21. ネル
ジョディーFの情熱は本当に凄い。何もそこまでと思わぬこともない。彼女は常にギリギリの人間を描きたいと考えているのでしょう。容赦なく。 5点(2003-02-27 12:26:09) |
22. 都会のアリス
フテブテシく我侭なアリス、イェラ・ロットレンダーが何とも魅力的。パリテキのハンター少年くらい素晴らしい。ヴェンダースは金髪の子供に相当なこだわりがあるのでしょうね。空撮のラストの余韻に酔いました。〝天使の視点〟とはよく言ったものです 9点(2003-02-25 13:00:46) |
23. 仕立て屋の恋
単なるサスペンスの域を越えて、世間から孤絶した男の過剰で病的なロマンティシズム(まるでドストエフスキーの登場人物です)を深く染み込ませるあたり、ルコントの懐の深さを感じます。寒々しい青の色調が効いてます!禿が悲しい 7点(2003-02-24 10:17:38) |
24. ショコラ(2000)
愛すべき珠玉の名編。チョコレートの甘さと、隠喩としての欲望が、ジュリエット・ビノシュの情感と放逸さにぴたっとマッチ。寝物語の北風のエピソードが、チリペッパーのように効いています 8点(2003-02-12 08:38:26) |
25. 日の名残り
大人が充分に堪能できる綺麗な映画でした。原作、映画とも素晴らしい。英国マナーハウスの厳格さ、執事とは何かという哲学、その矜持を揺らす淡い恋愛感情。アンソニーポプキンズが完璧に演じてます。彼の右に出る性格俳優はいないのでは。 9点(2003-02-06 12:41:07) |
26. ハンニバル(2001)
↓ちょんぎったら9点!には大笑い。何にしてもグロのやり過ぎ。羊たちの沈黙の続編には思えない。ジョディフォスターだったら、一味は違ってたかなとも思う。ジュリアンムーアも聡明そうで悪くないけど、神秘性がない。レクターと対峙する獰猛さもない。 5点(2003-01-23 12:50:10) |
27. ザ・ファン
さすがデニーロといったところか。ストーリーは駄目だがギリギリで踏ん張り切れた感あり。他の薄っぺらな俳優だったら失敗してたと思います。残酷な現実に追いつめられていくリアリティや自己発現に失敗した辛さや悲しみは、タクシードライバーのトラビスのそれと通底していますね。デニーロ本人の内奥なんでしょうか 6点(2003-01-23 12:37:35) |
28. スティーヴン・キング/痩せゆく男
グイグイ引き込むストーリー展開は、原作がSキングだけあって、やはり見事でした!だけどラストの処理がいかにも無理矢理ぽくて稚拙な感じがしました(キングの物語は往々にしてラストが雑になる)。それは、全体を通じて主人公である痩せゆく男の、家族に対する心の描き方が雑なため、ストロベリーパイ登場から最後のシーンまでの主人公の行動の蓋然性が弱くなってしまっているためですねー 5点(2003-01-06 12:43:21)(良:1票) |
29. オータム・イン・ニューヨーク
意味ありげな伏線らしきものがあるが、後から考えても釈然としない部分が少なくない。つまり登場人物たちの精神状態や台詞の蓋然性が弱く薄い。リチャードギアに対する前半の貶し過ぎはいただけない。後半も、歴年のプレイボーイがあんな簡単に改心して貰っても困る。いかにもうそ臭い。そしてウィノナライダーの心情にも蓋然性が感じられない。社交界に名を馳せた色男に俗物的な関心を覚えているとしか思えないのだが、なぜあれほどのめりこんでしまうのか解らない。どんなに陳腐なメロドラマであっても蓋然性があれば観れるもの。その点においてこれは根本的に失敗している作品です。 3点(2002-10-28 09:25:40) |
30. アメリカン・ヒストリーX
これがアメリカの現実なのでしょう。衝撃的でした。しかしこの映画、あの兄弟二人がレイシズムに傾倒していく理由、またそこから抜け出す理由が全く描けていないので、物語としては駄目な気がする。テーマと俳優陣の演技が素晴らしいだけに、この蓋然性の欠如は何とも惜しい。 5点(2002-10-21 18:43:51) |
31. ハートに火をつけて
ジョディーフォスターとデニスホッパーの2ショットだけが嬉しい。 4点(2002-09-03 12:40:22) |
32. 愛と追憶の日々
ジャック・ニコルソンの演技が素晴らしい。やはり天才俳優です。彼の演技を見るだけでも、この映画、価値があります。 7点(2002-08-27 12:37:04) |
33. リービング・ラスベガス
全編スティングの曲で統一されて、一見オシャレな感じのする映画だけど、このデカダンはかなり深い。俺の彼女はこれを観てむせび泣いていた。彼女の過去にどんな秘密が!破滅に向かっていく怖さと、お互いの全てを許し許される究極の癒し。これは危険な映画です 7点(2002-08-12 12:45:13) |
34. グラディエーター
ホアキン・フェニックスの屈折した演技と、コニー・ニールセンの意志の篭められた美しさがいい。ラッセル・クロウの強烈な男臭さが貴重であることは認めるが果たして演技力を誉めるべきなのかどうか、ちょっと難しいところだ。単純な俳優に見えてしかたない 6点(2002-07-30 18:41:58) |
35. テス
亡き妻、シャロン・テートへのオマージュの言葉から始まるのが悲しい。この映画は何と言ってもナスターシャ・キンスキー扮するテスの魅力に尽きる。上映時間3時間弱とかなりの長編のため中弛みしてしまうという意見もあるようだが、極力冗長な状況説明を排し、簡潔にストーリーを紡ぐポランスキーの演出はいつもの如く冴えわたり、観るものを放さない。そしてやはり映像美だ。夕暮れの草原で村の娘たちがダンスを楽しんでいるシーンの美しさに初っ端から打たれ、ラスト、逃亡の旅の果てに辿り着く月光に照らされたストーンヘッジと、朝の淡い光の中で巨石に身を横たえるキンスキーの美しさにため息が出る。こういう女性の描き方が好きな人は多いと思うなあ。 9点(2002-07-30 13:05:13) |
36. リトル・ダンサー
ジェンダーや古臭い慣習やイデオロギーは新しい時代の波に飲み込まれ、人々の希望として残っていくのは、〝ダンスへの欲望〟〝才能への賛美〟となる。親父や兄貴の厳しい現実。彼等を愛しながら自分の才能に気づき始めるビリーの心の揺れを描く当たりが繊細でいい。女コーチに悪態を垂れて、その後彼女の肩で泣くシーンなんか、いいシーンだと思いました。演技も上手。 8点(2002-07-08 12:34:05) |
37. サムシング・ワイルド
↓同感。羊たちの沈黙を作る前のジョナサンデミ。やっぱりに才気に溢れてる。楽しめるよ、これ。 9点(2002-06-28 12:40:09) |
38. 突入せよ! あさま山荘事件
厳密なリアルズムを追求した映画と聞いて、もう少し骨のある社会派ドラマなのかと大きな期待を寄せて観にいった分、少々落胆した。役者陣の演技は素晴らしい。ただあの事件の時代背景が全く無く、登場人物も佐々だけに光が照射され過ぎるきらいもあり、警察アクションドラマ風なところが鼻についた。警察側からの視点だけでなく、犯人のキャラや時代背景を2時間の枠の中に全てブチ込むのは無理があるとしても、もう少しあの事件の薄暗い根底、日本赤軍を生み落とした日本の土壌について説明がないと深みに欠ける。演出もカメラも独特で才能の迸りを感じるだけに、とてももったいないような気がした。 5点(2002-05-24 12:50:40) |
39. 白い家の少女
一流のサスペンス。瞬きするのも惜しむように画面に釘付けだった理由は、その脚本の優秀さだけではない。ジョディ・フォスターとマーティン・シーンのただならぬ存在感によるところが大きい。特にジョディについては圧倒されてしまう。それにしても、この年(1976年)のジョディの出演作(タクシードライバー、ダウンタウン物語、白い家の少女)の質は素晴らしい。 8点(2002-03-19 12:52:52) |
40. 17歳のカルテ
内省を覚え自己分析する事が快復であり成熟した証だと医者(社会)はいうけれど、実はそんな事は全部嘘っぱちで、本当はただ制度に絡めとられているだけじゃないのか。真実の鏡を標傍して悪びれないリサの存在が恐ろしいのと同時にとても面白く、どこか清冽ささえ感じさせるのは、誰もがそのことに少なからず気付いているからだと思う。でもその結果は病院のベッドに手足を縛り付けられている現実がある。デタラメで退屈で理不尽で、辛い事も沢山あるけれど、それでもそこで生きていく事を選んだスザンナに僕は共感する。甘美な死から平凡な生へ。でも平凡の裏にはとても過激な真実があるんだと云う事を覚悟して生き延びていくのは決して格好悪いことじゃない。そんな風に感じました。な~んてね。 7点(2002-02-19 13:09:15) |