21. ザ・マウンテン 決死のサバイバル21日間
《ネタバレ》 1.番の人が仰るように、映画の大半が二人 (と一匹)だけで展開して、場所はほとんどが山の中という設定、 そして筋書きも目新しさはなく陳腐なもので結末も想像がつくの ですが、意外と退屈せず面白かったですね。 二人の演技力に負うところが大きいのでしょう。 高山に墜落して怪我を負い食料も少ない酷寒の極限状態の割には 二人とも元気で、どこでも簡単に火を起こして暖をとっているな どややリアリティに欠けるところはありました。 なにより二人とも体力を消耗しているはずなのに、山小屋の中で Hしちゃったらだめでしょ。助かるものも助からなくなってしまい ます。 最後のシーンではベンに「エレーン」て叫んでもらいたかったで すね、それに対して「ベーン」と返して二人で抱き合うとか。 まっそこまでは無理かな。 [地上波(吹替)] 6点(2023-10-30 18:48:10) |
22. アンストッパブル(2010)
《ネタバレ》 暴走する列車を止める映画って過去にもあった ような気がするし、それだけでは何とも退屈な話だろうと思って 期待もせずに観ました。 お話としては単純で、極端な悪人も登場せず話のほとんどが線路上 を舞台に進行するのですが、これが意外と面白いものでした。 カメラワークや映像構成を工夫すると結構スリリングで迫力ある映画に 仕上がるものですね。 事の成り行きがメディアによってほぼリアルタイムで実況中継されて おり、従って過剰演出もなく展開も非常にテンポよく、最後はどうせ 無事に停止させることが出来るのが分かっていても、映画の中の大衆 と一緒にハラハラ、ドキドキして最後まで引き込まれてしまいました。 [地上波(吹替)] 6点(2023-10-21 09:03:31) |
23. フライト
《ネタバレ》 Dワシントンが悪役をやる映画であまり 面白かったものがなかったし、飛行機パニックと法廷物をごっちゃ にした陳腐なのもかと思って、つまらなかったら途中で観るのをや めようかと思って観始めたのだけど、最初の墜落シーンを見てから 引き込まれ最後まで観てしまいました。 機長がなぜああも酒とドラッグに溺れてしまっているのか、それを 事故まで会社は気が付かなかったのか、あそこまで寝不足と深酒状態 であんな神業的な不時着の判断と実際の操縦ができるのか、など多々疑問 はあるものの、ラストはほろりとするものがありなかなか良かったです。 最後に真実を語るまでちょっとあっけなかった気がするしもう少し委員会 で丁々発止のやり取りがあっても良かったとは思います。 飲酒を認めた機長の刑期はどうなったのでしょうか。事故の直接的な原因 は機体の問題だとはっきりしていたわけですし、シミュレーションで他の 10人のパイロットはいずれも墜落させてしまう結果になったことから、彼 によって多くの人命が救われたことは確かです。従ってむしろ飲酒により 気持ちが大きくなったことで本来なら挑戦しないアクロバティックな飛行 に挑戦して乗客を救ったことになれば刑期は大幅に減刑されるべきだとは 思います。恐らく助かった乗客から嘆願書が集まったかもしれません。 飲酒の啓もうを兼ねた映画のようですが、それだけ米社会でのアルコール 依存症問題が深刻だということでしょうか。 [地上波(吹替)] 6点(2023-09-25 21:49:37)(良:1票) |
24. こんにちは、母さん
《ネタバレ》 とにかくめちゃくちゃ重い「福田村事件」を 観た後だったので、口直しというかチェイサーというか、とにかく ほのぼの、ほっとさせられ癒されました。 下町の風情が感じられる場面が多かったのですが、実際にまだこれ ほどの雰囲気が残っているのでしょうか。 役者さんそれぞれに味のある演技だったのですが、この映画の最大の 問題は昭夫さんが家庭でも会社でも問題抱えて悩んで憔悴している男 の暗さが感じられなかったことです。大泉洋さんの演技が下手という わけでは決してなく、彼には元々が明るいオーラが染みついていてし まっているからなのでしょう。 別の俳優さんなら暗い男をもっと的確に演じられたのかもしれませんが、 監督が彼を起用したというからには、そもそも監督にはこの映画をシリ アスな物にする意図はなかったのかもしれません。 [映画館(邦画)] 6点(2023-09-07 17:59:50) |
25. 福田村事件
《ネタバレ》 事件に至るまでの描写がかなり長いので すが、丁寧に描かれていてダラダラ感もなく飽きることなく どんどん引き込まれて行きました。 しかし行商団が襲われるシーンは史実でありリアリティを出す為 とはいえ随分と露骨で残酷なシーンが続き、何か夢に出てきそう で怖かったです。避けては通れないシーンとはいえもう少し暗喩 などを使ってトーンダウンしてほしかったようにも感じます。 米国ならば少なくともPG13以上には指定されるでしょうね。 それにしても訛りや方言、今は使わない言葉などが盛りだくさん で半分ぐらいしか正確に聞き取れませんでした。 日本映画にも字幕をつけてもらいたいですね。 人間関係も不明なところがあり、柄本明に胸をはだけて覆いかぶ さる女性は誰なんでしょうか? 瑛太の頭を斧でかち割り虐殺の引き金を引いた女性は誰だったの でしょうか?なぜやったのでしょうか?などなど 個性的な俳優さんがそれぞれの役柄を熱演されていました。中で も水道橋博士は憎々しい役柄の好演が光っていました。撮影は うつ病を患う前だったのでしょうか。 ※【大鉄人28号】さん 解説ありがとうございます。そういう背景があったのですか。 せりふがなまりが強くて聞き取るのに苦労して役柄もよく分からず (日本映画にも字幕がほしいです😅)、キャストの情報をスマホで調 べようとしていたら、隣に座ったオッサンにスマホやるなら外に出て いけと怒られて😭、やむなくそのまま観ていたのですけど、とにかく 一回みただけでは各登場人物を完全に理解するのは困難でした😭😭 [映画館(邦画)] 7点(2023-09-05 17:48:31) |
26. 遊星からの物体X
《ネタバレ》 エイリアン物というよりも「そして誰も いなくなった」のSFホラー版といった感じ。一体誰が人間か 物体Xなのか、次は誰が犠牲になるのかという感じで結構 楽しむことはできました。最後は何となく物足りませんで したが。 しかし10人の人物描写がほとんどなく、全員中年の男性であり 極地なので厚着をしているため誰が誰だか分からないのが難点 でした。極地に不似合いな美人である必要はないのですが何人 かは女性にするなり、それぞれの個性をもう少し出して欲しかった。 それにしてもこの種の映画では宇宙人は毎回不気味な怪物と して描かれているのだけど、遠い宇宙の果てから地球を訪れ るには、高度な文明・知能と繊細な加工技術が必要なはず。 ミミズの塊のような物体にどうやって宇宙船が組み立てられる のやらと思わざるを得ない。 [地上波(吹替)] 6点(2023-08-02 11:29:17) |
27. ザ・クリーナー 消された殺人
《ネタバレ》 主人公の職業を犯罪現場などの清掃員 という珍しい職業にしたところがこの映画の最大の ミソではあります。 殺人現場の清掃をさせられるところから始まり謎が 深まる前半の展開には一気に引き込まれました。 しかしサスペンス物だと思って観ているとちょっと その後の展開は裏切られてしまいますね。どんでん 返しも切れ味がなく元相棒が登場した時点で何とな くプロットは読めてしまいます。 汚職の黒幕ヴォーン氏も殺された経理担当も全く姿 を現しませんし、人物描写もされおらず、両者とも 物語の中心ではないという製作者側の意図が取れます。 これはサスペンスというよりも母を失った父娘の絆 や元相棒同士の友情を描いた物語だと思います。 そう考えるとそれなりに納得の行く作品に仕上がって いたと思います。 [地上波(吹替)] 6点(2023-07-31 22:21:55) |
28. ザ・ドライバー
《ネタバレ》 70年代のカーアクション物として 車の追跡シーンは確かに見ごたえはありましたが、物語 については放送枠でカットされた部分が多かったのか、 意味不明、つじつまの合わないシーンが多くて物語の 体をなしていなかったような。 最初のカジノ強盗もお粗末な犯行。 終わり方も両替屋に騙されたっていうけど、両替屋は アムトラックで撃ち殺され、金は警察が取返している し、そもそも何でコインロッカーに戻ってきたのやら。 既に金は両替屋が持っていっているのにまだそこにある と思ったのか。 電車の中で刑事は何で金の入ったカバンが見つけられた のか。 強盗の片割れはなぜ仲介屋のおねえちゃんの居場所が 分かったのか。 その片割れがなぜ謎の女が金を入れたカバンを持ってい てその居場所が分かったのか。謎の美女は何者なのか。 そもそもカウボーイの素性もなんだかはっきりせず。 カーアクションを撮りたくて物語は適当にでっち上げた 感が強くて、そちらに期待すると裏切られます。 やっぱりカーアクションだけではなく物語自体ももっと 完成度の高いものを考えてほしいですね。 その反省を踏まえて出来たのがトランスポーターでしょうか [CS・衛星(吹替)] 5点(2023-07-30 14:04:28) |
29. コクリコ坂から
《ネタバレ》 ジブリ作品はファンタジーの世界を失って しまった自分にはもう理解できないだろうと敬遠していたのですが 地上波で放映されるとのことで観てみました。 みなさんがここに書き込まれていることの意味が分かる気がしました。 舞台となった戦後10年から20年にかけての時代を理解できる人はそれ ほど多くはなく、主人公たちに感情移入するのが難しいと思いました。 他の人が言っていましたが、この物語の主人公はメルと俊ではなく、 船乗り3人の友情物語なのだろうというのに同感です。 ただそれにしては全てが中途半端で従って感動も今一湧いてきません。 また、広小路のおばあさんの素性や母親がなぜ娘たちを置いて米国に 行っていたのか、留学する歳ではないはずなのに何か留学したような 口ぶりでしたが、その辺の説明がなく仔細にこだわる人にとっては もやもやが残ります。 メルという呼び名は、恐らく海=フランス語のMerから来ているのかと 想像はしますが、なぜフランス語なのかは不明です。 [地上波(邦画)] 5点(2023-07-16 22:32:39) |
30. ツレがうつになりまして。
《ネタバレ》 几帳面な夫がうつ病になってしまってから の夫婦の普段の生活が淡々と描かれているだけの映画であり 特に劇的なことが起きるわけでもないけど、ほのぼのとした コミカルな雰囲気が結構気に入りました。但し前半までは。 生活苦に直面してハルさんがようやくもらった仕事の為に 必死に漫画を描いている傍らで、ツレはいつもながらマイ ペースなツッコミをいれて、相手にされないと自殺未遂を 起こしてしまう辺りから、生きることはそんなに甘いもの ではない現実を見せられてしまうとファンタジーに浸る気分 にはなれませんでした。 ちなみにこの掲示板で夫をツレと呼ぶのに違和感を持った人 が多かったようですが、現代において日本語で夫や妻を呼ぶ のにふさわしい言葉は意外とありません。 中高年以下の人は連れ合いを内の夫とか家内とかは何となく 呼びにくく、かといってラブラブな時期を過ぎても名前で呼ぶ のも気恥ずかしいようです。 本人に向かってツレというのは確かに違和感はありますが、 第三者に対して内のツレというのは案外使いやすい言葉で はないかと思いました。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2023-06-26 21:19:37) |
31. ファイヤーウォール
《ネタバレ》 ここでの評価が悪かったので期待はせずに観ました が、意外と面白かったですよ。放送枠の関係か随分とカット されてしまったのか、随分話が飛んでいたようなのですが、 分かりきった陳腐な結末ではありましたが、それでもハラハラ ドキドキ楽しめました。 ただ確かにツッコミどころは満載で、奥さんに浮気の偽電話 の伝言を残させたのにジャックは特に妻を問い詰めることもなく なぜ裏切りだとは思わなかったのでしょうか。 大銀行の中を強盗の親玉が我が物顔に歩き回れるというのも セキュリティ上あり得ないのでは。 そもそもセキュリティ担当幹部とその家族には常にこういう リスクが起こりうるわけで、そこいら辺の防犯対策はどこで も取られていると思いますが。 最後の過剰演出の殴り合いは、カーチェイスと並んで米国映画 のお決まり事のようで、あれがないと米国の観客は満足しない のかもしれませんが興ざめではありますね。 [地上波(吹替)] 6点(2023-06-16 21:56:01) |
32. インベージョン
《ネタバレ》 コロナ禍を経験したばかりなので最初は 結構期待して観ていたのですけど、まあそれなりに楽しめ はしたけど、相当なご都合主義的な部分が多かったような。 住宅街で襲われて逃げ出すのだけど、あっと言う間に市街地 まで逃げてしまうとは、なんとも健脚だこと 坊やを連れてヘリ脱出に成功した後の展開がなんともあっけ なくワクチンが出来てめでたしめでたしってなんか拍子抜け。 足を撃たれただけのベンはワクチンで助かったようですけど バンバン撃ち殺されたり、車にしがみついていて振り落とさ れてしまった人たちは、死んでしまったわけで、ワクチンで 復活しようもないわけです。これは殺人にはならないんので しょうかね。 [地上波(吹替)] 5点(2023-06-07 23:00:01) |
33. 7月4日に生まれて
《ネタバレ》 戦闘シーンや虐殺シーンは押さえて、戦場での悲惨さ よりも負傷した主人公のその後やその周辺の人々の心情描写に多くの 時間を割いて丁寧に描くことで戦争の悲惨さを訴えていたと思います。 映像もきれいでした。 今思えば米国はなんて馬鹿な余計な戦争を行い多くの若者を犬死 させたと思うのですが、当時は冷戦真っただ中で米国はソ連と対峙 すると共に世界の警察として世界を主導することを自負していた 時代。反共とマッチョな意見が礼賛される風潮の中ではまだ10代の 世界の状況に疎い若者が政府の方針に熱狂して戦地に向かうのは当然 の流れだったのでしょう。 似たようなことはウクライナに侵略したかの国でも今でも起きている ことで決して過去の話ではなく、これからもいつでも起こりうること であり人間の愚かさを改めて感じてしまいます。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-22 09:25:12) |
34. クリムゾン・リバー
《ネタバレ》 二つの事件捜査が同時進行し事件を追う 二人の刑事が出会うという展開や、大学や山の重厚な描写など 結構見ていて引き込まれたし、楽しむことはできました。 でも終盤で突然鬼のような形相のジュディットが現れて暴れ 回った挙句に雪崩に巻き込まれてハイおしまいというエンディング はなんだか拍子抜けでした。 一体彼女はどこにいたのでしょうか。 途中でファニーと入れ替わるなり一度ぐらいは登場させない と唐突感が否めませんでした。 あと、季節が冬なのにどうも凍えるような寒さが伝わって来 ないのは意図したものなのか、それとも演出が下手なのか。 冬の荒涼とした雰囲気がホラーを引き立たせるはずなのに その効果が生かされていなかったような。 ドミニク・サンダがシスター役で出ていたようですけど全く 気が付きませんでした(暗かったので当然かもしれません が)。 [地上波(吹替)] 6点(2023-04-19 11:07:56) |
35. イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
《ネタバレ》 アラン・チューリングの情報は別のドキュメンタリー 番組で概要は知ってはいましたが、改めて映画で血の通った物語として 鑑賞して非常に感銘を受けました。 物語の展開に無理がなく、過剰な演出もなく孤独な天才の活躍と苦悩が うまく描かれていたと思います。後味も悪いものではありませんでした。 ホームズ先生がこんなに名優だとは知りませんでした。 それにしても戦争というものは、悪と善、敵と味方、黒と白と単純に分 けることのできない複雑で残酷なものですね。 チューリングが夢想したAI技術が花開こうとしている昨今の状況を彼が 見たらどう思うのでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-04-04 15:50:38) |
36. 21ブリッジ
《ネタバレ》 自分的には結構楽しめました。 マンハッタンを封鎖した限られた空間で、明け方までと いうタイムリミットのある中で進行した展開はスピーディ で飽きることがありませんでした。 NYCの麻薬がらみ、悪徳警官がらみで、新奇さは全くなく しかもおねえちゃん警官がグルなのも早いタイミングで 分かってしまうので、どんでん返しやあっという展開を 期待すると完全に裏切られてしまいますね。 もしBウィリスあたりが主演だとドンパチやってハイおし まい、であほらしさだけが残るのでしょうけど、この映画 はデイビス刑事のヒューマンドラマという視点で観るべき だと思いました(それ以外には見るべきものがない)。 父親が警官として殉職し、正義のためなら犯罪者を撃ち殺す ことも躊躇しないデイビスが、今回の事件ではマイケルを 最後まで撃たずあくまで真相究明にこだわる一方、85分署の 悪徳警官たちはとにかく口封じと敵討ちで犯人を撃ち殺そう と必死になるという対比がミソで、単なるバイオレンス映画 ではない微妙な余韻を残してくれました。 [地上波(吹替)] 6点(2023-03-10 23:19:25)(良:1票) |
37. 陪審員
《ネタバレ》 つまらなくはなかったしそこそこ楽しめましたが 映画のテーマが、法廷物なのかサスペンスホラーなのか、母子の絆を 描いたのか、それとも陪審員制度の問題を指摘した社会物なのか、焦 点が定まらず、全てに中途半端だったように思いました。 ボーロウィンはこの手のサイコ的な不気味な男が良く会っていますね。 デミ・ムーアもそこそこ好演していました。 それにしてもラストで鉄砲を食らって急階段を転げ落ちても、まだまだ 元気でゴタクを並べて反撃しようとするティーチャーさん、お前は不死身 かそれともゾンビかと呆れます。この手の過剰演出には正直食傷気味。 [地上波(吹替)] 6点(2023-02-16 21:50:21) |
38. 日本沈没(1973)
《ネタバレ》 長年食わず嫌いで観てはいなかったのを BSでの放送があったので初めて視聴。50年前の作品として評価すれば 頑張って作った感は十分ありました、その後の関西や東北の大地震を 経験し、首都直下型や東南海地震の可能性の高まりなどを受けて単な るSF作品以上のものではあると思います。 但し、はやり50年前の作品で全て模型と実写だと迫力の点では見劣り せざるを得ないし、壮大な物語を映画の尺で表現すること自体がそも そも難しかったのだと思います。 ヒッチコックのように小松左京さんが顔を見せていましたが、本人は この映画をどう思ったのでしょうか。 全編を通じて科学者の視線で日本の滅亡が描かれており、経済的な視点 が欠落していると思います。もし日本が近々水没するとなれば、国債は 暴落、円も暴落、株価も暴落し、人々の脱出パニックの前に経済パニック が起こるのではないかと思いますが、その部分が全く描かれなのはやや リアリティに欠けていたように思います。 原作では玲子ではなく母性の象徴のような麻耶子という別の女性を登場 させ彼女と共にシベリア鉄道で西に向かうところで終わったと記憶して いますが、映画では玲子に両方の役を演じさせて終わっています。 果たして作者の意図が見る側に伝わったのかどうか。 とにかく役者さんが皆若いですね。バブル前夜の高度経済成長期末期の 夢のある時代でした。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2023-02-16 20:18:12) |
39. キャッシュトラック
《ネタバレ》 ここの評価が低いのですが、なかなか見ごた えがありました。 確かに痛快バイオレンスアクションを期待して観ると何とも重った るい感じではありますが、ドンパチ映画の中では秀作の部類に入る のではないでしょうか。 時間が行きつ戻りつしてなかなか凝った構成になっていますし、最後 までハラハラドキドキして飽きることなく一気にラストまで引き込ま れました。 ステイサムの無双(&不死身)は相変わらずですが、彼に対抗する為 の仇役もそれなりの強力布陣を用意してくれていて対決が盛り上がり ました。 最後はリーダーの軍曹との対峙があるのかと思ったら、こちらはあっさ りと仲間にやられてしまってちょっと意外ではありました。まあ最後に 見せ場とばかりにステイサムが皆殺しにするよりもリアル感があった のではと思います。 女性陣に見どころがなかったのですが、不自然に男女の絡みを挿入する よりは良かったかもです。 Hとは一体どういう人物だったのか、なぜFBIのボスから擁護されるのか、 手下たちはどういうグループなのか結局はっきりとは分からずに終わっ てしまいました。ステイサムの一味も結局同業者ということなのでしょ うね。 襲った輸送車から自分たちのボスが現れて、ビビッて退散するシーンは 面白かったのですが、子分たちが勝手に輸送車を襲ったりしたらボスの 統制が取れていないことになってしまいます。 [地上波(吹替)] 6点(2023-02-09 21:13:41) |
40. テイキング・ライブス
《ネタバレ》 やどかりが殻を取り換えるように殺した相手の人生を乗っ取り、 その人生に飽きると別の獲物を物色して殺すサイコパス。その始まりは母親に 愛される一卵性双生児の兄を殺して成り代わったのが最初というプロットは 非常に魅力的であり、物語が単に美人FBI捜査官がサイコパスを追い詰め捕ま えるというありふれたストーリーではないことは評価しますが、いかんせん 実際の内容はご都合主義のてんこ盛りで、あり得ないような展開。 いくら被害者が身内が少なく人間関係が希薄だとは言っても、そう簡単に なり替われるものではないでしょう。 そしてラストの大どんでん返しですけど(事前知識なしでハサミがブスリと出っ 張ったお腹に刺さるジーンを映画館で見たら、卒倒する人がでたんじゃない ですかね)じゃあ7か月間芝居をしていたということなのでしょうか。 いつ現れるかも分からないコスタを待ちながら少しずつお腹の詰め物を大きく していたってこと?そんなの無理でしょう! そもそもどこからが芝居だったのでしょうかね。 もしかして最初から彼が犯人だと分かっていて、Hも芝居の内だったなんてこと になるんでしょうか。 [地上波(吹替)] 6点(2023-01-26 16:04:05) |