜劇にも見えて笑っちゃうしで、エンディングに「ゴーフィンガあー」とカッコよく流れた日にはごーふぃんがーじゃねえよ、と脱力しました。散々言いましたがS・コネリーの個人的魅力は落ちてないので退屈はしなかったです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-01-18 23:41:33) |
352. プライベート・ウォー
《ネタバレ》 実在した戦争ジャーナリスト、メリー・コルヴィンの生き様をロザムンド・パイクが迫真の演技で再現しています。ご本人が乗り移ったかのようです。 酷い現実に幾度も晒されてきた彼女の精神が徐々に突き崩されてゆく様子が、痛くて辛くて恐ろしい。化粧っ気の無い顔に目の下のクマ。眼光だけは鋭くて、下着は高級品をつけているのがまたちぐはぐで奇妙な迫力で。彼女の意識が幽玄的にぼやける表現方法が、気持ちの不安定さを感じさせます。 まるで本物の紛争地でロケをしたかと見まごうほどのリアリティが、紛争地の残酷をストレートにぶつけてきます。大変な圧を持った映画です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-01-17 23:20:32) |
353. 誰も知らない(2004)
《ネタバレ》 わたしは冬になると着込んだ子どもを見るのが好きです。三頭身がもこもこしている姿が単純にかわいいということもあるけれど、子どもに寒い思いをさせまいという親御さんの愛が感じられるからです。 だからこの映画はきつかった。ネグレクトという暴力にさらされる4人の子どもたち。下の妹は外出するための靴すらないではないか。 社会に衝撃を与えた事件でしたから、よく覚えています。冒頭で監督が述べているとおり、この作品は実事件をモチーフにしたものですから、報道された内容よりマイルドではあります。 映画はドキュメントではなく出来事の本質を訴える媒体であると考えるに、本作はその役割を果たしていると思えます。陰惨な描写のみに終わってしまえば観る者の心を折ってしまうし、それは監督の狙うところではないでしょう。 子役がお芝居しているように見えないこと、特に柳楽優弥の瞳の饒舌さには心を射抜かれました。柳楽が全身で訴える傷だらけの13歳。明を思うと心の震えが止まりません。 「誰も知らない」のではダメなんだやっぱり。明に手を差し伸べることができるなら、お節介おばさんに積極的になろうと思いました。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-01-12 23:34:06)(良:1票) |
354. ライド・ライク・ア・ガール
《ネタバレ》 一人の人間の生涯を映画にするのってけっこう難しいですよね。起きた事柄を時系列ごとに並べただけでは‶他人事のイベント”を見せられる客は飽きてしまうし、無理に盛り上げようとして嘘になってもまたいけないわけで。 メルボルン杯で優勝した初の女性騎手のライフストーリーの本作は構成、演出とも平凡な印象を受けてしまいました。 ヒロインの勝気な性格はT・パーマーを通してよく伝わりますし、女だというだけで受けるセクハラや居心地の悪さといった逆境の描写は胸が痛みました。 でももっと映画構文としての山場があっても良かったのではないでしょうか。選手生命を脅かすほどの大怪我からの復帰劇しかり、優勝したレースのシーンしかり。そこ、映画のキモなのになあともどかしく思いました。馬が走る、それだけで画になる素材なのですから過去作品に倣ってもう少しわくわくさせてほしかったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-01-11 23:23:34) |
355. 007/ロシアより愛をこめて
1作目のもっさり感が無くなって、打って変わって洗練されたスパイ映画に仕上がっています。この変わりようは何が原因なの、と思うほどです。 ロマの女同士の決闘場面やらベリーダンスやらは余興に過ぎる気もしますが、後半の列車内での対決場面から終幕までの疾走感あふれる演出でチャラになりました。殺し屋がつかず離れずついてくるサスペンス演出も冷やりとします。 S・コネリーボンドは渋さだけでなく、ユーモアの使いどころのセンスの良さに大人の余裕を感じさせて魅力的です。ボンドガールも美しく知的で、これぞ007映画の礎となった作品と思います。このあとに続くコネリーボンド作品がこのレベルを維持するのだろうと期待していた頃が幸せでした笑 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-01-09 23:18:33) |
356. バンテージ・ポイント
《ネタバレ》 多視点モノの醍醐味といいますか、角度を変えて事象を紹介されるたび「あ、そうだったのか」という‶分かる快感”が本作でも充分に堪能できます。ストーリー展開にもたつきはないですし、カーチェイスシーンも迫力ありで退屈せず観ることができたのですが。 なんとなく後味が軽いんですよ。スペインが舞台だしベテラン俳優多数起用でそれなりに華やかだし、爆発の火薬の量も十分。なのに米国大統領が狙撃されるという世界の一大事の割に、ずしっとくるものがないんですよね。 くどいほどに繰り返し見せられる起点から終盤までに起こったことは大統領撃たれる➞犯人確保だけで、話としてはそれだけなんですね。マッドマックス4も「行って帰ってくる」だけでしたが、かの作品に見られるようなキャラの造形力が全然劣るので誰にも入れ込みようがないし、各人のドラマも薄い。 あと苦虫噛み潰している顔のデニス・クエイドに今一つスターオーラが無いのはなんでだろう、とずっと気になりました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-01-08 18:03:42) |
357. しあわせの隠れ場所
《ネタバレ》 一人の黒人少年が白人後見人のもと、人生の大成功を収めたのだから「いい話」には違いないんですけども。 なんか、でも「いい話だー」、で終わらせることができないもやもやが心に残りました。あんな冬空にシャツ一枚で15歳の子が暖を求めて彷徨うなんて、もうアメリカ社会がマズすぎると暗い気持ちになります。マイケル一人だけではないのかも、です。わたしはそっちの‶白人に声をかけられることのなかった”黒人の子の気持ちになってしまいます。マイケルはいいよ、お金持ちの家に拾われたんだから。あいつは身体がでかくてアメフトに向いてるもんね。 実際リー・アンはスラムに出向いた時、その辺にいる黒人の若者らには同情の目もくれなかった。篤志家の線引きがすとん、と落ちるように映画では説明されていません。「何もしない外野がごちゃごちゃうるさいわよ」、と啖呵をきりそうなS・ブロックの演技にまかせっきりなのが脚本の怠慢にも感じました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-01-04 20:22:56) |
358. ディープ・インパクト(1998)
《ネタバレ》 タイトルからなんとなくエメリッヒタイプのディザスターものかと思っていました。大惨事の画は終盤にありますが、9割方は終末に直面した状況下の社会派群像劇でありました。社会派は言いすぎか。 TVキャスター、衛星発見者、宇宙飛行士らと目線を変えての人間ドラマが展開されますが、これが何となくテレビの再現ドラマのような安っぽさを感じました。M・フリーマンやR・デュヴァルら、役者は良い演技をしているので問題はありきたりな演出にあるのでしょう。 終末が迫ったらこうなるだろう、という発想のレベルが略奪・混乱・渋滞・自殺、と凡庸の域を出ずそのうえ画でパニックぶりを見せようとするあまり、津波からこちらに逃げてくる人々の図まで用意しています。あんなに前々から警告されていたにも関わらず避難が全然進んでいないというのはリアリティに欠けると思います。作り手の映画センスがぱっとしない作品だなあという印象です。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2021-12-27 23:13:02) |
359. 007/ドクター・ノオ
007の1作目、初見です。アクションも展開も高速化している今の目で見ると、動きはやはりのどかに感じます。 島に渡ってからの、特に終盤はテレビの特撮モノを彷彿とさせるほどにチープですし、取っ組み合ってるシーンを真正面から撮ってるだけのカメラワークも芸が無いです。 だけど若きショーン・コネリーの色気あふれるダンディズムは1作目にしてシリーズ化を予感させる抜群のスター性を放っています。こんなに女性陣にモテモテでも違和感も嫌味もない、てのがさすがの一言ですね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2021-12-21 23:15:49) |
360. ソウ2
《ネタバレ》 ソウ1作目の何が嫌だったって、メインの現場が汚いトイレだったこと。汚い便器と、ご丁寧にバスタブまであって黒っぽい水が澱んでいる。水廻りの不潔さが生理的な嫌悪感をキリキリと刺激して、画ヅラだけでやられました。その点今作は汚いことは汚いけど家屋内が舞台なのでちょっと気は楽。 死に方が相も変わらずえげつなく警察は無能で、大きなお世話な説教を犯人からされるしで全く気分の良くない映画であるのは前作と同じ。 けれど時間軸のズレに気付く余地はほぼ与えられないし、犯人以外の全員が時間経過とともに追い詰められてゆく仕掛けが念入りに施されていて、サスペンスホラーとして高評価を得ているのは納得です。 ラストに金庫がぱかっと開いた時の「ルールを守っときゃ良かった・・」という自業自得感はハンパない。刑事だけじゃなく我々も。ああー嫌な映画だわほんと。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-12-20 23:58:21) |