21. お茶漬の味
《ネタバレ》 佐分利信を誤解していた。こんなに細かく表情を使い分けできる人とは思わなかった。地味な扱いを受けているこの作品。予定調和を匂わすタイトルと最後の科白が若干のあざとさを感じさせるような気もするが、親と子を映し出す「晩春」「東京物語」のベクトルを夫婦に置き換えた傑作に思えた。妻を怒らすあの食事が最後のお茶漬けに効いてくるとは。自分の環境も多分に影響するでしょう(笑) [DVD(邦画)] 9点(2013-03-08 00:48:08) |
22. ヒューゴの不思議な発明
この製作者達が描く映画愛の方向性が大好き。ただそれだけ。 [DVD(字幕)] 9点(2013-01-04 01:35:04) |
23. ダークナイト(2008)
《ネタバレ》 この完成度はいったい何なのだろう。バットマン物という理由で観ていない人が多いと思うが、SF要素を除けばアメコミヒーローが出なくても難なく成立してしまうように感じる。これは良い意味で特異な映画だと思う。脇を固める名優が力が入っているのも頷ける。 [DVD(字幕)] 9点(2012-12-09 16:37:23) |
24. 恋するトマト
重たいテーマを含め完成度はかなり高いように思う。こういう映画が評価されなきゃ悲しい。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2012-01-25 02:01:17) |
25. 丹下左膳餘話 百萬兩の壺
鑑賞して数日経つが、何だこの余韻!昭和10年にこのテンポの映画が作られていたとは素直に驚く。勝手な期待の大きさを裏切らない、山中貞雄恐るべし。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2010-07-13 23:09:06) |
26. ハッピーフライト(2008)
矢口監督にもっと映画を撮らさせてあげたい。正直そう思いました。全日空へ1点追加。 [映画館(邦画)] 9点(2009-01-31 00:31:31) |
27. スケアクロウ
《ネタバレ》 1本のマッチを起点に傲慢と優柔不断を見事に変化させていく。どんどんくたびれてゆく粗末なプレゼント箱にそれが投影されており、捨てられたときにフランシスの希望はその箱からマックスへ代わっていくのか。マックスが靴で机を叩く音に彼の決意を埋め込む。不器用な男二人を描く秀作だ。 [DVD(字幕)] 9点(2009-01-14 01:02:12) |
28. ボーン・アルティメイタム
これが起承転結の「転」のみの役割だとすると、個人的には次作の「結」はキビシイような気がする。1.2作を無駄にしない見事な出来映え。アクションシーンは不快感を誘発しそうなカメラワークが逆に秀逸。 [DVD(字幕)] 9点(2008-04-29 02:25:35) |
29. 善き人のためのソナタ
《ネタバレ》 あれだけの境遇の落差を覚悟出来たはずなのに、ヴィースラー大尉の心境変化があの曲を本気で聴いてしまったから、それだけに求めるのは根拠希薄か。導入部、あの講義の中で普通に異議を述べる学生の存在、それに×を付けさせるあたりに時代の変化を要因とさせる伏線なのだろう。しかし、その空気をドイツでしか深くは理解されまい。これが10点を付けない理由なのだが。それはともかく素晴らしい作品、しびれた。 [DVD(字幕)] 9点(2007-10-08 00:40:28) |
30. スティング
起承転結、メリハリ、文句なし。 [DVD(字幕)] 9点(2007-10-02 00:15:30) |
31. 遥かなる山の呼び声
自分が高倉健さん追悼観賞に選んだのはこの作品でした。たとえばこの内容を人に伝えなければならなかったとしたら、ただ健さんが良いんだ!みたいな響かない言葉になるのだろうし、間違いなく時代遅れの古くてカビ臭い話といった説明になっているだろう。確かに部分部分を切り取れば悲しいほどベタベタだ。しかし、それを丹念に積み重ねていくことで、安心感を求めて何度も観たくなる良質なベタの教科書的作品になっているような気がする。 [DVD(邦画)] 9点(2007-08-06 18:34:10) |
32. 日本のいちばん長い日(1967)
昔一度観て面白かった記憶がある。最近原作が大宅壮一編から半藤一利著に変更されたらしいが、そのおかげで偶然読む機会を得た。あまりの面白さに、さて映画ではどうなっていたのだろうと確認したく大急ぎでレンタル屋に走った。良い。これだけの大作、最良の時期であろう岡本喜八が丹念に映像化しており、この劇的な史実に余分な脚色を加えていないことが逆にとても好感。それにしても東宝35周年記念作ということで、豪華出演陣に舌を巻く。中でも阿南大将が乗り移ったかのような三船敏郎の圧倒的存在感に絶句。ついでながら、その時代まで邦画を支えてきた黒澤組の三船と小津組の笠が対峙する場面は妙に感慨深い。展開としては日本版元祖「24」。深遠な史実の内容にはここでは触れないが、もしこの映画を観る方は新たに判明した事実を加えた本を読んでからが絶対にお薦め。 [DVD(邦画)] 9点(2007-03-13 22:23:22)(良:1票) |
33. それでもボクはやってない
《ネタバレ》 やはり周防監督は只者では無い。正直、ずっとコメディを待っていたはずが、まったく違う分野でまざまざと力量を見せつけられた。目撃者の存在とその女性が見つかる過程に安直さを感じさせたが、でもそれをわざと利用しないところを逆に評価したい。設定に手抜きが無く、丹念に調べ尽くされ、近い将来に始まる陪審員制度に対してもある意味影響を与えるだろう。蛇足ながらあの最初の裁判長は俳優なのだろうか、妙な話、彼を見いだした時点で、法廷物としての完成度が揺るぎないこととなった。 [映画館(邦画)] 9点(2007-01-26 01:28:46) |
34. 亀は意外と速く泳ぐ
かなり、ツボ。花○進呈。「忘れた頃に突然スパイ指令が来る」続編希望。「亀は意外と速く泳ぐⅡ」これだけで笑える。 [DVD(邦画)] 9点(2006-11-08 19:37:12) |
35. スミス都へ行く
念願がかないやっと鑑賞できた。どうであれ想像はしていたものの、この直球ど真ん中を今まで知らなかったことに焦りすら感じた。 [DVD(字幕)] 9点(2006-08-26 21:20:30) |
36. 阿弥陀堂だより
《ネタバレ》 老若男女というものを含め、今自分の持つあらゆる背景により一番評価が左右される作品だろう。はっきり良とできる強調材料は北林谷栄(さすが)と樋口可南子(失礼ながら以外だった)の配役の妙ぐらいなのかもしれないが、逆に目立つ欠点も感じず安心して鑑賞できる映画だったように思う。自分の「今」に合っていたのかな。余韻がとても快い。ただ、「服と車」。原作の表現を知らないが、狙いは理解するにしても、この描写は少々あざとい。 [DVD(邦画)] 9点(2006-05-04 00:22:43) |
37. 張り込み(1987)
《ネタバレ》 コメディ・刑事物を見事に両立。封切り時に好印象の覚えあり、やっと再確認。R・ドレイファス、おそろしいくらいのはまり役。 [DVD(字幕)] 9点(2006-04-30 02:47:08) |
38. 男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け
逆に言えば、ここまでシリーズが続いても寅さんでこんなに素晴らしい作品が出来たなんて、本当に凄い。ラストの東京へ向かって手を合わせるシーン、最高です。 [DVD(字幕)] 9点(2005-11-23 00:17:25)(良:2票) |
39. 幕末太陽傳
何と軽快なことか!全体にもの悲しさを感じ、自分は喜劇とは思わない。それにしても落語の映画化として見た場合、他に感じたことのないおそろしいくらいの力を持っているように思う。ただただ凄い。蛇足ながら若い岡田真澄だけはいかがなものか。 [DVD(字幕)] 9点(2005-07-13 01:23:14) |
40. ミリオンダラー・ベイビー
何か本当のプロの作品を見せて貰った気がする。ありがとう。 [映画館(字幕)] 9点(2005-06-12 23:39:48) |